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東京地下鉄1日完全乗車
 
 
 去る平成13年3月25日、東京の地下鉄(ここで言う"地下鉄"とは営団地下鉄と都営地下鉄の路線のみを指すとし、京王や東急等の地下区間は含まない)全線に乗ってきました。中学生のとき、宮脇俊三氏の東京地下鉄全線1日乗車(新潮社文庫「汽車との散歩」に収録)を読んで以来、実行しようと思いつつ、碓氷峠の廃止、京津線の廃止、3100形の引退、受験といった様々な理由により、延び延びになっていた計画をついに実行したわけです。
 出発前に東京時刻表2001年3月号を使って組んだプランは以下の通り。読んでいるだけでは分かりにくいかと思うので、是非路線図と照らし合わせてみてください。
 
藤沢504(JR東海道線)543品川545(JR山手線)552五反田558(都営浅草線)606西馬込614(都営浅草線)648押上651(都営浅草線)654浅草659(営団銀座線)731渋谷738(東急東横線)742中目黒745(営団日比谷線)828北千住836(営団千代田線)839綾瀬848(営団千代田線)851北綾瀬853(営団千代田線)857綾瀬901(営団千代田線)939代々木上原942(小田急小田原線)947新宿953(都営新宿線)1034本八幡1038(JR総武本線)1042西船橋1045(営団東西線)1134中野1139(JR中央線)1145荻窪1149(営団丸ノ内線)1159中野坂上1208(営団丸ノ内線)1214方南町1216(営団丸ノ内線)1223中野坂上1229(営団丸ノ内線)1308池袋1315(東武東上線)1327和光市1332(営団有楽町線)1345小竹向原1345(営団有楽町線)1422新木場1424(営団有楽町線)1433新富町…徒歩…築地1441(営団日比谷線)1447人形町…徒歩…水天宮前1457(営団半蔵門線)1517渋谷1524(JR山手線)1529目黒1543(営団南北線)1623赤羽岩淵1626(営団南北線)1639本駒込…徒歩…白山1646(都営三田線)1712西高島平1716(都営三田線)1807目黒1812(JR山手線)1823代々木1832(都営大江戸線)1836都庁前1840(都営大江戸線)2000光が丘2005(都営大江戸線)2011練馬2022(西武有楽町線)2027小竹向原2027(営団有楽町線)2031新線池袋2038(JR山手線)2101東京2103(JR東海道線)2152藤沢
総乗車距離(地下鉄線のみ)338.6キロ
 
 
総乗車時間(地下鉄線のみ)10時間29分
 
 
 
 しかし、実際は以下の行程をたどり、予定よりも早く完乗を果たすことが出来ました。
 
藤沢504(JR東海道線)543品川545(JR山手線)552五反田558(都営浅草線)606西馬込614(都営浅草線)648押上651(都営浅草線)654浅草659(営団銀座線)731渋谷738(東急東横線)742中目黒745(営団日比谷線)828北千住836(営団千代田線)839綾瀬848(営団千代田線)851北綾瀬853(営団千代田線)857綾瀬901(営団千代田線)939代々木上原942(小田急小田原線)947新宿953(都営新宿線)1034本八幡1038(JR総武本線)1042西船橋1045(営団東西線)1134中野1139(JR中央線)1145荻窪1149(営団丸ノ内線)1159中野坂上1208(営団丸ノ内線)1214方南町1216(営団丸ノ内線)1223中野坂上1223(営団丸ノ内線)1304池袋1308(東武東上線)1320和光市1327(営団有楽町線)1417新木場1421(JR京葉線)1428八丁堀1434(営団日比谷線)1437人形町…徒歩…水天宮前1445(営団半蔵門線)1505渋谷1509(JR山手線)1514目黒1521(都営三田線)1612西高島平1616(都営三田線)1642白山…徒歩…本駒込1651(営団南北線)1705赤羽岩淵1708(営団南北線)1743白金高輪1747(都営三田線)1751目黒1753(JR山手線)1803代々木1808(都営大江戸線)1812都庁前1812(都営大江戸線)1912都庁前1912(都営大江戸線)1933光が丘1942(都営大江戸線)1948練馬1957(西武有楽町線)2001小竹向原2003(営団有楽町線)2007新線池袋・池袋2013(JR山手線)2036東京2050(JR東海道線)2133藤沢
総乗車距離(地下鉄線のみ)331.7キロ
 
