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東北お花見ツーリング

〜4日間・東日本1周の旅〜
1996年5月3日〜6日・ZX-9R
2664.3km
94年に初めて東北に行った時に見た弘前城の満開の桜がどうしてもまた見たくて昨年も行ったのだが、
連休前に降った大雨のおかげで全て散っていたので、単に温泉ハシゴツアーになってしまったのだ。
今年こそ絶対に見るぞ!と用意を始める。
いつもはロードスターで行くのだが、今年は休みが4日しかないので例年のようにダラダラと停滞
(新潟のあたりがヒドイんだ)で無駄な時間を使う事も出来ない。
一昨年6日かかったルートを4日で走るので、今回は『高速機』ZX-9Rで行く。
計算では初日を平均120km/hで走れば秋田まで行けるはずなのだ、たぶん・・・
しかし9Rも調子はイマイチで、タイヤは残り4分山、やたらとチェーンはオイル切れするし
(これは後でチェーン不良と分かったが)何故か冷却水がやたらと減るのだ。
※これもラジエターキャップの不良と後で分かった、この年代のカワサキ車の人!
ラジエターや水温で異常があると思ったら、部品を替えてみると治るかも。
出発前に出来る限りの整備、そして最近オフロードばかり乗ってたのでロード用に身体を慣らしておかなきゃ。
全体の2/5が夜間走行だし、天候も良くなさそうなので出発時はクリアシールドにしてミラーシールドは持って行く事にした。
行きはSAごとに休憩するようにして1回の走行距離を伸ばさないようにして疲労を押さえる。
細かくシミュレーションして計画を練る。
全体で約2500km、初日が約1000km。厳しい旅になりそうだ。

5月3日(金)
明日を超える旅-Lunatic Dancers-
いよいよ出発・実家前

●出発〜大津SA

仕事から帰ってきて慌てて用意、9Rは戦闘的スタイルなのに荷物が乗せやすいのだが防寒着が多いので荷物がでっかい。
ああ、もう出発しなきゃ。
予定通り5月2日23:00に出発する、まずは大津SAまで90分の走行予定だ。
ヘッドライトは110W相当に交換してあるし、35W×2灯のスポットビームで夜間も万全。
クリアシールドはさすがに見やすい(いつもは夜でもスモークなので)。
久しぶりに乗る9Rは重たいな.タイヤのノイズがやや気になるが減り気味のタイヤでは仕方ない。
さすがに連休の初日だけあって夜中でも車が多い、近畿道に入った料金所で止まったついでに荷物をチェックしてペースを上げていく。
120km/hぐらいのなんて事ないペースのまま名神に入ると、真昼のような大停滞!
天王山までず〜っとスリ抜けで走る、京都に入って流れが良くなったので140km/hまでペースを上げて遅れを取り戻す、
大津には予定より5分遅れで到着した。
日付けが変わった大津SA

●大津SA〜南条SA

ここは車でいっぱいだ、さすがにバイクは少ないが同じ色の9Rがいたぞ。
10分休んで出発。次は南条SAまで95分の走行予定だ。車も適当に多いので、ペースの早い奴について行く。これは楽で良い。
後ろから変に早いのが来たら道を譲る、パトカーだったりしたらヤバいのだ。
一般車だったらそのままついて行く。そんな事をくり返す。そのうち米原に来る。
北陸道に入ると状況は一変!ぜ〜んぜん車がいない、照明灯も無くて暗い。
満月のおかげで景色もけっこう見えるがスポットビームも灯けていこう。月明かりの中を独り駆け抜ける、ペースは140〜150km/h。
だけど寒くなってきた、寒さに震えて走り、予定通りの時間で南条SAに到着。
すごく寒かった南條SA

