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北海道ツーリング 1

初めての北海道ツーリング

1981年8月23日〜9月5日・CB400N
松原先輩+XL250S、橋本先輩+CB250Export
2635.6km
今回の地図
本当ならば長崎に精霊流しを見に行く予定だったのだが、一緒に行くつもりだった友人が行けなくなった為に中止になった。
どうしようかと思っていたところ、高校時代のクラブ(自転車部)の先輩が
「ヒマやったら、ワシら(二人)北海道行くからついて来いやー」と誘ってくれたのだ。
高校の時から憧れていた夢の大地・北海道、4回生の来年に行こうと思っていたのだが、これはいいチャンス!下見も兼ねて行ってみよう。
先輩は二人とも北海道ツーリングの経験もあるので心強い。
日程は学校の休みとの兼ね合いで2週間になった、ただ大型台風が行った直後なので心配ではある。

8月23日(日)・晴
やってきました出発日、バイトも20日で終ったので昨日までにバイクの整備と買出しと荷造りは済ませてある。
そういえばいつものパターンなのだが、毎年夏のツーリングは23日の出発だなぁ。
9時に来る予定の橋本先輩が10時過ぎにやって来た、開口一番に「フロントタイヤがパンクしてん・・・」あー何か不安!
11時過ぎに出発して松原先輩の家に行く、ここでみんなの荷物チェックをして12時過ぎに3台揃って出発!
だけど、途中で不足物の買い物したりして全然前に進まない。13時前にようやく本格的に走り出した。
僕はまったく道を知らないので、完全に「金魚のフン」状態なのだ。
京都市内を過ぎて大原を抜けていくと、車も少ない田舎道になる。
快調に走るがすぐに飽きてきた、そのうち琵琶湖の湖畔に出る。
湖畔沿いを快調に流していると、ブレーキのマスターシリンダーからオイルが滲んできた。
この前車検済ませたばかりなんだけど大丈夫なんだろか?
ブレーキの効きには変化は無いが、右ヒザにはオイルのシミが出来てきた。
ツーリング中オイル持つのかな?
最初に休憩してから2時間走りっぱなしでケツが痛くなってきたので休憩、あぁダルイ。
心はすでに北海道に飛んでいるので、こんな所に居るのはたまんない。
頭の中では、ジョン・オバニオンの曲がリフレインしている。
敦賀まであと50kmほど、今は15時半、フェリーは22時発・・・。
それではノンビリ走ろうよと出発、50km/hキープ走行で行く。

10分もすると山の中になり適当なワインディングになったとたんに松原先輩が突然止った、
どうしたのかと思ったら「寒いー」と言ってウインドブレーカーを着た。おかげでまた休憩だ、30分と走ってないのに・・・
ただ1人3枚も着ている人を先頭に走る、すると今度は橋本先輩の様子がおかしい!
「ガソリンが無い〜」とさっきも言っていたが、すでにリザーブに切り替わったようで下り坂をエンジンを切って下っていたのだ。
敦賀市に入った所でスタンドに入る、183.0km/6.9L=26.52km/L。
こんなものか、ガソリン代は157円/L高くなったなー。
スタンドから10分でフェリーターミナルに到着。先ずは乗船券を買っておこう、
学割が効くけど2等寝台で15300円と北海道行きとしては恐ろしく安い!
敦賀港・気合が入る乗船前
これでもう安心なのでメシを食いに行こうと市内にくりだす。ソバ屋で早い夕食を済ませてから船内食の買出し、
フェリーの中は物価が高いそうだ。保存のきくラーメン類を買い込んでおこう。
18時過ぎに港に戻るとバイクがウジャウジャやって来た。乗船時には50台以上いたのではないだろうか?
友人が来ないと心配していたGS400君の友人も何とか間に合ったようだ。
フェリーは定刻の22時に出航!いよいよ32時間の船旅です。
本日の走行・・・189.8km

8月24日(月)・晴
あ〜、ヒマだな〜。昼前まで寝ていたが、起きてもする事がないよ。
まわりは360度の海・海・海!、青い空と白い雲。他にはなぁ〜んにもナシ!
松原先輩は船酔いで朝から「気持ち悪い〜」とメシも食わずに寝ているので、橋本先輩と船内を探索しよう。
晴々として気分がいいデッキの上
夜になるとすごくキレイな星空が広がっている、が、それよりも「早く着け、早く着け!」と思ったままだった、あぁ明日の朝が待ち遠しいよォー!
本日の走行・・・0km

8月25日(火)・晴
目を覚ましたのは4時頃、もう太陽が昇り始めている。
さっさと用意をしていると4時半に「小樽の人よ」が船内に流れだした。フェリーは定刻より早く5時に小樽港に到着。
32時間の船旅も終り、下船すると5時とは思えないくらいに明るい。
小樽に上陸、いよいよ北海道!
船酔いが直ってない松原先輩を先頭にして5:15にいよいよ出発!3枚着て走るけど寒い。
それでも早朝に走るのは気持ちが良いねー。
気分良く走って余市へ、当然ニッカのウイスキー工場。
着いてみると6時前なので当然開いていない、それなのにスゴイ匂い!
頭が痛くなりそうだ、写真だけ撮って出発。

R229で積丹に向うが道が悪いねー。これでも国道なんだろか?やたらと荒れてるよ。
細い道なのにダンプが多いし、トンネルだらけで中は水びたしで出口は急カーブで危ない!
ブツクサ言いながら50km/hで流していると、他のバイクに次々抜かれていく。も少し飛ばそうよぉ!
約40分でトンネル地帯を過ぎて婦美のワインディングを抜けた農家の前で休憩して写真を撮る。
ようやく夏らしい日差しになってきた。
婦美・気持ちのいい道が続く
7時前に出発、60km/hペースで進む。相変わらず抜かれまくるけど松原先輩はガンとしてペースを崩さない。
7時過ぎに野塚まで来たところで家にTELしてからパンを食べる。北海道ではもう2学期が始まっていて、生徒の姿が目に付く。
7:30に出発したらすぐに神威岬の駐車場が見えた、本当ならここから歩いて1時間近くかかるらしいのだが松原先輩は止らずに進む。

