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名馬・あの瞬間平成15年「JBCスプリント」 |
強い馬には、是非とも「G1」のタイトルを獲って欲しい! そう願うのが、競馬ファンの強い想いなのですが、G1のタイトルを 獲るというのには実力だけじゃなく運も大きく必要となってきます。 特に、G1レースの少ない路線を歩む馬にとっては、G1に出走 するだけでも相当の運を使いますし、さらにそこに万全の体調で 登場するのにさらに運を使って、それでいてレースでまともに走れるか どうかっていうのにも運を使います。そして、そこまで上手くいっても、 たまたま超強力なライバルがいたために、時代に泣いた名馬も数多く いました。 サウスヴィグラスは、間違いなくダートの短距離王でした。 ただ、ダートの短距離戦の場合、日本国内のG1レースは「JBCスプリント」 1つしかありません。 だから、サウスヴィグラスがG1のタイトルを獲ろうと思ったら、 この「JBCスプリント」に出るか、海外遠征するか、 路線変更して距離の長いレースを 使うか、芝のレースを使うかしかないわけなのですが、 1番充実していた重賞4連勝中で 絶対的な王者であった6歳のとき、「JBC」の時期は脚部不安のために 休養中。なもんで、G1奪取への最初の関門の「出走」の時点で 涙を飲みました。 あれから1年。 7歳になったサウスヴィグラスは、その後も故障明けだった「根岸 ステークス」でいきなり好メンバー相手にあっさりと勝ってしまい、 一番なのは自分だということをしっかりとアピール。 しかし、春シーズンの最大目標にしていたドバイ遠征は、G1の タイトルがないせいか招待されずに出走できませんでした・・・。 それでも、夏には「北海道スプリントカップ」を強い内容勝って、とうとう 重賞6連勝を達成。この時の強さを見ていると、本当にこの馬が真の王者 なんだなって誰もが思いました。 となると、どうしてもG1のタイトルを獲らせてあげたい。 その後、秋の「JBCスプリント」1本に目標を絞るサウスヴィグラス 陣営。前年は、このレースに出走することができなかったことを考えると、 まずは何としても出走にこぎつけたいところでした。 「JBC」の前哨戦となった「東京盃」で、ハタノアドニスに 負けてしまい連勝はストップしてしまいましたが、それでも、 一叩きだったことを考えると、まずまずの内容。 そして迎えた、11月3日。大井競馬場。 この年の「JBC」は大井競馬場で行われました。この時は、月曜日の開催で、 JRAでも馬券を売ったことから、いつもはナイターの大井競馬が、 昼間の開催で行われました。 あいにくの雨の悪コンディション。しかし、サウスヴィグラスは、 無事に馬場に姿を現しました。 人気の方は、「東京盃」を圧勝した地元大井のハタノアドニスが1番 人気。 目下3連勝中の上がり馬マイネルセレクトが2番人気。 サウスヴィグラスは、前走の負けで評価を落として3番人気。 そして、前年の勝ち馬のスターリングローズが4番人気で、この年の 南関東2冠馬のナイキアディライトが5番人気、古豪ノボトゥルーが 6番人気、一昨年の勝ち馬のノボジャックが7番人気ということで、 この辺までがサウスヴィグラスのライバル達でした。 レースの方は、1番スタートが良かったのがサウスヴィグラス。 そのまま逃げてもいいところだったのですが、無理をせずに押える 展開に。 替わって逃げたのはナイキアディライト。そして、ハタノアドニスが 2番手と南関東勢が引っ張る展開。 控えたサウスヴィグラスが3番手追走で、その後ろにマイネルセレクト とスターリングローズが続く展開。 そして4コーナー。 逃げる2頭を馬なりでかわしていくサウスヴィグラス。 それを懸命にハタノアドニスが追いますが、なかなか差が詰まらない・・・。 必至に逃げ込みをはかるサウスヴィグラス。 と、ゴール前では、今度はマイネルセレクトがよく伸びて急襲。最後は、 首の上げ下げまでの接戦となりましたが、写真判定の末に、わずかに ハナ差でサウスヴィグラスが逃げ切り勝ち。 当初からこのレースを最後に引退を表明していたサウスヴィグラス ですが、最後の最後にようやく王者にふさわしい「G1馬」の称号を 手にした瞬間でした。 しかも、レコードのおまけつき。この時は、スタンド改修工事の 関係で、距離が1190mだったのですが、その勝ち時計が 1分9秒7。当時の大井の1200mのレコードタイムが1分10秒2 だったのですから、あの展開ならあと10m走ってもこのタイムを 破ったてたかもしれないんじゃないかなって思います。それくらい、価値のレコード でしたね! ちなみに、この時惜しくも2着だったマイネルセレクトは、翌年の このレースで優勝。ということで、第3回目だった、この平成15年の 「JBCスプリント」には。第1回から第4回までの歴代チャンピオンが 全て出走したという物凄い豪華メンバーになったんですね。 その中でしっかりと勝利したサウスヴィグラスは、やっぱり王者 と呼ぶのにふさわしい馬だったと思います。 |
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