●南条SA〜尼御前SA

あー寒かった。お茶を飲んで温もる。ちなみに、今日は眠くなったら困るのから夕方まではなるべく糖分を採らないようにするので、
お茶か無糖のコーヒーしか飲まないようにしてる。
予定ではここでガソリン補給するつもりだったが、まだかなり残っているので次まで伸ばす、今回は燃費がかなり良さそうだ。
冷却水を補給して、防寒の為にカッパを着て走り出す。次は尼御前SAまで40分の走行予定。
この区間は高速コーナ−が多いので楽しめるはず、と気分良く走ってたら変な車が煽ってきた
しばらく様子を見てたがどう見ても警察じゃないので160km/hまでペースをあげるが、まだ煽ってくるので腹が立ったから一気に加速!
6速のままでもすぐに200km/hを超えるこのパワー。220km/hを超えたところで止めておくと、その車は二度と来なかった。
後ろ姿は似てるけど400ccじゃないのだよ。気持ちが冷めないまま尼御前SAに到着。
少し疲れた

●尼御前SA〜小矢部川SA

SAは夜中の3時だというのに車で一杯だ、お茶を飲んで休憩してからガソリンを補給。
入れてビックリ、25km/l。何で?そんなに大人しく走ってないぞ。
車体と荷物をチェックしてから走り出す。次は小矢部川SAまで、また40分の走行予定。
ここから新潟までは能登の近く以外はずっと海沿いになるので、しばらくは直線ばっかりだ。
すでに300kmを超えているので、さすがに集中力が落ちてきた。
ペースが下がりはじめた頃、後方からバイクが近づいてきた。抜かれぎわに見るとZZR400らしい。
120km/hぐらいで走っているのでちょうどいいから後ろについていく。
ちょうどワインディング区間になりイイ感じで走れる。
空も少し明るくなりはじめ、月明かりの中を2台で踊るように走っていると何だか8耐のゴール前みたいな感じがする。
そのうち小矢部川SA、早めにウインカーを出したらZZRも入っていった。

●小矢部川SA〜有磯海SA

ZZRは姫路の奴だった。
『どこまで行くんスか?』と聞かれても困るのだが『いやー、アホみたいだけど今日中に秋田まで行くんだ』
『えっ!僕もですよ!』ナニ!!こんな大バカツーリングする奴が他にもいたのか。
でも、この道、この季節、この時間に出会うとは・・・話を聞いてると9割は同じコースだ。
それじゃ一緒に行こう、ハイカを買ってから出発。
あれ?ZZRが来ない?どうやらガソリンを入れているらしい、またSAで会うだろうと走る。
次の有磯海SAまでまた40分の予定だ、4時を過ぎて空がだんだん明るくなって来る。
つまり1番寒い時間帯なんだ、もう少し辛抱すれば暖かくなるはず。
この辺は道も景色も単調で、眠気と寒さに耐えて走っているうちに予定通りに有磯海SA着。
夜明けだ

●有磯海SA〜名立谷浜SA

ちょうど日の出の時間帯で、光が差してきた。しばらく待ってたけどZZRは来ない、どうやらここは通過するみたいだな。
不格好なのと眠気防止のためにカッパを脱いで、冷却水を足して(何で減るんだろう?)出発、次のSAまで50分の予定。
この区間はトンネルが多いのでシールドはクリアのまま。
道は片側1車線の対面通行になり、トンネル区間になった。
30個ぐらいトンネルが続き、車の時は眠くなって仕方ない区間だが、さすがに寒くて眠気も来ない。
車たちが遅くてペースが上がらない、追い越し区間で一気にゴボウ抜きだ!
一瞬で抜いて行ける9Rのパワフルなエンジンは頼もしい、さすが900cc/140馬力!
そんな事をくり返しているうちに予定通りに名立谷浜SAに到着。
朝の日射しが眩しい