                          
総乗車時間(地下鉄線のみ)10時間20分
 
 
 
 以下の文章はこの旅(?)の車中で書いたファクトリアル(要は取材メモ)の文章を高タカが777Mが書いた文章も含めて加筆・訂正したものです。地下鉄なので写真は一枚も撮っていません(というか撮れない)。もし撮ったとしても我が家にはスキャナーが無いのでどっちみち写真は載せられないのですが・・・。
凡例
 
 
【  】内は当該区間の執筆者。
高タカ…高橋正晴(75回生。新生鉄研王国2代目皇帝。今回の旅の言い出しっぺ)
777M…本田誠彦(76回生。新生鉄研王国3代目皇帝。今回の旅の巻き添え)
 
◆…営団地下鉄線
●…都営地下鉄線
■…JR線
▲…営団・都営以外の私鉄線
 
第0区間…JR東海道線:藤沢5:04→5:43品川
 【高タカ】午前3時50分起床。普段は目覚ましを三つセットしても起きないのに、旅に行くとなると目覚ましが鳴る10分前に自然と目が覚める。我ながら不思議である。
 洗顔・朝食を済ませ、本鵠沼4:58発の小田急江ノ島線始発電車に乗り込む。ガラガラで貸し切り状態。外はまだ真っ暗なので最終電車のようでもある。5:01藤沢着。ダッシュでJR切符売り場へ行き、愛用の東京自由きっぷを購入しホームへ急ぐ。なんと東京行きがもう入線している。とにかく乗り込む。今回この旅(?)に付き合ってくれる777Mとはこの電車の8号車で待ち合わせているのだが、私は違う号車に乗ってしまった。とにかく8号車へ向かう。途中7号車で「高橋先輩!」と呼び止められる。777Mであった。
 横浜辺りから空が白み始める。いろいろおしゃべりしているうちに品川着。山手線に乗り継いで五反田で下車。
 
第1区間都営浅草線:五反田5:58→6:06西馬込/4.8キロ/8分
 【高タカ】券売機で都営・営団共通1日乗車券を購入し、東京地下鉄完乗の第一歩を踏み出す。ホームに人はほとんどいない。列車が入ってきた。乗車率は各車両に数人といったところ。
 この区間は特に書くことなし。中延は"なかのべ"ではなく"なかのぶ"と読むのだということが分かったのは収穫であった。西馬込定時到着。
 
第2区間都営浅草線:西馬込6:14→6:48押上/18.3キロ/34分
 【高タカ】西馬込では8分間時間があるので、トイレを済ませておく。今行っておかないといつ行けるか分からぬ。次に乗る列車はさっき乗ってきた列車の折り返し。ホームには誰もいない。再び車内へ。6:14定時発車。乗務車掌のネットリとしたアナウンスが眠気を誘う。さっきから777Mは空想科学読本を読みながら、押し殺した不気味な笑いを発し続けている。ちょっと借りて読んでみる。・・・・・。確かにおもしろい。777Mが笑いを堪えきれないのも無理はない。
 今、日本橋(6:38)である。世界的大都市東京のド真ん中の駅なのに、電車が停まると物音一つしない。まるでローカル線の如きである。駅の自動アナウンスだけが虚しく構内に響く。乗る人も降りる人もなし。この状況は西馬込からずっと続いている。
 【777M】空想科学読本はおもしろい。ずっと読んでいると「むふふふ」ばかり続いて高タカに他人のふりをされそうなのでやめる。家に帰ってじっくりと。
 
第3区間都営浅草線:押上6:51→6:54浅草/1.5キロ/3分
第4区間営団銀座線:浅草6:59→7:31渋谷/14.3キロ/32分 
 【777M】押上→浅草間でちょっと乗った車輌は京成の旧型車だった。加速は鋭いがボロくてあまり長時間乗りたくない。
 浅草で乗り換え。会社が違うので都営の改札を出て営団の改札に入場。共通券がカードサイズではなく普通の切符サイズなので落としちゃいそうだ。改札を抜けホームに上がると、電車は向かいのホームに停まっていた(*銀座線浅草駅は対向式ホーム)。発車時間が迫っていたので慌てて階段を駆け上がり、なんとか間に合った。
 乗客は発車時はまばらだったが、上野と日本橋でまとまって乗ってきた。日曜日なのでサラリーマンやOLはほとんどいない。銀座を過ぎた辺りで廃ホームを見るべく目を凝らす。・・・見えなかった。
 車窓がないので書くネタに困る。
 
