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北海道ツーリング No.10
〜林道もあるツーリング〜

1999年8月14日〜21日・ヤマハTTR250
2353km

赤線が今回のルート(黒線は過去走破ルート)


今まで何度となく北海道に来ていろんな道を走ったが、林道・ダートはロードバイクに乗っていたせいもあってあまり走る事はなかった。
『アウトライダー』1999年9月号に愛車自慢が載ったのを確認したその日、訳あってそのZX9Rを手放してしまい、手元に残ったのがTTRだったので、
林道を含めていつもと違う景色を見ようと旅に出た。

8月14日(土) 曇り〜雨
いよいよ出発日、昼のうちに買い物を済ませて用意をする。
TTRはシートが長いので荷物が積みやすいのだが、それにしてもすごい荷物(その半分はキャンプ用品なのだが・・・)
17時に出発、船は23時発なのだが予約をしていないのでキャンセル待ちで早い順番を取るために早めに出るのだ。

荷物のバランスが悪いのか、何だか走りにくいが今日はこのまま行こう。
途中でガソリンを入れて、高速で市内を抜けて池田からR176に入る、流れも良くペースもいいので楽だね。
ところが亀岡の手前に来たところで突然大雨が降ってきた、こりゃたまらんと高架道路の下に逃げ込んでカッパを着る。


亀岡手前で突然の大雨に雨宿り。


薄暗くなってきたし、タイヤも替えたばかり(今回はミシュラン・シラク)で、まだ危ないからペースを落として走る。
R9は所々で祭りをやっていたので停滞もあったが、それでも順調に走ってR27に入る。
しばらくすると雨は止んだ、もう日は落ちており、しかも街灯が無いので真っ暗で、空は時々雷が鳴っていてその光が不気味だ。
車もまったくおらず暗闇の中を1人で淡々と走る、20時過ぎに予定よりかなり早く舞鶴港に到着。

港には夏休みも終わりの時期だというのに本当にバイクが大量にいるなあ。
手続きをすると空席の余裕があったので2等寝台が取れた、時間に余裕が出来たので先にガソリンを入れに行っておこう。
21時に港に戻って来ると雨がまた降ってきたので、予定より早めにバイクの乗船が始まった。


乗船直後に大雨になった

その途中、ハーレーおじさんがスロープで脱輪して転落しそうになったので大騒ぎになり、時間がかかったが何とか無事に乗船完了だ。
寝台なので自分のスペースが確保されるのは1人の船旅にはありがたい、さっさと風呂に入って着替えてくつろぐ。
簡単な食事をしていると出航だ、外を見に行くと大雨になっている、さあ、これから29時間の船旅だ。


出航直後の舞鶴フェリー港

本日の走行・・・166km

8月15日(日) 雨〜晴れ
起きると周りの様子が何か変だ。
外を見に行くと滝のような大雨で、デッキはまるでプールのように水が溜っており、しかも船は大揺れ。
台風のおかげで周りは船酔いの人ばかりだ(私は平気)、いつもならけっこう騒がしい船内が静かなものだ。

昼を過ぎると雨も止み揺れもおさまった、夕方には太陽も見える。雨の後の青空は本当に澄んでいる。
船内探検も飽きたので夕陽の写真を撮りに行ったら、デッキで吉田拓郎の『落陽』を大声で歌っている奴がいた。
うむ、彼の気合いで明日も晴れるでしょう。


日本海に沈む『落陽』

夜になり早めに寝ようと思ったが、今日は何もしてなかったので眠気が無く、なかなか眠れない・・・
本日の走行・・・なし

8月16日(月) 晴れ

3時過ぎに目が覚める、あんまり寝た感じはしないなぁ。空はまだ一面の星空だ。
船は定刻の朝4時に小樽港に到着。
どうせバイクの下船は一番最後になるので、ゆっくりと荷物をまとめてカーデッキに降りる。下船開始は4時半だった。


降車口の外はまだ暗い

船を降りたところで荷物を積みなおす。
バッグをリアキャリアに積んで、テントと寝袋をシートに縛りつけたほうがポジションが楽になった。
荷物を積んでいる間に周りが明るくなってきた。

夏とは言え、北海道の朝は涼しい。
パッキングを再確認して、さあ出発だ。
ところが、走り出したら何だかいきなり周りのペースに付いて行けない。
こっちだって決してゆっくり走っているわけではないのだが・・・みんな飛ばし過ぎやで!
札幌市内に入る頃には1人になっていた。

