このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

名馬・あの瞬間

平成6年「アーリントンカップ」
優勝馬メルシーステージ

 子供の活躍によって、お父さんの人生までも大きく変わってしまう。 そんなドラマのような孝行息子ストーリーを作ったのが、平成6年の 「アーリントンカップ」の勝ち馬のメルシーステージでした。

 メルシーステージのお父さんは、ステートジャガー。南関東や東海の 公営競馬で活躍した後、中央入り。そして、「サンケイ大阪杯」では、 三冠馬ミスターシービーを負かして中央のファンにも存在をアピールしました。

 しかし、引退して種牡馬になった後は、全くといっていいほど活躍馬が 出ず、メルシーステージがデビューする頃にはすでに種牡馬失格ということで 乗馬になっていました。

 そんなわけで、失格種牡馬ステートジャガーの子供 ということで、全く期待されていなかったメルシーステージ。デビュー後も なかなか勝ち星に恵まれず、ごく平凡な下級条件馬だろうという雰囲気が 漂っていましたが、3歳になって突然勝ち方を覚えたのか、500万下特別 を勝つと、続いてオープン特別も快勝。そして、迎えたのがG3重賞の 「アーリントンカップ」でした。

 普段は阪神での開催の「アーリントンカップ」ですが、この年は京都競馬場 が改修工事中ってことで、1月2月の京都開催が阪神に場所を移して開催。 でもって2,3月の阪神開催は中京競馬場での開催となり、この「アーリントンカップ」 も中京の1700mで行われました。

 人気は外国産馬2頭、エイシンワシントンとフィールドボンバーで、 中京のデビュー戦をレコードで圧勝したエイシンが一番人気。しかし、 前々走でメルシーステージはエイシンワシントンを負かしてるってことで、 かなり勝ち目のある戦いでした。共に逃げが得意な2頭。その時はメルシーが逃げてエイシンが 2番手でという競馬。結果、メルシーがそのまんま逃げ切ったってことで、 今回のこの2頭の兼ね合いがかなり注目されたのですが、スタートしてみると、 何が何でもって感じで逃げを主張したメルシーの気迫に押されたのか、 エイシンはあっさりと引き下がって2番手での競馬。道中はそのまんま流れて いよいよ最後の直線へ。

 ここで2番手に控えていたエイシンがGOサインと共に逃げるメルシーに 襲いかかると、すぐでにでも追い抜きそうな展開に。しかし、こっからが メルシーステージの真骨頂。とにかく並ばれるとしぶとい!絶対に 交わされないぞとばかりに踏ん張り、とうとう踏ん張りきって重賞制覇しました。

 重賞を勝ったメルシーステージは、続く「毎日杯」でも、「アーリントンカップ」 同様の軽快な逃げと脅威の粘り腰でタイキブリザード以下を封じ込めて重賞 2連勝。

 さすがにクラシックではちょっと足りなかったものの、その後も重賞戦線で そこそこの活躍をしました。

 このメルシーステージの活躍によって甦ったのがお父さんのステートジャガー。 何と、種牡馬復活ということで、こういったケースは極めて希なために、 新聞等で話題になりました。孝行息子メルシーステージの大活躍が、 お父さんの人生を大きく変えることになりました。

 また、メルシーステージは、関西の若手の河北騎手とのコンビで活躍。 河北騎手も、他に大きなところで活躍することがあまり無かったので、 このコンビもかなり印象に残りました。

 というわけで、今回は地味な血統の馬の大活躍となった平成6年の「アーリントンカップ」の 紹介でした。    

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