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北海道ツーリング NO7

1992/5/1〜5/10 マツダ ユーノス・ロードスター


今年もGWに北海道に行く、もう3年連続ともなると会社も『またかい』という感じであるな。
昨年末にクルマを購入したので、今回はクルマによる旅をしてみようと思う。
過去2年は寒さで少なからず影響を受けたせいもあるし、左手の状態もまだ完全ではないし、やはり新しいモノで行きたいと思うのだ。
まぁオープンカーだし、風を感じることは充分に出来るだろう。
フェリーは早めに予約しておいたので慌てる必要もない、宿に関してはその日の具合で決めるといういつものパターンだ。

今回は荷物の心配も無いので準備は楽なものだ、使うものは助手席、着替え類はトランクと分けるだけのことだ。
雨具はカサで充分だし、防寒具もジャケットだけでいいので思いのほか量は少ない。
その分、カメラ道具は一式持っていけるのが嬉しい、いつもはボディもレンズも最小限しか持っていけないからね。
おまけにCDやテープまで持っていけるんだ、こんなに楽でいいのだろうかと考えてしまう。

事前にディーラーで点検だけして、エアクリーナーの掃除とガソリンとオイルに添加剤だけ入れれば整備も終了。
楽すぎて拍子抜けしてしまうねぇ。

●5月1日(金) 晴れ
新たなる旅立ち

いよいよ出発日、会社までクルマを乗りつけているので仕事が終わればすぐに出発ができる。
ほぼ定刻で仕事は終わり、不足分の買い足しをして19時前に出発だ。
船は予約してあるので、22:30までに港に着けば良い、時間は充分にある。

高速に乗って池田に出てから県道を使い亀岡まで出てR9に入る。
思ったより交通量が少ないので急ぐ必要もなく、周りに合わせたペースで流していける。
淡々と走ってR27に入ると、もう全然クルマもいない。バイクだったらとても寂しい思いで走るのだけど、
クルマだと音楽鳴らしてヒーターつけて大変快適に走れる。こんなに楽でいいんだろうか?

そんなこんなを考えているうちに舞鶴に到着、町は人影も無く寂しい感じだ。
フェリーポートに着いてみると、バイクもクルマもチラホラと停まっているだけで何だかガラ〜ンとしている。
みんなは4月末から出発しているのだろうか?いつもの半分ぐらいしか人が居ない感じ。
受付も待つことなく進むと、何だか一昨年の事がウソのようだ。

乗船もスムーズに進んだせいか、定刻通りに出航となった。
今回は2等船室(ザコ寝)にしているのだが、1ブロックに3人ぐらいしかいないので、子供と年寄りの居ない所で落ち着く。
先ずは風呂に入っておく、出航直後は空いているからね。
ゆっくり入ってから部屋に戻る、いろいろやりたい事はあるけど、32時間もあるので今日は寝ることにしよう。


本日の走行・・・記録なし

●5月1日(土) 曇り
荒波の日本海

うむむむ、起きてしまったぞ。天候が悪いらしく、船がけっこう揺れている。
私は平気なのだが、周りの人たちは船酔い(酒酔いも多いが)でゴロゴロしてばかりだ。
今日はず〜っと海の上、船内探索などで時間を潰そう。

近くにいたライダーと話をしてみると、北海道の人で関西をツーリングした帰りなんだそうだ。
『本州は暖かいね』とは、その人の弁。
いろいろ道路の状況などを教えてもらえた。

昼を回ると少し天候が回復したのか、揺れが少なくなってきた。
それにしても時間が余る、持ってきた本も読んでしまったしなぁ。
とりあえず少し寝よう。

夕方になり、どうにか夕焼けは見えているが、あまり天候は良くなりそうな雰囲気はない。
船員さんに気象レーダーを見てもらったところ、明日は雨から曇りになるだろうとのこと。
雪が降らなきゃいいんだけどねぇ。

夜になると、もう函館を越えているはず、函館で降ろしてくれよと思うのは僕だけではないだろう。
明日は3時起床(4時着)なので早めに寝ようか。


本日の走行・・・0km

●5月3日(日) 曇り〜晴れ
オープンな一日

3時に起きてみると、船内放送で到着が予定より40分も早くなっているという、て言うことは3:20着・・・もう着いてるんじゃないか?
空いているから重量が軽くて早く着いたのだろうか?
小樽に下船したのは3:30で、当然まだ外は夜中で真っ暗け。当然開いてる店も無いね。

小雨が降る中を積丹半島に向けて走り出す、ラジオで天気と道路の状況を確認しようと思ってスイッチを入れると、まだ『オールナイト・ニッポン』の第2部をやっていた。
あー、まだ朝じゃないんだ。それではCDを聞きながら走ろうか。
それにしてもクルマは楽だな、いつもなら防寒・防水対策してカッパ着て気合入れてから走るのに、暖房入れて音楽聴けるんだもんな。
道路はビチャビチャなのだが、ほとんど走ってる車もいないのでペースは良い。思ったよりも早く余市まで来た。

ここからR229で積丹半島に入る、空はようやく明るくなってきた。
積丹岬に行こうと思って国道を外れると道が悪くなる、ガタガタ道を走っているとちょうどCDチェンジャーが切り替わった、
その時に段差を乗り越えて『ゴン』と大きなショックが・・・
あ〜っ!CDが中で引っ掛かっちゃった!

クルマを止めてチェンジャーの中を見てみるけどよく分かんないよぉ。
無理に引っ張って機械を壊したら元も子もないので、そのままにしておこう。
テープも大量に持ってきてるし、気を取り直して行こう。

6時前に神威岬の登山口に着いた、周りにはクルマの1台も居ない。完全に一人である。
昔の、海岸線を歩く道はもう封鎖されていて、山側からしか行けないな。
歩行用の靴に履き替えて歩き出す、刺すように冷たい風が吹く中テクテクと岬を目指して歩いていると広場に出た。
そこには「駐車場予定地」とあった、そうかここにも観光化の波が来てるのか・・・

岬の先端に着いたのは7時前、ここも手が加えられていていた。
僕は初めて来た時の姿を決して忘れないだろう、アイヌ語で神の宿る神聖な場所という意味のカムイの岬。
しばらく風に打たれてから引き返す、気のせいか悲しげな風が身に染みた。


神威岩

登山口まで戻ってくると全身汗ダクだ、素早く着替えて休憩してから再び走り出す。
R229の行き止まりまで行ってみたけど、まだまだ開通は先みたいだな。
半島の峠を越えようと思ったけれど積雪で通行止めなので行けないので、R276で倶知安から羊蹄山方面へ回って行こう。


まだ積丹半島を1周できる道は開通していなかった

淡々と走って倶知安でガソリン補給、空はまだ曇っていて結局羊蹄山は見えなかった。
最初の予定では支笏湖を抜けて行くつもりだったんだけど、出発前にちょっと大事なことがあったので急遽予定を変更した。
大好きなオコタンペ湖にも行かずに室蘭に行くことにしている、今回はその方が大切なのだ。
11年振りにオロフレ峠を走ってみるが何にも変わっていない、真っ先に開発されそうな場所なのになぁ?

まだこの辺は雪がかなり残っていて空気が刺すように寒い、今回はクルマで来ているので寒さを防げるのはありがたい。
峠を下る途中、道路沿いにキタキツネがいた。なんだか毛並みも良くて、いいモノ食ってるよって感じ。
観光客から食い物もらって生きてるんだろうな、こんな馴れ馴れしいキツネは初めて見た。


人に慣れてるキタキツネ

峠を下ると登別になるが、物凄い渋滞だ!さすがにメジャーな観光地は人気があるのだが、おかげで1時間ぐらいロスしてしまった。
わー!時間ねえや。高速に乗って室蘭まで飛ばす。
室蘭には昼過ぎに到着、昨年霧で見えなかった地球岬に行ってみる。おぉっ今回はバッチリ見えているぞ。
見渡す限りの水平線、遠くに見える大沼駒ケ岳、あー地球は丸いんだね。