札幌からR36に入り南下するが、この道は広いだけで面白くないから嫌いなのだ。
6時半に苫小牧を通過、そのままR2355に入り襟裳方面へと向かう。
横には部分開通している日高道が無料開放されているのだが、国道に車がいなくて信号も無いから流れがいいのと、
TTRの巡航スピードでは高速を走る意味がないのでそのまま走る。

TTRは快調に走っているが、そろそろケツが痛くなってきた、休憩を兼ねて『道の駅・新冠』に入ろう。
ここはガソリンスタンドも併設なのでついでに補給しておこう。初回の燃費は29.4km/Lだ。
しかもホクレンのスタンドなので旗をくれた。(夏の間はライダー限定で旗を配っているのです)
8時になったところで再び走り出す、岬まではスタンドの人の話だと約2時間とのことなので到着は10時頃か。

昔、この道を走ったときは、たまらなく嫌だった記憶があったのだけど、今回はそう思わない、
何故だろうとボ〜っと考えているうちに様似に着く、ここから道々34号で岬へ向かう。
原野の中を走るこの道は北海道らしい景色に満ち溢れていて好きな道なのです。
予定通りに10時に襟裳岬に到着した。


日高山脈が海に消えていく襟裳岬

が、昔(17年前)とはすっかり変っていて、予想通りに森進一の『襟裳岬』がエンドレスで流れていて、まるで昔の宗谷岬みたいになっていた。
30分程して出発するときDUCATI・400SSが立ちゴケしていた、ああカワイソウに!(部品あるのかな?)

岬を出て帯広方面に向かうと黄金道路に出る、何年たっても相変わらず工事中の場所が多いなあ。
しばらく走って豊似からR336ナウマン国道に進む、今回この道を走りたくて襟裳廻りのコースにしたんだ。
観光名所になるような所は無いのだが、広大な風景が気持ちいい、所々で停まって景色を楽しむ。


景色の中に溶け込めそうだ

その昔はまだ道路は分断していて開通しておらず、走る事がなかったのだ。
車がまったく来ない広〜い道はいかにも北海道らしい、自然のままの北海道が楽しめ、天気も良くてとても快適!
オフ車の楽なポジションもあってノンビリ流していける。


空がどこまでも広い


途中で写真を撮ったりしながら走り、12時半頃に浦幌に着いた。
ここでまたガソリンを入れる、燃費は約30km/Lと良いのだが、いかんせんオフロードバイクであるTTRは、
ガソリンタンクの容量が9Lしかないので、200kmおきに給油するのがメンドクサイ。


浦幌の近くで道草

ここでまた旗をもらって出発、
道々1038でダートを走るつもりだったのに、どこでどう道を間違えたのかダートはほんの少しで昆布刈展望台に出たぞ?
ダートが終わって海岸線に出た所で今日の宿を予約、キャンプ道具は持ってきているが初日は宿に泊まる予定にしていた。
無事に弟子屈の宿が予約を取れたので、少し休んでから出発すると霧が出てきた。
釧路方面はやっぱり霧が多いな。


釧路に向かうと霧になる


R38に出ると視界は50mぐらいしか無いので単なる移動手段になってしまう。霧は雨より始末が悪いと思うね。
視界の悪い中を何とか15時頃に釧路に到着。
和商市場に行って昼飯に勝手丼(白飯を買って、市場をまわってイクラやホタテを買ってトッピングする)を食べようと思ったけど、
あまりに誘惑が多すぎるのでイクラ丼を食べてから買い物を済ませて出発する。
初めて走る、道々53号で弟子屈に向かう、国道よりも景色が良くて新鮮に感じる。
途中で道草しながら進む。


オフ車はどこでも入っていける

いろいろ寄り道をして17時頃に弟子屈に到着。
以前お世話になった人達(この辺で土地を探しているので)に挨拶に行ってから今日の宿『ましゅまろ』に着いた。
はあ、オフ車での400kmは(ケツに)キツかったぞ。

今日の宿泊客は男だけで7人だった。
風呂に入って着替えるとやっと落ち着いた、夏なのにクーラーなしでも熱くないのはさすが北海道。
食事をすませると眠くなったのだが、皆と話し込んでいるうちに日付けが変ってた。
本日の走行・・・389km

