このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
スパーンっ!
「アホ〜っ!」
「どうもこうもあるか〜っ!」
「あ〜っ!やっぱりむかつく〜っ!」
スパーン!
「せやったらはよ言わんか〜っ!」
スパーン!
先ほどまで無かったはずの由宇の特製のハリセンが俺の頭部にヒットした。早く言えと言われてもそれすらも言わせてくれなかったくせに………「千堂くん非道〜い!」だから、非道いのは俺じゃないってばっ!しかし、そんな言い訳出来るはずも無く………素直に俺が殴られればその場は解決するのであればそれで良いような気がしてきた。って言うか特製ハリセンだけあって破壊力は抜群で良いらしいが俺の頭はいいのか?このままでは記憶障害起こすような気がしてならないのは気のせいか?
スパーン!
スパーン!
今日も俺の頭部にハリセンがヒットした。しかも、今日は往復でだ。さすがに、2発はかなり効いた。「余計なコト言わんでええから、さっさと描け」「…………はい」それから怒った由宇の前で今日もペンを走らせた。
由宇の言葉に思わず目が点になった。
「嘘や思てるやろ、マジやで」正直、かなり胡散臭かった。「うちも昔は嘘や思ってた、でも家の物置で発見したときにはショックやった」由宇はペンを走らせていた手を止め遠くを見つめていた。「しかも、ガスコンロにのせるタイプやってん」「…………はぁ」「ガス線と繋がるタイプとちゃうかってん」
「…………はぁ」「それがどんなにつらいことか分かるか?」由宇の言葉に俺は首を横に振った。そんなコトが分かるはずも無い。いや、分かる方が怖いぞ。「せやな、関東の人間に言うても分かるはず無いわな」その時に由宇に横顔は少し寂しそうだった。一瞬、慰めようかと思ったが、プレートタイプとガス線直結タイプとの違いについては触れてはいけないと俺の魂が警告していた。そこに触れた時点で俺は散るだろう。…………散りたくない。今日は殴られずに済んだ。由宇には悪いが俺は身の安全を選んでいた。
スパーン!
「うるさいわいっ!
誰にだって失敗はあるんやっ!」
不条理だ。何で俺が殴られなきゃならんのだ?って言うか俺って由宇にとってどういう存在なのだろうか?そう思うと夜も眠れない(意訳:〆切があるので寝かしてもらえない)
「牧やん、勝負やっ!」
「ほな、いくでっ!」
「由宇っ!」
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