このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
今回のドライブ旅で気付いた事が有りました。それはやたらと「〜別」という地名が多かったという事です。そんな見かけた地名で、ちょっと考えてみました。
★今回の道すがら出会った「別で終わるもの、若しくは別の文字を含む」地名/河川名 |
※上記は大体通った順番に列挙してあります。
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★〜内(〜内川)という地名も多かった |
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★厚という字が使われた地名も同様に |
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★幌の文字も同様 |
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★美の文字 |
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★他には歌や苫も |
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★その他 |
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★では何故「〜別」が多いのか? |
当初感じたのは「川が多い?」というものだった。 単純に漢字のイメージからゆけば「別=陸が別になっているところ=川」という連想も可能だが、語感的に現代標準語で聞かれるものではないようだ。平均的歴史知識から言っても、アイヌ語をソースとしているのは想像に難くない。 だからと言って「川=ベツ」と決めつけるのは早計である。 更に突っ込んで考えれば、川であっても河口というニュアンスを含んでいる可能性すらある。川がアイヌ語でベツなんだと、何の資料もなく断定する事は出来ない。何しろ運転中の思考なので、判断材料に欠けるのだ。家に戻ってきてからも、時折この疑問が思い出される。 『ベツは川関連の単語では無いのだろうか?』 そこでネット上の情報を検索してみると、やはり「アイヌ語」の川がベツ(ベッ)だったからとの説明が多数見受けられた。しかし川と言っても、沢や渓谷、小川に瀬や河口。色んな顔があり名前で表される。これ以上の確認はしていないので、事の真偽やベツの指すニュアンス等は不明である。 |
★そこで手元にある地図から、川の名前を挙げてみる |
この選択は恣意的なものである。明らかにベツやナイで終わっていないものは挙げていないし、そもそも漢字表記は含まれていない。 だがこの名称を見ていると気付く点がある。
今回の旅で気になった地名との類似性はかなり高い。マンが川ではないとすれば、マン川はマンベツになり、「もんべつ」という地名が多いことに関連するものなのか。 「ベツ=川」 まぁ、ドライブしながら考えられる範囲(資料:北海道道路地図のみ)だし、一気に解答を出す必要もないし。これ以上はアイヌ専門書等を漁るよりないだろう。 |
★余談だが |
釧路に大楽毛(=おたのしけ)という地名がある。楽天地にも似て、いかにも楽しそうな地名だなぁと思っていたら、付近を流れる「オビラシケ川」を発見。語尾のシケが一緒だ。これも川に関係した名前なのだろうか。 |
★最後に |
ここまでアイヌ語と表現してきたが、ある程度の広範な地域にまたがる言語には必ず方言がある。極端な説明をすれば、その親戚一同でしか通じない言葉や表現もあるのだ。広大な土地にまたがる言語ならば、地方ごとに同一言語系統内での差異が生じるのは必然であると言えなくもない。 ではアイヌ語の場合はどうなのだろうか。今も研究できるほど、多くの言葉が残されているだろうか。地名に関して言えば、北海道全域に渡ってアイヌ民族は生活していたのかどうかによって、地名の語源を考える際の重要なポイントになってくる。 ところで「モヨロ族」なる民族の名を耳にされた事はあるだろうか。 考えてみれば、この話は本州でだって同様だろう。単純に縄文弥生という民族・時代の区別はできないのが実情だと思う。色んな民族・言葉があったのではないだろうか。 結論:日本語も謎の言語である。 な〜んて事を時折考えつつ運転している。 |
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