8月17日(火) 晴れ

7時過ぎに起きると、もう朝食の用意が出来ていた。
食後に外に出ると、夜のあいだに雨が降ったらしくバイクが濡れていた。
バイクを拭いて、用意をして9時に出発。

『ましゅまろ』出発前

まだ曇り空で、東に向かうと霧になってきた、今日は知床周辺を走る予定だ。
曇り空の中を淡々と走り、しばらくして開陽台に着いたが視界が悪く、またしても360度の地平線を見る事が出来なかったのは残念!
展望台は新しく小奇麗になっていたのだが、昔の展望台の壁が残されていたのが嬉しかった。

何度か来てるけど泊まった事がない開陽台キャンプ場
それでは川北温泉に行こう、天気は回復してきて暑くなってきたのはいいが、林道の入り口が無いぞ。
そのまま進むと国道に出たので反対側から進入すると、割とフラットなダートを走る事約10分で到着。
こんな山の中にポツンと温泉がある。
昔、旅館が有った名残らしいが、こんな山奥に人が来ていたとは信じがたいなぁ。
とりあえず温泉に入ろう。


ワイルドな川北温泉


一応男女別で脱衣所もあるが男湯は丸見えだよ、ワイルドだなあ。
湯加減は意外と良く、ノンビリ入ってから出発。
来た道を戻って国道へ、ここから滝の沢林道に入って薫別温泉に向かう。この道は熊が出るので有名らしい、慎重に進まねば!


今にも熊が出そうな滝ノ沢林道


道自体は普通のダートだが何と言っても薄暗く怪しい雰囲気がする。
途中の分岐で表示が無く、正しい道から外れてしまい薫別温泉には行けなかったが何とか無事にR335に出た。
非常に緊張した走行だった。

気分をかえて羅臼に向かって北上、知床の道は絶対こっち側がいいなあ、今日は国後島も見えている。
広い道を快調に走って羅臼、今回はそのまま知床峠に行く。
登りのタイトコーナーが連続するため、荷物満載のTTRは辛くなるので、失速しないようにギアチェンジだけでフルスロットルで走る、
気持ちリーンアウト気味のコーナリングではブーツの先が路面に接触してるのが分る、ロードバイクをコーナリングでかわして行けるのが面白い。
速いよこりゃ、バランスを保てばこんなにTTRは走るんだ!
改めてバイクの乗り方は奥が深い物だと思いながら走って知床峠に着いた、前後のタイヤはいい具合に両サイドまで溶けている。うん、満足。


久しぶりの知床峠


しばらく休憩してからウトロ側に下っていくのだが、高速コーナーばかりなので面白くない、絶対的パワー差で離される。
途中で右折して知床林道に入る、林道にしては異常に車が多くてホコリがもうもうと舞っている。
車の後ろでは視界が安定しないので抜いていくが、抜いても抜いても抜いても!車がいる。
林道終点近くのカムイワッカの滝にくると違法駐車の列列列!
秘湯ブームのおかげかすんごい人の列、入場制限までされてる。こんな秘湯あるかい!
もともと寄る気はないので先に進み終点までやってきた、


知床林道終点地点


この先はどうやっても無理(昔、寺崎勉さんが本当の終点まで行ったのを知っているが、さすがにもう無理だなあ)。
しばらく休憩して引き返す、帰りは快調に走れた。
知床五湖まで戻り、コケモモ/ハマナスソフトを食べる。自称ソフトクリーム評論家なので・・・
さあ、身も心もクールダウンして行くぞ。
人でごったがえすウトロを素通りしてR334を斜里まで下って行く、この道もかなり改修されたのだが羅臼側にはかなわない

斜里から見た斜里岳

斜里でガソリンを補給して清里から道々857を走る、この道は地図で見る限り完全に直線道路になっている。
走ってみても本当に真ーっ直ぐで、道の終わりで振返るとオホーツク海まで道が続いているのが分かる。


遠くに見えるはオホーツク海


ここからエトンビ山スカイラインに入る、名前はいいのだが、ものすごい林道らしい。
16時なのにうっそうと木が茂り、人の気配はまったく無い。と言うよりも最近車が走った跡さえ無く本当に恐いぞ。
気合いを入れて登る!
途中の熊笹の茂みの中に古ぼけた展望台が有るのを見つけたがサビてぼろぼろ。
恐いけど登ってみたくて行ってみるが、1.5mぐらいの熊笹をかき分けている時の恐怖はすごかったぞ!
(ちなみに、登る前に思い切りカラ吹かしをして、TTRのエンジンは掛けたまま、熊避けとすぐに逃げれるように)

展望台からはさっきの直線道が見えている、やっぱりすごいと思うね、怖いのでさっさと出発。
道は下りだしたが薄暗い森の中に入っていくのが恐いな。
その時前方の茂みが動いてるのが見えた!
熊笹の中から黒い動物が飛び出した!!!!

