このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

北海道ツーリング №6

極寒の北海道ツーリング


1991/4/28〜5/7  ヤマハFZR400  同行:大西+ヤマハFZR250R
2426.5km


今年もGWにツーリングに行けることになった。行先はもちろん北海道。
フェリーで行くのが好きなのだが、今回は移動時間を節約したいので飛行機でバイクを運ぶ『スカイツーリング』というパック旅行だ。
費用はかさむが、その分昨年の倍の日数を使えるロングツーリングが可能になった。

しかし、昨年は雪に降られてメロメロになったし、6年乗ってるバイクもガタが出てきている。
それになんと言っても出発前に持病の激しい腰痛が出てきてしまい、普通には歩けない体調なのである。
病院に行って何とか歩けるようにはなったのだが、非常に不安である。

昨年は何も考えずに行ったけど、今年は経験を生かしてキッチリと準備をする。
何と言っても防寒対策、この日のために新しいウェア、性能の良いカッパとレイングラブ、防水仕様のバッグ類、そしてスペアシールド。
昨年悩まされた左手は地道にリハビリを続けていたので、日常生活には充分な握力と持久力は戻っているので長距離でも耐えられるだろう。
バイクは出発までに整備も行う、事前にタイヤも新しくしてあるのだ。

今回は久しぶりに友人の大西と一緒に走る。互いに何度も北海道に行ってるのに、一緒に走るのは大学四回生の時以来、10年振りになる。
出発前にコースを決めるにも、互いに行きたい所が微妙に違うのでなかなか譲らない。
結局は基本コースを彼に任せ、細かい所の詰めを僕がやることでルートは決まった。


出発するまで

●4月21日(日)

出発まで1週間だ。それまでにライディングの勘を取り戻しておくのと、体調を確認しておく必要があるので、
いつもの練習コースである奈良県の十津川村まで走りこみに行く。強烈なワインディングで、原付に乗り出した頃からよく通っている道なのだ。
しかし体が言うことを聞かない・・・跨って乗ることはできる、ライディングも何とか普通にできるのだが、降りることが非常に困難な体調だ。
とりあえず走り出す。路面状況も良く、タイヤもミシュラン・ラジアルに換えてあるのだが、何か妙な違和感がある。
走ることが出来るのは確認できたので、帰り道に部品を買って帰ってきた。
今日から整備をするので、まずはFZRをバラす。こんな時に自宅に閉鎖型ガレージがあるのはありがたい。
大まかな整備は今日のうちにやっておこうと思ったのだが、プラグ交換に思いのほか時間がかかってしまい、他の事が出来ずに終わった。

●4月22日〜25日

毎晩、帰ってきてから整備をする。
エアクリーナーの掃除、ブレーキディスクの掃除、電球関係は全て交換、オイルは低温用にしてモリブデンを添加、
各ワイヤに給油、タイヤの空気圧を調整してチェーンを張ろうとしたら左右で取り付け位置がズレてるのを発見、
走っていて違和感があったのはコレだな。そして前後のサスペンションを調整して何とか終了。あとはバッテリーの充電だけだ。

●4月26日(金)

帰ってきてバッテリーの充電を始めた頃に大西から連絡が入り、チケットが届いたとのこと。さぁこれで準備完了だ。

●4月27日(土)

いよいよ明日が出発だ、夕方から荷造りを始めた頃に大西から電話。
『どしたん?』と俺。すると『カメラが壊れた!』と奴。
えらいこっちゃ!とりあえず持って来させる。
二人ともペンタックスを使ってるし、1台予備があるので最悪の場合はそのボディを貸せば何とかなるのだ。
で、実際に見てみると本当に動かない。

つい先日まで動いていたと言うから、変だな〜と思い、念のため電池を交換してみると・・・
動くやんか!!まぁ大した事じゃなかったので一安心。
『それじゃ俺はバッテリー取り付けるわ』と言ったら、『来たついでやからオイル換えてや』と地獄の一言。
うわぁ!もう夜中やんか。しかもまだエンジン熱いし。
エンジンが触れるぐらいになる間に奴のFZRを整備して(何で俺がやるの?)、オイルを換えた後に奴は帰って行った。
自分のバッテリーを取り付けて、さぁ明日は出発だと思っていたら時刻はすでに今日が出発ということになっていた・・・寝よっと。

●4月28日(日) 晴れ〜曇り
L-1011 ウィンドフライト 
←このネタ元分かる人、あなたはジャズ好きですね?

朝起きると、すごくイイ天気。これだけで気分が良くなるってもんダ!
昨晩のゴタゴタで風呂に入ってなかったので、朝風呂に入って目を覚まし軽く朝食を食べ、決して少なくない荷物を積んで9:30に出発だ。
走り出してすぐバイクの動きがシャープになってるのが分かった、全ての動きが軽く感じる。やはり整備は大事だねぇ。
大西の家に着く頃には、その動きにも慣れた(というより勘が戻った)これで奴のFZR250R(’90)に対抗できるぞ。(こちらは’86なので)
奴の家の前で打合せしてたら、何だかリアタイヤに黒いものが付いている。どうやらチェーンオイルでも飛んでるようだ。
拭き取ってから10:30に伊丹空港へ向けて走り出す。


出発前、奴の家の前で。

さすがに連休の初日とあって道が混んでいるなぁ、渋滞してるので路側帯を走るけど荷物満載なのであまり無理はできない。
そしたら前を走っていたバイクが突然クルマがドアを開けた所に突っ込んで大転倒!
怪我はしていないようなのが不幸中の幸いか、我々は先が長いので無理せずノンビリと行こう。
飛ばせる所だけ飛ばして昼過ぎに伊丹空港に到着、そのままバイクを積んでもらうために貨物ターミナルへ行って手続きをする。

しかし、そこからは全ての荷物を持って搭乗カウンターへ行かねばならん!
あぁ・・・スンゴい重さ。
搭乗手続きをして荷物を預ける、ヘルメットとタンクバックは機内持込みにした。
飛行機を見ながら昼食を済ませると後はすることが無くてヒマなのだよ、
貨物手続きが離陸の2時間半前というのはどうにかならんものか?
おかげで搭乗手続きは1番になるけど・・・

さぁようやく搭乗だ、1番で入るぞ!
飛行機はトライスターだった。14:45にいよいよ離陸、久しぶりの飛行機だ。
ちなみに奴は初めて飛行機だったそうだ。
大阪の街がみるみる小さくなっていく、上がって水平飛行になると空の青さがスゴイ。

それにしても落ち着かない飛行だな、なかなか安全ベルトを外させてくれないのだ。
何でも気流が悪いそうで何度かエアポケットに落ちる、怖さも半端じゃないよね。
しかし僕らはスチュワーデスさんを『青のお姉さんがイイ』
『いいや俺は緑のお姉さんの方が好き』ときわめて呑気。
だって落ちる時は何やっても無駄だもん。
そのうち北海道上空になったが、空は黒い。天候は悪いとのこと。

そして殺風景な千歳空港に無事着陸。雨は降っていないようだ。
荷物を受け取って貨物カウンターへ向かう、動いているだけで汗をかきそうだ。
やっとの思いで到着、我らが相棒たちはすでに荷解きされていた、
さっさと受け取り手続きを終わらせて荷物を積む。
その間に目前のガソリンスタンドが閉まっちゃった・・・

カラのタンクでどれだけ走るかな・・・と思って走り出したら200mぐらいでエンスト、
荷物満載のFZRを押して近所のスタンドに行くが、頭がクラクラしてきたぞ。
どうにか満タンにしたのだが、えらく時間を食ってしまった。今は17:30だ、
今から室蘭まで行くのだ。2台並んで出発だ、行くぞ!