地球岬からの水平線

天気も回復してきたのでここから幌を開けてオープンで走ろう。
さて用事だ、ある場所を探して走り回り、その後地元の輪西神社に行って願掛け。些細なことかも知れないけれど、今の僕には大切な事なのだ。


輪西へ下る道

時間も押してきたので先を急ごう、R37を洞爺湖方面に向けて走り出す。オープンで走っていると信号で停まったりする度に周りからジロジロ見られる。。
この開放感はどんな高級車であっても味わう事は出来ないんだ。気分の爽快さが素晴らしい、これに勝るのはノーヘルのバイクぐらいかもしれない。
視界を遮るのはフロントガラスのAピラーだけなのだ、それ以外はすっからかんだもんな。

風を感じながら走ってR453で洞爺湖の近くを抜けて走る、このあたりを走るのも10年振りぐらいか、森の中を駆け抜ける気分の良い道だ。
スポーツカーだからハイペースで走るのが楽しい、ロードスターはハンドリングのキレがイイので全く不安を感じない。
しかし美笛峠を越えて支笏湖畔に来ると車が増えてペースが落ちてきた、今日は富良野まで行くのだが少しキツイかな?

千歳からR274に入って日高を目指す、陽が少し傾きだしてきて西陽がキツイ。
しかし、このR274って物凄いハイペースで流れている。道幅からして高速道路並なのだ、3桁のスピードを維持していないと流れに乗れないのだ。
そのおかげで18時前に日高を通過し、R237を富良野方面へ北上する。
さすがに寒さが襲ってくるのだが、いったん開けた以上は雨でも降らない限り幌は閉じない、せっかく風と対話できるオープンカーなのだから。

富良野へ向かう道は所々に残雪があるので不安があったのだが、どうにか無事に顔面が凍りそうになりながらも麓郷に20時前に到着。
今日の宿は昨年もお世話になった『ふらりん』で今回も温かく迎えてくれた。
食事と風呂を済ませて眠りにつくのでありました。


本日の走行・・・660km

●5月4日(月) 曇り
白い一日

気持ちよく目が覚める、みんなで朝食を済ませると誰かさんがピアノで生演奏をしてくれている、気持ちが落ち着くなぁ。
さて、今日は連泊してこの近辺の散策と撮影の一日なのでカメラ道具だけを持っていく。
同じように撮影するという奴がいたので一緒に回ることにしたのだが、どうせなら女の子だったらよかったのになぁ。


おとぎの小屋

おとぎの小屋にやって来たが、昨年よりも緑が多くて感じがいい。でも晴れていたのはここまでで、ついに雪が降り出した!
そうなると景色も楽しめなくなってくる、気分だけでも良くしようと音楽をかけていると、何と同乗の奴は今流れている
『グッドモーニング/増尾好秋』を知っていた、コレ10年以上前の音楽なのに何で22歳のキミが知ってるんだい?


ケンとメリーの木

美瑛〜美馬牛と流していくが、どこも雪で景色が楽しめない。仕方ないので喫茶店に行こう。
昨年見つけた超穴場スポットにある『珈琲館』に到着、拓真館の近くにあって丘の景色が良い所なのだが、
大きな看板を出しているわけでもないので意外と観光客が来ないのだそうだ。
今回は雪のせいもあってほとんど人がおらず、落ち着いて過ごすことができる。しばらく猫と遊んでから麓郷に戻る。


黒板五郎の家の前

麓郷まで戻ると雪が止んだので、麓郷の森(『北の国から』のロケ地)に行ってみるが、駐車場はバスで一杯だ。
セットを見たりして、売店でいろいろと購入してから宿に戻る。


