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KATO用自作白色LED室内灯

2004/1/12 作成
2005/2/19 更新

 
・イントロダクション
 白色LED利用の第2弾として、室内灯のLED化を試すことにした。電球に比べてどんな具合になるか想像できないので、試しにいくつか作ってみることにした。

 純正の室内灯基板と置き換える形の基板として作成してみた。厚さ1.2mmのユニバーサル基板を使用して、エポキシ系接着剤でこんな感じに接着する。標準の1.6mm厚の基板では厚すぎる。1.2mmでさえ差し込む部分はやや削らないとキツキツなので、リューターでやや薄く(0.7〜0.9mm程度まで)削っておいた。

 上側の基板に部品を組み込む。部品はブリッジダイオード(東芝U05G4B48)、CRD(15mA)、それと3φの各社の白色LEDだ。

電圧6V

日亜化学工業 NSPW300BS(b) 標準輝度:3200mcd 指向角:25゜


TAIWAN OASIS TOL_30aUWdCOa 標準輝度:2000mcd 指向角:25゜


・課題1

・光の飛びが悪い。純正室内灯とディメンションが違うから? 25°でも指向角がこのままでは広すぎる? LEDに遮光板を付けるか、もっと指向角の狭いものにする必要がある?
・色調はデジカメ画像では見にくいが、日亜のNSPW300BS(b)は白色、TAIWAN OASISのTOL_30aUWdCOaのほうは昼白色という感じ。しかし、TOL_30aUWdCOaのほうは離れたところでは紫っぽくなっている感じがある。
・改良版1
 光の飛びが悪い理由を考えたが、やはり純正の室内灯より長さが違うのが原因だろう。見てみたら導光板の無い部分より基板+LEDの長さが長かったw


こんな感じになってる?

 そこで導光板の無い部分より短くなるよう、配線を工夫してユニバーサル基板で穴一つ分切り詰めた。


上から試作1号(NSPW300BS(b))、純正室内灯、試作2号改(TOL_30aUWdCOa)
 

 TOL_30aUWdCOaのほうを改造したのだが、このように光が奥まで届くようになった。デジカメ画像よりも実物ではもっと均一な感じ。これなら実用に使える。これでも導光板との隙間はギリギリ(場合によっては当たる)なので、リューターで導光板のほうを削ってやれば、基板をがんばって小さく作る必要性が若干減る。


 

・課題2
・まだやはりLEDの近くは明るいので、少し改良したい。具体的にはこのような構造を考えている。アルミテープをLEDには下半分とLEDの近くの導光板の下に貼る。


 

・改良版2
 さらなる改良を加えた結果。光のムラはかなり減っている。この段階で、NSPW300BS(b)を787系全車両に組み込むことにした。これを「ごん流白色LED室内灯 Ver. 1.0」として公開する。


TOL_30aUWdCOa


NSPW300BS(b)
 

・課題3
・ここまで来たら、もう一段、光のムラを少なくしたい。純正室内灯のように遮光板を付けてみるか
・作るのが結構めんどうw
・改良版3
 787系はうちの虎の子wなので、室内灯実験用のテストベットとして、ぞぬ屋のジャンクから適当に車両を買ってくることにした。KATOの車両ならなんでもいいわけではなく、室内灯実験用として「窓がずらりと端から端まで並んでいる」ものが一番ふさわしいと思った。そこで300円で捕獲したのがこれ。

 まさにうってつけw 車体にほんのりキズが入っているだけで、ジャンクはありがたい。関係ないけどw

 ところが、改良版2の基板を組み込むと屋根にブリッジダイオードが当たってしまうようだ。これは211系が屋根が平らで低いためだと思われる。幸い、差し込むほうの基板の下側を削って(溝も更に掘って)長さを減らすことで問題には対処できる。
 また、これでLEDの位置が低くなってしまうため、合わせてLEDの取り付け方を「基板の下側からLEDの足を激しく曲げて下側から基板の穴を通し、基板の上側ではんだ付け」から「LEDの足を広げるように曲げて、基板の上側にはんだ付け」に変更した。
 さらに、純正室内灯のステンレス?の遮光板を適当に切って、仮に両面テープでLEDの下に貼り付けた。

 これを「ごん流白色LED室内灯 Ver. 1.1」とする。ご覧の通り、LED近辺(右端)のスポット的な極端な明るさはほぼ無くなっている。

 平行して、より簡単に作成できるように、基礎となっている「基板接着方式」を見直し1枚の基板で作る「ごん流白色LED室内灯 Ver. 2.0」の開発に着手した。コンセプトは以下の通り。

 ・1枚の基板で作成できること
 ・211系に入る、低屋根対応であること
 ・純正室内灯の遮光板を切り取って使ってみる
 ・導光板を削らなくてすむこと
 ・トータルして、「ポンつけで純正室内灯から置き換えれる」ことを目指す

 全部を満たすことは難しいかもしれないが、がんばってみます。
 

・課題4
・ブリッジダイオードによる電圧降下のせいで、LEDヘッドライトより光り始める電圧が1.2Vも高い。普通の(シリコンダイオードの)ブリッジダイオードを使っている以上、これは避けれない。電圧降下の小さいSBD(ショットキーバリアダイオード)などを使用して、光り始める電圧を下げたい。
・厚みを削らなくて済む基板、どっかに売ってないかなぁ…
・改良版4
 作りかけだった「ごん流白色LED室内灯 Ver. 2.0」試作版の基板を改造して、ダイオードの違いによる降下電圧の違いとその効果についてついて見てみた。肝心なのは「光るか光らないかきわどい電圧」のあたり(電圧が高けりゃ光るのは当たり前)なので、電源電圧3.5Vあたりの電圧降下を見てみる。

 まずはダイオードを2個直列(ブリッジダイオードがそうなので)につないで、それにCRDと白色LEDをつないだときにどのくらい電圧の差が出るのか見てみた。電源電圧以外の電圧はCRD+LEDの両端で計っている。

 ・電源電圧:3.4V
 ・ショットキーバリアダイオード(日本インター 11EQS04):3.0V
 ・ゲルマニウムダイオード(たぶん1N60相当):2.8V
 ・シリコンダイオード(10D1):2.6V

 3.4VというCRDにとってきわどい電圧のせいか、電流が微弱なせいか、一般的に言われている電圧降下(ショットキーバリアダイオード(以下SBD)は0.2〜0.5V、ゲルマニウムは0.1V、シリコンは0.6V)とはずいぶん違う結果となった。まぁ、光ってナンボなので、早速SBD 11EQS04を4本使ってブリッジ化して基板に組み込んでみた。アキシャルなSBDを使用したことで部品配置に余裕が無くなり、CRDの取り付けにムリが来ているのが悩みのタネ。


(きびしい配置だ…)

 早速車両に組み込んで、今までの「ごん流白色LED室内灯 Ver. 1.1」との比較をしてみた。右は従来のブリッジダイオードを使用した「ごん流白色LED室内灯 Ver. 1.1」、左はSBDを使用した「ごん流白色LED室内灯 Ver. 2.0試作品」である。

3.5V

4V

5V

 体感的には、SBDの3.5Vの時と、シリコンダイオードの5Vの時はほぼ同じという感じになり、光り始める電圧の低下にかなりの効果があった。この差は大きく、SBDだと3.5Vではっきり光り、5Vでほぼ最大輝度に達し、それから12Vまでほとんど同じ明るさで光る。
 SBDの厚みのせいで、まだサロ211には入らない。しかし787系には使えるので、これを「ごん流白色LED室内灯 Ver. 2.0β」とし、「ごん流白色LED室内灯 Ver. 1.1」も改造してダイオードをSBDにすることにした。
 SBDはチップ部品でしかも2素子入った物があるので、これを使うことで「ごん流白色LED室内灯 Ver. 2.0」にできるのではないかと考えている。
 