国道をハイペースで走るが、路面が悪くて走りにくい。それに時間も無いので予定より早めの苫小牧ICから高速に乗る。
しっかし天候が悪いおかげで物凄い横風だ、気を抜くと真横に吹っ飛ばされそうだ!
フロント側が暴れているが、男の子はこんな事でビビッてはいけないのです。140km/hで走ってるけど気持ちは200km/hを超えてるね。
連続して襲ってくる恐怖と戦いながら室蘭東ICで降りる、国道を約20分走って19:00に室蘭YHに到着。もう真っ暗け。

夕食は頼んでいなかったので、荷物を片付けて外食に行く。近くで炉端屋があったのでそこに入る。
魚を食べていたら常連さん?達が『ニイチャンたちどっから来たね?』と聞いてくる、いつものパターンである。
以前、関西に住んでいたという人もおり異様に盛り上がってしまい、飲め〜食え〜の波状攻撃である。
僕らの前は空き瓶と食い物だらけ、しかも全部オゴリ!で、よくこれだけ腹に入ったものだと我ながら関心した。

どうにか脱出してYHに戻るが、どうやって戻ったかも覚えていないぐらいメロメロだぁ。
しかも戻ったら部屋の連中も酒盛りしていて修羅場の続き・・・
あ〜、今日は彼女に電話したかったんだよぉ!(室蘭に住んでた事があるのを知ってたので驚かそうと思ってたのに・・・)
そのまま夜は更けていくのでありました、あぁ・・・・・


もう飲めねぇって!

本日の走行・・・165.1km

●4月29日(月) 曇り〜雨
RUNNIN' IN THE RAIN

うぐぐぐっ、気持ち悪い。とてもじゃないが寝ていられない。完璧に飲みすぎだ。
まだ4時頃なんだが、気分を紛らわせたり酔い醒ましを兼ねて部屋の外に出て冷たい空気を吸ったりするんだけど、全然効果なし。
苦しんでいるうちに朝になり、朝食の時間になったけど食べるのもままならず
ヨーグルトとサラダだけを食べて、紅茶をガブ飲みしていたら少しマシになった。

早めに出発する奴がいたので、同部屋の連中と写真を撮ることになったのだが、珍しいことに皆ペンタックスの一眼レフカメラを持っていた。
ボディがコンパクトだからという理由だったのだが、これまた不思議なことに1台として同じカメラが無かった。


室蘭ユースホステル出発前

9時を回った頃に僕らも出発だ。今日も風が強くて天気も悪くて凄く寒い。
先ずは見えないだろうけど、水平線で有名な地球岬へ向かう。しかし、いきなり霧が出てきて前すら見えなくて危ない。
苦労して到着したが、案の定なにもかもが霧の彼方・・・
エエイ、また来てやるっ・・・と、悲しく再び走り出す。


やっぱり水平線は見えなかった地球岬

ちょっと寂れた雰囲気の室蘭の街を駆け抜けてR37に出る、今にも雨が降ってきそうだ。
ここから洞爺までは高速コーナーが連続する楽しい区間なので、時間稼ぎも兼ねて思い切り飛ばして行こう。
調子良く走っていたら、シールドにポツポツと雨が当たりだした。しばらくは我慢していたが、ちょうどバス停があったのでカッパを着よう。
北海道のバス停は小さい小屋になっているので雨宿りも出来るので助かる、ここで休憩をしよう。

休憩してカッパを着てから出発、しかしいくら新品とは言え、雨の中を走るのは嫌なもんだ。
走りだしたらいきなりリアタイヤが滑る!どうやら例のチェーンオイルか?
今更どうしようもないので慎重な運転を心がけるが、ただでさえ雨で神経を使うのに余計に疲れるなぁ。
そのうち洞爺湖に出たが、とまる気も失せたのでそのまま進む。

雨は全然止まない、80km/hぐらいで淡々と進むうちに真狩村に入る。
すると急に寒さが強くなったような気がするぞ、そう思っていたら道路の周りにはまだ残雪がある。
さすがに手が冷たく辛くなってきたので、バス停を探して休憩することにした。
カッパを脱いで座っていたら、反対側からバイクが2台来て同じように休憩にきた。
彼らも雨で疲れていて口数も少ない、反対側もずっと雨が降っているそうだ。


羊蹄山が霞んで見える

『お互いに気をつけて行こうぜ』と、分かれて出発する。そのうちニセコに着いた。
あれ?いつの間にか道を間違えてたぞ。R5に入って北上、雨は土砂降りになってきた。ひたすら走って倶知安に来たところでガソリン補給。
時間も遅れ気味なのでここで大西と相談して、予定していた積丹西側を止めて神威岬だけに行くことにした。
今まで積丹で雨に降られたことは無かったので残念だな。

また走り出すが、景色もあまり見えない雨の中を走るのは苦痛以外の何物でもない。
このままだと居眠りしそうなので、ひたすらライン取りを考えながら走る。そうして走っていると、思ったよりも早めに余市に到着できた。
誘惑の多いニッカの工場を横目に見ながらR229に入り積丹へ向かう。

大西はこの道を初めて走るそうで、この雨の中ではしんどいだろうな。
ガタガタ舗装の海岸沿いの危険なトンネル区間を過ぎると道も普通になるので一安心。
(たしかに事故が起こりそうな場所だったけど、まさか数年後に大崩落事故が起こるとは予想できなかった。)
ハイペースで飛ばして、15時過ぎに神威岬の駐車場に到着。
ここからは歩いて行くのだが、天候が悪いため通行禁止になっていたので今回は諦めた。


もう、ヤル気も失せた神威岬入口(今はここから行くことはできません)

ではここで遅めの昼食にしよう、駐車場の食堂に入って名物のウニ丼を食べる。
暖房も効いていたし体が充分に温まった、カッパとグラブも乾かせてもらえたのでリフレッシュできたね。
もう寄るところも無いので一気に小樽へ向けて出発だ。疲れもたまってきたし、日も暮れてきたのでペースは抑えて走る。
余市まで順調に来たのだが、R5に入るとずっと渋滞している。
やっとの思いで18時過ぎに本日の宿の民宿『ぽんぽん船』に到着、厳しい1日だった。

雨で濡れた荷物は廊下に置かせてもらい、先ずは風呂に入って冷えた体を温める。
じっくり温まってから町へ晩メシを食べに行く、さんざん歩きまわってから入ったのは昨年と同じ炉端屋になった。
今日のウップンを晴らさんとばかりに食べまくる。相変わらず美味い店だ。
大西は地酒を飲んでいて、すでにベロベロなのだが僕はさすがに今日は飲まない。食う方に集中するぞ。
タップリ食べてから宿に戻るが、小樽の坂道は足に厳しい。酔っ払って千鳥足になってる奴には更に厳しかったかもしれない。

戻るとちょうどミーティングの時間、ここのオーナーはYH好きだった方でミーティングも古き良き時代のYHの雰囲気で楽しいものでした。
夜更けまで楽しんだけど、昨晩ほとんど寝てないのでもう眠い。
今日は肉体的・神経的にも疲れたし、寒さも厳しそうなので腰にホカロンを当てて寝よう。