すると途中の林道に入っていく(なんでこんな道知ってるんだ?)ではないか!仕方なく着いて行くがロードバイクで林道はキツイ!
何度もコケそうになりながら走り、無事にロードエンドに着いた。
すると何と!神威岬が目の前にあるではないか!5分と歩かないうちに先端に着いてしまった。
途中で僕等を抜いて行って駐車場から汗だくになって歩いてきた連中は突然現れた我々にビックリしていた。
神威岬・この下は30mの絶壁だってば!
30分ぐらい写真をとったりしてから出発、積丹岬を回ってから岩内に向う。まだ積丹半島は1周できる道がないのだ。
美国から峠を登っていくとダートになった。トーマル峠は約15kmのダート道。前傾姿勢のCBはこんな所は走りにくい。
先輩達はスッ飛んで行ったのでとっくに見えなくなっていた。
恐怖のダートを何とか通過して海岸線に下りてきた、ここからは雷電海岸道路・通称カブトラインだ。
トンネルは多いけどハイスピードで走れる気持ちの良い道だ。
雷電海岸で一休み
岩内の町に着いたので休憩、松原先輩はカメラの電池を購入。
その間に僕がYHの予約をするが、言語障害が残っているので大変だった。
しばらく走り、蘭越でガソリンを入れる。198.0km/7.3L=27.12km/L 北海道はガソリン代がやや高い(162円)。
ここから長万部に向うが、この道道はとても退屈な道。信号も民家も車もない、カーブも「曲がった直線」程度なのでボケてくる。
おかげでR5に合流する所で一旦停止を無視してしまった。
ふと左腕を見ると黒いカタマリがモゾモゾ動いている。わっ!巨大なカミキリ虫だ!
松原先輩に走りながらムシリ取ってもらう、おかげで目が覚めた。
それにしても国道なのに車の来ない道だなぁ。3台並走したまま大声で会話できる。
「メシ!長万部でメシ!」と松原先輩がわめくので昼食にする。
海沿いになった所のドライブインに入る、当然ここでは「カニメシ」だ。
でも、運ばれてきたのはどう見ても「カニ風味ピラフ」だ。そんなにカニ入ってないじゃないか!
がっかりして長万部を出る、大沼まであと80km程なので、約2時間か。
前方にパトカーがいるので50km/hペースで走るが、ず〜っと同じ景色を見たままで走っていると精神的にまいってきた。
先輩達も同じようで、ちょくちょく休憩しながら進む。
レーダーも多く飛ばせないからこうするしかない。あーバイクに乗るのが嫌になりそう。
そのうち遠くに駒ケ岳が見えるようになってきたので写真を撮ろう。
R5・遠くに駒ケ岳が見える
目標物が視界に入ると気合も入る。残りを一気に走るぞ!
60mk/hペースで走り、大沼に着いたのが3時過ぎ。まだ時間に余裕があるので大沼公園道路を1周しよう。
先日の台風のせいでかなり増水しているみたいだ。
松原先輩は冠水している場所を水溜りと思って突っ込んで行き、散水車になっていた。
30分程で1周して、本日の宿「イクサンダー大沼YH」に到着。大きくて綺麗なYHだ。
チェックインして荷物を下ろしてから写真を撮る為にまた走る。
いろいろ回ったわりには数枚しか撮らなかった、増水していてポイントが悪いんだもん。
大増水していた大沼公園
帰りにバイク屋でブレーキのマスターシリンダーを診てもらうが原因不明。とりあえずブレーキオイルを一杯に足しておく。
YHに戻って先ずは風呂。人数が多かったので時間がかかり、上ったのは夕食直前。上ったとたんに夕食だ、忙しいな。
食事に行くとテーブルには松原先輩が居るだけで、他はみ〜んな女!どうも食べ辛い。
隣りに座っていた東北の女の子と話をしながらたらふく食べる。
北海道の食い物はすごく旨い!

食後、20時からミーティング。裏にあるカナディアンハウスのミーティングルームに集まるが、人が多い!
歌から始まるパターンだが、YHに泊りだして4泊目にしてはじめてミーティングらしい物を体験したぞ。
歌の後はゲームなのだが、これがまるでウサギ飛びみたいだ。(このおかげで3日後まで足が痛くなるとは思わなかった)
そして22時になり消灯、あー疲れた。
さっさと寝ようと思ったが、松原先輩のイビキ、こーりゃスゴイぞ!(この後毎日寝不足になるのも予想してなかった・・・)
あー寝られない!
本日の走行・・・332.4km

8月26日(水)・曇〜雨
イビキの怪人に起こされたのが6:30、う〜っ寝不足だぁ。
寝ボケたまま顔を洗って7時から朝食。
朝食後は玄関前で記念撮影をするのだが、あちこちからシャッターを切るのでどこ向いていいのか分からない。
イクサンダー大沼YH出発前の記念撮影
その後8:30に函館に向けて出発、五稜郭だけに行くのだ。
夜中に雨が降ったようで路面が濡れている。
R5を30kmほど行くと函館市内になる、五稜郭に着いた所で写真を撮って、もともと写真を撮るだけの予定だったのでさっさと出発する。
「デン」だけついた五稜郭公園
R5を戻っているとどうも雲行きが怪しい、たぶん雨が降るだろうなぁー。
新しいカッパ(500円のラーメンカッパだが)を持っているとは言っても世話になりたくないなー。
そのうちトリップが200kmを越えたのでスタンドへ、215.1km/7L=30.73km/L。
スタンドを出て10分もするとポツポツときた、しばらく我慢して走るが、そのうち強くなってきたので仕方なくカッパを着る。
おかげで13kmの直線も礼文のワインディングもパーだ。
ダラダラ走っていたが腹が減ったのでメシ、食堂に入って昼食。
北海道に来たらミソラーメンを食わねばならない。
あぁ、本場のミソラーメンは旨い!たらふく食べてしまった。
ここで北湯沢YHを予約、16時到着目標で13:30に出発。
北海道としてはコーナーの多い道を走って14時過ぎに洞爺湖に着いたが、雨のおかげで何も見えず。写真だけ撮って行く。
雨の洞爺湖
約10分ほどで昭和新山に到着、何とか雨が止んでいるのでカッパを脱いで途中まで登る。さすがに火山活動しているので暖かい。
戻ってきて出発しようとしたら、また降ってきた。再びカッパを着て走り出す。
今日はもう見る所は無いのでひたすらYHに向うが、すごく暗くなってきたし雨も相当強くなってきた。
行けば行くほど道はボロボロになってきて、土砂崩れで1車線しか走れない所もあって、だんだん不安になってきた。
大雨の中を何とか北湯沢YHに到着、今日は全員飛込みで6名とのこと。

