このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


  【座椅子考】

  【座椅子考】#3   何だっけ。 そうそう、いともすんなりと座椅子問題は解決してしまった。つまらん。 ついでだ、良く似たところで「座布団」でも調べてみるか。 私は辞書を取りに腰をあげた。   座布団とは、そのものずばり「座るための布団」だろう。特にめぼしい話がありそうに もない。まずは布団につい調べるともするか。私は国語辞典開き、「ふとん、ふとん」 ページを捲っていく。そうしてページを繰る私の手がとまった...な、なんだこれはっ?   【蒲団(ふとん) 禅僧が座禅を組む時になどに用いた敷物。蒲(がま)の葉で、団  (まる)く編んだ。それが進化した。今はもっぱら布団という字があてられている  「ふ」は「蒲」の、「とん」は「団」の唐音。】................... [広辞苑他より]   それは、つまり、座蒲団(座布団)。 日本に禅宗が持ち込まれるのはおよそ鎌倉時代辺り。するとそれまで日本には「ふとん」 と呼ばれるものは無かったことになる。これは調べてみなくては。

(古墳時代)

・・・

植物を編んだものや毛皮を敷いて寝ていたらしい。

(平安時代)

・・・

貴族の間で「褥(しとね)」と呼ばれる寝具用敷物が
利用され始める。畳の上に褥を敷き、着物などを上に
掛けた寝姿が絵巻等に残されている。
一般には筵(むしろ)などを使っていたようだ。

(鎌倉時代)

・・・

徐々に畳が貴族及び武家の間に広がり、部屋一杯に敷き
詰めるようになってくる。 それに伴い半分敷き布団代わり
でもあった畳から、独立した用具として蒲団が認知され始める。
ただし蒲団と呼ばれていたのかは不明。 

(室町〜安土桃山時代)

・・・

この頃から綿蒲団が広く普及され始め、15世紀頃から
一般の人々も徐々に利用し始める。
しかし、まだまだ貴重品。

(江戸時代)

・・・

普及したとは言え、それでも筵や着物をかぶって眠る
光景が残っていた。

すこし調査に熱中し過ぎたようだ。縁側に出てみると随分と陽が傾いていた。 まだ朝夕に寒さの感じられる時期。ぐぐっ、と背伸びをしつつ遠くへ視線をやってみる。 座蒲団は「座る為の蒲団」なんかではなかった...蒲団の本家ともいうべき存在だったのだ。                                   [
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