このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

名馬・あの瞬間

平成13年「小倉サマージャンプ」
優勝馬ヒサコーボンバー

 今週は、小倉競馬場の夏の名物レース「小倉サマージャンプ」が行われます。 今年のJRAの障害の重賞競走で、唯一日曜日に開催されるレースでもあります。

 中京や新潟、福島といったローカルの競馬場の場合、障害コースは 平地のレースの芝コースの上に障害を置いてレースを行っていますが、 小倉だけは例外で、東京や中山といった中央場所と同じようにダートコースの 内側に専用の障害コースが設けられているのが大きな特徴です。 本当に小さな競馬場なので、よく障害専用コースを作ったなぁなんて 思うわけでもあるのですが、 そんな こともあってなのか、「小倉サマージャンプ」は、 数ある障害の重賞の中でも特に好きなレースの1つです。

 その中でも、特に印象に残っているのが、ヒサコーボンバーが勝った 平成13年のレースです。その最大の理由が、6番人気だったヒサコーボンバー を本命にした予想が大的中したからです。こんな会心の予想は滅多にないもんで、 かなり印象に残ってるのと同時に、この勝利でヒサコーボンバーという馬が一気に 好きになりました。

 実は、その前年の「小倉サマージャンプ」で、ヒサコーボンバーは 1番人気でした。当時は、春の「阪神スプリングジャンプ」の優勝を含めて、 オープン戦を5連勝中。メチャメチャ注目されていながら、正面スタンド前の 水濠障害で飛越に失敗してしまい6着と敗戦・・・。

 その後、休養を挟んだ後レースに復帰しますが、かつての連勝した勢いは どこにいってしまったのか連戦連敗が続き、1年経った後には完全に伏兵 扱いの状況でした。

 しかし、なぜかわからないですけど、直感的にこの馬は1年前の借りを返して 復活するんだ!なんて思って、ほとんど自信はなかったんですけど、 掲示板の予想で◎を打ちました。

 人気の方は、障害入りしてから未勝利→重賞と2連勝中のカネトシガバナーが 1番人気。以下ロングランニング、ブレーブテンダーと続きました。

 レースの方は、最初の障害でいきなりロンシャンエースが落馬するという 波乱の展開。そんな中、逃げたのは前年の勝ち馬のレガシーロック。これは前年と同じ 展開。ヒサコーボンバーは、これまた前年に続いてレガシーロックを マークするように2番手追走。

 そして運命の正面スタンド前の水濠障害。前年はここで失敗したのが 響いて負けただけに、かなり注目の飛越だったのですが、今回は無事飛越 成功。しかも、飛び越えた後のコーナーで、逃げていたレガシーロックを かわして一気に先頭に立つという物凄い行きっぷり。

 その後、ロングランニングがヒサコーボンバーをかわして先頭に立ちますが 、この馬が向こう正面の 障害で飛越に失敗して大きく下がるという不利。その隙をついて再び 先頭に踊り出るヒサコーボンバー。

 すると今度はハクサンラッキーがスパートしてヒサコーボンバーをかわしに かかりますが、行きっぷりのよいヒサコーボンバーは最後の直線に入ると 逆に突き放す展開。

 結局、最後の方は常に先頭に立ったままでゴールイン。前の年の「阪神 スプリングジャンプ」に続く重賞2勝目と同時に、鞍上の高田騎手には 嬉しい重賞初勝利となりました。

 2着には最後巻き返してきたロングランニングが入り、人気だった カネトシガバナーは全く見せ場も作れないまま最後方での入線。結果的に かなり荒れたレースになりました。

 ヒサコーボンバーというと、障害で活躍した馬だったというのと同じくらい 印象に残っているのが、お父さんがサンキョーショウリという物凄い マイナーな種牡馬の子供だっていうことです。凄い地味な血統だったのも、 この馬を応援したくなることの1つの大きな要因だったなぁ・・・と 思い返しながら、あの芦毛の名馬の活躍を振り返ってみました。

 ちなみに、この翌年の平成14年の「小倉サマージャンプ」でも、 ヒサコーボンバーは2着と健闘しました。結局、これが最後のレースとなったのですが、 とことん小倉と縁のある馬だったなぁと思います。調べてみたら、 初めての特別勝ち(「豊国ジャンプステークス」)も、小倉だったんですね。

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