メルヘンの木の夕日


中に入ると昨年来ていた連中が来ていた。『久しぶりやねー』と再会を喜ぶ。
おかげで夜はまたしてもビデオ鑑賞会になってしまった。
そのまま付き合うと夜中になるので早々に引き上げる。

さぁ、明日は道東に行きたいのだが、どうも天候は悪くなるらしい。
帯広に帰るという、赤いロードスターの男と「チェーン買おうか?」と相談ばっかりしていた。
地元の人間でもこの天候は予想外だったらしい(例年、この季節に平地で雪は降らないらしい)僕もそう思って来たもんなぁ。

とりあえずは明日起きてからの判断だな、天候が回復しなければ南下しよう。
常連さんたちと遊びたい気はあるのだが、判断を誤って閉じ込められては困るから。
もう雪の中で無茶はしたくないからね・・・


本日の走行・・・113km

●5月5日(火) 雪〜晴れ
白い一日・ふたたび


昼前なのにご覧の状況・・・

朝、起きてみてビックリ!ものすごい積雪!わぁぁぁぁ、どーしよう?
とりあえず朝食を済ませ、10時頃まで様子をみることにした、TVで天気予報を見ても道東方面はよろしくなさそうだ。
帯広に帰る彼にしても不安があるそうなので、天候が悪化しないうちに南下することにした。

クルマに積もった雪を落として、路面のコンディションが回復してきた昼前に富良野を出発。
安全な路面を選ぶため、一旦R237で旭川まで北上し、妹背牛を越えてR275に入って札幌方面へ南下する。
滝川を過ぎると視界に入るところに雪は無くなったので一安心だ、ペースも安定してきたのでそろそろ今日の宿を予約しよう。
今、ここから行けるのは小樽あたりぐらいなので、カメラの電池を買うついでに電話で宿を予約する。


札幌近くになると天候も回復

月寒まで来ると空は晴れてきた、やはり空が明るいと気分が良くなる。
そのまま走って、札幌を迂回して小樽の手前の銭函に夕方17時に到着。
今日の宿は『小さな旅の博物館』という旅人宿だ、黄色い外壁が目に痛い建物である。

中に入り風呂を済ませてから夕食。その後酒盛りとなる。
ここでは自分の名は名乗らず、宿主に命名された名で自己紹介等をすることになっているそうだ。
今回は『シンシン』というまるでパンダみたいな名をつけられてしまった。

そのまま皆で旅話で白熱する。みんなの旅へのこだわりを聞いていると自分が楽してるように思えてならない。
今回、バイクからクルマに変えてきたことを攻められるのかと思ったのだけれど、
『自分でルート考えて、自分で走っているんだから、手段が変わっただけじゃない、それがツーリングじゃなくて何だと言うの?』
と諭された、何だか憑き物がコロッと落ちたような気がした。
その後は夜中・・・いや早朝まで飲み明かしてしまったが、とても有意義な一夜だったように思う。


本日の走行・・・239km

●5月6日(水) 晴れ
外はいい天気だよ

とりあえず7時に目が覚めた、ついさっきまで飲んでいたような気がするなぁ・・・
意識はシャキッとしているので、酒は残っていないように思う。
外を見ると快晴でスカッと晴れている、気温も温かい。おぉこれは絶好のオープン日和。昨日の富良野とはえらい違いだな。


『乗せてって』と言われたけど、3人乗りは出来ないからねぇ。あぁ残念。

出発していく連中と記念写真を撮ったりしてから10時頃に出発。
札幌まで戻り、途中で富士通の営業所でCDチェンジャーを見てもらうが簡単には直らないそうなので今回はもう諦めた。
(※帰宅後、自分で外ケースを外したら簡単にCDが取り出せ、10分程で直ったのだがねぇ・・・)

さぁここから中山峠越えだ、今まで何回来ても天候に恵まれなかった相性の悪い所なんだけど、今日は晴れてるから大丈夫でしょう。
R230を登っていく、車も少なくてガンガン走れる。高度が上がると周りには雪が残っていて真っ白い世界になってくる。
オープンで走ってるので風が冷たいのだが、この快調に走ってる状態でならコレも悪くない。
調子よく走って中山峠の駐車場に到着。