第5区間…東急東横線:渋谷7:38→7:42中目黒/2.2キロ/4分
第6区間営団日比谷線:中目黒7:45→8:28北千住/20.3キロ/43分
 【高タカ】渋谷定時到着。ドアの目の前が東横線連絡口。あっけなく東横線乗り場へ。中目黒への切符を買う。今どき初乗り110円は安い。改札を抜けホームへ。カーブした行き止まり櫛形(6面3線だったと思う)のなかなか立派な駅で、東武浅草駅と阪急梅田駅を合わせたような感じだ。
 地下鉄の車中は空気が悪かったので、しばし外の空気を吸ってから車内へ。中目黒定時到着。昨年3月に例の脱線接触事故が起きた駅だ。ここで日比谷線に乗り換える。777Mが最後尾は事故現場に近いので最前部に行きたいと言う。この列車は事故現場は通過しないけど・・・。定時発車。
 ただいま8時前後。霞ヶ関を発車した辺りである。確か地下鉄サリン事件が起きた駅・・・。話は変わるが日比谷線は昭和43年に車両火災事故も起こしており、日比谷線はとにかく事故が多い線だ。
 街も目を覚まし始めたのか、人も列車本数も多くなってきた。駅に着くごとに反対ホームにも列車が入線してくる。先ほどの浅草線のような、ローカル線の如き静寂はもうない。
 三ノ輪を出てまもなく、列車は地上へ。やった!また新鮮な空気を吸える!北千住定時到着。千代田線に乗り換えて一駅で綾瀬着。やって来た列車は見慣れた小田急の車輌だったのでちょっと変な気分。友人の意外な一面を見てしまった時に似た感覚。
 
第7区間営団千代田線:北千住8:36→8:39綾瀬/2.6キロ/3分
第8区間営団千代田線:綾瀬8:48→8:51北綾瀬/2.1キロ/3分
 【高タカ】綾瀬では9分間余裕がある。この後11:59到着の中野坂上駅まで接続時間5分以内の乗り継ぎが続くので、今のうちに昼食用のパンを買っておく。
 再びホームへ。1番線に寄生した0番線に停車している3両編成の電車に乗り込む。空いている。僅かな乗客を乗せたまま定時発車。ノロノロ走ること3分、あっけなく北綾瀬着。この先には車両基地がある。 
 
第9区間営団千代田線:北綾瀬8:53→8:57綾瀬/2.1キロ/4分
第10区間営団千代田線:綾瀬9:01→9:39代々木上原/21.9キロ/38分
第11区間…小田急小田原線:代々木上原9:42→9:47新宿/3.5キロ/5分
 【777M】北綾瀬ではたくさんの人が列車を待っていた。電車は短いので立客がかなりである。
 綾瀬に着き、代々木上原行きの列車を待っていると逆方向にJR207系試作車がやって来た。1編成しかないので、これを見られたと言うことは今日はついてるかも知れない。
 代々木上原行きはそこそこ混んでいた。座れない。立ちんぼで終点に行く羽目になるのかなぁ。寝過ごす心配がない分救われると言えばそうなのだけど。
 僕の前は女性が座っているのだが、かなり僕が書くのを気にしている。きっと僕だって逆の立場だったら気にするに違いないので、斜めを向くことにしよう。
 !!!高タカが立ち寝していた!実に器用だ。大手町の一つ手前で席にあり着けたので、Facは非常に書き易い。そして高タカは夢の中。
 代々木上原では、小田急で新宿まで行く関係上3分乗り継ぎの時間内にフリー乗車券で出て、すぐパスネットで入り直す行動をとらなくてはならない。高タカ持ってきた地下鉄ガイドによるとそんなに無理はなさそうなので少し安心だが、この電車が遅れるときわどくなる。定刻についてねーいい子だから。受験勉強中、文章をてんで書いてなかったので、読みやすい日本語が書けなくなっている(字ではなく文章)。早く元に戻さなきゃ。うんせ、うんせっと。
 表参道である程度降りて、車内はガラガラに近くなってきた。はす向かいには表参道からマダムが座っている。一目見てすぐ分かる服装、髪型でまさに典型。
 おっ、もうすぐ代々木上原だ。前項のミッションをいよいよ実行するときがやってきた。プシュー。ずだだだだカション。くるっ。カション。ずだだだだ。
 ミッション終了。「報酬は俺の口座に・・・」なんて言ってもしょうがない。
 新宿へはすんなり到着。
 