●名立谷浜SA〜米山SA

ZZRは先に着いていて仮眠をとっている。そんなに眠気はないけれど、こっちも仮眠するか。
その前にカッパを片付けて荷物の整理をしておこう、ついでにシールドを交換しよう。
シールドを出してビックリ!前面に保護シールのノリがビッシリと付いており、これじゃ前が見えない!
必死にシールドを40分拭きまくり、ようやく綺麗になった。もう眠気はまったくなくなった。
荷造りを直していたらZZR君が起きてきた、ここで朝食にしようと思っていたが7時前でまだ食堂は開いていなかったので、次のSAに行こう。
再び2車線になり、左手に海を見ながら人車ともに快調な走りで米山SAに到着。
目も覚めました

●米山SA〜栄PA

着いてみると、レストランは開いたばかりなのにもう満員。天気もいいので外で食べよう。
カレーを買って裏の広場で食べる、爽やかな風が吹いていて気持ちがいいねえ。
この辺は海沿いで景色がいい、今度はこの辺を旅してみたいね。雪山の写真を撮ったりして、眠気覚ましの「オールP」を飲んで出発!
もうSAは無いので、次は栄PA。約35分の予定だ、ZZR君もほぼ同じペースで走る。ううむZZR400の高速巡行性能は大した物だ。
快調に走って新潟県に入る、関越道と合流すると車が増える。
新潟は取締りが厳しいと聞いているのでペースを少し落とすが、予定通りに到着。
本当に順調だなあ。

●栄PA〜新潟西IC

高速では最後のチェックポイントなので、休みながら車体をチェックしていると、あれれ?タイヤが凄く減っているぞ。
出発前にはかなり残っていたのに・・・たった600kmでこんなに減るの?
ヤバいなあ、あと2000kmはあるのにこのペースじゃ保たないぞ。こうなるとパワー押さえて走らなきゃ。
とりあえずガソリンを入れて行こう、こんな状況なのにまた25km/lだ。
今までの120km/hペースを100km/hペースに落としてガマンの走りで新潟西ICへ。
うん、でもたしかにハイカは楽でいいねえ。

●新潟西IC〜道の駅・朝日

高速を下りて一般道へ、いつもの大停滞しているR7を避けてR113を走る。
何だか遠回りしているような感じがするなあ、細めの道は車も多く走り辛い。
これは道を誤ったかなと思いながら走っていると、村上の手前で突然右側が真っ赤になった。
何と!見渡す限りチューリップの畑。びっくりして止まる。
チューリップ畑です
ちょっとくたびれ気味だったので休憩しながら写真を撮る、それにしても見事だなあ。
ついでにソフトクリームを探すが、残念ながらそんなのなかった。
しっかり休んでから走り出す、途中で道を間違えウロウロしてたらR7に出れた。
ここからはこの道をず〜っと走る事になる。しばらくすると、さすがに疲れてきた。新潟から約2.5時間。
ちょうど『道の駅・朝日』があった、おお、ここで休憩しよう。昼前だし。

●道の駅・朝日〜道の駅・温海

ここはでっかい。建物の裏には大きな公園と庭園が広がっている。温泉スタンドもあるんだから温泉を作ればいいのに・・・
牛乳を飲んでゴロリとする。体を伸ばすと気持ちがいい。気温も上がってポカポカ陽気だ。
大阪を出て約750km、思ったよりは疲れていない。ここで昼食をと思ったが食堂が無いので次のポイントまで行く事にした。
R7を下るとうちゃん
相変わらず道はガラガラ、ペースを上げなくても距離が伸びるね。でも、楽しいはずの峠もガマンの走りで楽しめない。
峠の下りはローカルムード満点で遠くに来ていると実感するなあ。下ってしまうと海沿いになり、右手にはJR貨物が走っている。
そんな景色を楽しんでいるうちに『道の駅・温海』に着いた。