それは大型の猛禽類(トンビ?)だった、あ〜命縮むやんけ!
下り切って右折すると舗装路になり車も走っている、ほっと一安心。そのまま神の子池に向かう。


途中ダートを3km程走って到着。
最近は観光客がチラホラいるよなぁ、僕もそのひとりではあるのだが。
でもさすが相変わらず美しい、5m以上の深みにあるだろう沸き出し口がはっきり見える。


深さ5m以上ある湖底がこんなにハッキリ見える


日も落ちかけなので先を急ぐ、次は裏摩周展望台だ。
この道も18年前は獣道で苦労したのに、今ではハイスピードコーナーの広い道に変貌していた、
時代は変ったのだろうけど景色は変っていなかった。さあ、今日の予定は終わりだ。


裏摩周展望台からの眺め


弟子屈まで戻り、スーパーで食料品を調達して寝床を探す、結局はなじみのある屈斜路湖畔のキャンプ場にした。
けっこう人が多く、たまたま同時に着いたCB1300君と場所を確保することが出来た。
さっさとテントを建てて夕焼けの写真を撮る。
夕食の準備をしようとしていたらCB君は初めてテントを建てるそうで上手く出来ずに悩んでいた。手伝ってどうにか完成。


屈斜路湖の夕日


さて、夕食だが1人なので一番小さい量の食材を買ってきたのだが、さすがは北海道どうしても大量に入っていたので余る。
そこで反対側の隣でお菓子ばっかり食べている、どうやら食料を買い損ねたらしいNinja君を誘ってCB君と一緒に話しながら食べる。
すると何故かソロライダーが集まりだしてきて、いつの間にかツーリングの語らい場になってしまった。
みんな食材や酒を持ってきたので話も盛り上がる。

ランタンの明かりを囲み、満天の星空を眺めながら語り合う湖畔のキャンプ場。
初めて会ったばかりなのに、まるで昔からの知合いのようで話はさらに盛り上がる。
その中で、まだ10代の、初めてツーリングに来たという少年は飲まされたせいもあるのか感動を熱く熱く語っていた。
まるで昔の自分を見ているような気がした、どうしても手に入らないと嘆いていたホクレンの旗をあげるととても喜んでいた。

夜になりパラパラと解散、それでは露天風呂に行こうとしたらCB君のテントが風で飛びそうになっている。
予備のロープとぺグで補強をしてあげてから風呂に行く。

とうちゃん入浴中
ここは無料の露天風呂、入りに行ったらさっきの連中が居てまた酒が入る。
星空を眺めながらの露天風呂は気持ちいいぞ!
充分に温もってから上がる、風の音が強いけど気持ち良く眠りについた。


本日の走行・・・369km

8月18日(水) 晴れ
エンジンの音で目が覚めた、Ninja君が出発していった。CB君は恐らく眠れなかったようで早朝に出て行ったらしい。
北海道の朝は少し寒い、朝食を済ませてテントを撤収して9時前に出発。
今日はこの近辺の林道を走る日なのだ。

湖畔のキャンプ場

先ずは屈斜路林道に入る、屈斜路湖を一周できるフラットで走りやすい道なのだが、この道も暗いのでビビリながら進む。
無事に一周したら、次は川湯温泉の先から池の湯林道に入る。
この道は硫黄山の裏を通るのですごく硫黄の匂いが臭い。
半分ぐらいの所で分岐がある、近くに池の湯沼があるので行ってみたかったのが余りにも危なそうなので今回はパス。
将来この町の住人になることができたら来よう。
途中で盛土があって危険な所があったが無事に出口に着いた。

疲れる林道だった

休憩してから阿寒に向かって走り出す。
阿寒横断道路は相変わらずグネグネだな、ここでも調子にのって全力で走る。中速コーナーまでは本当に楽しく走れるバイクだ。
地元の走り屋?らしい車にストレートで抜いていかれたがこれは仕方ない、そのうち阿寒着。

俗化されてしまった湖畔に用事はないのでガソリン入れて先を急ぐ、ところが行きたかったペンケ林道は通行止めだった。
ではR240でチミケップ湖に行こう。
この道、阿寒から本岐で道々に入るまで1台も車に合わなかった、こんなのでいいのか?