中山峠、天候も良く、羊蹄山が見えていた。

おぉ、この見晴らしの良さ!羊蹄山もハッキリ見えている。空の青さも素晴らしい。
しばらく休憩してから、果てしなく続く空を追いかけるように出発する。

峠の下りも気持ちよく快走できる、音楽も止めて風切音を聞きながら走り抜ける。
あー、これはバイクと同じ感覚だなぁ。全身が風景に溶け込んでいくような感覚が周りから伝わってくる。
こんな気持ち絶対他のクルマじゃ味わえないぞ!

留寿都を過ぎたところから道道に入る、完全な農道なのでさらにクルマもおらず自然の中を走っている実感が沸く。
自分のペースで流せるので何のストレスも無く快走だ、洞爺湖をかすめてからR37に出る。
左手に内浦湾を見ながら快適なクルーズ、開放された視界の広さが気持ちいい。
しばらく走ると長万部からR5になった。

さすがにここからは交通量が増えてペースがガクッと落ちてしまう。
この先はずっとこんな調子だろうから気分を変えて行こう、途中の八雲でガソリンとタイヤに空気を補給する。
意外と空気圧が下がっていて、再び走りだしたらハンドリングが軽くなったように感じた。
でも、ここで給油してよかった、スタンドを出てすぐの場所でネズミ捕りをやっていて、けっこうな数のクルマが捕まっていた。
僕は走り出したばかりでペースが上がっておらず難を逃れた、たぶん給油していなかったら充分捕まっていたペースだったと思う。
まだまだ運はいいようだ。

R5を走り飽きてきた頃に森町に着いた、ここからR278で海沿いを進む。何だか知床みたいな感じの道である。
対向車も全くおらず、ペースを思い切り落として風景を味わいながらノンビリ流せる。
低速で流しても危なくないのが4輪のいいところ、3速でノッキングしない程度で走りながら鹿部町に到着。
ここから大沼へと進路を変えると駒ケ岳が裏側から見える、やわらかな稜線でいつも見る険しさとは感じが違う。


駒ケ岳の裏側

大沼は明日また通るので、そのまま通過して再びR5に入る、するとやっぱりクルマが多いよ〜!
渋滞と西陽と闘いながらやっとの思いで函館市内に入る、何度も北海道に来ているんだけれど函館市内は初めて走るのだ、
大変簡単に書いてある地図に悪戦苦闘しながらようやく本日の宿『フリーステーション』に到着したのは17時を回った頃だった。
民宿というよりも個人宅だなこれは。中に入ると3匹の猫が出迎えてくれた。

荷物を運び込むと、休む間もなく『風呂とカメラの用意をしろ』と言われたので用意をすると、他の宿泊客(3人)と一緒にワゴンに乗せられた。
何でも『函館山の裏夜景』を見に行くそうで、その帰りに温泉にも寄ってくれるそうだ。
小一時間ほど走って到着したのはどこかの山の中腹で、函館山が正面にバッチリ見えている、なかなかの景色である。
しかし、僕はまだ『函館の夜景』そのものを見たことが無いので比較ができないのだが、充分に見応えのあるものだ。


函館山の裏夜景

写真を撮ってから再びワゴンに乗って戻る、連れて行ってもらったのは函館市内にある谷地頭温泉で昔ながらの銭湯形式であるが、
何だか懐かしい感じがいっぱいのレトロな温泉だ、内湯も広々としているし、とても気持ちが良かった。
宿に戻ると晩飯なのだが、何とオーナーは現役の寿司屋さん!握り寿司の食い放題だぁ!!!!!!!!!!
でも箸を使おうとしたら『手で食え!』と怒られた、江戸前寿司なのだこの人。
ブドウエビのミソの軍艦巻きなんて初めて食べるもの等に大感激しながら腹いっぱいに食べた。あぁ幸せ。

