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40おやじの青春18切符一人旅 その1

平成17年3月3日(木)
 

さあ、いよいよ出発の時がやってまいりました。
4:40に目覚ましのベルの音で目が覚めたが、昨日の酒が若干残っていた。
気合で布団から這い出し、お茶を一杯飲んで出発の最終準備に入った。
持ち物チェックリストにより忘れ物が無いことを再確認し、いざ出陣。

ドアを開けると新聞配達のお兄さんと目が合ったので「おはようございます。」「ありがとうございます。」と声をかけ出発駅新川崎へと向かう。
この時間、空はまだ真っ暗で、出発駅である新川崎駅のキオスクも開いてない。
朝刊も無造作にお店の前に置きっぱなし状態。
そしてホームにはほとんど人がいない。


この電車から旅は始まる

5:16久里浜行き横須賀線に乗り、横浜へ向かい5:27発の東海道本線に乗り継ぐ。
海側の景色を見たかったので、当然、左側の座席を確保。乗客もまばら。
辻堂あたりで、少しずつ空の色も黒から青みがかってきました。
東海道線も西へ西へと進み、8:00過ぎには清水駅へ到着。
乗客もサラリーマン、OL、学生等々が多くなり、静岡駅で乗り換えた電車は横一列型でまさに通車状態です。
(本来、通勤電車ですからあああああ
そんな中、ふと、窓の外を見ると一面お茶畑。静岡に来たんだな〜、としみじみ感じます。浜松で乗り換え。
空き時間に鰻弁当を探したが店が開いてない!!朝から今までこのために食事を摂らなかったに残念無念。


爆睡状態

空も段々明るくなる

まさに通勤電車

文庫本を読む人

車掌交代

うとうとするマフラーをした女性

通勤電車で睡眠中

ローカル色が出てくる

愛知万博のシール

松から大垣までは2時間コースの快速電車。またまた列車になりました。
向かいの席にはどんな人が座るのか、少しワクワクしますよね。こんな時。
でも、私、こういった小さな喜びに今まであまり恵まれることが少なかった方なんです。
やはり、今回もそうでした。グス。
私の座席の前にはベージュのフリースの帽子、サッカーの控え選手が羽織るような紺のテカテカのコート?そしてパンツもテカテカのペラペラのもので、いかにももてなそうな感じの中年女性が座った。その彼女も私と同じくポケット時刻表を手にしてたんです。しかも、コンビニで買ったのでしょうか、透明のビニール袋の中にはなんとコッペパンが入っており、そして、そのビニール袋をなんと肘掛に結びつけたじゃありませんか。これはどう考えても、すぐには降りないということを宣言したものと受け止め、小さな喜びの到来はしばらく無いことを確信した。

小さな喜びはさて置き、今日はどこに泊まるのかまだ決めてなかったんです。あわてて時刻表の路線図を見ましたが、なんだか面倒臭くなり宿泊先も決めかね、とりあえず大垣から米原まで行って考えることにしました。

10:00過ぎ、豊橋駅に到着。小さな喜びはあるのか否か。やはり無かった。前の人より更に年配でベージュのコートを着た、魚臭いおばさんが隣に座りました。なんと生魚をビニール袋に入れて持ってました。更に、蒲郡駅では茶色のコートを着て、しかも水晶のブレスレッドをした恰幅の良い(言い換えると太った)おばさんが斜め前の席にドスンと腰を下ろした。私は完全におばさんに囲まれた状態。
40おやじ、おばさん軍団に完全包囲される。

もう、こうなったら呑むしかない!呑まざるを得ない!!
ブラック・ニッカとミックス・ナッツを取り出し、まだ、時間は早いことは知りつつキャップを開け、そのキャップへ琥珀色の媚薬をコクコクと注いで、グビッと口へ注ぎ込んだ。ウヰスキーのストレート特有のウグッとくるような強烈なアルコールの攻撃を感じ、次いで鼻に抜けてくる熱い感覚、舌をビリビリする刺激が襲いかかり、それと同時に舌の両脇で独特の香りを感じる。
安いウヰスキーだが味がある。恐るべきブラック・ニッカ。


ブカック・ニッカ登場

田園風景が広がる

アルコールの友、ミックス・ナッツの種類はというと、「カシューナッツ・アーモンド・ピスタチオ・胡桃・落花生」の5人衆である。
三人三様、十人十色、豆には豆の人格がある。