本日の走行・・・291.6km

●4月30日(火) 曇り
陸の孤島は風強し

今日は気持ちよく目が覚めた。外を見ると雨は上がったようだが、相変わらず風は強いようだ。
朝食を済ませて早めに出発。駅前の三角市場に行ってカニを買うのだ。
今年は大漁らしくて、花咲・ズワイ・毛ガニの3点セットが昨年よりも安く買うことができた。

では本格的に出発だ。銭函からR231に入ったのだが、昨年同様で物凄く風が強くて危ない。
対向車線まで吹っ飛ばされる石狩大橋をどうにか越えたところでガソリン補給。僕のほうはまだ余裕があるのに大西は残りわずかになっていた。
燃費は大して変わらないのにタンク容量が5リットルも少ないのは厳しいな、レプリカの進化はタンク容量まで制限してきてるんだな。
休憩してから出発、いよいよ初めて走る道だ。昨年は強風で諦めたが、今年は何としても行くのだ。

それにしても凄い風だ、左側にハングオンしてないと真直ぐ走るのは不可能だ。横を見ると吹っ飛ばされそうなので景色を楽しむ余裕も無い。
それでもだんだん慣れてきて、普通の乗り方が出来るようになってきたのでペースも上がる。
ちょうど峠になったので楽しみながら走れる、所々に点在している集落をいくつも越えて雄冬トンネルになる。
この辺は崖崩れなどで通行止めが多くて『陸の孤島』と呼ばれているのだ。

水漏れしているトンネル出口を一気に通過して、ようやく雄冬岬に到着だ。やっと来ることができた。
灯台も無く、どこが岬か分からない場所だったが滝の前で記念写真を撮る。
ここで昼食。食堂に入ってウニラーメンを食べる、ボリューム満点なのに600円と安かった。
体もウェアも温もって気分良く出発だ。


雄冬岬の記念碑

相変わらず寒いのだが、峠になったので久々に大西とバトルだ。
大西はブレーキング〜コーナリングで詰めてくる、僕は立ち上がりで離すといういつものパターンなのだが、今回はコーナリングも負けてないな。
おかげで留萌に着くまで間を楽しく走ることができた。
それにしてもこの辺はキタキツネが多いなぁ、道端でウロウロしている。危ないなぁ。


留萌の黄金岬

10年振りに黄金岬に行ってみると、別な場所じゃないのか?と思うぐらいに変貌していて驚いた。
ここからR233で旭川に向かう、この道を反対方向に走るのは初めてなんだが車が多くて面白くないし、
小雨が降ってきたので北竜からR275に入ってみたら雨も止んで車も少なく快適に走れるようになった。
途中から道道899に入って飛ばしていると、反対車線が白っぽくなったのでスピードを落とす。案の定すぐにジャリ道になった。
約1km程をノロノロ進むとまた舗装道になった。ちょうどダム湖があったので少し休憩しよう。


湯内ダム沿いのワインディング

空も少し明るくなったし、路面も濡れた形跡がないのでこの先も雨は降りそうもないな。
荷物のパッキングを見直したりしてからペースを上げて走り出す。この道は舗装も新しく道幅も広いので、かなり思い切ってイケるのだ。
湯内峠の道は具合がいいのでバトルの再開だ、距離も長くてクルマもおらず息が抜けない。
登りは排気量差で楽勝なんだけど、下りは非常に厳しい。遠慮なく突っ込んでくる奴をどうにか押さえ込んで旭川に到着。あーしんど。

市内をバイパスで抜けてR237に入るが、富良野へ抜ける観光道なのでクルマが多くて走りにくい。
美瑛〜美馬牛と美しい丘の景色をダラダラと見ながら走っていたら、空が暗くなってきたので先を急ぐ。
富良野に入った頃にはもう薄暗くなっていた、目的地の麓郷へはまだ距離がある。
山部を越えたところで突然大西が前に出てスパート!奴はこの辺の道には詳しいのだ。
負けじと付いていくが、知らない道で暗闇は怖いぞっ!

ヒヤヒヤしながら今日の宿『ふらりん』に到着、ここはオーナーさんが大西の知り合いなのだ。
先ずは風呂、体が冷えていたのでホッとするねえ。上がると夕食の時間だ。へぇ麦ゴハンだ。量も多くてタップリ食べられる。
こんなに食べて太らないかと気になるが、入るものはしょうがない。結局腹いっぱい食べちゃった。
その後は、夜にお茶会(ビール飲んでるけど)で皆とワイワイ話をしているうちに夜は更けていく。
今日も疲れたので早めに寝ようと思っていたんだけど、結局寝たのは日付が変わる直前だった。


民宿ふらりん(今はユースホステル)の中、奴はすでに飲んでます。

本日の走行・・・349.3km

●5月1日(水) 晴れ〜曇り
DESTINATION

羽毛布団のおかげか、とても気分良く目が覚めた。外は青空、いい天気だ。嬉しいねぇ〜。
朝食を済ませて出発の準備。今日は距離があるし、去年越えられなかった日高山脈を越えて道東への移動なので、何としても行かねばならん。
そのために一番高度が低く、交通量が多くて安全であろう狩勝峠を通るため昨日に無理して富良野まで来たんだから。


富良野を出発、まだまだ寒い。出発前の暖気は充分に行います。

朝の空気が気持ちいい富良野を出発、気分がハイなのでペースも上がるぜ!
峠の手前だというのにフルバンクに近いコーナリングで走ってる、そのままの勢いで狩勝峠を登りだす。
エンジンも快調に歌ってる、遠慮なく10000rpmを越えていくキィーンという音は4気筒レプリカバイクならではのモノだ。
予定時間よりもかなり早く狩勝峠の頂点に到着、ちょっと休憩しよう。

ううっ寒い!走ってる時はバカになってて分からなかったけど、さすがに峠の頂点は身に染みるように寒い。
何枚か写真を撮ってから『お茶しようよ・・・』とコーヒータイムにする。
天候も晴れたままなので、これで安心して道東へ行けるぞ。


道東への扉、狩勝峠

さて出発だ。ここからは苦手な下り坂なのだが、道幅が広〜いおかげでラインの自由度が高くて、おまけに高速コーナーばかりなので安心して走行できる。
横風もなく、楽しみながら下り終えて平坦路になる。ここからは帯広まで一本道だ。
ところが、この平坦な一本道が曲者で、変化が少なく退屈なので時々眠気が襲ってくるのだ。
追越し可能区間はずっと追越しをかけて眠気を振り払って帯広へ到着。
クルマは多いけど走りやすい。
帯広駅に向かう途中で六花亭の大きな店を見つけたので土産用にお菓子を大量に購入して家に送る。これで土産はほぼ終了。

そして帯広駅前の本店まで行ってティータイム、本店には喫茶室があるのだ。
さすがにバイクの格好のままでは気まずいのでオーバーパンツだけ脱いで喫茶室へ入る。
どうせだから変わったモノを注文しよう。僕は『四月の魚』というクリームパイと紅茶、奴は何だかバベルの塔みたいなケーキを食べている。
それにしても回りはカップルばっかり、男同士で来るところではないな。これはお互い様だろうけど・・・