食後は皆でちゃぶ台を囲んで飲むのだが、本日唯一の女の子は『これから東京に帰る為に小樽でスーパーカブを買ってきた』
という強者で、いつ帰りつくのか見等もつかないのだそうだが、その強引すぎる意見は僕ら他の者を圧倒する勢いで、
人の意見も聞かず、ただただ我々は圧倒されたままだったのだ。寝よっと・・・・
※ちなみにこの娘、この後泊まった宿及び宿泊客の間で『俺も会った』と有名でした。


本日の走行・・・301km

●5月7日(木) 曇り〜雨
雨の蜃気楼

朝起きてみると昨日の天気がウソのように曇っている、どうやら雨模様だな。
朝食を済ませて8時過ぎに出発、クルマがいっぱいなのでさっさと市内を抜けてR278で恵山へと向かう。
ここも初めて走る所なので景色が新鮮だ、ローカルムード満点の道を走り、思いのほか速く恵山の表側に到着。
けっこう大きな漁村で、もう少し温かければツツジが咲き乱れるらしい。
しばらく景色を見てから裏側へ回ることにする。この恵山岬は1周できる道が無いのです。

椴法華村に回っていくと、こちらは景色が一変して寂れた小さな漁村になった。
道が無くなるところまで行った、唯一の観光名所になる水無露天風呂は寂しさを助長させているように見えた。
(今では大泉洋くんの心臓マッサージの現場として有名になっていると思いますが・・・)


水無し海浜露天風呂

その場を後にして再び走り出す、国道に戻ると道幅も広くなっており走りやすい。
小さな漁村が点在するだけの道にしては素晴らしく整備されている道だなぁ。有力政治家でもいるのでしょうか?
まぁ走っている者としては走りやすいのはありがたいのですが・・・
鹿部に来て、昨日も曲がった交差点を曲がり大沼公園へ向かう。

今日は大沼・小沼と周回道路をノンビリ走って景色を楽しむが、曇り空では気分も晴れない。
周回したところで、こんどは松前半島に向かって走る。
できるだけ同じ道を走りたくないので、途中から道道96号を走り、函館を迂回して上磯からR228に入る。
このあたりから雨が降ってきた、天気の状況も知りたいのでFM北海道を聞きながら走ろう。

そのうち大雨になってきた、暗くなってきて景色もあまり見えないので安全のためにフォグランプを灯けておこう。
FMから流れる話を聞きながら淡々と海岸線を流す。信号も少なく、止まって意識がリセットすることもなく、ただ流すだけの時間は色々と考えることが多い。
(※当時は色々と悩み事を抱えていたので・・・)
そうこうしているうちに松前に着いた。

松前城公園の桜はまだ蕾で全然咲いていない、雨にけむる城を見ながら先に進む。
この先は集落も無く、ただ道が延々と続いているだけだ。海沿いと言っても断崖の上を通るこの道は雨に濡れて光っている。
前後にクルマもおらず、何だか自分が仮想現実の世界にいるみたいな気分になってくる。
遠くの景色が道路に映っては蜃気楼のように消えていく。
この不思議な感じが醒めたのは、16時頃に着いた江差の町。久しぶりに人を見たなぁ。


江差にて


あぁそうだ、今日泊まる宿を探さなきゃ!ボケーっとしていて忘れてた。
ところが、この辺りではYHやとほ宿が無いぞ、とにかく方々当たってみるがなかなか見つからない。
そこで、一昨日泊まった『小さな旅の博物館』に電話を入れてみる。

『おととい泊まったシンシンですけど、今日泊まれますか?』
『おー、来い来い。空いてるよ。』
『ちょっと遅くなるんですが・・・』
『あ、そう。じゃ晩メシは食っといで、朝までには来なよ。ガハハハハ』
ということで確保ができた。恐らく到着は21時頃になるだろうか、事故らないように気をつけて行こう。

