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第3章 超低床電車の特徴
前章に記したとおり、熊本市は潜在力と可能性を秘めた路面電車といえる。しかしこの事実は、超低床電車が導入されなければクローズアップされなかったかもしれない。ここで、熊本市電に光をもたらした、超低床電車の特徴を簡単にまとめておく。
■床がフラットで電停との段差がほとんどない
超低床電車の最大の特徴である。出入口に若干の勾配がつけられているものの、電停との段差がほとんどなく、ごく容易に乗降できる。
また、出入口にはリフトも設置されており、路面からでも車椅子で乗降できるよう配慮がなされている。もっとも、営業時にリフトが使われることはないようだ。
写真−7 超低床電車の出入口 写真−8 同乗降リフト作動時
許可を得て車庫内で撮影した。
■通路はやや狭い
車輪・モーターのボックスが床面から出っ張っており、椅子として処理しているものの、造作としては苦しい。
写真−9 超低床電車車内
床がフラットなため、かえって椅子の出っ張り(モーターや車輪の格納ボックスでもある)が目立つ。通路としてはいささか狭い。
■輸送力はやや大きめ
現在の技術では超低床電車を単車にするのが難しく、どうしても連接車になってしまうという。ワンマン運行は可能だが、熊本市電では車内案内を兼ねて車掌を乗務させている。目下の課題は日中の輸送力がやや過大になる点にある。超低床の単車を開発するか、日中の利用者数増加を図るか、今後なんらかのブレイクスルーが求められるところだ。
写真−10 超低床電車足許のクローズアップ
モーター・車輪の格納、出入口の確保、空間制約が厳しく、現段階ではどれほど工夫
写真−11 超低床電車の車掌さん(その1) 写真−12 超低床電車の車掌さん(その2)
超低床電車には、車内案内をかね、車掌が乗務している。専ら若い女性が乗務するため、人気が高いらしい。
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