六花亭本店の喫茶室で『四月の魚』を食す。

帯広を出て、豊頃へと向かう。ここでも大西が道を知っているので前を走る。
単調なR38を走り、途中で脇道にそれてしばらく行ったところに見えたのが『ハルニレの木』。
歩いて近寄って行くと、それまでザワザワとしていた音が急に止んで静かになった。
木と意識がつながったような感じがした、その時『世界樹』の伝説を思い出したのでありました。
しばらく木の根のあたりに座っていたけど、そんなに時間の余裕がないので、今度は豊頃駅に向かう。


ハルニレの木

駅で汽車を撮ってから池田の方へ向かう。クルマが本当に全然いないので、思いっきり走ってアッと言う間に池田を通過してR242で足寄へ飛ばす。
現在16時であと200km走るのだ、安定したハイペースで足寄も通過、このあたりから取締りが厳しくなるので注意して進むんだけど、
周りがえらいペースで走ってるので合わせていたおかげで17時頃にオンネトーに着いた。


オンネトー、雄阿寒岳と雌阿寒岳が美しい

ここで少し休憩、北海道三大秘湖というだけあって美しいのだが、あまりノンビリしていられないので、そこそこで出発。
どうも大西のペースがおかしくなった。どうしたのかと思ったらガソリンが減ってしまい予備に切り替わったそうだ。
阿寒湖に着いたところでガソリン補給、峠でガス欠にならなくて良かった。
暗くならないうちに阿寒横断道路を越えたいので先を急いで出発だ、景色のいい双湖台に寄って写真を撮った。
今日の観光予定はこれで終了なので最後の頑張りだ、さぁ行くぞ。


双湖台、ペンケトーとパンケトーが見える。

先ほどよりもややペースを上げて走っていたら、物凄い勢いのクルマに抜かれた!とてもじゃないけど着いていけないや。
ところが峠の下りトンネルになったところで『ガシャーン!』と嫌な音が聞こえた。
そいつは先ほどのクルマで、対向車線にはみ出して対向車と激突していた。
トンネル内には所々アイスバーン状の部分があって、それで滑ったようだ。僕らも調子に乗って着いて行ってたら同じ目に逢ってたかもしれない。
もう薄暗くなってきたのでペースを落として峠を下っていく。

途中でエゾ鹿の群れを見つけたので写真を撮ったけど、もう暗くてたぶんピント合ってないや。
弟子屈の町に入り途中の店で少し夜食の食料を買い込んでから今日の宿、『屈斜路湖プリンスホテル』に到着。
ホテルなんて泊まる気ないんだけどパックでホテルに2泊しなきゃならないので選んだのだ。

ボーイさん達が荷物やら運んでくれるんだけど、こんな汚いので気が引けてしまう。
手続きして部屋に入ったのは20時過ぎ、時間が気になるのでとりあえず着替えてディナーを先に済ませよう。
しかしどうも勝手が違うので緊張感が抜けないや、周りはカップルばかりだし。さっさと済ませて部屋に戻る。

おっと、その前に彼女に電話しとかなきゃ!不思議なことに距離があるのに声が近く聞こえたな。
でも北海道から大阪まで掛けるとテレカが何枚も消えていくぞ。
さて、風呂に入ってから部屋で酒盛り、俺らはこの方が落ち着くわ。

テレビを見てたら明日の天気予報はどこの峠も軒並み『積雪』とのありがたくないお言葉。
明日はこの旅最大の難関と予想していた知床峠越えを予定しているのだが・・・
さて、どうなることやら。


本日の走行・・・383.3km

●5月2日(木) 晴れ〜雪
WHEELS OF FORTUNE〜運命の轍〜

んがっ、7時に目が覚めた。天気はどうだろうか・・・恐る恐る外を見てみると、何とか晴れている。
今日は、今回のツーリングで一番距離を走る予定なので朝食も採らずに出発するぞ。
ところが、チェックアウト時に貰えるはずだった、札幌のホテルの宿泊券が来ていないことが判明。
ちゃんと予約されているとのことだが、何だか嫌な気分だな。


屈斜路湖プリンスホテル出発前、点検に余念がない。

気を取り直して出発するが、大西のリクエストですぐ近くの和琴半島に行くことになった。
ここは湖畔に温泉が沸いているのだが、走り出したばかりなので見るだけにして先に進む。う〜寒い!
川湯を通り越して硫黄山へ到着。観光ついでに温泉タマゴとホットミルクで朝食だ、味は濃くてすっごく美味しい、体も少し温まったかな?
殺伐とした風景の硫黄山を後にして摩周湖へのワインディングを攻める。
そんな時には寒さを忘れているのは単純だからなのでしょうか?


あまりにも寒かった硫黄山

3〜4速でグイグイ登っていくと周りの木が花が咲いているように見える。
展望台に止まってみると、霧が木に凍り付いて樹氷になっている。それが花が咲いているように見えてたんだ!
摩周湖はいつもの通りバッチリ!見えたので、写真を撮ってから反対側に向けて下っていく。
調子よく下っていくと対向車がパッシング。ペースを落として流していたらレーダーがありました。
へへん、旅先で捕まったことないんだよ!


霧が樹氷になっていた、摩周第3展望台

弟子屈からR243に入り根室方面に向かう。この道は別名『ミルクロード』と呼ばれており、道の両脇は牧場ばかりで乳牛さんがウヨウヨと居る。
天気も良くなってきて、道は呆れるほどに真直ぐでクルマもほとんど走ってない。これで『居眠りするな』というのは酷ですよ。
いくらスピードを上げてもほとんど景色が変わらない・・・
西別でようやく大きなカーブ、ここからしばらく南下する。だだっ広い平原の中を淡々と走る、途中で小雨が降ったけど無事にR44に入った。


どこまでも平坦な大地が広がる。

クルマも増えたので、ペースを合わせていれば取締りを気にしなくていいので楽になるのだが、ペースが上がらず苦痛になってきた頃に根室に入る。
ここからは根室半島道路の北側へ進路を取れば、もう目の前は北方領土が見えている、横風がビュウビュウ吹く中をポツンと2台だけで走る。
ようやく納沙布岬に到着。殺風景な眺めから最果て感がヒシヒシと伝わってくる。
休憩室で望遠レンズで覗くと色丹諸島がハッキリ見えており、ソビエトの巡視艇の砲門がこちら側を向いているのが見える。


納沙布岬、日本の一番東の場所に来た。

ここで昼食、放送で交通情報が流れているが、各峠は積雪と路面凍結のためチェーン規制が出ている!
予定していた知床峠はもちろん、この近辺の峠は軒並みアウト!
今日は知床のウトロに行く予定なのだが、可能性は2つ。弟子屈まで戻って斜里に抜けるか、唯一規制が緩い根北峠に賭けるかだ。
大西と相談して、弟子屈ルートだと着いても夜中になるので大きな賭けをすることになった。

昼食を済ませて出発。来た道で根室まで戻り、北海道3大岬の残った1つである落石岬へ寄る。(他の2つは雄冬岬と地球岬)
その途中で相棒のFZR400は3万kmに到達した。いや、よく走ってくれたもんだ。
でも何だか大西の様子がおかしい、どうやらまたガス欠らしい。どうも今回は奴のFZR250Rは燃費がいつもより悪いなぁ。
この辺は典型的な北海道の田舎で民家も少ないぞ、果たしてガソリンスタンドは有るのか?

