このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

京王電鉄の野球場

 京王電気軌道株式会社が設立されたのは1910年9月21日のことである。創立総会で公にされた「京王電気軌道発起の趣意」には、多摩川河畔は「天与の遊園地にして」、本線開通後には「花園・運動場その他の設備を施し、東京市の新公園たらしめんことを」期している。この趣意により、やがて京王閣遊園地が建設されることとなる。
 これが具体化したのは1921年で、まず用地買収を開始した。約53,000m2の用地が整った1926年に遊園地施設の建設にとりかかった。完成したのは1927年6月である。京王閣遊園地には中心建物である京王閣の他に、屋内遊戯施設や運動場が設けられた。野球場は運動場の中に設けられた。
 最寄駅は1917年5月に多摩川の砂利運搬のために開設された多摩川原駅。現在の相模原線京王多摩川駅である。
 京王閣遊園地は京王電鉄が東京急行電鉄に合併されていた1947年に他へ売却された。現在は京王閣競輪場となっている。京王閣の建物とその前の池は現存する。

 京王電鉄に関する野球場としてはもう一つ、京王多摩川野球場というものがある。京王閣が売却されたあと、1955年4月に京王遊園が開園するが、この用地となったのが京王多摩川野球場の跡地である。1952年に買収したとあるので、京王の名前がついているものの、京王が所有していたかどうかはわからない。1959年夏には京王遊園に隣接して京王プールが完成した。
 プールは現存するが、京王遊園は廃止され、現在は京王テニスクラブとなっている。

資料:京王帝都電鉄株式会社総務部(1978):『京王帝都電鉄30年史』京王帝都電鉄総務部.

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