このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

103系最後の牙城にも置換の波

 

■平成13(2001)年 3月23日付交通新聞記事より■

「JR東日本常磐快速線に新型車/E231系タイプに新機軸」

「JR東日本は21日、2001年度(平成13年度)から2003年度にかけて、上野−取手間の常磐快速線にE231系タイプの新型車両を 280両導入すると発表した。 103系が1971年(昭和46年)のデビュー(※)から約30年が経過し、老朽化が目立ってきていることから置き換える」
   ※引用者注: 103系の製造初年度は昭和39(1964)年。
         するとこれは、常磐線に投入された時点ということだろうが、当時の車両が
         残っているとは限らないので、たいへんまぎらわしい記述といえる。

「2001年度冬から常磐快速線にお目見えする新型車両は、10両編成18本と成田線用 5両編成20本の合計 280両」

 

 

■コメント■

 近年になって、 103系の置換が急速に進展している。

 筆者は以前から、性能・内外装ともに貧弱劣悪な 103系の置換を願っていたものである。しかしなんといっても数は力であり、 103系ほどの巨大勢力を駆逐するのは容易なことでなかった。

 最初は中央快速線で、 201系が集中投入され、 103系は他線区に転じた。次は山手線で、全編成が 205系に置換され、 103系は埼京線開業に充てられた。ところが、埼京線の高速運用には明らかに性能不充分であったため、早い段階で同じく 205系に置換された。三番手は京浜東北・根岸線で、これは全編成が 209系に置換された。総武・中央緩行線も根城のひとつであったが、近頃急激な勢いでE231系への置換が進んでおり、今日にも全滅する。

 残る根城は常磐快速線と京葉線だが、京葉線でも勢力は大幅に縮小されており、事実上常磐快速線が最後の牙城といえる。なにしろ、10+5両編成を多数揃えているだけに、良くも悪くも圧巻であった。そして、これらを全て置換するのは大仕事であった。

 今までの常磐快速線は、こと車両に関する限り放置されていたに等しい状況であったが、ようやく本格的な置換が始まろうとしている。 5両編成の数の多さを見ると、まず成田線での置換が先行するのだろう。

 常磐快速線と京葉線での置換が完了すれば、JR東日本管内で10両編成以上の 103系が走る路線は消滅する。武蔵野線・南武線・青梅線・五日市線・鶴見線になお勢力は残るが、以前と比べはるかに微弱な存在になるだろう。

  103系の衰退は、時代の変化を如実に示すものである。変化には様々な種類が存在するが、この変化は実に好ましい。貧相で低性能な老朽車には、なるべく早く退場してもらいたいものである。 103系を惜しむ方がいることは承知しているし、またその方々の心情もよく理解できるのだが、サービス水準向上を推進するためには、この置換は大歓迎すべき慶事だと考えている。

 

注:上のアイコンの著作権は「Rail&Bike」柏熊秀雄様に帰属します。
  なお、このアイコンにはオリジナルから若干手を加えております。

 

 

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