そのうち小雨がポツポツ降ってきた、カッパを着なきゃと思っていたらガソリンスタンドを発見!
ガソリン補給の間にカッパを着よう、大西のFZRは14Lタンクに13.8L入ったそうだ、危なかったねぇ。
一安心して岬へ向かうが途中から苦手なジャリ道になった。
どうにか駐車場にバイクを止めるが岬なんて見えない。
大西が確かめに行ってる間に地図を確認、現在15時で知床まで残り150kmだ。少し不安になってきた


訪れる人も居なかった落石(おちいし)岬

大西が場所を見つけてきたので、歩いて岬まで行ってみる。防風林を抜けると急に景色が広がって海が見える、そこに灯台が見えた。
なるほどこれなら誰も来ないな、今この景色は俺たちだけのためにある。
再びテクテク歩いて戻ってくると、大西のバイクが何だか大きく見えるし何かが動いている。
何だろうと思っていると、それはカラスの群れ。ははぁ奴のバッグには昨日のツマミの残りが入っていたんだ。
あわてて追い払うが、バッグの隙間から引きずり出されて見事に食われていた。あはははは、笑うしかないわ。

さぁて、急がねば。ジャリ道を引き返しR44を目指して走る。雨は途中で止んだけど、寒いしまた降ってきそうなのでこのまま走ろう。
R44に出ると取締りをやっていたのでペースが上がらない、時間は過ぎていくのに地図上の位置があまり変わらないことに焦りがでてきた。
根北峠を越える頃には日が落ちるかもしれない、去年のことがあるので積雪の危険がある峠ではそれは何としても避けたい。
厚床からR244に入ると、どう見ても人気が無いので取り締まりもないだろうとペースが上がる。
カーブだろうが直線だろうがスロットル開けっ放しで140km/hぐらいのペースで走る。
その頑張りがきいて標津に17時に着いた。走りっぱなしだったので、ここで休憩しよう。

ホットの缶コーヒーを飲んでいると、大西は電話を掛けている。YHに延着の連絡でもしているのか?
それにしては長電話だな、おいおい、本当に日が暮れてまうで!
終わって聞くと札幌支店の女の子と会う約束を取っていたらしい。
わー、そんなの明日でもよかったやんか!もう18時前で、もう薄暗くなってきた、これは致命的な遅れだぞ。

とにかく出発。しばらく行くと分岐になった、そこを過ぎて根北峠をを登り出す、それまで薄日があったのにもう先は真っ黒な雲の世界だ。
走っているとシールドにカンカンと凍った雨が当たりだした、どんどん登っていくと暗くなりクルマも走っていない。
ライトを灯けて行くが雪が降ってきて前はあまり見えない、今ここを走っているのは僕らだけかもしれない。
路面はみるみる白くなってきてシールドにも雪がついてきて視界が確保できない。
何とか峠の頂上まで来たら、反対車線でバイクが1台途方に暮れていたが、これだけは助けてやることが出来ない、自分で越えるしかないんだ。

道は下りになり、さらに危なくなってきた。ブレーキが使えない、ハンドルを切れない、アクセルを開けれない。
体重移動と慎重なアクセルワークでバイクを走らせる。
路面をよくみると、僅かにクルマが走った轍がある、前があまり見えないのでその轍を頼りにして静かに走る。
もう周りは一面の暗闇で、ライトの明かりが照らすところは真っ白い世界だけ。やっとの思いで斜里に到着したのは19時を回った頃だった。

体が冷え切ってしまいガタガタ震えているけれど、時間も無いので休まずそのままウトロへ向かう。
しかし、もう左手の感覚がほとんど無くなっていてクラッチがうまく切れないので4速ホールドのままで進む。
だけど右手もダメだ、アクセルコントロールが出来ない、もう両手が思うように動いてくれない。
指先どころか腕から動かない、おかげでスピードも30〜40km/hが精一杯で、前もあまり見えないのでカーブもうまく曲がれない。
何度も突っ込みそうになりながらどうにかウトロまで来た。
そこからは大西が道を知っているので先導してくれて、どうにか20:30頃に知床YH『朝日のあたる家』に到着した。

ここにも大西の知り合いがいるので、受付も荷物も後にして先に部屋に入れてもらうことができた。
今日は二人部屋だったので助かる、もう体が重い、ヨロヨロになりながら部屋に入る。おぉ広い部屋だ。
とにかく手の感覚が無いので、洗面にお湯を張って指先を温めようとグラブを外したら、手の甲に豆状の固まりが何個も出来ている。
お湯に手を浸していると、それは消えて指先に感覚が戻ってきた。どうやら血液が固まっていたようだ。

どうにか体の自由が戻ってきたので、荷物を部屋に運んで、雪だらけになったジャケット類を着替えてから先に食事にしてもらった。
暖房と食事の暖かさが体にしみこむようだった。
その後、受付を済ませてから風呂に入る。温泉の熱さは冷えた体には痛いほどでなかなか湯船に入れないぐらいで、
ようやく首まで湯船につかると体の緊張が解けていった。
じっくり温もってから部屋に戻る、荷物を簡単に片付けて今日は寝ることにした。もう何もしたくないのだ。
今はただ無茶させすぎたこの体を休めてやりたい。


本日の走行・・・458.4km

●5月3日(金) 雪
オホーツク、今年最初の海水浴。

朝、起きるのが辛かった。まだ疲れが残ってる。
先ずは朝食、ボリュームたっぷりの朝食を腹一杯に食べる。しかし食堂から見る外の景色は吹雪。
今日はウトロの観光をする予定だったのだが、この天気だし左手は昨日のダメージで具合が悪くなって力が入らない。
半ば強引に誘われて歩いて観光することにした。
それにしても寒いなぁ、あいつは平気で歩いてる。寒くないんだろうか?(彼は寒さに本当に強いのです)

トボトボ歩いてオロンコ岩にやってきた、そしてコイツを登るだと?
吹雪の吹き荒れる中を恐る恐る登っていく、登りきるとウトロの町がよく見える展望台みたいな感じになっているのだが、寒い。
すると奴は持参した酒を飲みながら景色を見てる。そうだった、奴は真冬に流氷を見ながら酒が飲める奴だったんだ・・・
体調の悪さと、寒がりなのでとてもじゃないがこの世界には付いていけない。


奴のお気に入り、オロンコ岩の頂上。しかし寒い!