歯ごたえ、香ばしさで言うと、アーモンド、落花生に軍配が上がるが、カシューナッツ、ピスタチオのねっとり感も嫌いではなく、好きとも言える。また、カシューナッツ、ピスタチオには口の中に残る甘みが格別のものがある。胡桃もなめてはいけない。やや油っぽさを感じるが味は木訥であり、なんとなく日本の古き良き人々の香りがする。この五人集、甲乙付けがたき実力の持ち主であり、味比べをして、ついつい呑みすぎてしまったのは言うまでもない。


大垣駅

黒い貨車、迫力満点

米原駅前も何もない

昼食は米原で立ち喰いうどん

京都駅着

京都駅構内

なんとなく京都が近づく。時間も14時を過ぎたし、今日の宿泊先は京都にしよう。
京都駅に到着すると駅はなんとも近代的な感じであった。そして乗降客はグローバルですね、京都は。外国の方が多い。
まず、宿泊場所の確保をしなければと思い、持参したノートPCとドコモの@FreeDでインターネットにアクセスを試みたがNG。
どうもPCとの接触が悪いようだ。足で探そう。

駅前を散策していると「駅周辺で一番安いホテル」といったような貼り紙があった。それが「京舞イン」。
エレベーター脇にあるインターホンを押すと係りの女性がやってきた。
黙って連れて行かれた部屋は403号室。空けてビックリ、古ぼけた和室3畳一間。トーゼン、ベットではなく布団でR(嵐山孝三郎風)。
部屋を見て急に寂しくなる。ここにいたら更に寂しくなる。
だから外出する。京都の寺院を見に行こう。


安さ爆発、1階は居酒屋

うーん

宿泊地からほど近い、東本願寺に足を運ぶ。
平日なので、人も少ない。
本堂に入ってみたが、この雰囲気には心が洗われます。邪心がなくなります。
と言いつつ、貧乏人根性が顔をだし、なんとも広いこの本堂を見て、畳何畳分と考えてしまう。嫌。
境内には外国人の家族がいて、小さな子供は鳩と戯れていた。日本人も外国人もいっしょですね。
東本願寺を拝観した後、地図を見ると名前を知っている「三十三間堂」が近場にあることが分かった。
歩いてそう遠くない距離である。雲行きが怪しくなってきたが構わず気合を入れて出発。
七条大橋を渡ると小雨がパラついてきたので、足を速める。
やってきました三十三間堂。でも、何か変。人が少ない。なんと、すでに閉まってるじゃないですか。
女性親子も「こんなに早く閉めなくても良いじゃない・・・ブツクサ、ブツクサ」と文句を言ってました。

東本願寺
広い本堂

何をお願いしてるのかな

鳩のカップル

迫力ある柱

小雨パラツク七条大橋


三十三間堂は閉館

三間堂の周り

三間堂はまた別の機会に

私のケータイはTV電話もできるやつなんです。
今、京都にいることをTV電話で子供に連絡すると、ビックリ仰天。まさか一気に京都まで行くとは思ってなかったようです。

その後、友人からTV電話が入り、映像で京都の“今”を伝える。
普段は必要性をあまり感じなかったのですが、旅行では役に立ちますね。このTV電話。たいした奴だ。

京都も夕暮れ時。お腹も減ったし、お酒も呑みたくなってきた。
ホテル京舞インの一階はなんと居酒屋「京舞」なんですよ。まー、それもあってこのホテルを選んだんですけどね。 
お店に入るとお客様もまばら。でも、よくよく見ていると、皆さんなんとお店の身内の方達です。
お客が来る前に夕食を済ませていたんです。結局、お客は僕一人。あら。そんなことはどうでも良いので、まず、生ビール。そしてビールのつまみは焼き鳥、揚げだし豆腐。この揚げだし豆腐はもみじおろし、きざみ海苔、生姜、ネギの4色構成の強者。味の変化が楽しめた一品。

その後、熱燗2合と塩辛。すっかり気持ち良くなってきました。でも平気、だって宿は同じ建物だのも。

ホテルでウヰスキーをチビリチビリやりながら、明日の行き先を考えましょう。
2日目の行き先を鳥取砂丘にしようと考えていたが、iモードで天気予報を見ると鳥取の天気は雨または雪。鳥取行きは断念無念。
じゃー、どこに行くかな。広島も山口も天気が悪そうだ。天気が良いのはどこなのか?
瀬戸内海の天気が良いみたいじゃない。ならば瀬戸大橋を渡ってみよう。急遽、四国へと方向展開。これがぷらり気ままな一人旅の良いところだな。
明日の行き先が決まれば一安心。四国ならそう遠くはないので、明日の朝はゆっくりできる。
ポケット時刻表を見ながらブラック・ニッカを注いだ茶碗を口に運ぶ。


明日は、四国へ




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