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 9分間ででき「た」こと(2001.03.05)
 NHK教育もそろそろ番組改編の時期である。
 われらの「ハッチポッチステーション」はおそらく大きな変化があるようには思えないが、もしかしたら開始時刻の変更ぐらいはあるかもしれない。もちろんこれは私の勝手な推測に過ぎないが。
 それにしても昨春の「ハッチポッチステーション」10分間放送復権は、昨々春の1分間短縮の辛酸を舐めた古くからのファンにとっては大いに喜ばしいことであったろう。わたしにとっても「当初は」とても嬉しいことであった。
 しかし以前掲示板に書いたことを蒸し返すようで悪いが、10分間放送が実際に復権した後の放送を観て私は「9分間のままでよかったのではないか」という考えを未だに持ち続けている。もちろんそう言うからにはそれなりの理由があるのだが、年度末、NHK教育テレビ番組改編の時期を間近に控えた今そのことについて書き記してみたいと思う。
 まず10分間放送復権後の第一印象として「9分間放送分を無理矢理10分間分に引き伸ばしている感が否めない」ということがある。言いかえれば9分間放送時代のあのドカベン(註:昔の弁当箱。飯を滅茶苦茶詰めることができたので腹を空かせた肉体労働者やスポーツマンにはとても重宝された)にぎゅうぎゅうに詰め込んだ幕の内弁当のようなパワーが、1分間の時間延長によって薄められたと言ってもいい。その結果として復権後のハッチポッチは何となく間延びしパワーも低下し、少々の退屈さすら感じるようになった気が私にはする。これはどうしたことだろう。それには昨々春に放送が1分間短縮されたときの制作側の気持ちを代弁(?)してみる必要がある。おそらく「ちくしょ〜」とか「今に見ておれ」とか思ったのではないか。その抑圧された1分間に関するパワーが残りの9分間にぶちまけられたのではなかったか。それはきっと「目的のためには手段を選ばない」というくらいの権謀術数的なパワーの爆発ではなかったか。その象徴として生れたのがあのダーティーとも言うべきエチケットじじいではなかったか。しかし実際10分間放送の権利を奪還してみるとどうであったか。番組の濃度は低下しエチケットじいさんもあんなに丸っこく可愛いおじいさまになってしまった。(興奮→閑話休題?←いいや違う)
 そして私が「9分間のままでよかったのでは…」と思っているもうひとつの理由が「メジャー化」しすぎたことと番組制作における「手抜き」である。ハッチポッチは本来NHK教育の子ども向け番組において異端的存在とも言えるものであった。お馴染み夕刻の番組群「おかあさんといっしょ」「おじゃる丸」「忍たま」なる高層ビル群の建ち並ぶ中、ハッチポッチはその隙間にぽつりと建って地上げ屋のいかなる嫌がらせにあっても立ち退かない古い平家建てのような存在だった。しかしグッチさんやグッチーズの番組外の活躍により、ハッチポッチも高層、とはいかないまでも10階建てのくらいの雑居ビルになってきた。これにより(意図的にそうしたのかどうかはわからないが)他の番組との「平均化」が図られたのではないか。「メジャー化」→「異端的でなくなった」→「他と平均化した」という図式はテレビ番組限らず、音楽などさまざまな分野でみられることである。
 そして最後に「手抜き」です。この言葉を出すと、グッチさんはじめ番組制作スタッフや他のハッチポッチファンがお怒りになるかも知れませんが、ここでいう「手抜き」というのは番組制作側泣く泣くそうせざるを
得ない、というそういったことでしょう。きっと。これは先にも述べたことだがグッチ裕三氏もグッチーズも今や「ハッチポッチステーション」の枠を越えて、他番組、コンサート、ディナーショーとあらゆる分野で大いなる活躍を果たしている。このこと自体はハッチポッチファンはじめグッチ裕三ファンにとってもきっと嬉しいことには違いない。しかしその分「ハッチポッチステーション」の制作に割ける時間が減少してしまったのではないか。何か複雑な気分ではある。そしてもう一度だけ憎まれ口を叩かせてくれ。「本・末・転・倒」。

 4月はもうすぐ。
 ……もう一度、「9分間」から始めませんか?(爆)


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