道々51号で二股まで約20分、林道への分岐を過ぎると行く手を遮る『通行止』の看板・・・
何を−!途中に何の標識も無かったぞ!

通行止め・その1

本岐に戻り道々494号で何とかチミケップ湖に出る、森の中の小さい湖は昔のままの姿が嬉しかった。
途中ですごく暗い山の中を通り道々50号へ、ここから一気に鹿の子ダムに向かうのだが疲れが溜ってきて途中でバテてしまった。
置戸の国道分岐で休憩、寒さも厳しく(今は夏だろっ!)なってきたので辛いなあ。

しばらく休憩してから出発だ、さ、頑張るぞ!
鹿の子ダムの湖畔を抜けて石北峠に通じる旭林道に入る、フラットダートで走りやすいが本当に山の中なので気が抜けない。
途中の分岐を過ぎて石北峠に向かおうとしたら、行く手を遮るロープが・・・
そのロープには丸い看板に書かれていた文字、『熊出没のため通行止』えーっ!!!


通行止め・その2(奥の丸い看板に『熊出没』と書いてあった)


そりゃないよ、それなら林道入り口にも表示してよ!
こんな奥まで走ってきたのに、こんなのあんまりだ。

あわてて引返して、遠回りになるが峠に抜けれるもう1本の常呂川本流林道も入口まで来たら通行止めの看板が。
今日は大雪方面に行くつもりだったのだがこれで全てルートを失った。


通行止め・その3

戻って大きく迂回するか別の所に行くか。でも迂回するほどの時間に余裕は無い。
ここからの進行方向で一番近いキャンプ場を探す、そして見つけたのは糠平湖キャンプ場。
林道含めて約50km。

幸い、鹿の子林道は何とか通れたので道々88号に出れた。
国道レベルの道なのでペースを可能な限り上げて走る、車が全然来ない(今日って対向車10台ぐらいしかなかったんじゃないか?)ので
かなり安心して突っ込める、寒いけどペースは落とさない。

足寄の手前で右折して先を急ぐ、日が暮れだした頃に何とか糠平湖に到着。
先ずガソリンを補給してからキャンプ場に行く。
ここは駐車場に止めて荷物を運ばなきゃならないが、一輪車を貸してもらえた。

同じ時に隣に止まった大阪ナンバーのアフリカツイン(750cc)と一緒に寝床を確保。
さっさとテントを建てて一緒に食料の買い出しに行くことになった。
戻ってきて晩メシだ、二人分の道具を使うとスムーズに仕事が進む。


近くにキタキツネがいます

機嫌良く食べてたら何だか動物の気配がすぐ近くでする。
そっと横を見るとキタキツネがウインナーの皮を食べようとしていた。
『そんな物食べたら死ぬやんけ!』と追い払うがまたすぐにやって来る、野生動物を餌付けするわけには行かないので再び追い払う。
人に慣れすぎ、もう少し警戒せえよ!

食後に近くのホテルまで行って温泉に入る。
昨日はワイルドな露天温泉だったが、今日はちゃんとした風呂だ。やっぱり気持ちいいねえ。
戻ってきてまたツーリング話、あちこちでキャンプファイアがあって昔ながらの雰囲気を残していて気分のいい所だ。
今日はフクロウの声を聞きながら寝た。
本日の走行・・・338km

8月19日(木) 曇り
7時過ぎにクマゲラ(キツツキ)の音で目が覚めた、森の中のキャンプ場らしい気分のいい朝だ。
森に囲まれているせいか、空気がすごく澄んでいるようだ。


気持ちのいいキャンプ場です

ノンビリ朝食を食べて、テントを畳んで8時過ぎに一緒に出発、
そしたら駐車場から出ようと草の上を通った時に何かに突き上げられて転倒した。
何が何やらわからないがバイクを起こしたら、切株が捨ててある。
エンジンガードが当たったので助かったがタイヤだったら終わってただろう、左のミラーが割れたがこれぐらいなら平気だよ。

