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名馬・あの瞬間平成１４年「東京優駿（日本ダービー）」 |
| 平成１４年の春の３歳Ｇ１シリーズの主役はタニノギムレットでした。 年明けの「シンザン記念」を快勝。その後、「アーリントンカップ」 「スプリングステークス」を圧勝して重賞３連勝でいよいよ本番を迎えました。 私は、タニノギムレットの圧倒的な能力なら、クラシック３冠はもちろん、 「ＮＨＫマイルカップ」まで含めた４冠全てを勝つのも夢ではないと思ってました。 実際、陣営も「皐月賞」の後は「ＮＨＫマイルカップ」に向かうことを公言 しており、そういった意味でも未だかつて無い大記録へのチャレンジに 胸がわくわくしていました。 ところが・・・、１冠目を狙った「皐月賞」で、まさかの３着敗退。 それも、極端に内外で馬場の良し悪しの差があるという馬場状態に泣かされた もので、ただでさえ経済コースの内側が馬場がメチャメチャ良いのにも関わらず、 外枠を引いたために終始馬場の悪い大外を回っての競馬。これで、インを 突いたノーリーズン、タイガーカフェの２頭に残られてしまい、外を回った 組の中ではダントツの競馬をしたものの３着ということで、かなり運のない 競馬でした。まともな馬場状態ならどれだけ突き抜けていたのだろう？ 巻き返しを図ったギムレットは当初の予定通り「ＮＨＫマイルカップ」に 出走。「皐月賞」で人気になった馬の参戦は珍しく、非常に盛り上がった 一戦となったのですが、今度は最後の直線に入ったところで、思いっきり 周りが壁となってしまい、馬群から出てこれないという厳しい展開。 なもんで、最後ようやく馬群から抜け出した時には前の体勢は決しており、 テレグノシス、アグネスソニックという「スプリングステークス」では 完璧に叩きのめした相手に先着を許してしまうという結果。競馬をしたのが 最後の１００ｍだけで、それでも３着まで押し上げた脚を見てると、まともに 追い出してれば楽勝だったなと凄い悔しかったです。 そんなわけで、春だけで３冠を狙ったにも関わらず、未だ無冠のまま迎えた 「ダービー」。今年の３歳で一番強いのはこの馬だと思っていたので、何としても １つはＧ１のタイトルを獲らしてあげたい！そういう気持ちでいっぱいな 「ダービー」でした。 人気はやっぱりタニノギムレット。前２走は明らかな不利があったことも あって、まともに走ればというのがファンの一致した意見ということでしょう。 そして２番人気には皐月賞馬ノーリーズン、３番人気に、 トライアルの「青葉賞」を圧勝したシンボリクリスエスが押されました。 レースの方は、大方の予想通りサンヴァレーが引っ張る展開。タニノギムレットは 後方待機策。そして勝負どころの４コーナー。今日は「皐月賞」の時と 違って内外でそんなに差は無い馬場状態。そして前が壁にならないようにと、 思いっきり外に進路を取るギムレット。 満を持して武豊騎手が追い出すと、内の方で頑張るシンボリクリスエスや マチカネアカツキ、ゴールドアリュールといった連中を尻目に、大外を 豪快に突きぬけ、完勝ともいえる内容でゴールイン！遂に、念願のＧ１の タイトルを手にした瞬間でした。 ２着にはシンボリクリスエス。後にＧ１を４つも勝った名馬相手の完勝で、 やっぱりタニノギムレットは一番強いんだ！ということを見せ付ける 内容でしたね。 ちなみに、ノーリーズンは８着、テレグノシスは１１着・・・。 残念な結果でした。 秋は「菊花賞」から「ジャパンカップ」へ、という王道路線を期待した ギムレットですが、屈腱炎を発症してしまい１度も走ることなく現役を引退。 そういった意味でも、もし「ダービー」も負けていたら、Ｇ１ホースにも なれなかったわけで、この「ダービー」の勝利は本当に大きかったと思います。 そういえば、「シンザン記念」の勝ち馬はクラシックを勝てない。そんな ジンクスがありました。かつてナムラコクオーが「シンザン記念」を 勝ったときに、実況の杉本アナが「今年はシンザン記念からクラシックホース が誕生しそうだ！」と実況したのをよく覚えていますが、ナムラコクオーも、 「桜花賞」で１番人気に押されたダンツシリウスも、牝馬ならということで 期待されたフサイチエアデールも結局はクラシックだけでなく、Ｇ１レースには 縁がなく終わってしまいました。タニノギムレットが「皐月賞」「ＮＨＫマイルカップ」 と負け続けたときに、ふとこのジンクスが頭をよぎったのですが、そんな ジンクスにも打ち勝ったということで良かったなというのも印象に残っています。 タニノギムレットの果たせなかった３歳４冠の夢は、後輩達がいつか 達成して欲しい私の夢でもあります。そんな馬出てこないかなぁ・・・。 |
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