このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

札幌ドーム

 21世紀初めの年、日本に新たなドーム球場が完成した。札幌ドームである。これで札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5大都市にすべてにプロ野球ができるドーム球場が造られたことになる。
 場所は札幌市豊平区羊ヶ丘。もともとは北海道農業試験場の用地であったが、国道36号線沿いに札幌ドームが建設されることになった。羊ヶ丘といえばクラーク像が立つ羊ヶ丘展望台が有名だが、その展望台から見下ろすすぐ正面に札幌ドームが建っている。札幌の展望所といえば藻岩山も知られているが、下りのリフトの直線上に見えてくる白い建物も札幌ドームである。このように札幌ドームは、こと眺望に関してはかなりいいところに立地しているということになる。
 札幌都心から市営地下鉄東豊線に乗って終着の福住駅が最寄駅である。そこから東へ徒歩約10分。最寄駅から少し距離があるが、東隣の清田区でかなりの人口が増加しており、地下鉄の延伸も充分に考えられる。
 両翼100m、中堅122mと国際規格を満たしている。フェンスの高さは5.75mで福岡ドームに次いで高い。固定客席数は42,831席、最大収容人員は53,845人である。
 このドームの最大の特徴は、野球場からサッカー場へ転換できることであろう。野球とサッカーができるグラウンドなら数多いが、札幌ドームでは野球が人工芝、サッカーが天然芝になるのである。まず野球場の人工芝を巻き取り、センター方向の開閉式可動席を開き、サッカー場をドーム内に移動させ、旋回式可動席とともに90度回転して、開閉式可動席を復元してサッカー場にするという方法がとられる。サッカー用の天然芝の移動には、芝の下に空気を圧縮して入れて浮かせるというホヴァリングシステムが使われている。
 また国内ドームでは初となる展望台もついている。全長60mの空中エスカレーターで展望台まで行ける。そこからは羊ヶ丘や石狩湾だけでなく、なんとドーム内のアリーナ全体も見下ろすことができる。ただし試合中は観戦できない。
 ドーム内には、テレビモニターでスポーツ中継が見られるレストラン「スポーツ・スタジアム・サッポロ」と、食事をしながらイベントを見られるカフェ&バー「ボウブリッジ・カフェ」、グッズショップ「グッズ・ジャム」などがある。その他、売店も豊富にある。
 札幌ドームのプロ野球公式戦初試合は2001年6月26日の読売ジャイアンツ×中日ドラゴンズである。18:00プレイボール。2001年はこの試合を含め、全部で公式戦12試合が行われ、また7月24日にはオールスター第3戦も行われる。

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