今日は予定が狂ってしまっているので岩間温泉に行こう、
R273を北上、十勝三股に入口があるはずだが分らず通過、戻ってようやく発見。
アフリカツイン君は林道走行に自信がないらしく『先に行ってくれ』と言うが、走りが危なっかしいので先行して様子を見ながらペースを合わせる。

15km程行くと道が川で切れている、ここが川渡りだな、行ってみようとしたら車が来た。
話を聞いたら営林署の人で工事をするから通行止めのテープをしに来たそうだ、走れるのはここまで。
それではバイクを置いて歩いて行こう。

山の中をオフロードブーツで歩くのはきついが、10分程で到着。
本当に岩の間から熱湯が吹き出していて、そこには誰かが作った見事な湯舟がある。
さあ、入るぞっと足を入れると何だかぬるい、


これまたワイルドな岩間温泉

よく見ると川の水をパイプで引き込んであり、ずっと水が入ってたのでぬるくなったようだ。
パイプをどけて中の湯をくみ出していたらカップルがやってきたので一緒に水をかき出す。
おお、いい湯加減になったぞ。

おまけに久しぶりにいいモノ(秘密)見ちゃって気分よく入っているうちに昼。そろそろ行きますか。
バイクの所まで戻って出発、今度は遠慮なく走る。
以外に見通しが良くて気持ちのいい走りができる林道だ。
途中で昼寝してるキツネやエゾシカの群れに遭遇するワイルドな道、これ以上の動物には遭遇したくない。

キタキツネが昼寝しています・・・
R273に出たところでアフリカツイン君を待つ、約10分ぐらいで彼も戻ってきた。
ここから糠平まで戻り、道々85号で然別へ向かう。
アフリカツイン君は『すぐに抜いて行くから』と舗装路には自信があるのか先に行かせるので再び遠慮なく飛ばす。
ここもタイトコーナ−が連続するので快調に走れる。

然別湖に着いてフィルムを買って、交換して走り出しても結局誰も追い付いてこなかった。
そのまま下って扇ヶ原展望台で休憩して帰りのフェリー状況を確かめる。
フェリーはどうしても予約が取れない。

これは今日のうちに小樽まで行った方が良いのではと思いはじめたころにアフリカツイン君がやって来た。
山を下り、鹿追を抜けてR38に出て富良野を目指す、さすがにこんな道で750は速い、狩勝峠の下りになる頃に見えなくなった。

途中から道々253号に入って麓郷に行く。
途中でメルヘンの木(王子とお姫様の木とも言う)に寄ってみる、ここは場所が紹介されていないので訪れる人はほとんど居ない。
落ち着いて景色が見れる穴場だね。


メルヘンの木(もう見る事はできません)

その後麓郷へ、でもやっぱり人が多くて見る気がなくなりパスして美瑛に行ってみる。
もうラベンダーも終わってるし、花の咲いている所がないねえ。
美瑛で食事をしてから丘の方へ行ってみるが、10年ほど前に見つけた場所は駐車場完備・自販機あり・土産も売ってるよーって感じになっていて、
風景を完全に壊されていたのが残念だった。
違う所を探そうと走り回る。今回はいい場所を見つけることは出来なかった。

また来る事にして中富良野に行ってみるがキャンプ場は超満員、諦めがついた、小樽まで行くぞ!今は18時半、23時半には着けるだろう。
R38に出て芦別に向かう途中に『桂沢湖』と書かれた標識を見つけた。
僕の地図には該当する道はない、どうしようかかなり考えた(その方向にはダートがあるのが予想されるので)が、とにかく行ってみる事にした。

どうやら新しい道で幅も広いが1人で走ってるので先があんまり読めないのが辛い。
しばらくするとR452に出る、左折して三笠へと進むが本当に何もない、街灯さえ無い、頼り無いTTRの明かりで慎重に進む。
30分ぐらいして車が来た、ちょうど良かった、付いて行こう。
やっぱり車のライトだと先が見えるのでペースが上がる、しかももう1台やってきてアオッてくるので昼間のような走りになる。
ガンガン走っているうちに岩見沢に出た、おお、人間久しぶりに見た。

R12に入ったのでコンビニに入って休憩、地図を見てたらさっきの道が載っていた(私の地図はツーリングマップルの初版だった)。
20分ほど休み、ガソリンを入れてから走り出す。
夜のR12は適当な交通量で走りやすい、途中からR275〜R274〜R5と廻り、札幌を通らずになんとか小樽に着いた。
時間は22時過ぎで予想より大幅に早く着いた、ターミナルに行くと今から出発する船のためか、バイクがメチャクチャに多い。

明日の船の事を聞くとキャンセル待ちしか方法は無いそうだ、今日の状況では乗れるのは5番目ぐらいとの事。
場所取りもあるから今日はここで野宿するか・・・
休もうと思ってたらターミナルは23時半で閉めるので外に出された。
まあいいや、入口の近くに寝袋を広げて寝た。


本日の走行・・・290km

8月20日(金) 曇り〜雨〜曇り

と、思ったら朝の3時にターミナルが開いた。そうか4時には船がくるもんなあ。
では中に入ろう。
すでに朝の新潟行きはキャンセル待の行列が出来ている。
朝になり久しぶりにニュースを見た、そう言えばここ1週間は情報無かったよ。


新潟行きフェリー『しらかば』

新潟行きが出た後キャンセル待の列に列ぶ、かなり前の方に並ぶことができた。
11時に受付け開始、するとバイクの1番だった。これはもう乗船間違いない!
余裕ができたので市内を少し見てから出発。夕方まで時間があるのでニセコ廻りで積丹半島を1周して来よう。


岩内湾が見えるニセコパノラマライン

快調なペースで走っていると倶知安で突然の雨!カッパを着て走るが、ニセコに来てパノラマラインに入ると霧と大雨で前が見えない!
何とか下りになるとどっちも止んだ、そのまま下って岩内の町に来たらとたんにものすごい大雨!になる。
痛い!痛い!

これはたまらんとガソリンスタンドに逃げる、ガソリンを補給している間に小降りになった。
これなら何とか走れるな、半島を1周できるようになって初めて走る。次回来る時は晴れていてほしいと思いながら走って神威岬へ。


このあたりにもキタキツネがいます

ここもかなり俗化されてきたなあ。
それに嫌気がさしたのではないが今回は岬には行かない、実はブーツに水が進入していて歩きにくくなってしまったのだ。
ひと休みしてから進む。


雨が上がった神威岬

ここからは何度も走ったなじみの道。
美国まで来たところで寿司屋を探す、この町の生ウニ丼が旨いらしいのだ。
地味な感じの寿司屋を見つけたので入る、他に客がおらず静かで良い。
とにかく生ウニ丼を注文。

大将に話を聞いてると、この辺では獲れたウニをそのまま出す(ふつうは保存用にニガリ等を使うそうだ)ので本来の味が楽しめるんだって。
そうして出てきました、おお旨そう!


美国は竹寿司さんの生ウニ丼

食べてみるとこれがまたトンデモなく旨い!
ウマすぎて気が狂いそうだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!
あっと言う間に食べてしまった、これで1850円は安い!
コーヒーのおまけ付きだったし(時期で変る)

後から来たライダー達もやっぱりウニ丼を頼んでいる、ここに来てカツ丼は喰わないよなあ。
また来るぞ!と心に誓い走り出す。
もう雨は止んでいるがカッパは着たままで行く、乾かすついでと防寒を兼ねているんだ。

余市から車が増えたが17時過ぎに小樽に戻ってきた。時間はまだまだあるので夜景を見る為に天狗山に登ってみる。
でもあんまり見えないので山の中の旭展望台まで行くときれいな夜景が広がっていた、しばらく見ていたがカップルがやってきたので退散する。
ついでに運河にも来たが人が多すぎて良い写真が撮れない、30分粘ったけどダメだった。


小樽運河の夜景

もういいやと思って港近くのコンビニで食料を買って戻ってきた。
わー!すごい、山のようにバイクがいるよ。
時間潰しにこのツーレポ書いたりする、時間はそのうち23時。そろそろキャンセル待ちの乗船だ。
出航ギリギリに番号を呼ばれた、今日は10番ぐらいがボーダーラインのようだ。とにかく乗船。
中に入ると人でいっぱい、この状況で2等はきつい。
受付で寝台に変更できないかと思ったが、案内されたのは何とドライバーズルーム。
トラックドライバーのザコ寝部屋かぁ〜と思って入ってみたら、何と1人用の個室!メチャクチャにラッキーだよ。


