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化成品タンク車【第3種】の仕分線_1番線
【第3種タンク車】主として酸類、アルカリ類ならびに腐食性の強い液体に用いる

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タム100形 タム115 【第3種】

代表的な15t積濃硝酸タンク車です。積荷が火薬・爆薬原料であったために昭和10年から戦中にかけて 量産され、戦後も昭和41年まで増備されました。貨車としては我が国初の純アルミ製タンクを 持ち、台枠との締結は強度を保持するため受台やセンターアンカ が鉄製タンクに比べ大型になっています。
写真のタム115は昭和15年大阪鉄工所製で戦前のタンク車が 撮れたと大喜びしたものでした。第5ロット/タム111-115で編入時は海軍火薬廠の所有、戦後は三菱化成工業所有で 昭和38年に三菱重工でタンクを乗せ替えています。

1982.04 安治川口
タキ200形 タキ200 【第3種】

有機溶剤で名高いトリクロールエチレン(商品名トリクレン)専用タンク車です。タキ200形は若番形式ですが実は2代目。 初代は昭和5年新潟製のベンゾール専用のタンク車だったのですが、昭和13年に除籍されて空き形式になっており、 後年埋めたものです。2代目は昭和38〜47年に製造されましたが大半がカセイソーダ専用車からの改造。 写真は第1ロット/タキ200、で数少ない新造車。富士重工製で昭和38年5月10日車籍編入。 外観は平台枠に直円筒缶体、ドーム付きのノーマルなスタイルです。タンクはステンレス製ですが 黒色塗装されています。関東電化の所有で、新製時も渋川。おそらく生涯一度も渋川を離れていないのでしょう。 トリクレンは発ガン性がある(衛生管理者教育で聞いた際には、実際にはグレー程度であったそうだが) として敬遠され、撮影時はパークロルエチレン臨時専用となっていました。
2000.10 渋川
タキ200形 タキ203 【第3種】

タキ200形の第3ロットです。タキ200が新造車であったのに対して、第2ロット/タキ202とこの203は改造車でした。 元々昭和26年三原車両製タ580形タ1585であったものを昭和32年汽車会社でタキ2600形タキ12601に 改造していたものを、再度日車東京支店でトリクロールエチレン専用に改造し、タキ200と打って変って外部に補強環が巻かれたタンクに交換されました。昭和43年1月9日付で松任駅常備で 車籍編入しています。日車での工号は「3/トウア」で、種車がタキ2814であったタキ202より台枠が300mm短い 9200mmでしたが、図面はタキ202改造に使用した図面に203の寸法を()で追記し共通化しております。 東亞合成の所有で、晩年は昭和町をねぐらにしていました。
1991.08 東港
タキ250形 タキ250 【3種】
アンモニア水専用タンク車です。昭和38〜42年に日立・富士重で4両製造されました。 写真はその第一ロット(1両)で日立製。日産化学では数形式のアンモニア水 タンク車を所有していますが、これはその一つでタム4700形の後継車。普通鋼のタンクにt40厚の断熱材を巻き キセ付としています。撮影時はタム4700形や後継形式のタキ21200形共々使用から外されて 廃車待ちで、タキ250形の後ロットの僚車も、既に廃車されていました。
1990.11
タキ300形 タキ1337【第3種】

濃硫酸専用タンク車として初めて、かつ唯一の30t積みタンク車です。登場は戦前の昭和7年で三井鉱山向けの 日車製。昭和51年まで逐次製造(改造車もあり)された30t積み車が全て本形式に編入されたため、 総数483両にもなりました。
 外観は直円筒タンクのドーム付きで、平台枠ですが、一部に側梁省略、ドームレスのロットも 存在しました。台車戦前製がTR20、戦後はTR41ですが、台車改造でTR41D4に変更されています。 細かいところではドームの大きさなどが異なっています。
 写真は比較的最近まで見られた神岡鉱業所有車です。昭和31年日車本店製で工号「4/神岡」の3両ロット(タキ1336〜1338)の1両で、新製時は三井金属鉱業所有でした。現在は東邦亜鉛の3両を 残すのみとなりました。車籍だけの幽霊ではなく2005年5月に稼働を確認していますが、 残っているのが奇跡に近く、すこしでも長く残ってもらいたいものです。
1993 大府
タキ750形 タキ750 【第3種】

現存唯一のプロピオン酸専用タンク車です。昭和39年に三菱重工で製造され1形式1両。平台枠に直円筒缶体、ドーム付の ノーマルな外観ですが、タンクが細長いため、真横から見るとドームがやけに大きく見え、ややユーモラスに 見えます。タンクはステンレス製で銀色。現在も山陽本線大竹に常駐しています。ダイセル化学工業の化成品タンク車で 1形式1両は他にもあり、タキ8500とタキ10800は現役ですがタキ8250は完全消滅したそうです。

