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ドキュメント 9.26 何かがおこる

0:30
就寝。しかし興奮と蚊のせいでほとんど眠れず。

4:30
起床。ちょうどいい時間。前日に準備していた。

4:55
杉本町を出発。JR阪和線に乗る。まだ夜明け前。

5:40
大阪ドームに到着。途中サンクスで食糧を調達。夜が明け始める。
徹夜組も数百人いる。開場待ちの列と当日券待ちの2列あり、後者の方が長い。
それほど寒くもない。とりあえず寝る。

9:00
大阪ドームに隠れていた太陽があらわれる。直射日光を浴びる。それにもめげずに寝る。

11:00
大阪ドーム2F開場。5時間ほど並んでいたが、その間トイレに行きたくもなかった。
持っていったバファローズのユニフォームを着る。もう戦闘モードだ。

14:00
当日券販売。当日券はないかと思ったが、意外とあった。

14:15
Sクンに電話。まだ大学やって。アホや。

14:26
当日券販売完了。割と多く売っていた。
当日券完売後も地下鉄一日乗車券との抱き合わせチケットはまだ売っていた。これは覚えておこっと。
ダフ屋に余った外野自由席券を売っていた人がいたが、金額はなんと1,000円。安すぎ。

15:40
大阪ドーム開場。前には400人くらい並んでいた。

15:50
席到着。いつものライト上段最前列はさすがにすでに取られている。
ホーム側の後ろで観るより、ビジター側の最前列を選び、レフト側へ移動。
外野自由席レフト側上段最前列 1列652。

グラウンドではローズ選手と中村紀洋選手の打撃練習が行われている。
ホームチームの打撃練習が観られるのは嬉しい。スタンドにポンポン入れていた。

16:00ころ
Sクンから電話。ようやく大正駅だって。早よ来いっつーの。

16:15ころ
Sクン到着。手には弁当「フルスイング」(1,200円)が。なんとのんきな。
しかし朝6時に来た人と、今着いた人が隣の席に座ろうとは…

16:26
オリックスブルーウェーブ・ビティエロ選手の打撃練習のボールが頭上を越す。

16:45
「モーギュウ弁当」をいただく。1,000円。

17:30
両チームのスターティングメンバー発表。バファローズはいつものメンバーだ。

17:49
OSKのダンス。バファローズの応援歌「ドリーム&パワー」にあわせて踊る。優勝祈願モード?

18:00
試合開始。先発はバーグマン投手。

1回裏
一死一三塁から中村選手の三塁ゴロで1点先制!

4回表
一死二三塁から一塁ゴロを吉岡選手がまさかのトンネルで2点献上!!
次の一塁ゴロで吉岡選手が走者に送球をあて、一三塁のピンチ。その後タイムリーが出て1点追加される!

5回表
二死からヒット、死球、二塁打でまた1点追加される。バーグマン投手ノックアウト!

5回裏
二死から連続ヒットでチャンスから、ローズ選手がファーストを強襲するも、セカンド大島選手の好守により無得点。

7回裏
川口選手がバックスクリーンへ追撃弾。2−4に!

9回表
先頭の相川選手にレフトスタンドに痛恨のホームランを打たれる。3点差!
Sクンの隣にいたオヤジが「俺の一日を返せ」と怒鳴りながら帰る。
二死一塁からなんとストッパーの大塚投手を投入。3点差なのに。

「何かがおこる」。これは中村紀洋選手が後半戦に口々に行っていた言葉だ。
これを合い言葉にバファローズは勝ち進んでいった。
この日も最後までその言葉を信じていた。
果たして何がおこるのであろうか。

9回裏
先頭は吉岡選手。4回表の連続エラーの汚名を返上するレフト前ヒット!
続く川口選手は、一塁線をやぶる二塁打で、無死二三塁に!!
ギルバート選手の代打に元ドラゴンズ&昭和48年会の益田選手が出る。
2日前にライオンズ松坂投手から2点タイムリーを打っている。
ブルーウェーブ大久保投手、ワンスリーからワンバウンドの四球を与える!!!
無死満塁で、古久保選手の代打に北川選手が告げられる。
2日前には逆転劇の口火をきった本塁打を放っている。
誰もがホームランを期待している場面。そしてそれはおこった…

ワンツーからの4球目、思い切り振ったバットはスライダーをとらえ、こちらに向かって伸びてくる。
はいれ、はいれ、誰もがそう思うなか、願いはかなった。
打球はレフトスタンド下段席に入った!!!!
大阪近鉄バファローズの優勝は、なんとも劇的な幕切れで飾られた。
マンガにもない、いや恥ずかしくてマンガにも描けないことがやってのけられた。

「何かがおこる」。それを信じながら最後まで応援していた。
そして最後の最後に本当に何かがおこった。
それも信じられない、あまりにも劇的なことが…

しかし、あまりの出来事に、一瞬何がおこったかわからなかった。
北川選手が打った瞬間、ホームランボールが飛んで来るところはちゃんと観ていたが、
そのシーンが思い浮かべられないほど頭がパニック状態だった。
気付くと隣のSクンとだけでなく、別の隣の人や後ろの人たちと喜んでいた。
そしてこちらも気付いたように紙テープが投げ入れられた。
さらに紙テープだけでなく、メガホンも大量に投げ入れられた。祝福のメガホンだ。
グラウンドに飛び出す人がいなかったのは、バファローズファンが上品なのではない。
誰も心の準備をしていなかったからだろう。それだけ北川選手の打席・打球に注目が浴びせられていた。
これが大塚選手が締めくくる展開だったら、数人はグラウンドに乱入していたのでしょうね。