ドライバーズルームはこのような個室でした

ああ良かった、何はさておき雨で濡れてたブーツを脱いで靴に履き替える、あースッとした。
デッキに上がってみるともう出航していた、小樽の明かりがだんだん小さくなっていく。
デッキはすぐに閉鎖されるので部屋に戻り、早めに風呂に入ってからゆっくりと食事。
こんなに混んでる時期に個室は本当に有り難いなあ。
落ち着いたので眠くなってきた、昨日はほとんど寝てないもんなあ、1時頃に寝た。


本日の走行・・・257km

8月21日(土) 雨
何度か目は覚ましたが、起き上がれたのは昼過ぎだった。
疲れの為と、気が抜けているので何もする気にならずゴロゴロしていた。
そのうち夕方、下船に備えて荷物の整理をする、どうやら船は30分ほど早く20時に到着するらしい。
福井県は大雨のようで、また雨の中を走るのか・・・


大雨の敦賀フェリーターミナル

到着すると本当に大雨、やはりバイクは最後に下船になる。
雨の中を走るので、途中で荷物を積みなおしたりしたくない。
しっかりと荷造りして、カッパを着て気合いを入れてスロープを下る。

これから最後の走りだ

R161の峠越えが大変だったが琵琶湖に出る頃には止んでいた、カッパは脱ぐのがメンドクサイのでそのままだ、
途中の坂本でガソリンを入れたらもう止まらないぞ。

R1で大阪に入る頃にまた突然の大雨になったがカッパを着たままだったので助かった。
R171〜R170と進むと、もう知っている道なので安心だ。そのうち雨も止んだ。

南下してようやく戻ってきた、家に着いたのは0時半。
バイクを片付けて家に入ると、かあちゃんと犬達が出迎えてくれた。

とても疲れたけれど久しぶりにバイクで走った北海道はやはり素晴らしかった。
きっと、また行くよ。


本日の走行・・・176km

ツーリングデータ
全走行距離・・・・・・・・・2353km
8月14日
出発・・・・・・・・・・10424/167.5km
松原(G) ・・・・・・・10438/180.9km・・・・8.0L・・22.61km/L
舞鶴(G) ・・・・・・・10588/150.1km・・・・4.7L・・31.94km/L
舞鶴港・・・・・・・・・10590/ 2.1km
8月16日
小樽港・・・・・・・・・10590/ 2.1km
新冠(G) ・・・・・・・10758/170.3km・・・・5.8L・・29.36km/L
襟裳岬・・・・・・・・・10856/100.4km
浦幌(G) ・・・・・・・10977/218.6km・・・・7.0L・・31.23km/L
弟子屈・・・・・・・・・11147/169.9km
8月17日
弟子屈・・・・・・・・・11147/169.9km
摩周(G) ・・・・・・・11154/176.8km・・・・5.6L・・31.57km/L
開陽台・・・・・・・・・11201/ 47.7km
知床峠・・・・・・・・・11303/149.7km
知床大橋・・・・・・・・11334/180.1km
斜里(G) ・・・・・・・11395/241.8km・・・・7.7L・・31.40km/L
和琴(C) ・・・・・・・11526/121.0km
8月18日
和琴(C) ・・・・・・・11526/121.0km
阿寒(G) ・・・・・・・11632/237.0km・・・・8.3L・・28.55km/L
糠平(G) ・・・・・・・11852/219.5km・・・・7.2L・・30.49km/L
糠平湖(C) ・・・・・・11854/ 2.0km
8月19日
糠平湖(C) ・・・・・・11854/ 2.0km
東山(G) ・・・・・・・12054/202.4km・・・・7.0L・・28.91km/L
岩見沢(G) ・・・・・・12270/215.9km・・・・7.1L・・30.41km/L
小樽港・・・・・・・・・12344/ 73.4km
8月20日
小樽港・・・・・・・・・12344/ 73.4km
岩内(G) ・・・・・・・12467/196.1km・・・・6.3L・・31.13km/L
小樽港・・・・・・・・・12601/134.3km
8月21日
舞鶴港・・・・・・・・・12601/134.3km
坂本(G) ・・・・・・・12686/219.2km・・・・7.1L・・31.79km/L
帰宅・・・・・・・・・・12777/ 91.7km

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