このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

五十肩を克服しようね
 五十肩というのは研究が充分でないのか原因がはっきり分かっていない不思議な病気である。でも、老化からくるのであろうと推測されている。発症する割合は、100人のうち2人〜5人といわれる。
 ある日、急に肩が痛みだすこともあるし、あるいは徐々に痛みがくることもあるが後者がほとんどである。
 五十肩は肩関節周囲炎である。肩の筋肉と骨を連結する腱板が傷つき炎症を起こし、周辺の滑液包や関節の内部に炎症が波及していくと考えられている。症状は二つあり、「肩から腕にかけての痛み」と「腕の動きが制限されること」である。
 四十歳代後半から始まり、五十歳代にピークを迎え、六十歳代までみられるので「五十肩」といわれるのだ。昔の人はその痛みを「結髪や結帯の動作がつらくてできない」と表現した。英語ではfrozen shoulder(凍結した肩)と呼ばれている。
 不思議なことに自然に治る病である。期間はおおむね半年から一年。痛みが強い「急性期」が1〜2か月、痛みが軽くなる「慢性期」が2〜4か月、運動制限が残る「回復期」が3〜6か月くらい続く。
 ほうっておくと自然に痛みがとれるが、そのままでは肩の動きは元通りにはならない。治療は、消炎鎮痛薬と体操がメインになる。特に適切な体操によって肩が固まらないようにしなければならない。急性期には「振り子体操」、慢性期・回復期には、両手を後ろで組んで広げたり、肘を固定して腕を広げたり、「ひねり体操」、「尺取り虫体操」、「棒体操」など。体操前に肩を温めて行うのがよい。
 治ることは確かだから、根気よく体操をすることが大事である。同じ肩には二度と起こらないのも五十肩の不思議な特徴だ。
           
             (参考資料:「肩が痛い、腕が上がらない 五十肩」加藤文雄 NHK出版)
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