岩を降りてからウトロ民芸店に入る、ここの父さんは写真家で店中に写真が展示してある。
しばらくしたら大西は別の岩に行くと言って出て行った。
僕は興味深く見てたら色々と話し込んでしまい、たまたま来ていたほかの女の子と一緒に中に上げられて長話になった。

昼を過ぎても大西が戻ってこないので、酔って潰れてるんじゃないかと思い探しに行ってみる。
ゴジラ岩にも居らず、それでは三角岩かと思い堤防の近くを歩いていると、
『ドッバーン』と物凄い音がした、そして堤防を越えて頭のはるか上から波が降ってきた!
一瞬にしてビショ濡れ、海水なのに周りが凍っていく、みるみる体が冷たくなってきた。
こんな海水浴なんて最低や!このままでは危ないと思い、慌ててYHへ戻る。


この堤防下を歩いている時に波をまともに食らいました。

部屋に戻り、着替えて体を拭いて暖房にあたっているとどうにか落ち着いた。
昨日といい今日といい、全くツイてない。体調も良くならないので、今日はもう大人しくする事にした。
すると、大西が戻ってきて今から『乙女の涙(フレペの滝)』へ行こうだって、ひぇぇぇぇぇ!
体調良ければ行きたかったけど、今日のこの状態じゃとてもじゃないので行かない。

奴は一人でヨッパライ運転のまま行ってしまった(良い子の皆さんは真似をしないように)。元気な奴だと改めて思い知った。
そして、17時過ぎに頭まで真っ赤になって戻ってきた。おぉ無事でなにより。
夕方になると夕焼けが見えてきた、明日は晴れるらしい。それだけを楽しみに夕食を食べる。


YHの食堂から見える風景。

夕食後、先日の富良野の宿に明日と明後日の予約を入れる。大西はここにもう1泊するそうなので明日から別行動なのだ。
本当なら浜頓別の方に行きたかったのだが、北の方は天候が回復しないそうだし、体調も思わしくないので無理が利きそうにない、
それならば美瑛や富良野でノンビリすることにしたのだ。

ということなので、奴とは明々後日の札幌で合流することになるので、時間と場所を打合せしておく。
6日の15時に札幌駅前ということになった。
何とそこに先日長電話をしていた札幌支店の女の子も呼ぶらしい、そのまま晩飯を食いに行くというつもりらしい。
奴は峠越えが危ないと緊迫していた時でも、そういう手回しを忘れない奴なのだ。


本日の走行・・・0km

●5月4日(土) 曇り〜晴れ
遅れてきた春

昨日は走らなかったからなのか、目覚めが良かった。
天気は曇っているけれど、午後から回復してくると天気予報は言っている。
今日は昨年挫折した石北峠を逆から越えねばならない、去年はあそこで全の予定が狂ったのだ。
朝食を済ませ、9時に出発する。オシンコシンの滝まで大西と一緒に走る。


毎度おなじみの『オシンコシンの滝』

写真を撮ってから、荷物を整理し直して走り出す。大西とはここで別れてソロツーリングになる。
昨日1日休んだからか体もちゃんと動くし、路面も乾いていて一昨日と同じ道とは思えないぐらいに飛ばせる。
ウトロ〜斜里の間を約30分で走り、ここから道道269に入る、北見方面への近道だしクルマも少ない。
広大な畑風景の中に道が1本伸びている、思わずキャッホーッと叫んでしまう。


どこまでも真直ぐな道道269号

景色を楽しんでいるうちに東藻琴町に着いた、ここでガソリン補給して藻琴山の芝桜園へ向かう。
周りの風景は耕したばかりの畑で、水蒸気が立ち昇っていて遅い春の到来を告げている。
そのうち藻琴山に到着、ここが有名な芝桜園で本当なら山がピンクに染まっているはずなのだが・・・
まだ少し早かったのか、3分咲きぐらいで山肌が見えている。


まだ満開ではなかった芝桜

しばらく散策してから出発。ここから小清水峠に向かおうと思っていたが、路面凍結のため通行止めだった。
それでは、引き返して先ほどのガソリンスタンドまで戻り美幌へと向かう。
この区間がまた素晴らしいワインディングで、走っているだけで気分が高揚してきてペースがどんどん上がる。
今日は一人なので無茶の無い程度で楽しんでいるうちに美幌へ到着。

そのまま北見まで進もうと思っていたのだが、途中で道が分からなくなった。
それらしい道があったのだが、それはかんり手強そうなダートだったので仕方なくR39に出ることにした。
国道は路面状況が厳しく、舗装の継目が多くて手に伝わる振動が凄い。
左手はダメージがぬけ切ってないので片手運転するが、その分右手が疲れてしまう。
休憩しても両手がビリビリに痺れていて、なかなか感覚が回復しない。

しばらく休んでから出発、道の具合は変わらない。
北見〜留辺蘂と車で混雑しているR39を進んで、いよいよ石北峠が近づいてくる。もしも通れなければ足寄まで迂回しなければならない。
対向車線にほとんどクルマが走っておらず、バイクなんて1台も来ない。やはり不安になってくる。
登りに入ると気温が下がってきて空気が刺すように痛い、道の周りは雪で真っ白け。
目前に広がる大雪山は完全に雪山になっている。

しかし何とか頂点を通過することが出来た。この先は下りになるのだが、旭川側の方が気温が高いのでもう雪の心配は無さそうなので飛ばす。
順調に下って、峠も終わりになる層雲峡トンネルに突っ込んだのだが、うわわっ!入口がアイスバーンになってる!
思う間もなくリアタイヤが滑ってフロントが浮きそうになる!必死でバランスを取って押さえ込んで対向車線にハミ出すギリギリで立て直す。
あー怖かった、心臓が止まるかと思った。よく転倒しなかったもんだ。

集中力が一気に切れたのでトンネルを出たところの層雲峡の駐車場に入って休憩だ。
ふと見ると小さい看板で『双瀑台↑』という看板があった、
何だろうと思って急坂を上っていくと、流星の滝と銀河の滝の2つが同時に見える展望台があった。
へぇ〜、2つを同時に見ることなんて出来たんだ、少し得した気分になった。


双瀑台から見た流星の滝と銀河の滝

さぁ、旭川へ向けて出発だ。クルマが増えてペースが上がらないけど去年が雪の中で走ったことを思えば楽なもんだ。
さすがに中心街が近くなると停滞してきたので、旭川空港を経由するルートで美瑛に抜けよう。
これが空いててラクチンな道で、ほんの30分ほどでR37に出れた。
寄り道したいけれど、もう16時になるので観光は明日にして、一気に富良野に向けて南下する。


美馬牛のあたり、空が高い

前を走る4人組のお姉ちゃん達が乗るスターレットと抜きあいながら走っているうちに富良野に入る。
市内を抜けて山部駅のところで曲がって、この前暗闇で走った道をおさらいしながら流して麓郷へ向かう。
ようやく民宿『ふらりん』に到着、あぁ疲れた。

中に入ると、今日は常連さんたちが来ているそうで、先日とは空気が違うが、まぁいいか。
さっさと風呂に入って疲れと寒さを癒し、風呂上りにはコタツ部屋に行ってくつろぐ。
夕食は今日もボリューム満点で、タップリ食べる(これが宿の楽しみだよね)。その後は夜のミーティング。
ライダーは居ないけれど、旅慣れた連中ばかりなので気が合う変わり者ばっかりだ。

星座(天体の方)の話で盛り上がってたら、女の子が一人『外で星を見ようよ』と誘ってくる、
これはラッキーと思い二人で外へ・・・小柄な可愛い女の子と二人きりで話をしていて、いい雰囲気になってきた、
これから!という時に呼んでもいないのに他の連中が出てきてぶち壊し・・・あーぁ。
自然のプラネタリウムが綺麗な夜でしたよ!