●道の駅・温海〜象潟

ここは去年も来たのだけれど印象が全然違う、今年は穏やかな気候で景色もいいねえ。去年は大荒れでとんでもない状況だったもんなあ。
さあ、昼メシだ。と言ってもあまり食欲がないからチャーハンでいいや。
ところが何だ?凄く量が多いぞ!といって残すわけにもいかないし。必死で食べて出発。
左に見える難破船
R7を北上、ずっと海沿いを走るはずだったけど酒田で道を間違えて市内に入ってしまい時間をロスしてしまった。
おかげで鳥海ブルーラインはパスする事になった。
酒田を抜けるとまた道はガラガラ、路面が少し荒れているのでハンドルが取られる。減ったタイヤはこんな所で脆い。
距離は870km、さすがにへばってきた。
県境のいつもの喫茶店が無くなっていたので象潟(昨年はここでくたばった)で喫茶店に入り、カフェオレのんでグデっとする。

●象潟〜田沢湖

ZZR君の名前などを聞いてからガソリンを入れる、また25km/lだった。
タイヤに空気を入れたけど、Fタイヤはブレーキディスクが邪魔で入れられなかった。
もう4時前で日が傾きかけており心なしか焦りが出て来た。さあ行くぞ!残り約150km。もうノンビリ休んでいる時間はないな。
R7は相変わらずのガラガラで走りやすい、
本荘の交差点で本当に長らく一緒に走ったZZR君と別れてR105に入ると、これがまた車のいない道で、対向車も来ないぞ。
80km/hペースで走り、途中の2年前に訪れた町のシダレザクラが満開なのでホッとした。これなら今年は大丈夫だろう。
大曲までくるとタイヤの暴れ方がひどくなってきた、タイヤ交換も考えなきゃ。
でもこの辺で大きな町は八戸ぐらいしか無さそうだから明日まではがんばろう。
騙しながら走っているうちに角館の手前に着いた、いつもの八乙女の桜の山に行くと、おお!見事にピンクの山になっている。
八乙女温泉の入り口付近
山には登らずに写真を撮って行く、この先は停滞がヒドイはずなので裏道に入る。
細くて狭い道だけど、おかげで角館の中心まで15分で着いた。
おおっ!見事に満開だ。時間もないから明日来る事にして先を急ぐ。R46の対向車線は10km近くの大停滞、これはカワイソウ!
そして寒くて暗くなった中、今日の目的地:田沢湖YHに着いたのは18:30。大阪を出てから実に1006.1kmの距離を走っていた。
受付を済ませ、部屋に荷物を置いて先ず夕食。ここは国民宿舎が併設なので食事が良い。
疲れた体に暖かい食事がありがたい、全身に染込むようだ。
食後はゆっくりと風呂、でも湯が出ない。おおい!何で温泉地なのに湯が出ないんだよ!
(ボイラーが壊れていたそうだ)湯舟には湯がタップリあるので大丈夫だった、とりあえずサッパリしたぞ!
部屋に戻って同室の連中と話をしてたら、近くの温泉に行こうと誘ってくれたが、もうダメ。元気ないのでパスする。
そして10時頃、闇に落ちるように寝た。