相変わらず雨に光るR229(江差から号数が変わってた)を淡々と走る、この道は10年程前に一度走っただけだが、ダートが無いので印象が違う。
途中の北檜山でガソリン補給、15km/Lとまぁまぁの燃費。
ここでも『和泉ナンバーとはどこですか?』と聞かれる、やっぱりこの辺には関西からはあまり人は来ないのか?
たぶんコレが道内最後の給油だな。

スタンドを出るともう薄暗くなってきているのでヘッドライトを灯けていこう。暗いと何だか心細くなってくるね。
何で人は暗い所を恐れるのだろう?もしかして自分では敵わない何かがいるのを過去の時代から知っているのかもね。
島牧を過ぎる頃にはもう真っ暗け、クルマもいないし雨も強くなってきて道路も見にくい。
ペースも60km/hぐらいに落ちる、ここからの区間はツーリングじゃないな。
19時過ぎに岩内に到着、この辺では大きな町でまだ賑わっている。コーヒー飲んで一休みだ。あぁ疲れた。

一休みしてから出発、しばらく行くとR5に出た、ここまで来れば知っている道なので安心だ。
結局、銭函に着いたのは20時頃、晩飯を食べてから宿に入る。中ではすでに酒盛りの用意がされていた。
『まぁ、何はともあれ風呂入ってこい』と言われるので先ずは風呂、で、上がってきたらいきなり酒盛り。
ワインも焼酎もあったもんじゃない、何でもお構いなしにナミナミと注がれてしまう。ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。

今日はメンバーが違うせいか、一昨日みたいにふざけた会話は一切無く、人生や旅の真剣な話が続く。
各人色んな悩みもあったし、それに対して皆で真剣に意見を交換した。
僕も悩みはあったが、やはり『言うべき事は言う、それでダメなら縁が無かったって事でしょ。』と言われてしまった。
おかげで踏ん切りはついた。(※で、言うべき事は言ったのだが、やはり縁は無かったようだったねぇ・・・)
ずっと夜中まで本音で語り合った、ホッケの干物を食いながらで酒は飲んでいるけれど、
誰かが言った『酒に本音あり』というのも正しいものだと思った。
そのまま夜会は続くのであった。


本日の走行・・・598km

●5月8日(金) 曇り
自分の足で歩いて

今日も気持ちよく起きた、少し頭が痛いのは疲れのせいでしょう、そうに違いない。
いよいよ道内最後の日になった。朝食を済ませて、礼を言ってから小樽に向けて出発。今日も天気は良くない。

小樽に着くと連休が終わっているおかげか人出が少ない、駐車場にロードスターを留めてカメラ道具と三脚を担いで歩く。
いつも時間をかけれない小樽の町を撮影するというのも今回の目的のひとつなのだ。
できるだけ裏通りも歩いてみようと思うのだが、さすがに重たい。両肩にカメラバッグのストラップが食い込んでくる。


小樽には時代を感じさせる建物がいっぱい有る。


まずは『小樽オルゴール堂』へ行く、相変わらず建物内はオルゴールの音が鳴り響いているのだが耳障りではないね。
ランプに照らされたオルゴールたちが『買ってー、買ってー』と言っているように聞こえて仕方がない。
誘惑に負けないよう頑張ってから、次は『北一硝子』へ向かう。


オルゴール堂の中


中に入ると今度はランプたちが呼んでいる。ここはランプ以外にも硝子製品がたくさんある、いつも土産に買おうと思っていたが
バイクだと積みきれないし、割れたりしたら困るのでほとんど見るだけだったのだが、今回は買って帰ることができる。
それにしても物凄い誘惑だ、オイルランプやグラス等の硝子製品を買っていく。

一度、クルマに戻って荷物を置いて再び歩きだす。
裏通りや町はずれを歩いてみると生活の匂いがするねぇ、駄菓子屋のおばちゃんに話をするといろんな事が聞けて面白い。
急に町が生き生きして見えるようになったのは、いつも表面しか見ていなかったからなんだろう。
一日中そうやって歩き回っていた、こんなに一つの町を歩いたのは長崎以来かな。

