このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
グルノーブルへの旅〜〜LRTとの出会い
■グルノーブル駅前
グルノーブルの駅前に出ると、LRTの停留所はすぐにわかる。2面3線という大規模なものでもあるし、また線路配置がヘアピン型になっているため、存在感が極めて大きい。もしかすると、自動車の流入を抑制するため、わざと面積を食うような設計になっているのかもしれない。
圧倒的な質量を感じさせる山塊、古からの情趣をよくとどめた街並、近代設計の粋ともいえる噴水とLRT。地球そのものの活動、連綿と続く営み、新しい試み、様々な要素がぶつかりあい、そしてよく調和している。
■ちょっと困った
LRTに乗るには、乗車券を購入しなければならない。ここでちょっと困ってしまった。説明が全てフランス語で、万国共通語たる英語の説明がない。この一事をもって、LRTが如何にローカルな交通機関であるかがわかる。
もっとも、公共交通を利用する作法など世界のどこであろうとそう大きく変わるわけがない。わからないながらも、なんとなく意味を解することはできる。
乗車券は 7.5フラン( 130円程度)、有効期限は1時間らしい。ではこれを購入しようと10フラン硬貨を投入したが、どういうわけか受け付けてくれない。別の券売機を試しても、結果は同じだ。のちにこれは釣銭切れに起因する現象と察しがつくのだが、この時はおおいに焦った。ことばが通じない初めての土地、些細な事柄でも消耗してしまう。
しかたない、電車道に沿って歩こう、と決断する。それは選択の余地のない窮余の一策であったが、しかし、結果からすればかえってよかった。
■街の中へ
電車道に沿い、街の中心部へと歩を進める。なんという風格だろうか。石づくりの街並は、その歴史の長さをまっすぐに伝える。しかも綺麗だ。アルプスの風雨に洗われているせいか、汚れがほとんどない。塵埃や酸性雨に曝されていれば、おそらくこうはなるまい。恵まれた街である。
日本の石とも、また違う。日本では、苔むしていくことにより、時の流れが表現される場合が多い。写真はグルノーブル駅に向かって撮ったもの。ドーム上に猛禽の彫像を備える建物が気になり、撮ってみた。LRTの車両は全て同一形式だが、偶然ながら広告塗装車(あるいはキャンペーン塗装車)がやってきた。地の色は確かに石づくりの街と合致しているが、標準塗装と比べるとやはり落ち着きに欠ける。
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