本日の走行・・・1006.1km

5月4日(土)
桜の木の下で
田沢湖YHの朝

●田沢湖〜弘前城

7時に起きて朝食へ、部屋の連中と話をしてたら『ライオンみたいなイビキの人がいましたね』ってもしかして俺の事?
朝食を済ませて部屋に戻ってゆっくり荷造り、他のライダー達はさっさと出発していったようだ。
用意を済ませてバイクをチェック、タイヤも危険な状態ではないようだ。
一安心と思っていたら、クラッチレバーのナットが緩んでいて落っこちそうになっていた・・・
8:30に出発、田沢湖を半周してから角館へ向かう。道は空いていて30分程で到着。
どこまでも続く桜並木
邪魔にならない所にバイクを止めて歩いて散策する。今年は見事に満開だ!桜色が目に眩しい。
ここはシダレ桜と武家屋敷とのバランスがいいね、でも団体さんが増えて来てゆっくりと見れないので川沿いの方を見に行く。
うわあっ!すげえっ!!見渡す限り桜のトンネルだ、花の大きさも大阪のとは違っていて迫力も凄い。
いい時間が流れるのだが、そろそろ行かなきゃ。
昨日と同じ道を走り田沢湖から八幡平に抜けて行く、交通量も少なくて温泉だらけのワインディングでお気に入りの道なのだ。
周りは50センチぐらい雪が残っており寒いのだが、これならタイヤもエンジンも熱負担が無いからいいだろう。
銀世界を過ぎると下りになり、平地に来ると北海道みたいな広大な景色の中を走る道になる。
やたらと車が増えて来て停滞しだした、この先にもお気に入りの峠が有るのだが、諦めて十和田ICから高速に乗ることにした。
乗ってはみたもののタイヤが気になるので120km/hペースで走っていたら車にボコボコ抜かれる、本当なら逆なのに!
角館を出てから止まってないので阿闍羅PAで20分ほど休憩する、車体をチェックしてチェーンオイルを補給してから出発。
途中まで調子良かったのだが、弘前大鰐IC手前から料金所停滞だ。オーバーヒートが恐いのでエンジンを切って待つ。
20分程で料金所を通過、高速を下りてアップルロードを走る。
この道は名前のとおり青森特産のリンゴの木だらけの丘を結んで走る、岩木山も見えてて走り応えのある気持ちのいい道だ。
そのうち弘前城に着いたが、停める場所を探してたら停滞にハマッてしまった!
みるみる水温が上がり、どうにかバイクを停めたとたんにオーバーフローしてしまった!冷却水がドバドバ吹き出ている。
エンジンが冷えるまでどうしようもないので状況を確認してから城の中に入って行く。

●弘前城〜三沢

ここは相変わらず凄い!角館よりも一段とスケールがでかい。
堀は散った花びらでピンクに染まっているのに、見上げても空が見えない程に満開の桜・・・
花吹雪と花のトンネルで方向感覚が狂いそうだ、わざわざ身に来た甲斐があったよ!
広い広い城内をゆっくり見てまわる。昨年の分まで目に焼きつけていくぞ。
こんな調子でえんえんと・・・
1時間半ほどしてからバイクの所に戻る。
エンジンも冷めているので取り敢えず冷却水を補充してから走り出す、途中の黒石でガソリンを入れると今回は22.5km/lだった。
これでも好燃費だな、念のためにまた冷却水を補充しておく。
十和田の方に行くと気温も下がって来たので水温も安定しており調子はいい、路面の変化にも慣れたので問題ないぞ。
ノロノロ走っている車を片っ端から抜いて行くうちに十和田湖に出た。
うわっ強烈に寒いぞ!それもそのはず、1m以上も雪が残っているんだ。
路面の濡れている所が凍っている危険もあるので慎重な走りになっていく。途中の御鼻部山展望台で休憩だ、道以外は全て雪。
反対側から広島ナンバーのVFR400が来たので互いの路面の情報交換、どうやら状況は変わらないようだ、
彼のタイヤも減っており同じような悩みを抱えていた。
寒いがな!
さすがにエンジンも熱くならない、当たり前か。車体をチェックして走り出す。
山を下ると奥入瀬だが今年も見てる余裕ないなあ、ここも車がトロトロ走っているので抜きながら進んでいると変なナンバーの車に追い付いた、
どうやら三沢基地の米兵らしい。
気にせず追い掛けまわすが、奴らも負けずに逃げる。道もフラットになり車でもペースが上がるのだが、こいつらも相当のスピード狂だ。
けっこう距離があったはずなんだけど気がついたら十和田町に着いていた。
R45に入るともう空が暗くなってきてミラーシールドでは前が見にくい、なんとかそのまま走って、結局カワヨグリーンYHにには18:30に到着した。
受付を済ませて夕食、今日はバーベキューだ。
同じ時に着いた連中と一緒に食べるがどうも火力が弱くてサッと焼けないので1時間くらいかかってしまった。
食後は温泉、ここは露天風呂があるのだ。
夜行列車の汽笛を聞き、満開の夜桜と満天の星空を見てビールを飲みながら入る露天風呂は最高だぞ!
ノンビリ入って疲れを取ってからはティータイム、今日は『安らぎのハーブティー』おお!ピッタリ。
ふ〜、ハーブティーを飲みながら南部せんべいをかじる、このYHではいつもコレ。(春、冬合わせて5回は来てる)とてもリラックスできるよ。
同室の連中と話込んでたら夜になったので、内風呂にサッと入ってからまたビールを飲んで寝る、明日は雨になるらしい・・・


