このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


  【ドラえもん考】
【ドラえもん考】#5 ドラえもんの溢れる優しさと、どこまでものび太郎を導こうとする姿勢を動物にたとえ と、それは猫になるだろうか。むしろ菩薩様こそ良く似合うキャラクターではなかろう か。だから私はこう想像している。 「虚空蔵菩薩のままでは仏教説話だが、猫に見立てれば子供向けSF漫画になれる」 戦争が終わり、時代が流れて行くなかで、人々はやがて信仰心を忘れていった。これか らの時代に、子供達に仏教説話がどれほどの影響力を持つだろう。果たして子供達は耳 を傾け、目を輝かせてくれるだろうか。菩薩様を漫画チックに描き、子供達に身近な動 物の特徴を備えるにはどうしたらよいだろうか。そうだ、ヒゲを描けば! 御存じだろうか。ドラえもんは元々「子守用ロボット」である。 貴方が子守り用のロボットを設計するとして、4次元ポケットなる装置を組み込もうと 考えるだろうか。だがドラえもんが虚空蔵菩薩だと仮定すれば、己の中に無尽の功徳を 貯える菩薩、その象徴として4次元ポケットは欠かせないアイテムなのではないか。 こうしてドラえもんを細かく調べてみると、猫よりも子守り用ロボよりも、むしろ虚空 蔵菩薩こそが、その特徴を的確に表していると言えまいか。猫の皮をかぶった、虚空蔵 菩薩。これこそがドラえもんの正体だったのだ。 「博士、それは大変面白い意見ですね。これだから下手な研究会に出るより楽しい。  ん〜でも博士。猫に鈴って言うように、このドラえもんも首輪に鈴をつけてますよね。  これもヒゲ同様に猫に見せる工夫ですか?」 戸棚の奥から取り出してきた、漫画ドラえもんのイラストを眺めつつ、多岐川さんが質 問する。すかさず私もそれに返し、 「菩薩様も首飾りを着けてますでしょう。あれを猫風に解釈したものでしょうね」 「なるほど、なるほど。うん、それなら話が通りますね。こりゃいい」 「じゃぁ、博士。ドラえもんって本当に...」 三人の男達の談笑はまだ暫く続きそうだった。 もうすぐ梅雨がやってくる。                               [
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