第12区間都営新宿線:新宿9:53→10:34本八幡/23.5キロ/41分
 【高タカ】大量の乗客に押し出されるようにして出口への階段を下りる。が、"都営新宿線"
の表示がない!!時間がないので、とにかく新宿線と相互乗り入れしている"京王線"と書いてある方へ進んでゆくと西口ロータリー前に出た。やっとあった"都営新宿線"の案内。とにかくそれに従って早足で進む。なにーまだ先かー!?遙か百メートルほど先に自動改札らしきものが見える。発車まであと2分!!とにかく地下商店街の間を突っ走り、なんとか予定の新宿9:53発本八幡行きに乗り込めた。777Mは汗をかいている。席は全て埋まっていたがどっかの駅(どこだかは忘れた)から座れた。東大島から列車は地上へ。ずっと地下にいるので曇り空なのにまぶしく感じる。早朝は乗客の多くが寝ていたが、今はだいたいの人が起きている。一之江から列車は再び地下へ。777Mは小難しい数学の本を読んでいる。さすがT工大現役合格者。定刻本八幡着。
 
第13区間…JR総武本線:本八幡10:38→10:42西船橋/3.2キロ/4分
第14区間営団東西線:西船橋10:45→11:34中野/30.8キロ/49分
第15区間…JR中央線:中野11:39→荻窪11:45/4.0キロ/6分 【高タカ】
 【高タカ】都営新宿線からJR総武本線への乗り換えは距離が長く多少時間がかかったが、なんとか予定の東西線列車に乗車できた。今まで何度か際どい乗り継ぎがあったが、今までのところ完璧に予定通りである。旅が自分の立てたスケジュール通りに進むのは、物足りない感がある反面、非常に気持ちよい。
 車内風景はさっきの新宿線と変わらない。車窓も平凡。つまらぬ。では一体何でこんなことをしているのか・・・。自分でもよく分からなくなってきた。腹へった。
 浦安を出ると東京都に入る。西葛西から人がたくさん乗ってきた。南砂町から列車は地下へ。中野までお天道様はお預けである。東陽町付近から777Mは夢の世界へ旅立った。本を持ったまま。あっ、帰ってきた。ただ今、門前仲町。
 ウトウトしたり携帯をいじっているうちに、列車は神楽坂を過ぎ、早稲田に到着。終点中野まであと少し。地上に出て中野定時到着。中央線に乗り換えて荻窪へ。
 
第16区間営団丸ノ内線:荻窪11:49→11:59中野坂上/5.7キロ/10分
 【高タカ】営団の改札を見落として、一度駅から出てしまったが、無事予定の列車に乗車できた。順調、順調。
 車内は程々の混み具合。なんやかんや言っても休日の東京は人が少ないのか、今まで乗ってきた列車のほとんどは一部もしくは全区間座れた。平日なら絶対無理であろう。定刻に中野坂上着。9分の余裕があるので、綾瀬で買ったパンを食う。ホームのベンチは混んでいたので立って食うことを余儀なくされる。以前小田急3100系の最終列車に乗りに行ったときも小田原駅で同じことをした。
 
第17区間営団丸ノ内線:中野坂上12:08→12:14方南町/3.2キロ/6分
 【高タカ】11:05ごろ、方南町行きの電車が入ってきた。3両編成なので電車は私達の前には停まらなかった。11:09定刻発車。乗車率は空席がポツポツあるくらい。立っている人も少々。思っていたよりは人が乗っている。
 あっ、ついウトウトしてしまった。気付いたら方南町でした。
 
第18区間営団丸ノ内線:方南町12:16→中野坂上12:23/3.2キロ/7分
 【777M】メロンパンのおかげで幾分空腹は埋められたが、まだお腹は減っている。後でおにぎりでも食べようかな。車内はちょうど席が埋まっている位で、わりかし過ごしやすい。でも、もう乗り換え。
 