本日の走行・・・335.4km

5月5日(日)
雨の1日

カワヨグリーンYHの露天風呂

●三沢〜福島

7時に起きて朝食、ここは牧場なので搾りたての牛乳が飲み放題だ(初乳も飲める!)。ゆっくり味わって体力をつける。
これからは2日かけて大阪まで帰らなきゃならないからね。
食後にまた露天風呂に入ってリラックス、今日は1日中雨の中を走るだけのはずなので途中で温泉とか入れないだろうからね。
シールドをクリアに替えて、荷造り。福島のYHに確認を入れてから9:45に出発。
ちょっとノンビリしすぎたかな?出来ればここにはもう1泊したかったのだが・・・
R45からバイパスを通り八戸から八戸自動車道に入るとスピードを上げたら寒くて我慢出来ない。
折爪PAに飛び込み、グラブを防寒防水タイプに替えてカッパを着る、これで暖かいぞ。
冷却水を足してから再び走り出す、思った通り暖かい。交通量が少なくマイペースで走れるのでいいねえ。
東北自動車道と合流しても大して状況は変わらない。
美しい岩手山を見ながらのクルーズ、ちょうど昼前に岩手山SAに着く、バイクを停めたら雨が降って来た。
休憩してガソリンを入れて走り出す、これから雨の中を300kmも行くのか、大変だな・・・
意外にも雨の中でもバイクは安定している、100〜120km/hでも平気。
これならタイヤも減らないと思う(そのかわりグリップもしないだろうけど)、雨の中では止まるのも嫌になる、
SAも2つおきぐらいでトイレ休憩だけになるが、まあ順調かな。
しかし不幸はやってくるもので、ついにグラブの中に水が入って来た!完全防水と書いてあるけど、やはり完全な物は無いなあ。
みるみる手が冷えて来た!体は一部でも冷えると急激に疲れが出て来る。
それに山形を越える頃には雪まで降って来た!
盛岡を越える頃には体が固まっていた、PAで休んでも体が重い。
そのうちカッパにも水が滲んできた、辛く苦しい走りの中、17:00頃福島県に入る。
雨はようやく小降りになり、遠くには少し青空が見える、車が増えだした福島西ICで降りる。
雨がやっと止んだ、もう少しだ。高湯温泉を目指して走る、せっかくのワインディング区間も体が固まっているので思うように走れない、
それでも何とか頑張って吾妻高原スターハントYHに到着。ああ疲れた、もう歩くのも嫌だ。
ここは冬はスキー場になるので入口の隣に乾燥室がある、カッパとブーツカバーを干してから受付を済ませる。
部屋に入るとストーブがある、ありがたい、濡れたライディングギアをストーブ前に置いて乾かす、グラブは重傷だけど乾くかな?
さあ、とにかく風呂に入ろう、もう体がガチガチなんだ。
入ると今日は菖蒲湯の日だったので、ショウブしたろやないか!と挑むが、あっさり負けて湯舟につかる。
冷えた体が温もっていく。
温もったところで夕食、他には千葉のFJ1200と静岡のTT250Rがバイクで歩きが4人、人数が少ないのでゆっくり食べる。
食後に隣のホテルの風呂に4人で行こうとしたら、FZ750に乗った奴が到着したので『後でおいでよ』と誘って行く。
外は低気圧で強風が吹いている、1人300円払って風呂へ、どうやら僕ら以外には人は居ないようだ。
内風呂で温まってから露天に行く、ここは乳白色の湯だ。東北の温泉は場所によって色んな色があって面白い。
高湯温泉は白濁した湯です
少しぬるめの湯だし強風のおかげで肩まで浸かっていないと寒い、そのうちFZ君も来たので5人でツーリング話しあれこれ。
約1時間ほどしてからYHに戻ってビールで酒盛り。
みんな明日帰る為か疲れの為か少し元気が無い、みんな関東方面じゃないか俺なんか大阪だぞ!
部屋に戻るとグラブ以外は全て(ヘルメットの内装も)パリパリに乾いていた、他の連中も同じように乾かしているので部屋はムワ〜としていた、
これならストーブ点けたままでも乾燥しないだろうから一度換気をしてから寝る事にした。