本日の走行・・・402.0km

●5月5日(日) 晴れ
FRUIT SALAD SUNDAY

珍しく朝から晴れている、しかも天気予報では今日の最高気温は20度にもなるとのこと。これは夏みたいだな。
美味しい朝食を済ませてカメラの手入れをしながら出発組を見送る。今日は連泊なのだ。
常連さん達は温泉ツアーに行くそうだ、僕は美瑛に写真撮影に行く・・・と思っていたのだが、温泉ツアーに同行することになった。
まぁいいか、クルマに乗せてもらえるから楽チンだしね。3台のクルマに8人が分乗して出発だ。


出発前、左端が私

それでは出発、どう走るかが全く分からない、農道みたいな所を約10分走り、着いたのは農家の倉庫みたいなところだった。
緑の草原の中にポツンと建っていて、大草原の小さな家みたいだなと思っていたら、ポンキッキで使われたことがあるそうだ。
もう少し草が生えそろったらもっといい景色になるんだろうなぁ。


麓郷にある『おとぎの小屋』

そこからダートをしばらく走り、どこをどう走ったのか分からないが富良野駅に着いた。
まだ昼前なんだけど、駅前の『三日月食堂』に入る、ここは『北の国から』で使われて以来有名になっているらしい。
名物というチャーシューメンを食べるが、気温が上がっていて熱いのだ。

それでは温泉に行きましょう。目的地は十勝岳温泉だそうだ、裏道ばかり走るので今まで見たことのない風景ばかりで新鮮だな。
それにしても山の中に来ているハズなのに着かないねぇ、かれこれ1時間近く走ってると思うのだが。
だんだん急坂になってきた、道は舗装してはあるけれどだんだん狭くなってくる、道端は雪で真っ白け、空気も冷たくなってきた。
標高は1500mを越えている、後ろを振り返ると富良野盆地が見えている。この風景も初めてだなあ。
道の両端が雪の壁になってきた頃、ようやく十勝岳温泉に到着だ。

秘湯というわりには人が多いように思う、さっさと用意して温泉に入ると湯船の外に露天風呂があるのでそっちに行こう。
すると露店風呂に付き物のバアさんたち、まあいいかと思いながら入る。
う〜ん、露店風呂は自然を感じれていいねぇ・・・と思っていたら、同行してた女の子たちまで露天風呂に入ってきたぞ!
なんてラッキーな事でしょう、来て良かった。


おぉっ!(一応タオルは巻いている)

それほど熱くないので1時間程ノンビリとしてから上がる、別の事でノボせちゃったよ。
体に着いた硫黄分を流すために内風呂に入ってから外に出る、白いタオルは黄色く変色して硫黄の匂いがするので捨てていくことにした。
あ〜気持ち良かった、少し時間は掛かったけれど来た甲斐あったよ。
バイクだと風呂上りがメンドクサイんだけど、クルマで来てるおかげでそれも無いしね。


周りは雪で真っ白け

ここから美瑛に向かう。また裏道を使うそうで・・・そしたら急に止まった。その先にはでっかい『通行止め』の文字が・・・
やや遠回りになるが別の裏道を走る、彼らはいろんな道を知ってるねぇ。(当然、全部覚えたし・・・)
いつの間にか美瑛に入っている、しかも拓真館に向かっているな。丘の景色がそう言ってる。


丘の景色

着いてみると、人でごった返している。団体さんが中で大声で話したりしているので、落ち着いて鑑賞することができない。
絵葉書を買ってそそくさと出てくる、残念な感じは隠せない。
帰りに近くで丘の写真を撮ろうということになり、場所を移動して撮影開始、彼らの中にはキヤノンF-1を持ってる奴も居た。


塔のある小学校

帰りは少し眠ってしまった、こんな時にはクルマもいいね。ふと気がつくともう麓郷の近くまで来ていた。いや〜楽チンだった。
宿に着いて少しすると『メルヘンの木』に夕日を撮りに行こう、と呼ばれたのでカメラだけ持ってクルマに飛び乗る。
結局はさっきの8人がみんな来ていた。
刻々と表情を変えていく夕日はとても素晴らしかった。


今はもう見ることができないメルヘンの木(別名:王子様とお姫様の木とも言う)に沈む夕日

帰ってきたら夕食、今日は子供の日という事でパーティーをやるそうなので少し時間が早いのだ。
夕食と風呂を済ませてコタツ部屋でくつろいでいたら、ケーキが焼きあがったそうだ。
いつもは女の子がケーキを囲んで記念写真を撮るらしいが、今日は野郎が囲んで記念写真・・・ちょいと暑苦しい。


野郎の節句

ケーキをつついてお茶会、内容は昨日の続きなのだが昨日より深みにはまっていくようだ。
おかげさまでコタツ部屋から出してもらえず、『北の国から』のビデオに午前3時まで付き合わされたのでした・・・眠ぃ・・・・


本日の走行・・・0km

●5月6日(月) 晴れ
計画倒れ、札幌の夜・・・

今日も朝から天気がいい。ツーリングの後半は天気に恵まれるというジンクスは今年も生きている。
朝食をすませて部屋を片付けて出発の用意を済ませておく。
ポツポツと出発していく連中を見送ってから10時頃にお茶をいただいてから出発。

ガソリンを補給してから、昨日覚えた道を走って写真を撮ったり寄り道してから富良野ワインハウスへと向かう。
11時だというのに団体さんが入っていてレストランは満杯、20分ほど待ってようやく入れた。
昼食を食べて、デザートに待ちわびた『ワイン・シャーベット』。ここだけでしか食べられないんだ。
10年振りに食べた感激の味・・・
さぁ、札幌へ行かなけりゃ。もう13時前だ、待ち合わせは・・・札幌駅前に15時だったよな。


ワインハウスから見る富良野市街

R38を滝川に向けて走る。川沿いを走る広くて単調な道だ、車が多くて信号も少ないので抜くに抜けない、ペースが上がらない。
200kmを2時間で走ろうってのにこんなペースじゃ遅すぎる。
芦別〜歌志内〜赤平と飛ばしながら通過していく、この辺も10年振りに走るんだけど路面は良くなってるのに町は寂れる一方だ。
滝川まで来たが時間が押し気味なのでR275に入るのは止めて高速道路を走ろう。

道央自動車道に乗ってはみたものの横風が強い、進行方向に対して右側から突風が吹いている。
中途半端な速度じゃ真直ぐに走れない、加速してバイクの直進性に掛けよう。
猛然と加速、FZRの排気音が震えている。
車でさえ横に流される中、直進と言っても2mぐらいの幅で振れるフロントタイヤと格闘しながら札幌を目指す。

風が車体ごと吹っ飛ばそうとしてくる。路面に叩きつけられそうになる。
俺は充分に冷静なはずだ。コケん、こんな所で絶対にコケるものか!
メーターの針は150〜170km/hの間でふらふらしてる、極限の緊張状態を維持したまま走り続ける。
何のために俺はこんな走りをしてるんだろうか?
単にバイク乗りとしての意地だな。

やっとのことで札幌インターを降りた、あぁ辛かった。あぁそうだ15時に駅前に行くために走ってたんだ。
大停滞しているR12で何度も道を間違えながら、どうにか15時前に札幌駅前に到着できた。
さてバイクをどこに止めようか・・・と場所を探しているとバイクを押してくる奴がいる。大西ではないか。
奴も今着いたそうだが、何でもサロマ湖から走ってきたそうだ。

奴は早速女の子を探しに行った。僕はヘロヘロになってるので、バイクから降りずに跨ったまま休憩してる。
しばらくして奴が戻ってきた、先ずはホテルに行って荷物を降ろしてから遊びに行くそうだ、今日の計画は奴におまかせなのだ。
さて、札幌全日空ホテルに着いてビックリ、こんな所に泊まっていいんだろうかと思える程の建物。
チェックインして部屋に入って着替えていたら鼻血が出てきた、緊張が解けたのと気温が上がってるのでノボセたようだ。

大西は先にロビーにに降りていたので、頭を冷やしてから合流。
彼女たちもすでに来ていて、今から雪印パーラーに行くって?
あれれ、小樽まで行ってメシ食うとか言ってなかったか?