2001.01 大竹
タキ1400形 タキ1447 【第3種】
30t積カセイソーダ液専用タンク車です。戦後昭和23年に登場したもので戦前製タキ400形の後継といえる でしょう。総数104両で、平台ワクにドーム付直円筒タンクの伝統的な形態をしておりますが、 ずんぐりむっくりタイプもあって、後の形式に比べると形態は変化に富んでいるようです。 カセイソーダタキの中では”キセなしゴムライニング付きなし”が本形式のアイデンテティーです。しかし、この1447は ゴムライニングに変更(標記あり)されています。50数両がキセ付の タキ2800形や2600形に改造されたものもあります。平成4年に後継形式よりも早く姿を消しました。
1981.01 西名古屋港
※050516:タンク種別およびタンク内面処理記述が誤っていたため訂正しました。
タキ4750形 タキ4751 【3種】

稀硫酸及びリン酸専用の35t積タンク車です。塩酸専用 のタキ5000形とよく似た構造をしており、タンク内部は 保護のためゴムライニングされております。 またドーム頂部もフランジ構造になっていますが、これはライニング車 特有のものです。写真の車は、同形式の第2ロット/タキ4751〜4754の1両で、 昭和43年日立製。
1990.11
タキ5050形 タキ65054 【3種】

塩酸専用の35t積みタンク車です。塩酸は鉄を侵すため、内部にゴムライニングを施行した タンク車が使用され、代表形式は15t積タム5000形、30t積タキ5000形、そしてこの35t積タキ5050形 となります。タキ5050形は昭和40年、第1ロットが日車支店製で登場以来、 5000形と同様、発注ロットが細かいことや、タンク腐食による 乗せ替え等のため、形態変化が多い形式です。写真のタキ65054は最後期に属し、第51ロット/タキ65054、昭和55年富士重製。 平形台枠、保安対策車で、台車はTR213Cで現車の銘板も同じ。しかし 台車枠形状はTR213B。現地で間違えではないか?と確認しましたが上記の通り。 最後は半田埠頭駅に送られ、解体されました。
2000.02 神栖
タキ5750形 タキ55762 【第3種】

代表的な40t積濃硫酸タンク車です。35t積タキ4000形の増量・軽量化・後継形式です。 昭和41〜50年に総数500輌が製造されました。枕梁間の側梁を省略した軽量設計 です。現在でも活躍していますが、化成品会社の 鉄道輸送撤退から、徐々に活躍の場を狭めています。
写真のタキは5750形の中でも特異な一群で、設計比重が他車に比べ軽いために タンク容積を大きく取り、太短いタンクが特徴です。昭和43年日立製の第33ロット/タキ55761〜55763の3両 しかありません。小さい社紋板がユーモラスです。
1999.10 安中

タキ5900形 タキ5904 【3種】

35トン積クロルスルホン酸専用タンク車です。積荷は合成洗剤等の原料で、タンクはステンレス製で す。本形式は昭和38〜46年の製造ですが5901が唯一、三菱化成(新三菱重工製)であった他は すべて日産化学工業の発注・所有でした。写真の5904は第3ロットに当り昭和44年日立製です。 最近まで速星〜浪速間で活躍していて、中継の名古屋臨海の東港でも見ることが出来ました。
2000.11

タキ7450形 タキ7450 【3種】

28トン積濃硝酸専用タンク車です。タキ5900形と同じ銀色のタンク車ですが、 こちらのタンクは純アルミで、いわばタキ7500形に遮熱被い(キセ)を設けた ような車、と言えます。昭和41年富士重製で、1形式1両。貨車にはこのような 希少形式が多く、撮影に成功した暁には、量産形式では得られない 快感に浸ることが出来ます。もっとも、本形式のように昨今運用が知れ渡っているもの はキャッチしやすいのですが。
なお、もともとは30トン積みでしたが、濃硝酸タンク車保安度向上のため、 減トンされたものです。ずんぐりむっくりした形態がユーモラスで、好きな形式の 一つです。
2000.11

タキ7500形 タキ7533 【3種】

濃硝酸専用のタンク車です。濃硝酸のため純アルミ製のタンクを持ち、 大形の受台やセンターアンカ、外からは見えませんが、球面皿形波除け 板など、アルミタンク車としての標準的外観を有しています。製造当初は 30t積みでしたが保安対策で見直され、昭和49年以降は28tに減らされています。 また台車はTR41CからTR41D4を経て、近年コロ軸受のTR225に 履き替えています。 写真は172レ@黒崎の撮影で、今も健在な第20ロット/タキ7533〜7535の1両。 昭和40三菱重工製です。
→撮影資料
2003.07


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