本日の走行・・・427.6km

5月5日(月)
オーバーヒートの日
福島スターハントYHの朝
7:30に起きる、外は曇ってはいるが雨の降る気配は無さそうだ。
一晩中ストーブを焚いていたおかげで全部乾いた!ああ良かった。
ゆっくり朝食を済ませて荷造りをしていたら、TTRとFJが出て行った、ミラーシールドに替えてグラブをもう1つの防寒用に替える(用意がいいねえ)。
荷物をまとめて乾燥室のカッパ類を収納、FZ君はヘルメットをこっちに置いていたので乾ききらず『気持ち悪〜』と叫んでいた。
今日は冷却水が減っていない、昨日は水温が上がらなかったもんな。
9時に出発、爽やかな朝の山を下る。下りたところでガソリン補給、今回も25.5km/lも走っている。タイヤに空気を入れて福島西ICから東北道に乗る。
100km/hペースだと速度差がありすぎて危ないので120〜130km/hペースに上げる、タイヤノイズがかなり気になる。
朝チェックしたら残りは3分山ぐらいだったからまだ大丈夫だとは思うのだが。
風が強く、所々渋滞していたのだが概ねいいペースだ。途中の上河内SAで休憩しただけで昼過ぎには川口JCTに着いた。
料金所停滞で並んでいたら電動ファンが回り出した、嫌な予感するなーと思っていたら冷却水が吹き出した!でも走り出したら水温もスッと下がる。
ヤバいなあ、帰ったら修理しなきゃ。
そのまま東京外環状に入って新倉PAで休憩、まるでSA並だね。冷却水を補給、今まででいったいどれだけ補給したんだろう? 
再び走り出して環8を走るとすごい渋滞だらけでこれはヤバい!思った通りにみるみる水温が上がり、また冷却水が吹き出した。
1時間ほどで渋滞を抜け出し、R20から中央道に乗る。『中央フリーウェイ』の歌詞の通りに『右に見える競馬場』と『左はビール工場』が見えるが、
今はそんな事に感心してる場合じゃない!一番近かった石川PAに飛び込む。とにかくエンジンを休めて冷ましてやらなきゃ。
リザ−バータンクを見ると何故か冷却水がちゃんと入っている、あれれ?あんなに吹き出したのに?
休憩して戻ってくるとタンクは空っぽ、これはラジエタ−もやられてるのか?
とにかく口一杯まで冷却水を入れてエンジンをかけると冷却水が半分ぐらい吸い込まれていった、また足してから走り出す。
いいかげんにしんどくなってきた、もう15:30だ行かねばならん。さあ行くぞ!
都心に向かう反対車線はぎっしりと車が詰まっているが こっちの車線はガラガラなのだ、山の中を走るのでコーナーが多いし景色もまあまあ。
走っている分には問題はない、快調に走って談合坂SAに到着。
建物も新しく綺麗なSAだが休憩はさっきしたのでガソリンの補給だけで進む、冷却水も減ってなかった。
神奈川県から山梨県に入るとやたらと直線区間が多くなる、甲府のあたりでは平野の中をずどーんと直線が貫いており、いかにも取り締まりしてそうだ。
飛ばすのは危険そうだからタラタラ走ると眠くなっていかん。今回のツーリングで一番辛い所だったかも知れない。そのうち双葉SAに到着。
何故かまた空っぽになっている冷却水を足してから休憩、ここでは旧車のミーティングをやっていた。