それでも一度は行きたかった所なので喜んで向かう。
今日は奴が主役なので引き立て役にまわる、つまりいつものようにしていればいいのだ。
で、スイーツばかりを食べている(これだけで幸せになれるのです)。

18時を回る頃、そろそろ場所変えてメシ食いたいなと思っていたら、彼女たちは『約束があるから』と帰っていった。
これからという時に奴の陰謀は脆くも崩れていった。
まぁ仕方ないので、そのまま夕暮れのススキノへと繰り出す我々なのであった。
炉端に入ってメシを食うが、美味いものはいくらでも入る腹をしてるので充分に満足な食事であった。
ホテルに戻ってきたが奴はまだ不服そうだ、仕方ないやんか。


ふてくされてる奴の足

風呂に入ってから着替えていると奴の腹の皮膚がなんだかおかしい。
何でも知床のカムイワッカ滝で長風呂したおかげで硫黄負けしたらしい。見ていて痛々しい。
奴にとっては今日は何かと不本意な日だったんだな。


本日の走行・・・201.9km

●5月7日(火) 晴れ
ファイナル・ランニング

いよいよ最終日。朝食を済ませてから会社に『飛行機の都合で帰れないので休みます』と連絡を入れておく。
間違いなく飛行機の都合なんだもん、切符が無いってのは。
大西は札幌支社に顔を出すそうなので(昨日の娘たちにまた会いに行くのか?)、11時に羊が丘のクラーク像前という事にして別行動する。

先ずは藻岩山に登ってみる、札幌市内は道が十文字に交差してるので交差点さえ間違わなければ走りやすい。
旧北海道庁へ寄ってみると以外に観光客が多いのに驚いた(自分もその一人ではあるのだが)
藻岩山有料道路の料金所に来たら『なんで晩に来ないの、ここは夜景がキレイなんだよ』と言われたけど、知らなかったもん。
昨日うまく行ってたら来たかも知れないけど。


藻岩山展望台から見る札幌市街

標高はそんなに高くないのですぐに頂上に着いた、でも充分に市内が見渡せる。視界が良ければ雄冬のあたりまで見えるらしい。
でも今日は少しガスがかかってるのでダメ。今度来るときは夜に来よう。
カラスしかいない展望台を後にして羊が丘に向かう、時間はとっくに過ぎてるけど今日は奴も遅れてくるだろう。
11時過ぎに到着したが、奴はまだ着いていなかった。


実はこんなに街に近い羊が丘

羊の写真なんかを撮っているとようやく大西がやってきた。
ソフトクリームを食べたりしてから出発、羊は少ししか居なかったなぁ。
道道512号を南下、前に遅い車がいるのでペースが上がらない。しかし我慢できなくなって強引にパスして先を急ぐ。
12時を少し回った頃に今回のツーリングで最後に寄る場所になるオコタンペ湖登山口に到着。


オコタンペ湖への入口

ここは道からは見れない湖なので湖畔まで歩いて登山して行かなければならないのだ。
さぁ登ろうぜっ!と準備をする。大西はブーツが靴擦れ気味で足が痛いそうだが、そんなのダメ。
スニーカーに履き替えて急坂をノロノロと登っていく、去年と違って雪が無いから楽かなと思っていたのだが、
雪解け水で濡れてて滑る、木や草を掴んでいないと歩きにくくて使用が無い。

何とか頂上まで登って一休み、振り返ると支笏湖が見える。
ここからは下り、これは楽なので数分で湖畔に辿り着いた。
あ〜何てキレイなんだろう、何度来てもいい場所だ。


静寂なオコタンペ湖は自然と語り合える場所。

人が来ないからなのか、水は澄み渡り、風が吹くと湖面に小さい波が立ち、木の葉がさやさや音を立てる。
北海道の自然が話しかけてくるような気がする。
時が経つのを忘れて、湖岸に倒れた白樺の木の上でボケ〜ッとしていた。

さぁ、あまり時間も無いのでそろそろ帰ろうか。立ち去るのが辛いけど、また今度来よう。
登山口まで戻ってくると一安心、汗が引くまで休憩しながら準備をする。
10分ぐらいしてから出発。来た道を引き返し、オコタン分岐から支笏湖畔道路を下る。
この支笏湖畔道路は高校2年のときにモーターサイクリスト誌の北海道特集に載っていた写真を見て
『ここに行きたい!』と思った場所なのだ、つまり僕の北海道ツーリングの原点イメージの場所なのだ。
湖畔で少し時間調整、ぽかぽかして気持ちのいい昼下がりだ。でももう終わりなんだな・・・・


これが高校生の時から憧れていた風景

14時半を過ぎたので出発、道道37号で千歳空港へと向かう。これが道内最後の走りだ。
両脇を白樺で囲まれた、ま〜っすぐな道を淡々と走る。
今日までの色んな事を思い出しながらペースを落としていても、30分程で空港に到着。
空港警備のおじさんが荷物を見ていてくれるので、さっさとバイクを航空貨物ターミナルに運んで手続きを済ませて戻ってくる。

手ブラだったので楽でした。搭乗手続きまで時間があるので、そのままおじさんと外で話をしていた。
その後、時間になったので搭乗手続きをしてもまだ時間が余るので、遅い昼食にウニラーメン(物凄いウニの量だった)を食べ、
買い物をしたりしてから搭乗ゲートに入る。するとそこで待っていた連絡が『飛行機が遅れます』だって、そりゃないよ。
30分以上遅れるらしいので、更に時間が余るので『白夜物語』(ビールですな)を飲んで時間を潰す我々だった。

やっと搭乗、もう酔いも醒めちゃったよ。今度は僕が窓側の席になる。
飛行機が飛び立ったのは18時を過ぎた頃だった。北海道が急速に小さく遠くなっていく、ナゼだかとても悲しい。
もう空も薄暗くて景色もあまり見えない。

ところが完全に暗くなると、町の明かりや車のライトが良く見える。なかなか良い眺めだ。
しかし、大阪の上空になると全然違う。高度を落としているのもあるが、素晴らしい夜景が広がっている。
伊丹に着陸する夜景は香港と並んで素晴らしいと聞いたことがあるが、正にその通りだった。

19時半に到着。本当に早いなぁ、さっきまで北海道に居たというのに。
さっさと降りて貨物ターミナルへ、今度は荷物を全部持っていくので目が回りそうだ。
バイクを引き取り、余ってるガソリンをもらい、荷物を積んで伊丹空港を20時に出発。

先ずはガソリンを満タンにしてから阪神高速に乗る、大西は寄る所があるそうなのでここで分かれる。
21時を回った頃にやっと家に帰り着いた。
体はガタガタになったりしたけどバイクは終始快調だった、時々辛いこともあったけど楽しいツーリングだった。
泥だらけになってしまったFZRを水洗いしてからガレージにしまう、お疲れさん、ゆっくり休んでおくれ。


本日の走行・・・174.9km

トータル・・・・・2426.5km


そして、これが大西との最後の北海道ツーリングとなった・・・

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください