このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

名馬・あの瞬間

平成13年「優駿牝馬(オークス)」
優勝馬レディパステル

 「オークス」というと、何か応援している馬が負けてしまったレースばっかりが 思い浮かんでしまいます。スピードタイプの馬が好きな自分としては、 「桜花賞」で活躍した馬を応援することが多いのがその最たる原因かなと 思います。

 今回紹介する平成13年のレースも、「桜花賞」を圧勝したテイエムオーシャンが 2冠を獲れるのかどうかに注目して見ていました。もちろん大本命は テイエムオーシャンでした。

 レースの方は、4コーナーを迎えるまでほぼ一団で展開。普通は4コーナー 手前当たりで仕掛ける馬や脱落する馬がいて馬群がばらけ始めるのですが、 この年はみんな直線勝負を意識したのか、一団のまま直線に向くという 「不規則?」なレースでした。

 そんな中で桜の女王のオーシャンは、満を持して追い出した・・・と思った ところ、先に抜け出したのは、オーシャンを徹底的にマークしていたローズバド でした。

 完全なる瞬発力の差!一瞬の切れ味のないオーシャンに対して、瞬発力が 自慢のローズバドがオーシャンの外から1馬身くらい出し抜くのに成功。 オーシャンの方も バテたわけではないので、こっから巻き返しをと図るのですが、ここで 偶然か故意かはわかりませんが、ローズバドが内で粘っているアデレードシチー と馬体を併せにいったために、オーシャンの抜け出す進路が塞がれてしまう という不利。体勢の立て直しを余儀なくされたオーシャンを尻目に、 ローズバドが完全に先頭に立ちました。

 しかし、このレースのドラマには、まだ続きがありました。 ローズバドが完全に抜け出して勝ったかなと思った瞬間、大外から こちらも瞬発力自慢のレディパステルが一気の追い込み。そして、ゴール寸前で 脚が上がってしまったローズバドをかわして先頭でゴールイン!

 結果、1着レディパステル、2着ローズバド、テイエムオーシャンは前の 2頭からは離された3着に敗戦。最後の坂を上がってからもう1度伸びている だけに、坂下で前が詰まってしまった不利が痛かったです。というか、その 原因となったローズバドとの瞬発力の差、これが最大の敗因だったと思いました。 そう考えると、直線の瞬発力比べになるという一団で流れたレース展開のあやが 勝敗を分けたのかなと思います。 そういう意味で、このレース、非常に印象に残っています。

 秋になって、牝馬3冠の最終戦の「秋華賞」。「オークス」の上位3頭の 再戦となったのですが、ここではオーシャンがローズバド、レディパステル を抑えて優勝。その結果から判断しても、「オークス」でのオーシャンの敗因が 力負けではないということが判ります。個人的に、関西リーディング上位の常連で ありながら、なかなかG1に縁のなかった本田騎手とのコンビという点でも テイエムオーシャンには3冠獲って欲しかったなぁと思っていたのですが、 叶わなかったですね。

 勝ったレディパステルは、「オークス」のトライアルである「フローラ ステークス」の2着馬で、東京コースに強いトニービン産駒ということで 戦前から穴馬の一頭に上げられてました。鞍上はアメリカのデザーモ騎手。 単騎免許で来日中で、日本のG1はこれが初勝利でした。

 オークス馬は、オークスを勝った時点で力を使い果たしたのか、 その後あまり活躍しない馬が多いのですが、レディパステルは古馬になってからも 息の長い活躍をした馬でした。G1こそこの「オークス」の1勝だけでしたが、 古馬になってから重賞を2勝。2着とか3着とかいった惜敗が多かったのも 印象に残っています。願わくば、もう1度デザーモ騎手とのコンビが見てみたかったですね。

 ちなみに、この「オークス」では、後にG1の「帝王賞」を勝つことになる ネームヴァリューも出走していました。単勝の人気が18頭中の18番人気 だったのは、その後の活躍を考えると意外ですね。あと、初めて「NHK マイルカップ」で馬券に絡んだ馬の参戦(サマーキャンドル)もあって、 そういった意味でも興味深い一戦です。本番前は「桜花賞」の3着と 「マイルカップ」の3着とではどっちが強いんだろう?ってかなり楽しみ でしたから。

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