白桃ソフトを食べて戻ってくるとまた冷却水が減っていたので補給しておく。タイヤもけっこうヤバくなっている、あと約450kmもう行くしかないなあ。
これから寒くなるのでエンジンにはいいかな、気持ちを引き締めて再び走り出す。
しばらく走ると長野県に入った、高度が上がり、気温表示の数字がどんどん下がり、ついには8度。まあ東北道の3度よりはマシか。
まわりを見ると桜が咲いている、長野と東北は同じレベルか!
手先が冷えてきたからか寒くなってきた、ガタガタ震えて走って諏訪湖SAに到着。
ここにあるハイウェイ温泉に入ろうかと思ったが、湯冷めが恐いのでヤメ。
お茶を飲んで防寒グラブに替えて冷却水を足してから出発。
もう夕方なのにまだこんな所・・・
ここからは馴染みの道なので安心出来るが、空が急に暗くなってきた。あと1時間は明るいと思っていたのだが・・・
駒ヶ根SAを通過する頃には暗くなってしまった。早めにライトを灯けているがミラーシールドでは前が見えにくい、
暗くて寒くてワインディング、あんまり見えない道を高速でコーナリングするのはなかなかコワイぞ。19時過ぎに何とか恵那峡SAに到着した。
休憩しながらクリアシールドに交換して防寒の為にカッパを着る。20分ぐらいしてから出発。
おお!クリアな視界は安心だ、体も硬直が取れて動きやすくなったのでペースが上がるぞ。
今日はもう650kmぐらい走っている、残りはあと200kmぐらいか、小牧まではコーナーが多くて楽しかったが東名に合流すると直線ばかりで面白くなくなり、
たんたんと走るだけで急に疲れてきたので養老SAに入る。
バイクを停めて降りたら足が棒のようになってる、腕も何だか震えている。そろそろ体の限界なのかな。
ストレッチをしてから休憩、まだこんな所でくたばる訳にはいかんのだ。
軽く食事をして長めの休憩、冷却水とガソリンを補給して出発。次は大津までだ、
ここまで来るともう神経を使わなくなった(何かあっても電車で帰れるし)のでペースは120km/hぐらいで安定してる。
もうライダ−ズハイを通り越している、早い車を見つけては追いかけまわす、連休最後の日なのに込んでないし照明も増えたので道も見やすく走りやすい、
ペースはどんどん上がる。調子良く走って大津SAに到着。
バイクを停めて歩道にドテッと座る、本当に疲れてる。チェーンオイルを差して冷却水を補給してから休憩だ。
もう22時を越えている、残りは約90km。もうひとふんばりだ、行くぞ!
ここからはいつもの走りになる、不思議と空いていて渋滞もないので楽だ、160km/hぐらいのペースのまま吹田からは近畿道に乗る。
一気に八尾まで行って下道に下りる、久しぶりに信号に引っ掛かったな、地面に着いた足が震えてるぞ。
慣れた道を走ってようやく帰ってきた、到着は23:30。トータルの距離は約2600km!!
本当によく走った、4日間で東日本1周だもんな(しかも明日は仕事)。
タフな旅だった、体はガタガタだ。もう2度とやらないぞ!寝よっと。
本日の走行・・・895.2km

・・・・・戻る・・・・・

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