このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

「庄内交通モハ3・8の現状について」
2002.12.12 74期 Zero
庄内交通についての概略

 ここで庄内交通と述べるのは庄内交通湯野浜線のことである。同線は山形県は鶴岡市の羽越本線鶴岡駅 と日本海に面する湯野浜温泉を結ぶ小私鉄であった。停車駅は鶴岡・京田・安丹・北大山・善宝寺・七窪・湯野浜温泉である。

 廃止(昭和50年3月)当時の同社の車両は7両

・モハ1(開業以来の車両、蒲原鉄道モハ11と同系)
 ・・・モハ1・モハ3・モハ5(←2からの改番)

・モハ7(京王線の戦災復旧車を譲渡)
 ・・・モハ7

・モハ8(モハ7と同様)
 ・・・モハ8

・デハ101(東京急行・池上電気鉄道デハ3250を譲渡)
 ・・・デハ101・デハ103

 なお、庄内交通そのものはピンク色のバス会社として存続している。


モハ3の保存状況

 モハ3は善宝寺駅跡に保存されている。ちなみに善宝寺とは一昔前に「人面魚」で大分沸いたところである。 立派な記念館があるのだが、残念ながら現在営業をしていない。私の記憶が確かならば十数年前までは 営業していたはずである。付近には土産物屋などがあるが「人面魚ブーム」が去った後は殆ど廃業して しまい閑散としている。
正面から望む 
 駅のホームをそのまま利用しているということがお解りであろうか?バラスト部やホーム上には 草が生い茂っている(調査時は8月)。フェンスも大分朽ちている。私は敷地内への進入を試みた。 ちなみに写真右手側には貨物ホームがあり、手前の構内跡地は駐車場として利用されている。
反対側ホームから 
 善宝寺は対向式ホームである。本屋側からは屋根が増設されており、鉄骨組に透過性の樹脂の トタン材が葺かれている。しかしながら、風化により殆ど崩れ落ちている。
 本屋の中に様々な資料が展示されているのが見える。本屋自体はコンクリート製なので耐久性・資料の 保存については心配なさそうだ。
 こちら側のホームには何故かC11の動輪が展示されている。
 モハ3の正面の丸いペイントは「鉄道友の会」による保存を記念して描かれたものである。筆者も 同会の会報のバックナンバーでその記事を見たことがある。ところで「鉄道友の会」は同車の現状を 関知しているのだろうか?
本屋側ホーム上から 
 ホーム上から望む。屋根や外装は場所が場所と言うこともあり、多少荒れている。しかし、幸いなことに 窓ガラスが完璧な状態のために内装のダメージが少ない。まぁ、電車の中に運転手と車掌のマネキンが 居るので「気味が悪くていたずらできない」だけなのかも知れない(筆者は子供の頃この人形が嫌いだった)。
後部から撮影 通路から下回りも見学できるようになっている。 
 外装としては、足回りは比較的良好な状態を保っていると言える。ともあれ、トタンが破れていては せっかくの屋根も宝の持ち腐れである。同車の外装の整備が望まれるがその前にせめて屋根だけでも 整備してはいかがだろうか。ちなみに、所有者は突き止めていません。教育委員会かな?


 モハ8の保存状況

 モハ8は羽前水沢駅付近の国道7号線沿いにあります。
駐車場にあります。 車体の下には犬が棲んでいます。 
 私有地に保存されています。従って屋根などはありません。屋根の方の痛みは致し方有りません。 そばや(忘れた)か何かの駐車場から見えます。私有地であるし、現在犬のおうちになっている ということもありあまり深くは追求していません。
側面・道路側から望む 
 車道側から眺めた図です。なんと、川をまたいでいます。それぞれの側に線路が引いてあります。 ナントカ画廊と書いてあるんですがペイント不明瞭。
 保存状態ははっきり言って良くありません。床下機器はすっかり落ちてしまっています。ガラスも 割れて室内も軽い改造を受けているものと思われます(画廊だからネ)。これだけ特殊な保存方法のため 新たに保存し直すとなるとなかなか骨でありましょうが、同車は京王線の戦災復旧車であり、非常に 貴重な車両でもありますので何らかの手を打たなければならない思います。


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