このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





そのⅣ   常陸小川(徒歩)小川高校下





 駅前に食事処がなかったため、国道まで出てみる。幸い郊外型のショッピングセンターが近くにあり、その内部にあるマクドナルドで昼食をとることに決めた。マクドナルドはいわゆるフードコートの一角を占める形だが、昼食時だというのに閑散としている。対をなす軽食喫茶は営業をやめ、無粋なシャッターが降り、その前で古本販売がされている。ショッピングセンターといっても実態はスーパーマーケットに近いから、客単価を低めに設定しなければもたなかったのだろうか。あるいは、近所にある小川高の学生が主な客層なのかもしれない。

 TAKA様によれば、小川高校下はごく近い距離にあるという。時間に充分な余裕があったので国道沿いに進んでみると、ほんの数分であっけなく到着してしまった。なんとも短い駅間距離ではある。ちょうど石岡行キハ432 がやってくる。キハ432 と台地上の小川高とを見比べてみれば、確かに近い距離にあるとわかるものの、常陸小川から歩いたところで大差はなさそうだ。では何故わざわざ小川高校下を新設したのだろうか。

小川高校下駅
小川高校下駅全景


 おそらくは高校生に運賃設定上の便宜を図るため、というのが筆者の推測である。鉾田方面から見ると、小川高校下−常陸小川間は短距離であるにもかかわらず、運賃に大きな段差が生じている。割引率の高い通学定期といえども、負担感はかなり大きいに違いない。それゆえに小川高校下を新設し、負担軽減を図ったのではなかろうか。鹿島鉄道の真意は現時点では確かめようがないものの、小川高校下新設の結果として、高校生の負担軽減につながったことは確実である。

 ここで問いたい。減収を招くことが自明でありながら、新駅設置という投資を行ったのは何故なのか。サービスに対価を求めるのは、当然すぎるほど当然な企業原理ではないか。敢えて損をするならば、別の得をとらなければなるまい。鹿島鉄道にとって、小川高校下新設により得られたものは何なのか。侠気や大度を示すのもいいけれど、少なからぬ実損が伴うのでは、経営姿勢に問題ありと指摘せざるをえない。

小川高校下駅
小川高校下駅と小川高





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