北川選手がグラウンドを一周し、みんなの待つホームベースへ。優勝が決まった瞬間だ。
そこから梨田監督の胴上げが始まったが、選手も興奮状態でバラバラだった。
監督の後に胴上げされたのが、ローズ選手ではなく、紀ちゃんでもなく、古久保捕手。
チーム最年長選手で、終盤は弱体投手陣をみごとに扱ってきた隠れた殊勲選手だ。
伊勢ヘッドーコーチも胴上げされていたなあ。
選手・監督がライトスタンドに向かっていった時は、やはりライトで応援したかったと思った。
でもあのホームランがこちらに向かって飛んできたので悔いはありません。あと少し高ければもしや…

表彰が終り、ペナントを持って選手が一周。
誰もが手をたたいて祝福で迎える。
「なしだ〜」「ロ〜ズ〜」「なかむら〜」「きたがわ〜」など声援が耐えない。
北川選手の一打が「代打逆転サヨナラ満塁ホームラン」と気付いたのはようやくこの時になってからだ。
しかも3点差をひっくり返す「釣り銭なしのホームラン」。
それを優勝が決まる試合で飛び出すなんて…
たぶんこの先もこれほどの劇的な幕切れはないでしょう。

22:30ころ
表彰、場内パレードも一通り済んだので帰路に…
つこうかと思いましたが、Sクンが「道頓堀行きましょうよ」と言い出したのでそちらに向かう。
バファローズのユニフォームのまま歩く。「あの試合を観たんだぞ」と誇らしげにね。
去年の今ごろは恥かしくて着られなかったのだが…

道頓堀に行く途中、帰途につくサラリーマンから「おめでとう」の声が。
「ありがとう」と応える。でも私はいったい何をした?

23:00ころ
道頓堀に到着。すでにピークは終っていたらしく、ざわめきはあるものの思っていたよりも静か。
なぜか握手を求められる。「これから飛び込むんですか?」だって。無理です。
そうこうしているうちに、ダイブを始める人が現われる。
それに引続いて次々とダイビングが始まる。
堀には緊急用のハシゴがかけられており、消防署員も配置している。準備万端だ。
でもダイブした人は近くの派出所に補導される。

大阪・道頓堀にて (写真)

23:50
ダイブも一段落済んだので帰ることに。すると途中で選手の応援歌が後ろから聞こえ始める。
橋の上にいた近鉄ファンが歌い始めたのだ。私も戻ってそれに加わる。
1番から9番まで選手の応援歌を歌いあげるが、残念ながら数人しか知らない。

0:08
なんば駅を出発。日付が変わった。ユニフォームはまだ着ている。

0:30
家に到着。まだ優勝特番をハシゴする。
非常に内容の濃いシアワセな一日でした。

10:00
スポーツ新聞を買う。スポーツ報知も一面がバファローズだったので買ってやった。

「10.19」「10.12」とならび、間違いなく球史に残るであろう「9.26」。
その日にその場所で、その瞬間を観ることができた私はかなりの幸せモノです。
大阪近鉄バファローズ、優勝おめでとう。
そして、ありがとう。


9.26の記録

スコアボード

チーム
オリックスブルーウェーブ
大阪近鉄バファローズ4×11

野手成績

選手
大村4020中飛中安二安二ゴ
水口2110四球一ギ中安遊ゴ
ローズ4010右安遊ゴ二ゴ一ゴ
中村4011三ゴ1三振左飛中安
礒部4010左飛右安三振三ゴ
吉岡4120左安左飛三振左安
川口4221投併二ゴ中本1右2
ギルバート3000右飛遊ゴ二ゴ
益田0100四球
古久保3000二ゴ三振三振
北川1114左本4

投手成績

投手回数打者
バーグマン4.2/32291532142
関口0/313100000
愛敬2.1/3735010000
岡本1.1/3719220011
大塚1/313000000


代打逆転サヨナラ満塁ホームラン

選手所属年月日相手野球場スコア
樋笠一夫読売ジャイアンツ1956年3月25日中日ドラゴンズ後楽園球場0-34-3
藤村富美男阪神タイガース1956年6月24日広島カープ阪神甲子園球場0-14-1
広野功読売ジャイアンツ1971年5月20日ヤクルトスワローズ福井県営球場3-57-5
柳原隆弘近鉄バファローズ1984年6月11日南海ホークス日本生命球場?1-25-2
藤田浩雅阪急ブレーブス1988年6月18日南海ホークス西宮球場?6-710-7
北川博敏大阪近鉄バファローズ2001年9月26日オリックスブルーウェーブ大阪ドーム2-56-5
藤井康雄オリックスブルーウェーブ2001年9月30日千葉ロッテマリーンズグリーンスタジアム神戸3-67-6

北川選手の「つり銭なしのホームラン」は樋笠選手以来2人目の快挙。
そのわずか4日後に、藤井選手が3人目の快挙を成し遂げました。
こんな記録が1週間で2回も出るとは。

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