このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


  【はっさく考】
【はっさく考】#3 ハッサク同様に柑橘系の果物で謎の名前を持つものに「夏ミカン」というものがある。 何故夏ミカンと呼ぶのだろうか? 実は夏ミカンは「夏に実が生る...のではない」のだ。 通常のミカン同様に冬に生る。だが、その状態では酸味が強く、食用には向かない状態。 そこで、夏まで収穫を延ばすのだそうだ。すると酸味が薄れ、我々の食卓へ姿を顕わせるように なるのだ。 夏ミカンは「食べられるのが夏になっちゃう」ミカンだったのだ。 もっとも最近では、品種改良から梅雨時には食せるようになっているようではあるが。 ハッサクもそうなのだろうか? しかし陰暦の8月1日といえば、現在の陽暦で言う9月始めの頃だろう。 実が生るにしても、甘味の出るのを待つにしても、何だか時期がズレ過ぎていて、夏ミカン方式で 説明つけられるとも思えない。 と言って、9月始めに収穫されるのだろうか...謎である。 ハッサクって確か広島は因島が原産地(品種改良)だと聞いた事がある。地元のJA(農協)にで も聞いてみるか...。 そこまで考えたとき、私の中に唐突に1つの思いが言葉として浮かび上がった。 「そうか、陰暦ってのは時間を陽で計り、日を月ではかるんだなぁ」 元来、人間は直接日の光を見るようには作られていない。 ならばヒトは「今日は何日?」と聞かれ、月を見て答えるのが本筋であるようにも思える。 太陽を見て分かる事と言えば、「朝」とか「午」とかだろう。凡そ何月かも分かるかも知れない。 影を見れば時刻が分かるか...ならば、 「時は影、日は月、月は日を数え」 刻は皮肉、とでも呟きたくなる文字の迷走である。 ...あれから1ヶ月。妹尾さんに教わった「ハッサクの美味なる食事法」を思い浮かべている。 「ハッサクって皮を剥いて実を取り出したら、器にまとめて入れるんです。  そこにサッと極少量の砂糖をまぶして冷蔵庫で冷やします。そしたら、ん〜まいですよ!  一度試して見て下さいね、博士」 博士はスプーン片手にハッサクを前、そしてガラス窓を春の雨が伝ってゆくのだった。 普通に食おか、どうしよか・・・。                               [おしまい]

「不思議博士ふじゃび」のトップへ

Home へ戻る
ついでに感想なんぞを送ってみるもヨシッ!!

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください