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名馬・あの瞬間平成１２年「ＣＢＣ賞」 |
| 今週は、中京競馬場で、短距離の重賞の「ＣＢＣ賞」が行われます。 「ＣＢＣ賞」と聞いて思い出すのは、トロットスターが勝ったときですね。当時は、 まだ上り馬だったこともあって、初の重賞制覇だったのですが、その勝ちっぷりの良さから、 この馬は将来はＧ１も獲っちゃうんじゃないかって思い、実際に、翌年の 「高松宮記念」と「スプリンターズステークス」の１２００ｍのＧ１を２つとも獲って しまったほどで、そういった意味では、短距離王トロットスターの出世レースとなった 一戦でした。 トロットスターという馬を、初めて注目することとなったのは、３歳夏の中京の 重賞「中日スポーツ賞４歳ステークス」でした。この時は２着だったのですが、レース内容 が良かったので、この馬はこの先も重賞戦線で活躍できる馬だなと思いました。 ただ、その頃は、Ｇ１で活躍するようになるとまでは思わなく、４歳春の「安田記念」で ５着になった時も、よく５着に入ったなといった感じで、５着でも大健闘かなって 評価の馬でした。 ところが、４歳の秋になって完全に本格化。しばらく勝てないレースが続いていたのが、 嘘かのように、オープン特別とはいえ「オーロカップ」を圧勝。その圧勝の勢いに乗って、 初重賞制覇を目指したのが、暮れの中京の「ＣＢＣ賞」でした。 この年の「ＣＢＣ賞」は、かなりの好メンバーが揃いました。「スプリンターズステークス」の 勝ち馬が２頭（ブラックホークとマイネルラヴ）も出てきた上に、後に重賞戦線で活躍 した馬も何頭かいて、Ｇ１でもおかしくないくらいメンバーが揃った年でした。 そんな中で、１番人気に推されたのがトロットスターでした。まだ重賞未勝利とはいえ、 前走の強い勝ち方から、Ｇ１馬が相手でも勝てるのでは、という期待込みの評価でした。 レースの方は、３歳馬ユーワファルコンの逃げでスタート。この馬は、春に中京の １２００ｍの重賞を勝っている馬だけに、コース適性もあり、距離適性もあり、さらに 勢いもある馬ということで、かなりのハイペースでの逃げでしたが、それでも逃げ粘りそうな 感じの逃げとなりました。 そんなペースの中、内枠だったトロットスターは、終始インコースを走る展開に。 この馬は、最後の直線で大外に持ち出したほうが伸びるタイプだと思っていたので、 正直、経済コースとはいえ、インに押し込まれるような位置で走っているのは不安でした。 最後の直線で、馬群を割れるのか？ しかし、運が良かったことに、トロットスターの前を走っていたのが、短距離王の ブラックホーク（２番人気）だったことです。４コーナーを回ると、ブラックホークが、 抜群の手ごたえで馬群をさばききって、逃げるユーワファルコンを外からかわし先頭に 立つ体勢に。 ここで、トロットスターは、上手くブラックホークの通った後を抜けていくという 展開で大外に持ち出すのに成功。結果的に、４コーナーを一番コースロスなく回ることが できたこともあって、最後の直線に入っても余力十分。 最後は、逃げ込みをはかるブラックホークを、外から一気にかわしさり、重賞初制覇 のゴールイン。 Ｇ１馬ブラックホークを、並ぶ間もなくかわし去った脚は、将来のＧ１奪取への大きな 展望を感じさせました。 この後、トロットスターは、Ｇ３の「シルクロードステークス」も快勝した後、 Ｇ１の「高松宮記念」に出走し、見事に重賞３連勝でＧ１ホースになりました。 この「高松宮記念」は、「ＣＢＣ賞」と同じ中京の芝１２００ｍで行われ、２着馬も 同じブラックホークだったのが何か因縁めいていて印象に残っています。 さらに、この馬の快進撃は続き、休養を挟んで出走した秋の「スプリンターズステークス」 では、休み明けで調整不足と報じられながらも、レコードで快勝。重賞４連勝。Ｇ１も ２連勝ということで、まさに短距離の王者な走りでした。 しかし、ここで無理をしたのが応えたのか、その後は全く持っての不振続き・・・。 得意の短距離船でも全く伸びてこずに惨敗というパターンが続き、初重賞勝ちから２年後の 「ＣＢＣ賞」を最後に、引退してしまいました。最後は、なんか尻切れとんぼみたいな 感じで、物足りなかったのが本当に残念でした。 ただ、初めて重賞で連対したのが中京の１２００ｍ、初重賞も中京の１２００ｍ、 初Ｇ１も中京の１２００ｍで、引退レースも中京の１２００ｍということで、 中京競馬場芝１２００ｍというコースに、 この馬ほどゆかりのある馬はいないと思います。 |
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