第19区間営団丸ノ内線:中野坂上12:23→13:04池袋/18.5キロ/41分
 【777M】中野坂上で降りて、1秒後に池袋行きが入ってきた。都合良く乗っていると高タカが「予定より1本早いやつに乗れた」と喜んでいる。池袋でまとまった時間がとれるというので、池袋駅でお昼ご飯第2部が取れそうだ。因みに品目は「カレーパン」である。
 高タカは乗っちゃ寝乗っちゃ寝している。真っ暗だから仕方ない。
 東京に到着。東京を通る地下鉄が大して多くないのはなぜだろう。昔からの疑問である。
 御茶ノ水手前では一瞬だけお天道様の下に出る。あ〜久しぶり〜!!また後でね〜!!
…ふと、この度を一人で実行したとしたら…と考えてみた。僕はきっと「自分は一体どうしてこんなことをしているのだろう?」とか「僕ってそもそも何なのだろう?」と哲学的なことを考え始めてやばくなっていたかも知れない。でも現実には高タカがいるから楽しく旅が出来る。
 こんなことをボーっと考えていると、もうすぐ池袋。池袋は全40回の乗り換えの中で20回目と最後の終着となる記念すべき駅だ。と、こんなこと書くより早く高タカさんを起こさねば!
 
第20区間…東武東上線:池袋13:08→13:20和光市/12.5キロ/12分
 【777M】池袋駅で何と椅子が見つからなかったので、先発する準急に乗り、和光市まで更に先行することにした。車中では高タカが計画ルートの変更を試み、見事に後の渋谷着が12分早くすることに成功。高タカすごい。
 
第21区間営団有楽町線:和光市13:27→14:17新木場/28.3キロ/50分
 【777M】和光市でも切符の関係から代々木上原と同じことをする。もう慣れた。そして、トイレに行き、カレーパンを食べ、新木場行きに乗車。早くなっても余裕はそれなりにあるのが嬉しい。
 発車して東上線をオーバークロスすると、地下区間へ。営団赤塚駅では駆け込み乗車した母親を追って乗車した娘が頭を扉に挟まれ、痛さで泣き出してしまった。かわいそうに。
 池袋までに大量に乗ってきたが、池袋で大量に降りた。ふ。車内放送ではこの先カーブ多しと告げている。よって字も一層乱れるかも知れない。
 高タカさんは目下、計画より早い電車に乗れたことを最後まで活かすべく時刻表・駅周辺の市街図・駅構内図と格闘している。ファイト〜!
 空腹の方はカレーパンで大分収まった。非常食に手を出さなくてもやって行けそう。もうお目目もぱっちり。
 それにしても地下は暑い。半袖・ジャンパーなしで十分だ。新木場到着。
 
第22区間…JR京葉線:新木場14:21→14:28八丁堀/6.2キロ/7分
第23区間営団日比谷線:八丁堀14:34→14:37人形町/1.4キロ/3分
第24区間…人形町…徒歩…水天宮前
 【高タカ】有楽町線の新木場駅は高架である。JR京葉線への乗り換え所要時間は約1分で、非常に楽。京葉線ホームで非常にのどが渇いたので空き缶コレクターの私としては珍しく、ペットボトルを買う。
 14:21、今では関西でしか見なくなったスカイブルーの201系による東京行き普通に乗車。あっという間に八丁堀着。余裕の乗り継ぎで14:34発の日比谷線越谷行きに乗り換える。最後尾車両に乗ったので、後面(?)かぶりつきをするも、わずか3分で下車駅の人形町着。改札を抜け、地上に出る。ここから歩いて水天宮前駅まで歩く。雨が少し降っている。涼しくて良い。わずか2,3分で水天宮前駅入り口に到着。こんなに近いのなら両駅を連絡通路で結べばよいのにと思う。
 
第25区間営団半蔵門線:水天宮前14:45→15:05渋谷/10.8キロ/20分
 【高タカ】ホームへ降りるとこれから乗る列車がガラガラの状態で待機中。今のうちに一個だけ残っていたメロンパンを食う。777Mもおにぎりを取り出して食っている。14:45定時発車。
 青山一丁目を過ぎた辺りだったろうか、隣の席から不気味なフフフフフという押し殺した笑いが・・・。そう、777Mが再び「空想科学読本」を読み始めたのだ・・・。渋谷着。
 