・課題5
・小さくて順方向降下電圧(Vf)の低いSBDを探す  ロームRB081L-20 とか良さそう(25℃ 10mA時にVf = 0.14Vくらい)だが、少し大きいのが難点。どこかで買えるだろうか? それとも、多少のVfの高さには目をつぶり、2素子入った面実装のSBD(例えばローム RB715F / RB717F )などを使うか… どちらにしても安定して入手できる店を探さないといけない。とにかく今使っている日本インター 11EQS04ははんだ付けがめんどくさい。厚みもあるので、サロ211に入らないw Vfはそんなに悪くないんだけど(25℃0.1A時にVf = 0.36Vくらい)…
・某社のKATO用白色LED室内灯にはSBDが使ってあるっぽいんだよな…
・TOMIXの白色LED室内灯はどうなっているのだろうか? 要調査
・基板面積に余裕がない。ユニバーサル基板は切る/削る/配線するのがめんどくさい。いっそのこと、基板を OLIMEX に発注するかな… 0.8mm厚の基板も+$5で指定できるし。でもそこまでするなら、白色LEDドライバを使って低電圧から安定して明るく点灯するようにしたいな(ますますコストが…(w )
・改良版5
 「どの車両にも使える室内灯基板」を目指すべく、SBDにチップ部品を使うことにしてみた。手に入る中からVfの低いものを調査し、ローム RB501V-40 (25℃ 0.01A時にVf = 0.27Vくらい)(鈴商で10個100円)を使用することにした。下の画像で黒い四角いゴミみたいに見えるのがそれだw
 また、同時にローコスト化への実験として、以前に使ってみた台湾製白色LED TAIWAN OASIS TOL_30aUWdCOaを使って、リゾート21 7両、885系6両を白色LED室内灯化した。
 
 回路など何も変更が無く、ただ部品が変わっただけであるが、RB501V-40は「UMD2」というタイプのかなり小さなチップ部品なのではんだ付けに苦労した。次はもう少し大きなチップ部品にしようw
 ともあれ、これなら(今のところ)どの車両にもすんなり取り付けできるので、「ごん流白色LED室内灯 Ver. 2.0」ということにした。
・Ver. 2.1
 今のところの最新型は下の画像のようになっています。回路は上のものと全く変わってませんが、基板の角を落として旧型室内灯(屋根がボディにはまり込む)にも対応しています。さすがに何十個も作ると我ながら作りなれてる感じはありますね(w そろそろKATO純正の白色LED室内灯の発売も近づいていますが、どのような出来で出てくるか楽しみです。


 

・Ver. 2.5
 先日PWMパワーパックを作成したが、それで思ったのが「TOMIX常点灯の室内灯は常点灯出力が小さくても明るい」ということだった。これはTOMIX常点灯室内灯の基板についてるコンデンサのおかげだろう。

 この白色常点灯室内照明(0785)を見ると、回路的には下のようになっているようだ。コンデンサはチップタンタルだろうか。

 そこで実験としてVer. 2.1に1uFのセラミックコンデンサを同じようにつけてみることにした。効果は下の通り。常点灯出力をかなり絞った状態で撮影した。
 うーむ、こんなに効くとは…

左上:Ver. 2.1自作 右上:TOMIX常点灯白
左下:Ver. 2.1改造 右下:KATO白色

 ここまで効いてはやらずにはおれないので、今まで作りに作った自作室内灯を改造した。回路的にはこんな風に。

 実装は下の画像のようにコンデンサの小ささを生かして取り付けた。使用したのは千石電商で450円/100個の1uF 25Vのチップセラミックコンデンサ。

 KATO純正の白色LED室内灯だと同様の改造をするのが難しい(やりづらい)のが残念です。

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