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野球場の大きさ

 最近の野球場の特徴として、国際規格を満たす大きさの野球場が増えたことがあげられる。これは1988年の東京ドーム完成以降の傾向だが、実はその30年も前に野球規則において野球場の大きさについての項目が設けられていた。
 野球規則一・○四には以下のようにある。

「一九五八年六月一日以降プロフェッショナル野球のクラブが建造する競技場は、本塁より左右両翼のフェンス、スタンドまたは左右両翼のフェアグラウンド上にあるプレーの妨げになる施設までの最短距離は325フィート(99.058m)、中堅のフェンスまでの最短距離は400フィート(121.918m)を必要とする」

 このような規則が設けられてはいたが、実行されないままであった。1958年以降に新設されたプロ野球チームの本拠地球場の両翼、中堅の距離は以下の表に示す通りである。

本拠地球場完成年月両翼m中堅m備考
東京スタジアム1962年5月91.4121.9
横浜スタジアム1978年3月94.2117.7
西武ライオンズ球場1979年3月95.0120.0
グリーンスタジアム神戸1988年3月99.1122.01991年からオリックスブルーウェーブの本拠地
東京ドーム1988年3月100.0122.0
千葉マリンスタジアム1990年3月99.5122.01992年から千葉ロッテマリーンズの本拠地
福岡ドーム1993年4月100.0122.0
大阪ドーム1997年3月100.0122.0
ナゴヤドーム1997年3月100.0122.0
西武ドーム1999年2月100.0122.0第二期工事により拡張
(札幌ドーム)2001年6月100.0122.02004年から日本ハムファイターズの本拠地(予定)
野球規則99.1121.9

 東京スタジアム、横浜スタジアム、西武ライオンズ球場は野球規則の基準を満たしていなかった。しかし横浜スタジアム、西武ライオンズ球場は当時としては大きい野球場に分類されるほどであったので、それ以外の野球場が狭すぎたといってよい。
 ここで注目したい点は、野球規則に書かれてある記述は「プロフェッショナル野球のクラブが建造する競技場」で、「プロフェッショナル野球のクラブが使用する競技場」ではないのである。
 また、野球規則一・○四にあるのは、左右両翼と中堅への規則だけであり、左中間方向と右中間方向に関する規則はない。したがって、左中間・右中間がもっとも短い東京ドームでも、左右両翼と中堅の距離が規定を満たしているため、国際規格に適合する野球場になるのである。

2002年10月現在。
本拠地球場球団チーム左翼m左中m中堅m右中m右翼m後m外野フェンスm国際規格
(札幌ドーム)100.0122.0100.0
西武ドーム西武ライオンズ100.0116.0122.0116.0100.018.43.2
千葉マリンスタジアム千葉ロッテマリーンズ99.5116.3122.0116.399.519.04.0
明治神宮野球場ヤクルトスワローズ91.0112.3120.0112.391.019.63.5×
東京ドーム読売ジャイアンツ・
日本ハムファイターズ
100.0110.0122.0110.0100.018.34.0
横浜スタジアム横浜ベイスターズ94.2111.4117.7111.494.223.84.5×
ナゴヤドーム中日ドラゴンズ100.0116.0122.0116.0100.018.34.8
大阪ドーム大阪近鉄バファローズ100.0116.0122.0116.0100.018.34.2
阪神甲子園球場阪神タイガース94.7117.9118.1117.994.718.42.6×
グリーンスタジアム神戸オリックスブルーウェーブ99.1117.0122.0117.099.119.53.2
広島市民球場広島東洋カープ91.8111.1116.0111.191.818.22.6×
福岡ドーム福岡ダイエーホークス100.0115.8122.0115.8100.018.35.8

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