第26区間…JR山手線:渋谷15:09→15:14目黒/3.1キロ/5分
第27区間都営三田線:目黒15:21→16:12西高島平/26.5キロ/51分
 【高タカ】半蔵門線→JR山手線への乗り継ぎは標準で4分かかるが、実際は2分で行けた。無事山手線に乗り継ぎ、二つ目の目黒で下車。都営三田線に乗り換える。東急目黒・営団南北・都営三田線ホームはまだ出来立てホヤホヤなので明るくてきれいだ。列車を待つ客も多く、出足は順調なようだ。
 15:21発の三田線電車に乗り込む。空いている。各駅に設置されたホームドアが未来を感じさせる。再び隣席からフフフフフという笑い声がする。
 内幸町からクソうるせーババア集団が乗り込んできた。車内の携帯電話なんかよりよっぽど迷惑である。新幹線に乗っていてもこういうババア(もしくはオバハン)がよく乗っている。幾つになっても元気なのは大いに結構であるが、場をわきまえるべきである。若者に文句を言う資格なし!!
 先の文章はついつい感情的になって書いてしまった。しばらくして集団のおしゃべりはそれほどうるさくはなくなってきた。集団は巣鴨で降りていった。妙に納得。あっ、また不気味な笑いが・・・。
 西台から列車は地上に出る。今回の旅で地上に出る地下鉄が自分たちが思っている以上に多いことに気付いた。
 定刻に西高島平着。頭がだるい。眠い。う〜。
 
第28区間都営三田線:西高島平16:16→16:42白山/13.8キロ/26分
 【777M】この路線はかなり退屈。駅数多いし。願わくばもう全線は乗りたくない。呉々も朝寝過ごさないようにせねば(注:777Mは今春から目黒線大岡山駅前にある某大学の学生になる)。
 さっき僕のボールペンが死んだ。インクが何故かほとんど上にのぼっていて全く書けない。
う〜ん下克上か。許せん。性格悪い。
 
第29区間…白山…徒歩…本駒込
 【777M】まずは予定通りA3出口より地上へ。そして・・・?ん?どっちへ行けばいいのかな?二人共本駒込→白山の道はある程度頭に入っていたのだが、計画修正後は真剣に道を確認していなかったので、こんなことになってしまった。でもすぐに地図で確認したので、1分程度のロスで大したことはなかったと思ったのが、しかし世の中甘くなかった。2,3分前に階段を下り始めて通路を見渡してみると、遠くまで続く通路に改札が見当たらない!!なに〜!!ひぃぃぃぃ〜とばかりにダッシュ。
 運良く改札は通路の途中を曲がったところにあったものの大分体力を使ってしまった。最終的に予定通りの電車に乗ったものの僕は再び汗だくになってしまった。
 
第30区間営団南北線:本駒込16:51→17:05赤羽岩淵/7.7キロ/14分
 【777M】この辺りは末端に近いので、しっかり座ることが出来た。でも乗車人数はそれなりにいる。高タカは相変わらずウトウト・・・。「赤羽岩淵で車輌移動するんだよ」と最初に言っておきながら実際ついて起こすと、「折り返すからこのままでいいんだよ。どこ行くの?」と寝ぼけ返事。果ては赤羽岩淵の折り返し電車発車時に「僕、白金高輪まで起きてないかも(要は寝てるってことか?)」と、よく分からない日本語を発する始末・・・。
 
第31区間営団南北線:赤羽岩淵17:08→17:43白金高輪/19.0キロ/35分
第32区間都営三田線:白金高輪17:47→17:51目黒/2.3キロ/4分
 【777M】赤羽岩淵行きはたくさん人が乗っていたのに、白金高輪行きに乗る人は少ない。17時過ぎに都心に行く人は少ないと言うことか。
 高タカは電車が走り出すと、待ってましたとばかりに夢の世界へ。飯田橋に着くころには完全に熟睡している、と思ったらコンプレッサーの音で起きちゃった。でもまた寝た。
 計画では20:20位に全部乗り終えることになっている。後約3時間。最後は精神的に辛い都営大江戸線だ。なんとか気力を持ちこたえさせねばいかん。ガンバロー!!(オー!!!)
 次は麻布十番。その次白金高輪。麻布とシロガネーゼのブランド力は地下まで浸透しているだろうか。少なくともこの車輌にはマダムやお金持ちそうな人はいないけれど。
 ・・・ゆさゆさ。はっ!!目黒なのに寝てしまっていた。危ういところだった。(注:この時は高タカは起きていたようだ)
 
第33区間…JR山手線:目黒17:53→18:03代々木/5.8キロ/10分
 【777M】先ほど通った順路を虐走して山手線ホームへ。10号車の文字情報板を見ているとすぐに代々木。大江戸線に乗り換える。
 
第34区間都営大江戸線:代々木18:08→18:12都庁前/1.4キロ/4分
 【777M】都庁前で階段使用の1分乗り継ぎを成功させるべく安静にする。相変わらず走行音がうるさい。 
 
第35区間都営大江戸線:都庁前18:12→19:12都庁前/28.6キロ/60分
 【777M】都庁前に到着〜!!ドア・オープン!!ずどどどどど。さあ乗るぞ!・・・って同じ列車がホームの右と左に!?何だぁ?えーい、こういう時は人の多い方に乗るのだー!!
 ぷしーっ。もう乗ってしまったから後にはひけない。じっくり腰を据えて最後まで行きませう。
 
第36区間都営大江戸線:都庁前19:12→19:33光が丘/12.1キロ/21分
 【高タカ】777Mの言う通りである。こういう時は人が多い方に乗るものである。が、私は少ない方に乗ろうとした。777Mに「こっちです!」と言われて、慌てて客の多い方に乗った。今回の旅の計画者である私がこんな調子なので恥ずかしい限りだが、どちらの列車に乗っても大江戸線完乗にかかる時間に大差はないし、ま、いいか。
 ウトウトしていて、ふと目が覚めると門前仲町。ホームから「1番線(私達が乗っている列車が停車している番線)都庁前行き発車いたします」のアナウンス。「ん!?都庁前行き?光が丘行きじゃなくて?」我々が都庁前で乗り換えるべきだった列車は"光が丘行き"である。そして、私はその光が丘行きに乗り継げたものと思いこんでいたのだが、どうやら私が乗ろうとした"客が少ない列車"の方が乗るべき列車だったらしい。まあ、二人ともよく分かってなかったのでお互い様と言うことで・・・。
 それにしてもこの大江戸線は使えない奴である。運転順路は分からないし、それ以前にどこをどう走っているのかもよく分からない。その上地下のやけに深い場所を走っており、乗るまでに一苦労である。運賃も高い。大江戸線の利用者は見込みを大幅に下回っているらしが、当然であろう。
 またウトウトしちゃった。目が覚めると飯田橋。気がつくと都庁前。まもなく同じホームに入線してきた光が丘行きに乗り換える。もしかしたら我々が都庁前で乗りそびれた奴かも知れない。
 二人とも疲れてほとんど会話なし。1分遅れて光が丘着。1分接続で乗り換えられるはずだった電車が行ってしまった。
 
第37区間都営大江戸線:光が丘19:42→19:48練馬/3.8キロ/6分
 【高タカ】19:42発都庁前行きに乗って6分、練馬で下車。ここで西武有楽町線に乗り換える。有楽町線の区間は練馬〜小竹向原で有楽町は通らない。本来なら"練馬線"とでもなるのだろうが、営団有楽町線に乗り入れるために造られた線なので乗り入れ先の線名に合わせて"有楽町線"を名乗っている。線名の付け方としては珍しい部類である。因みにホームに停まっているのは営団有楽町線の車輌である。行き先は池袋。
 
第38区間…西武有楽町線:練馬19:57→20:01小竹向原/2.6キロ/4分
第39区間営団有楽町線:小竹向原20:03→20:07新線池袋/3.2キロ/4分
 【高タカ】車内はガラガラ。定刻19:57に発車。あっけなく20:01小竹向原着。間もなく同一ホームに入線してきた"新線"池袋行き電車に乗り換える。両列車とも20:03に同時発車。しばらく併走してから我が新線の方は更に地下深くへもぐって行く。
 暗闇の中にホーム(というか駅)らしきものあり。この新線は将来池袋まで延びる予定だそうだ。
 20:07新線池袋着。やった〜!!これで東京の地下鉄を全線制覇したぞー!!永年の夢がやっと実現した。本来なら涙を流して万歳して抱き合うのだろうが、なにぶん二人共大いに疲れており、新線池袋駅ホームに降り立った瞬間、微笑と共に「ふぅ〜」とため息をつき「終わったね」「終わりましたね。しばらく地下鉄には乗りたくないです」と言い合う始末であった。結局、打ち上げをすることもなく、大人しく家に帰った。
 
 
 
あとがき
 いかがだったでしょうか?東京地下鉄1日完全乗車の旅は?多少分かりにくい部分があるかも知れませんが、それは全て私の国語力不足によるものです。どうかお許しください。ただ、私は皆さんに自分たちが一日で東京の地下鉄全てに乗車するという酔狂な旅をしたということを知っていただければ十分です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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