【遠近法考】
【遠近法考】#4 　　話を視覚に戻して、これはいくら考えてみたって分かりそうもない。 　　ここは少々想像逞しうしてみたい。 　　例えば、天気も良く、気晴らしに寄ったパチンコ屋で小遣い程度を儲けたとしよう。これで 　　何を食おう。思わず鼻歌だって口をつくぜ。 　　と、その時だ。 　　何気なく曲った角でばったりと謝金取りと出会ってしまった！！ 　　とっくに過ぎた返却期限。返したくともポッケにゃ小遣い程度。しかもこれを返してしまって 　　は、今夜のメシすらおぼつかないではないか。 　　さぁ、君ならどうする！？ 　　ここは１つダッシュでしょう。 　　そう、逃げて逃げて、今日のところは御免と必死に駆ける。昔ならした村一番の韋駄天小僧。 　　その健脚をとくと見遣れ。 　　しかしその世界では遠くのものも、決して小さくは見えないのだ。 　　どんなに早く走ろうが、足掻こうが、焦ろうが、泣こうが、走っても走ってもヤツは直ぐ側に 　　いるかのように見えるのだ！！ 　　たとえ５０ｍ離れようが１００ｍ離れようが、振り向けばそこにヤツが見えるのだ。 　　これを恐いと言わずして何を恐いと言おうか。 　　そんな世界ではなくて良かった？ 　　しかし、これは想像のみにおさまらない。現実に我々を襲う事もあるのだ。 [
続く
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