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 ハッチポッチ入門・第1講(2000.03.28)
 1.序論
 
 この文の対象者
 これはこれからNHK教育テレビの番組「ハッチポッチステーション」を観ようという人、およびもう観始めているがまだ日が浅いハッチポッチ初心者の人々に捧げる。実を言うと筆者自身もハッチポッチを観始めてから一年半にも満たない初心者に毛が生えた程度の者なので、放送開始から6年間も観ているような人が読んだらそれこそ「おまえみたいなのが『入門』なんて書くな」と嘲笑されそうだが、ぼくの知るかぎりでは他にこういう文章を書いている人がいないので書くんであるし、もしそういう文を書いている人がいると知ったならばぼくが書く以前にその文に学びたいというのが本音である。(本来の対象層ではないが)これを読んで「私の方がもっと良い『入門』が書ける」という方がいれば是非書いてもらいたいと思っている。この文にはそんな思いもほんのちょっと入っている。それでは前置きが長くなったが始めよう。
 
 準備
 そんなものはいらない。もともとハッチポッチといえども、子ども番組を意図して創られたものである。子どもが番組を観るときにいちいち準備をしてから観るであろうか。放送大学の「微分積分講座」とは違うのである。強いて準備するものがあるとすれば既に自分の中にある「子ども番組とはこういうものだ」という固定観念を取り払うこととまっさらな気持ちで番組鑑賞に臨むということがあるが、これはまず無理であろう。いやひょっとしたら固定観念やまっさらでない気持ちをもって観た方が逆に面白いかもしれない。そのへんは実際に観たらよくわかっていただけると思う。そういう番組なんである。
 
 ビデオに撮る場合
 本来の対象層である子どもはたいてい家にいるであろうし、学生だって特に用がなければだいたい放送時間には間に合う。問題は帰宅が夜になる社会人の方々である。昔よりも放送時間が遅くなったとはいえ勤めに出ている以上放送時間に間に合う人はそうはいないだろう。そういう人には必然的にビデオ録画をおすすめすることになる。たった10分足らずなので、寝る前か風呂上がり後にビールでもあおりながら観ていただきたい。
 しかし放送時間に間に合う人でも、できればビデオに撮っておくことをおすすめする。ビデオに録画をしておくことの利点は第2章で詳しく述べる。
 
 予備知識
 さっき「準備はいらない」と言っておきながら「予備知識」とはかなり矛盾するが、ハッチポッチを子ども番組として楽しみたいのなら準備など必要ないのは確かである。ぼくもそうだ。ただし例外もある。ハッチポッチを子ども番組としてではなく、一種の「音楽番組」として観たい人はこれにはあてはまらない。ハッチポッチは音楽的にもけっこう質の高い番組なのでこの場合60〜70年代の音楽について(日本も含めて)ワールドワイドに知っておいた方が良さそうだ。実はここに最近のハッチポッチ人気を生み出している二重構造が隠されている。音楽の知識も持っていれば一粒で二度おいしいというわけだ。しかし観るためにわざわざ音楽の勉強などしない方がいいと思う。なぜなら音楽のことを知らなくても楽しいし、実際に番組を観たあとで音楽(元ネタ・原曲など)を聴いても遅くはないからである。
 
 2.鑑賞法
 
 まずは「粗鑑賞」を
 「ハッチポッチステーション」の番組構成は、
 ●おはなし・前半(本編)
 ●ミニコーナー(音楽ネタ・ミニコントなど)
 ●おはなし・後半(本編)
からなる。「おはなし・前半」は「後半」と合わせて番組のメインであり、実放送時間7分前後でひとつのつながった物語をやる。回によって異なるがたいていドタバタものが多い。ミニコーナーというのは「What's ENTERTAINMENT」の字幕が出てくることが多いが、内容は音楽ネタ・ミニコント・アニメなど日替わりでさまざまである。
 さて実際にハッチポッチ鑑賞をする上でまず最初にぼくが言いたいのは、一回目に観るのは「粗鑑賞」ということでざっと全体を見渡すという感じで観てもらいたということである。つまり一回の鑑賞で終わってはよくないのだ。これにはちゃんとした理由がある。まず中間に入るミニコーナーの方はあまり問題がない。ひとつひとつが短いし上手くオチているものが多いからである。問題なのは本編の方で、これは正直いって一回観ただけではあまり番組の真の面白さが伝わってこないと思う。さっきも言ったようにおはなし自体が「ドタバタ」のかたちをとるというのも大きな理由であるが、それよりもハッチポッチはジャーニー・グッチ・ダイヤ・エチケットじいさん、最大で4人の会話が入り乱れる番組だからである。本当に「入り乱れる」のである。台本はあるに違いないが、こぶ平はリハーサルには出ないし、番組自体どこか伸び伸びしていて型にはまってないぶん常に誰の口から何が飛び出すか誰にもわからないような状態になっているし、そしてアドリブや独り言のようにぼそっと言って聞き取れないような台詞もあったりする。そして実はそういうアドリブとかぼそっと言う台詞の方がかなり面白かったりする。
 たった10分の番組などと馬鹿にしてはいけない。あれだけの情報量をたった10分ですべて把握できた人はもう聖徳太子なみの天才である。
 
 ビデオに録画するのがよいか
 さて「粗鑑賞」が終わって次に番組の部分部分をじっくり観ようなどと言うことになるが、これは来週の同じ曜日に再放送があるのでその時に観ることができる。しかしここでぼくが思うのは「本当にあと一回きりでいいか…?」ということである。そう、再放送を見るにしてもあと1回きりなのである。しかも1週間後。ぼくの経験からすると人にもよるが2回目でも番組の8割が伝わればいい方だと思う。下手をすると観直しても新たな収穫が何も得られない時さえある。台詞が全て暗記できるようになるまで…とは言わないが、数回観直してもいいのではないか、いや観直すべきと思うのだ。別の言い方をすればハッチポッチはそれだけ「噛めば噛むほど味のある」番組でもある。
 そういった意味でもやはり番組をビデオ録画しておくことをおすすめする。すぐにでも観直せるので一週間待つ必要がないし、暇な時間を選んで観られる。そして忘れた頃にもう一度観たりすると最初の頃にはわからなかったようなことがまた新たに発見できたりしてまた「味」が出てくる。

 「What's ENTERTAINMENT」の楽しみ方
 いや、もう「What's〜」こと中間のミニコーナーは肩の力を抜いて観ましょう。というより全部肩の力を抜いて観ればいいんですが、何かこんな文章書いてたらハッチポッチを堅苦しい番組だと思われそうだったりして恐くなってきたもので。いや、堅苦しくないですよ。もう、何か真面目に書こうなんて思うから何かこう、文章が堅苦しくなってしまって、自分。いや真面目は真面目ですよ。不真面目には書きませんこんなこと。文章が敬体に変わってますが、これも読者の肩を抜いてもらおうと。(←えっ? 変わらない??)
 というわけでこの節だけは敬体でいきます。例えば僕なんか音楽ネタが出てくると何故か原曲が聴きたくなってCDショップに行きますね。これなんか二度楽しめていいですね。それから最近は少なくなりましたけど「たかた孝太郎」っていうミニコントのコーナーがあるんですが、これなんかたまに実在の著名人のパロディなんかやってたりして楽しいです。
 うん、楽しい、楽しい。

 「それでは今日の講義はこれでおしまい。次回は情報収集の仕方や番組外活動(?)などについて」
 それでは次回をお楽しみ(?)に!


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