夕方になったのでクルマに戻り、今日の宿『小樽天狗山YH』に向かう。学生最後の夏に来たときからお気に入りの場所なのだ。
もともとスキーロッジなので山の上まで行かねばならん、YHに着いてみると向かいに硝子工房が出来ていた。
中に入るとガラス越に職人さんの作業が見れた、こういうものを見るのは子供の頃から大好きなのだ。

YHに入ると受付の女の子とホステラーの女の子の二人しかいなかった、その娘たちと話をしているうちにポツポツと帰ってきた。
今日は全員で7名らしいが夕食をとるのは4人だけ、食後はその4人で夜景を見に行くが天気が悪いためあまり見えなかった。
YHに戻ってミーティングと言っても4人に受付の娘を足して雑談の続き、みんな明日で帰るそうで手段はバラバラだ、
やはりここは北海道最後の夜を過ごす場所になるのかな。
消灯時間になったので部屋に戻るが、男は二人だけなので今日買ったワインで飲むことになった。飲んでばっかし・・・


本日の走行・・・44km

●5月9日(土) 曇り
荒波の日本海・ふたたび

今日も目覚めは良かった、僕らの足元にはカラッポのワインの瓶が5本・・・
ワインは体質に合ってるようで、酔いが全然残らない。


小樽天狗山YH

朝食も昨晩の4人だった、結局他の3人には会うことがなかった。
船は10時発なので9時までYHの中で過ごし、鉄道に乗ると言う女の子を乗せて出発する。
小樽駅で彼女を降ろしてフェリーポートへ向かう。今日は空いているので手続きも早い。
すぐに乗船させてもらえたので、ファミリーのいないボックスに入れた。今日は1ボックスに6人ぐらいだ。

定刻通りに出航、船内探検してもすぐに飽きる。明日の17時までこの状態が続くのだ。
天候が悪いせいか船はけっこう揺れる、僕は船酔いしないので夕方まで本を読んだりして時間を潰す。
どうにか夕日が見えたので撮影をしたが、今回初めて夕日を撮ったね。
あとは夕食食べて寝るだけ、この数日あまり寝てないのでじっくり寝よう・・・

●5月10日(日) 晴れ
ただいまっ!

あぁ、起きてしまった。何もする事がないのだ。
こんな日に限って朝から天気が良かったりするんだよなぁ、道内では雨ばっかりだったのに!
他の乗客の皆さんもグデ〜ッとしてる、旅の終わりに長い船旅・・・けっこう辛いものがある。
進行方向左手には能登半島や北陸路がず〜っと見えている、どこかその辺で降ろしてもらって高速走った方が早く帰れそうだ。
いろいろ考えているうちに昼をまわる、あと4時間ぐらいかな。


帰りの船旅は時間が余ります


船は予定よりも早く到着した、乗客も少ないので下船するのも早い。
まだ日暮れには時間があるのでオープンで走ろう、琵琶湖の西側をクルージング・・・というつもりだったのだが、
停滞が多くて止まっている時間の方が長く感じる。
ノロノロと流していると例の『幽霊ホテル』が見えてきた、何でもビル破壊の実験台になるそうで爆薬を仕掛ける準備をしていた。

琵琶湖タワーの近くまでくると停滞がいよいよ酷くなってきた、京都市内に入る頃にはもう日が落ちて涼しくなってきた。
苦労してR1からR170(大阪外環状線)を走り、帰宅できたのはもう21時になろうかという頃だった。

いつもの事ながら、辛いながらも楽しい旅だった。いろんな事があり、いろんな人と会った。
この旅も思い出になっていくにつれて美化されてしまうのだろう。
今回はなにか、こう、人の話を聞く機会が多く、いろんな意見ももらい、発見もあった。
頭の中でモヤモヤしていた事に対する何かが見えた気がした。


本日の走行・・・176km

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