先日の台風の影響で、土砂崩れ等があって温泉のパイプラインが壊れてしまったそうで、今日は温泉に入れない。
それでもPさんは何とか風呂にお湯を入れてくれたので冷えた体が温まった。
その後は夕食、こんな状況なのに大変良質の食事を出してもらって感激したぞ。腹いっぱいに食べてしまった。
今日はミーティングは無し、談話室でみんなで野球を見ていたら、中日の宇野が外野フライをヘディングしてた・・・
今日は早めに寝る、でも寝れるのかな?
本日の走行・・・220.3km

8月27日(木)・晴
朝起きると、何と言う事だ。昨日の雨がウソのように晴れている。
朝食の後、荷造りを済ませ、バイクの点検をして9時過ぎに支笏湖に向けて出発する。
北湯沢ユースホステル
しばらく走ると通行止め、引き返してオロフレ峠に向う。
すごい登りのワインディングで、走りこむとFタイヤが逃げそうになってくる。
調子よく走ってオロフレ峠に到着。
20分ほど休んでから出発、しかしここからはダート。先輩達はすぐに見えなくなった・・・
地図上では10km以上あると思っていたダートも6km程で終る。このまま行って登別、温泉街をさっさと通り抜けてクッタラ湖を見に行く。
クッタラ湖は小さなまん丸な湖、人も少なく静かな所だ。
まんまるクッタラ湖
しばらく見物してから、今度は登別の地獄谷に向う。
硫黄の匂いがキツくてたまんない、
しかもアスファルトが硫黄で侵されているのか、バイクのスタンドがめり込んでしまう。とんでもない所だなぁ。
地獄谷・お気楽な三人組
そろそろトリップが230kmを越えたのでスタンドに入る、236.6km/10L=23.6km/L。
登別を後にしてR36に出る、やはり直線ばかりで走っていても眠くなる。
腹もへってきたので苫小牧でまたラーメン屋に入って、またもミソラーメン。安くて旨いんだもん。
ここから日高に向うが、苫小牧市内はダンプが多くて非常に走りにくい。
それだけで疲れたのでR235に入ったところの勇払という所で休憩。
ここは地平線と水平線の両方が見える場所だった、これで交通量が少なけりゃイイ所なんだがねー。
再び走り出す、豊川からR237に入ると回りは牧場が多くウマばっかり。
ここでも変化のない景色を見ながら走っていると、だんだん眠くなってくる。
ペースが下がるので、そうそう休憩ばかりもしていられない。
これは(尻にも)苦痛ですよ。
約2時間走ってようやく日高に到着、あぁケツが痛い!
ここから富良野に行くが、とたんにダート!またもヨチヨチ走る。
何度もコケそうになりながらも何とかダート区間終了。
先行している2人を追いかける。
この辺は適当なワインディングなので走っていて楽しい。
しかし、しばらくすると急に雲行きが怪しくなってきた。

キャンプかYHかで相談するが、今日もYHに決めた。場所は昨日教えてもらった「富良野ホワイトYH」だ。
最近出来た所で、まだパンフレットにも載っていない所だ。
金山に来たところで既に5時、急がにゃならねぇ!
ペースを上げて走っていたが、R38で富良野市内に入ったところで今日2度目のスタンドへ。
203.2km/6.4L=31.75km/L。
さぁYHへ行くぞ。でも地図の通りに走っているはずなのにYHに着かない。そのうち地図の交差点が違っていた事が分った。
プリンスホテルの道に入るとありました、富良野ホワイトYH。
到着は18時、受付しようと中に入るとヘルパーさんが「松原!」松原先輩が「あぁ〜!」一体何でしょうか?
何とヘルパーさんと松原先輩は高校の同級生だったんだと。
という事はここで先輩が1人増えたってことだね。
とにかく中に入るとすぐに夕食、休む間なし。今日は僕がテーブルからあぶれてしまった。1人別テーブルで食べる。
食後はすぐに風呂、ここでは家庭用の風呂が2つ並んでいた。
風呂から上るとミーティング、ここではみんなで話をするだけで終了。
部屋に戻ってテレビでも見ようと思ったら100円入れるタイプ、某先輩の裏技でありがたく見る事ができた。
そのついでに、さっきプリンスホテルに寄った時に買った前田真三氏のポストカードを書いてから23時過ぎに寝る。
しかし今宵も部屋には轟音が響き渡る。あぁ今日も寝不足なのかなぁ・・・
本日の走行・・・314.5km

8月28日(金)・晴
気持ちよく寝ていたらイビキの怪人に起こされる、7時だ。
このYHは朝食が良くて、ジャンボクロワッサンも出てきた。おもいきり食べる、こんなに朝食を食ったのも珍しいな。
8:40に出発するが、この辺は景色が素晴らしく良いので、あっちこっち寄り道しては風景を見ていたので全然前に進まない。
広大な景色の中を走る(24ミリ広角)
富良野を抜けたら、今度は美瑛・美馬牛と続き、相変わらず止っては走り、走っては止りを繰り返す。
おかげで旭川に着いたのは10:30。1時間もかからないであろう道を2時間かけてしまった。
美馬牛・丘の眺めが良い
旭川からR39で層雲峡に向う、この頃になるとブレーキの効きが少し悪くなったように感じたので、少し距離を開けて走る。
それにしても退屈な道だな、寝てしまいそうだ。
それを救ってくれたのは増えてきたバイクたち。ピースサインの回数が増える増える。

旭川から約1時間、だんだん峡谷みたいになってきた。
層雲峡に着いて見に行くが、あまりスケールは大きくない。写真みたいに本格的に見れるのは遊歩道の方らしい。
そこまでしなくてもいいかと大函に向う。
こちらの方が見やすいねー。腹がへってきたのでここで昼食にする。
大函
ソバを食べながら今日の予定を決める。
天気もいいので今日はサロマ湖まで行ってキャンプをする事にした、到着予定は18時という事にして13:25に出発。
赤岳展望台の方に行ってみようとしたが、先日の台風のせいで通行止め。引き返そうとしたところにスズキハスラー250がやって来た。
話をしていたら彼は行ける所まで行ってみる!と走っていった。
僕等は引き返して峠を登る、とても良いワインディングでガンガン飛ばせる。調子よく走っていたら、アッという間に石北峠に着いた。
石北峠・ここから道東になる
休憩していたらXL250が2台来た、東京と大阪ナンバーで、旅の途中で知り合ったそうだ。北海道ツーリングにはオフロードバイクが似合うなぁ。
出発して峠を下っていく、さぁ行くぞ!と思っていたら観光バスの大群・・・コーナーだらけなので抜くに抜けない。
しばらくバスの後ろについていたが、直線になった所で一気に抜きにかかる。対向車線に飛び出して加速するが、まースゴイ。
14台いたバスを全て抜いて行けた、北海道恐るべし!
しばらく走ってからスタンドに入る。204.3km/7L=29.19km/L。
ここでバイクを洗う。泥だらけのままで走りたくないのだ。
スッキリしたところで出発、この先にダートがあるので松原先輩は1人違うルートで行く事になった。落合う先は遠軽。
僕と橋本先輩は留辺蕊を回るのだが、淡々と走るだけで変化に乏しい。景色もあまり良くないなぁ。
R242に入って北上、相変わらず変化のない中を遠軽に着いたのは16:10。松原先輩は20分遅れで到着。
そろそろ時間が気になりだした、近くの食料品店で食材を買い込み、サロマまでの近道を教えてもらい出発。
道道を走る、17時を回ると少し寒くなってきた。クネクネ曲がる道なので飽きなくていい。
調子よく走っていたら30分程でサロマ湖畔の芭露という所に出た。
R238を網走方面に急いでいると、フェリーで一緒だったDT250の外人さんが半袖・半パンで走って行った。寒くないのか?
急いで走って18時に栄浦キャンプ場に到着、
日が沈む前にテントを張ろうと思っていたのに、サロマ湖に沈む夕陽があまりにも美しかったので見とれてしまっていた。
ふと我に返るとテントは張りかけのまま・・・あわてて設営だ。
見とれていた夕焼け
テントに荷物を入れて夕食の用意をするが、ここでハンゴウが1つしか無い事が判明!
ナベもない(食器もマグカップだけ)のでハンゴウで煮炊きしてからメシを炊くという方法で何とかメシにありつけた。
食事が済むと後はやる事がないので橋本先輩のテントでトランプをやる。
それも21時頃になると嫌になったので、外をうろついていたらまた腹が減ってきたので、明日の朝用のパンを食べてしまった。
22時に寝るが、どうもテントは寝にくい。せっかくイビキの怪人とは別になったというのに・・・
本日の走行・・・299.2km

8月29日(土)・晴〜雨
起きたのは7時前、やはり寝不足・・・
目覚めの紅茶をタップリと飲む、昨晩パンを食べてしまったので朝食なし。そこは仕方がない、我慢するのだ。
サロマ湖キャンプ場の朝
テントを撤収して出発の用意をする。8:10に出発、しかし今日は知床までなのでノンビリと走る。
急に松原先輩が止ったので何事か?と思ったら「農協に行くぞ」と言う。
そうか、ミルクランド(※当時の北海道内の「牛乳を飲みましょう」というキャンペーン)のステッカーをたかりに行くのか。
常呂農協に行って話をすると、売っていたのでTシャツとステッカーを買ってくる。
そこからしばらく行くと能取湖に出た。ここにはサンゴ草という原生植物が生えていて、岸辺が赤く染まっているので見ていこう。
※花が咲くのではなく、植物自体が赤いのでそう見える。
赤く見えるのがサンゴ草
写真を撮っていたらバイクが来たのでピースサインをしたら止った、ありゃりゃフェリーで一緒だった京都のホークⅡではないか。
少し話をしてから彼は北に向って走って行った。
我々も走り出したが、すぐにスタンドに入る。146.9km/5L=29.38km/L。
先輩達のバイクはタンクが小さいので約200kmごとに給油せねばならないのだ。
チェーンに給油してから出発。スタンドを出て10分程で網走刑務所に到着。あまり長く居る場所でもないのでさっさと出発する。
網走市内を通り過ぎてR244に入る、トーフツ湖まで来ると遠くに知床や斜里岳が見えてきた。ホントに北海道らしい景色だ。
R244で戯れる、心強い先輩方
写真を撮ってから中斜里まで来たところで昼食、朝を抜いていたので腹ペコだった。
ここでホクレンの工場があるという事を教えてもらったので行ってみる。
ステッカーをもらうつもりで行ったらキャンペーン用のレコードまでくれた、でもこれ織田哲郎が作った歌なんだ!
満足してR334に入り知床を目指す。
しばらく走ると大きな滝があった、オシンコシンの滝という所だ。滝が2本並んで流れ落ちている。
なかなか迫力のある滝だ。ちょうどここで3本目のフィルムになった。
オシンコシンの滝・ここが知床の入口
10分ほどで出発、R334は細いけどけっこうリズム良く走れる道だ。思っていたよりも早くウトロに着いた、でもそのまま知床五湖まで一気に行く。
ところがこの辺はまだ道が全く舗装されておらず苦しい走行を強いられる。何度もコケそうになりながらどうにか到着。あーしんど。
するとここから歩きだって?うえーっ!
ブーツなのでスタスタ歩けないのでノンビリと歩いて廻る、だけどどう見ても五湖じゃなくて五池だな、小さいもん。
かなり小さい知床五湖(五池?)
約1時間かけて戻ってきたが、もうクタクタ。
ベンチに座って休んでいたら隣に女の子が時刻表を見ながら座ってる、旅行者には見えないし、バイトでもなさそうなので変な奴と思っていたら、
観光バスが来たとたんに立ち上がり「知床五湖のご案内を〜」と言い出した、1時間に数本しかバス来ないよね、ここ。楽なバイトだな〜。
さぁ、ここから知床峠越えだ。昨年開通したばかりで全線ダートでハードな道と聞いている、覚悟を決めて登っていく。
ところがどうだ、簡易舗装をしてあるおかげで楽チンだよ。ダートは峠の手前3km程だったので助かった。
峠まで来ると国後と択捉が見えている、初めて見たぞ。でも、目の前にある島が日本じゃないのはやっぱり変、北方領土かえせー!
まだ未舗装だった知床峠
長めの休憩を終えて走り出す、下りは全線舗装のタイトなワインディング、コケないように注意して走る。
さすがに下りでは軽量なXLは速くてついて行くのが精一杯だ。
なかなか走り応えのある道を下ると羅臼の町になるのでYHを探す。見つけて止ったのに橋本先輩はスッ飛んでいったので、呼びに行く。
ちょうど出会ったのがスタンドの近くだったのでガソリンを補給しよう。153.4km/5L=30.68km/L。
YHに戻り、受付を済ませて部屋に行ってビックリ!まるでお化け屋敷!ホテルの旧館らしいけど、まー酷い。
窓を開けようとしたら開かない、何とか開けたが、雨が降り出してきたので締めようとしたら今度は閉まらない。これも何とか閉めたが・・・
畳はボロボロでズクズク、隙間が開いていて隙間風が吹くし、何か虫がいるぞ!布団はジメジメだし何だいここは!
良かったのは風呂だけ、ホテルの大浴場に入れた。
で、風呂から上って食事だけど、これまたスゴイ。信じられないくらいにヒドイ、まるで犬の餌じゃないか!
ここホテルが経営してるんだろ、こんなのあんまりだ!
部屋に戻っても気分が悪い、する事がなくなったので洗濯をする。今日は他に人がいないので隣の部屋とのフスマを開けて2部屋分使って干す。
しかし、雨がどこからか漏っているのが部屋の中はすごい湿気。寒くなったしお茶でも飲もうとコンロで湯を沸かして暖房を兼ねる。
ラジオもモスクワ放送しか入らないし、たまらん!あー何でこんな所選んだんだろう。今日はさっさと寝る3人であった。
本日の走行・・・188.7km

8月30日(日)・雨〜曇
あー雨だ、気分悪いなぁ。
昨晩に続くムゴイ朝食を食べる。食後にさっさと雨具の用意をして8時過ぎに「二度と来んぞー!」と出発。
雨の中を走るのは好きじゃない、ライトを灯けて淡々と走る。R335を南下するが景色も何もあったもんじゃない。
いつもと変らないペースで約1時間で根室標津に着いた。ここから中学校の地理でも習った野付半島に向う。
地図ではダートのはずだったけど簡易舗装してあるので助かった。18km程走って終点の駐車場に入る。
ここからは遊歩道でトドワラを見に行こう、雨はほぼ上っていたが傘は当然持っていないのでカッパとヘルメットのまま歩いていく。
野付のトドワラ
約1時間で1周してきたが、思ったよりも立ち枯れは進んでいて、数年後には殆どが倒れてしまうそうだ。
駐車場に戻ると高校生の修学旅行のバスが大量に止っていた。
11:30に野付を出る、標津からR272に入ったとたんに物凄い土砂降りになる。もう道路は川みたいになっている。
する事が無いので橋本先輩を抜きながら水たまりに突っ込んで行くと滝のように水が飛ぶ。先輩の頭からかけてしまった。
そうすると橋本先輩も復讐してくる、そんな事を繰り返しているうちに計根別に着いたのでスタンドに入る。
123km/5.3L=23.21km/L。(165円/L)

12:40に出発、5kmほど走った所で道道に入るが、これがあきれる程に直線。行けども行けどもストレート、
途中ダートもあったけど100km程(先輩達はダートになると全開で走るのだ)のアベレージで走れる。
30分ぐらい走って、横道にそれたところに有ったのが「裏摩周展望台」。まだどんな雑誌にも紹介されていない摩周の穴場中の穴場なのだ。
なのに霧が凄くてな〜んにも見えやしない、くそー!
なにも見えなかった裏摩周展望台
仕方なく引き返し、養老牛まで戻ったところで今日のYHを予約しよう、しかし摩周湖YHは満員で×。阿寒のYHが何とか取れた。
泊るところも決まったので安心して出発。でも、弟子屈まではダートが続く。意を決して走る。
100km/h以上で走っても先輩達に追付かない、いったいあの2人の頭の中はどうなっているんだ!
と考えても、そんな2人であるのは承知の上だったもんな。
舗装になったところでようやく追付く。

弟子屈から摩周湖に向う途中で摩周湖YHがあったが、バイクがズラ〜リ。これじゃ断られるよ。
そのまま摩周湖第一展望台に到着。野付にいた高校生の集団がいるぞ。
KL250に乗ってる人がいたので、4人でゾロゾロ歩きながら写真を撮る。さっきとは大違いで、何とか湖面も見えている。
そのまま4人で第三展望台まで行ったら声をかけられた。誰かなと思ったら層雲峡の近くで合ったハスラー250の人だった。
今度は5人でゾロゾロと歩く。ここでは完全に湖面も見えており、ようやく摩周湖に来たんだと実感できた。
途中で一緒になったオフローダー達と
それではみんなで硫黄山に行きましょうと出発。ここからは下りの強烈ワインディング、
ロード400の意地にかけて先頭を走るが、軽量なオフローダーたちは平気でついてくる。
それでも今日のウップンを晴らすには充分な道でした。下り終えたら硫黄山に到着。ここにも高校生の集団が来てるぞ。
雨もどうにか上ったので、ようやくカッパが脱げた。あー気持ちいい。
雨もあがった硫黄山
ここでしばらく休憩してから僕等だけで走り出す、もう16時なので少し焦ってきた。
屈斜路湖に出たところで写真だけ撮って先を急ぐ。
一瞬光が差した屈斜路湖
屈斜路湖畔を走り、弟子屈に向う。途中で橋本先輩が1人突っ走って道を間違えたりしたが無事に弟子屈からR241・阿寒横断道路に入る。
しばらく行くとすごくきついワインディングになる、コーナーも曲りきれないほどだ。北海道は道が極端やなぁ。
かなり深いバンクを繰り返していると、だんだん薄暗くなって寒くなってきた。
途中の双湖台で休憩、なのに湖が1個しか見えない?・・・あ、ここは双岳台だった。
少し行くと今度はホンモノの双湖台に着いた、うん、確かにペンケトーとパンケトーが見える。
今日の見物はこれでおしまい、YHへ急げーと出発。
ここからは先頭に出てかなり真剣に飛ばす、と言っても僕のライトが一番明るいから前を走るだけなんだけど・・・
ダートの恨みを一気に晴らすべく快走する。
ワインディング区間も終り、フラットなところになった所で国道沿いに「阿寒エンジェルYH」を発見。
受付に入ってビックリ、女だらけ!ほとんど男は居ないらしい。嬉しいような恐いような・・・
部屋に荷物を置いたらすぐに夕食。今日は昼ヌキだったから腹ペコなのだ。大量に食べてから風呂に入る。
なんだ、物凄く熱い!今日は体が冷えたからかと思ったが、阿寒の源泉はかなり熱いらしく、熱さが売りらしいのだ。でもちょっと熱すぎるよ。
風呂から上ると熱くてたまらないや。
その後はミーティング、先輩達はドンクサイのか罰ゲームばかりやっている。でもあの2人なら目立つ為の作戦かも知れないぞ。
今日は疲れてしまったのでイビキの怪人より早く寝た。
本日の走行・・・289.9km

8月31日(月)・晴
「あまいトウキビいらんかねぇ〜」わ!ビックリした。朝の6:30からトウモロコシ売るな!
というワケで今日も早起き、7時には朝食を食べる。
食後に僕はバイクのメンテと荷造りをする、先輩達はパンケ林道を走りに行ってしまったからだ。
ガソリンを入れて(169.2km/6.6L=25.64km/L)洗車をする、昨日の汚れはひどかったがキレイになった。
チェーンもダルンダルンに伸びていたのできっちりと張っておく。
しばらくすると予定よりも早く先輩達が戻ってきた、最近クマが出たそうで途中から通行止めになっていたそうだ。
先輩達の準備も済んだところで出発だ。
阿寒エンジェルユース
9時過ぎに出発、道はガラガラで走りやすい。20分も経たないうちにオンネトーに到着。
ここは北海道三大秘湖のひとつ(他は東雲湖とオコタンペ湖)で、なるほど湖面に映る雄阿寒岳と雌阿寒岳が美しい。
天気がうらめしかったオンネトー
ここから松原先輩は林道を走りたいと言うので、またしても別行動。落合う先は足寄の手前。
僕等は国道まで戻って進む、全く車もいないので好きなように走れる。
橋本先輩のCBが「パコパコパコォーッ」という変な音で抜いていくが、250のポンコツなので130km/hぐらいが限度なので抜き返す。
そんな事を繰り返しているうちに待ち合わせ場所に着いて林道出口で待っていたら松原先輩は国道を走ってきた。
今度は土砂崩れで通行止めだったそうだ。
そこから15分ほど走った足寄の駅前で休憩、松山千春の故郷として有名になったが、さすがに駅前までは写真看板は無いようだ。
足寄駅(まだ国鉄だった)
再び走り出して、約1時間で上士幌に入る。ここでも農協があったのでステッカーをもらう。
R273に入り糠平湖に向う、なかなかのどかな道だなー。しばらくポプラ並木が続いていて、北海道ぽいね。
約25分で到着。ここはダム湖なんだ。やはり台風のおかげで増水しているなぁ。
糠平湖・ここは人造湖
しばらく休憩してから食堂に入る、毎度おなじみのミソラーメンである。松原先輩は大盛りを頼んでいるぞ!
満腹になって1時に出発。ここからの道はちょっと細めのワインディング、見通しが良ければ最高なんだけどなぁ。
70〜80km/hぐらいで調子よく走っていたら峠の手前からダートになった・・・やはり先輩達はすぐに見えなくなった。
何とか13:30に然別湖に到着。あーもうダートはイヤ!ここで富良野ホワイトYHにTEL。今日と明日の連泊で予約を取っておく。
少し休憩して出発、またダートだ。バスとすれ違うと中から手を振ってくるので振り返す。
ダートが終ると下りの舗装路、道幅も広くて走りやすいなぁ。そのうち地平線が見える場所に出たのでまた休憩だ。
地平線が見える扇ヶ原展望台
写真を撮ってから再び下り、平地になったところが鹿追。原生林を貫いて道が真っ直ぐに伸びている。
この両側は自衛隊の演習地なので戦車のキャタピラ跡がすごい。
直線路、ちょっと作為的かな?
鹿追の町になったところのホクレンのスタンドに入る。166.3km/6.3L=26.4km/L。
ここは149円/Lと異様に安い、しかもここのネーちゃんがとても美人だ。(ホクレンのスタンドは皆レベル高いと思った)
先輩達は洗車しているので、僕はチェーンオイルを足しておく。
ブレーキオイルもマスターシリンダーをガムテープ巻きのままなので、念のために確認。
やはり少し減っているぞ、富良野で補給しよう。30分ぐらいで出発。
R38に出て飛ばす、何とか17時ぐらいにはYHに入りたいのだ。登りのワインディングは90km/hぐらい、先輩達のバイクはそれ以上出ないようなのだ。
狩勝峠に着いたけど、今日は寒い!
景色を見てから4時前に出発、ここからは下りだ。そんなに交通量も多くなく、流すだけなので退屈になってきたし寒いので、ただただ早く着きたい。
約1時間で富良野に入り、再びやってきました富良野ホワイトYH。到着は16:55だった。
チェックインして先ずは風呂。今日は寒かったので気持ちがいいねぇ。
この前と違って時間にも余裕があるからリラックスできる。
そして楽しみな夕食、他のどのYHよりも旨い。本当に腹いっぱいに食べてしまう。

食後はミーティング、前回と同じパターンで話ばっかり。
でも、よく見ると連泊者が多いなぁ、この前も泊っていた人間が半分ぐらい残っていた。僕等も連泊なので明日はほとんどが連泊者なんだね。
ただ、橋本先輩だけは明日1人で先に札幌に行く事になった。
消灯時間を過ぎても誰も寝ていないようで夜遅くなっても話し声が聞こえている。僕等も明日は余裕があるので夜中まで例の方法でテレビをずっと見ていた。
本日の走行・・・262.4km

9月1日(火)・曇
7時頃に目が覚めたが、何だか寒い。9月になったからだろうか?
朝食は今日も巨大クロワッサン、これ大好きだ。またしてもたらふく食ってしまった。
一休みしてから出発組の見送り、残ったのは連泊組。9時になったので僕等は行動開始、厚着してカメラだけ持って出発。
札幌に行く橋本先輩は当然全ての荷物を積んでいる。
走り出したらとんでもなく寒い!まるで初冬だ。それでもあちこち走り回る。
教えてもらった麓郷に行ってみたら、この秋から始まるドラマ「北の国から」の最終回のロケで少し交通制限がされていた。
それではと人の来ない平原を探しに行く途中で、Uターンしそこねてボテゴケしてしまった。くそー!
それでもこの辺の景色は気持ちよく、キャンペーンCMにあった「1年分の空気」が出来る。
1年分の空気in麓郷
昼を回ったところで市内に戻り、バイク屋に寄る。橋本先輩のライトの球が切れてしまったからだ。
僕はブレーキオイルを補給する、漏れる原因もダイヤフラムの取付け不良と分り、直してもらった。
※このバイク屋にはドラマで岩城滉一が乗っていたDT50が置いてあった。

その作業を待っている間に店のおばちゃんが「あんたらスイカ食べるかい?」と言うので遠慮なくもらうが、
旨いのでガバガバ食べていたら次々と持ってくる。
もう富良野ではスイカの収穫も終ってしまったので、余るだけなんだそうだけど、結局1人あたり丸2個分ぐらい食べた。
スイカで腹いっぱいになるなんて生まれて初めてだ。
その後、橋本先輩は札幌に行くので明日のYHも合わせて予約しておく。
バラバラになってからYHに戻ってきたのは16時過ぎ、今日は早めに風呂に入っておく。そして18時から夕食、今日もすばらしく旨い。
20時からはミーティング、Pさんが「今日はティーンエイジャーが1人もいませんね」と言ったとたんにみんなが僕を見た、
後で分ったが高校生と思われていたらしい。ま、いいか24歳に見られる20歳よりはマシだろう。
このYHでは昨年も流行った大瀧詠一の「ロング・バケイション」がずっとかかっていた、今年の方が身に染込むなぁ。
今日は寝る時に衝撃が走った。同室になったチャリダーのイビキ、松原先輩よりもスゴイのだ!
世の中、上には上がいるもんだ。あ〜っ!左右からガーガーやかましい!!!
本日の走行・・・79.0km

9月2日(水)・曇
イビキの怪人とイビキの魔人に囲まれて寝不足の朝だ。
さて今日は札幌まで移動しなければならないのだが、行きたくない気分だな。
朝食後、出発組と写真を撮る。
富良野ホワイトユース出発前
その後、残ってる連中と話をする。あれれ?人数に対してカメラが多いぞ。あーっ!さっき出発していった女の子のカメラだ!
まだ間にあうハズとバイクで追いかけて、駅前で捕まえる。本人はまったく気づいていなかった。
11時頃にワインハウスに行ってみる。ここでしか買えないワインとチョコを買って帰るのだ。
レストランでワインシャーベットを食べると、とんでもなく旨い!あぁ俺は今日からアイス関連の評論家になるぞ。
今日は天気が悪いので景色が今ひとつなのが残念だ。
富良野ワインハウス前
YHに戻り、荷物を積んで未練たらたらで富良野を後にする、また来年きっと来るぞ!
R38を北上(当時はこれが札幌に行くルートだった)するが、何ともヒマ。芦別に来たところでスタンドに入る。
205.9km/8.1L=25.42km/L。満タンにしてさっさと出る。
人の気配が殆んどしない歌志内を抜けて砂川でR12に合流する、ここで遅い昼食。やはりミソラーメンなのだ。
R12を南下するが、大阪を走っているのと大して変らない。道が真っ直ぐなだけに余計に変化が無くて辛い。あーケツが痛い!
江別から札幌に入ってR5。これまた車が多くてたまんない。時計台の前も止る気にさえならなかった。
何とか16:40に札幌宮ヶ丘YHに到着、橋本先輩はすでに着いていた。
受付を済ませて先ずは風呂、ゆっくり入ってから夕食。あれれ、6人分しか無いぞ?そうか、みんな外食して来るんだな。

ミーティングの時にはみんな戻って来ていた、今日は退屈だったせいもあってかとても楽しかった。
しかし、今日は大して何もしていないのに疲れた日だったな。今日が最後のYH、北海道最後の夜・・・
本日の走行・・・143.8km

9月3日(木)・曇
6:30頃に目覚ましの音楽が鳴るので目が覚めた、今日も早起きさせられた・・・
7時に朝食。昨日の夕食とは大違いで人が多いぞ。同じテーブルの女の子達と話をしながら食べていたら、最後の方になっちゃった。
食器を洗って部屋に戻り、荷物をまとめてホールのペチカ前に置いておく。オコタンペ湖に行ってくるだけなのでカメラしか持っていかないのだ。
出掛けようとしたら、出発していく連中が「写真撮ろうよ」というので、お決まりの撮影大会だ。
宮が丘YHの記念撮影
その後住所等を交換してから出発。
走り出したら寒いこと寒いこと!手がかじかんできそうだ。厚着をしているのに体も震えているぞ。
この辺(札幌市内)でもクマが出るそうなので、やたらと「クマに注意」の看板がある。
寒くてもワインディングになると楽しいもので、気持ちだけ熱くなって走る。そのうちオコタンペ湖展望台に着いたが、松原先輩は止らない。
峠のダート道を少し下って、支笏湖が見えたところで突然止る。
なんだろう?と思っていたら「行くぞ!」と言って唐突に山を登りだした、よく見るとそこには「オコタンペ湖登山口」と書いてあった。
なんでこの人こんな場所知ってるんだろう?
オコタンペ湖は山を越えて行きます
クマが出そうな細い山道を登っていく、20分ほどで頂上になり下っていくと湖面に降りられた。
山の中にたたずむ小さいけれど非常に美しい湖だ、人が来ないからだろうか全然汚れていないんだ。
しばらくボケ〜っとしてから引き返す。
バイクの所まで戻ってきたが、ものすごく疲れたので10分ほど休憩してから展望台まで戻る。
やはりここからでは全体の半分も見えないや。それではYHに戻ろう。
途中で例の「クマ注意」の看板前で人がいたので写真を撮ってもらう。
クマが出るぞ〜
ここから寒さがひどくなってきた、ウィンドブレーカーを着てもまだ寒い。
震えながら市内まで戻り、最後のガソリン補給。194.1km/6.7L=28.97km/L。
YHに戻り、土産を買ってから荷物を積む。

13:25、いよいよ小樽に向けて札幌を後にする。まだ帰りたくないなー。
R5を約50分走り小樽に戻ってきた。先ずはフェリーポートに行き切符を買う。その後は駅前に行って長崎屋で船内食と土産を買う。
早めの夕食(昼食か?)を済ませて16時過ぎに港に戻る。
もうすでにバイクがズラッと並んでいる、みんなはどんな旅をしてきたんだろうか?
小樽港、ツーリングバイクの行列
18時になり乗船開始、いよいよ北の大地に別れを告げる時がきた。
乗船したら自分の場所を確保する、帰りは2等なのだ。
船は定刻の19時に出港!小樽の町が、北海道が、だんだん遠くなっていく。
ただのツーリングなのに、どうしてこんなに悲しいんだろう?
来年また絶対来るぞ!

台風が来ているので松原先輩が船酔いする前に晩メシ。オニギリ+コロッケというリッチな?食事。
船が外洋に出て揺れがひどくなる前に風呂も済ませる。
夜になるとフェリーは激しく揺れており、松原先輩はとっくにダウンしてしまった。
その後、橋本先輩とトランプなどをしていたが、揺れが一段とひどくなってきたのでさすがに横になっていないと無理になってきた。
ツーリングの終わりは厳しい船旅やなぁ。とりあえず寝ようっと。
本日の走行・・・129.5km

9月4日(金)・大雨
台風のため、朝からスゴイ大雨が降り続いている。
揺れも半端じゃないので松原先輩はすでにグロッキー状態になっている。僕等も酔ってはいないが元気は出ない。
夜になったところで、バイクで乗船している人間だけが呼ばれた。
何事かと思ったが、船の揺れが激しくてバイクを繋いでいたワイヤーが切れて、バイクが将棋倒しになってしまったそうだ!
とにかく自分の目で見たいのでデッキに入れてもらう。パッと見には何ともないようだが、よく見ると右のサイドカバーが2つに割れている。
レバーも曲っているようだが、暗くてあまり分らない。とりあえず走行には問題はないようだ。
部屋に戻ってきて他の連中とも話をするが、僕なんて相当軽い方らしい。
フレームが曲ったとか、ホイールがいがんだとか走行不能レベルの奴もいる。
橋本先輩は呑気に「新品になる〜♪」と喜んでいる、船酔いで倒れていたはずの松原先輩もいつの間にか復活している!
まわりの連中も、この際ツーリング中に壊れた部品も新しくしてやろうという雰囲気で、今日は怪しい空気が流れる船室であった。
本日の走行・・・0km

9月5日(土)・晴
フェリーは30分の遅れで舞鶴港に到着。無事だった連中はさっさと出発して行く。
僕等はフェリー会社・保険屋と交渉せねばならんのだ。
とにかく昨日は暗くて見えなかった所もチェックする。
サイドカバー以外にはタンクのへこみとクランクケースカバーの傷、マフラーの傷、そしてハンドルとブレーキレバーの曲りだった。
幸いにも何とか走行できるぞ。
フェリーの事故で壊れたCB
ただ、橋本先輩のはヒドイ。スタンドが曲り、リアホイールのハブが割れている。
このままじゃ走れないので、スタンドを強引に曲げ戻し、近くのバイク屋までもって行き、ハブを溶接してもらってから走り出す。
センタースタンドは使わなければいいからね。
本当に走行不能になった連中はどうするんだろうか?
R27を下り、綾部でR9に入る。もう昼なので車は少なくて走りやすい。
亀岡に来たところで昼食。あー久しぶりに普通の物食べた。船内ではカップラーメンばかりだったもんな。
亀岡から池田に抜けて阪神高速に乗るが、車が多い。大阪は走りにくい、北海道がイイ!
高速を下りて松原先輩の家に着いたのは15時、借りていた道具等を返してから3人で近くのホンダSFに部品を頼みに行く。
部品を頼んでから解散して17時前にようやく帰宅。
2週間ぶりの我が家だ、ノンビリ荷物を降ろしてから洗車する。
あとはバイクが直るのを待つだけだ、それでツーリングは終る。
初めての長期だったし、最後はトラブッたけど楽しいツーリングだった、また来年行くぞ!
本日の走行・・・186.1km

ツーリングデータ
走行距離・・・・2635.6km
燃費・・・・・・・・27.4km/L
平均単価・・・・161.2円/L
全費用・・・・・・78494円

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