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| 想い出は...モノクローム〜 | |
| これは昨年(2003)初頭に手がけた車両で、工作名愛用や技法は、先に制作したC623(KATO)に準じております。よってこの頁では
制作に関しては必要最低限に抑えます。ブラスのC623の記事中だったかな、ワールドキットでもC6218を制作予定するような記述
がありますが、ワールドキットで着工した時点では、未だ資料が揃っていなくてテンダーを箱組みしたまま中断していました。
特に非公式側ボイラーの資料が皆無に等しく、かといって同時代のC622等の適当なデティールを当てはめるにはデティール考証での
信憑性にも欠く事となる為、保留となっていた機体でもありました。話は変わりますが映像記録として「つばめを動かす人々」という
名作があり、これには公式側とテンダー背面のデティールが余すところ無く鮮明に捉えられていますので、残す処、非公式側の資料さ
え入手出来れば完璧なデティールが望めます。
少し話は変わりますが、数年前に鉄道関連でも著名なとあるweb-pageのBBS上にて、熱心な参加者達によって幻のつばめ C6212に
関しての考察がされていて、参加者達の各々による検証がいろんな角度から行われておりました〜著名なWeb-pageの筆頭ですので大
概の方々は既にご存じかと思います.....必然的にC6218に関しての話題も含んだ、その彼らの熱いディスカッションがひつまずの終着を
みせた数ヶ月後に、初めてこの議論の存在を自分も知った為、残念ながらその渦中には参加できなかったのですが...そんな彼らの想いが
後に数々の奇跡をもたらしました。
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| 専門誌を動かした人々 | |
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彼らの奇跡...「2002-10 鉄道ファン(N0.498)」にて「回想 C62形 二羽のつばめ」という特集へと導き出され、より多くの愛好家にC622
以外のツバメ装飾機の存在を印象深くアピールする事にとなったのです。その上、幸いな事にこの鉄道ファン誌の記事には、これまで公の
場に出たことのない2枚のC6218の写真が掲載され(しかも非公式側!)前述の「つばめを動かす人々」にまで及ぶ記述は、私を含む多く
のモデラーにもかけがえのない福音になりました〜つまり、東海道時代のC6218を再現するにあたり、時代的なデティール考証の完璧な資
料が全て「つばめを動かす人々」と「2002-10 鉄道ファン(N0.498)」で賄えるのです。
「これで、資料が揃った!」
先ずは、この経緯に携わった全ての方々に厚く御礼を申し上げたい気持ちです。
本当にどうも有難う御座いました。
さて、以上に関して当小梅大路機関庫で以前にC6212を仕立てていた事もあってか、数名の方々よりお便りを頂きまして....自分がC6212を
“上昇するツバメ”とした理由をそれぞれのメールにて返答した経緯もありまして....近からず遠からずといった感じでしょうか。及び12号
機の説明には特に詳しい記述をしませんでしたが、あ・え・て・C6212号機に装飾をするならば“上昇するツバメ”とする大路の結論もま
た単なる思いつき等のいい加減なものではなく、数年を費やして独自に検証したものなので、機会がありましたら改めて解説したいと思い
ます。
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| Nスケールで再現するに・・・ | |
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ではでは、そろそろ模型の方に話題を移します。以上によりデティール考証の確実な作例となりました。勿論、Nスケールでの再現なので
模型的な表現に留まっている箇所は止む終えない処ではありますが、特定号機としての特徴ある箇所は出来る限り再現しました。先ずは前
照灯(LP-42)の光軸を逃がすような形態の標識灯掛けにも特徴があります。またシリンダーブロック下部〜ドレンの作動マスタシリンダー
の位置がC622やC623等に見られる位置と異なる事〜専門誌によってはC622等にみられるマスタシリンダーの位置が、さもC62形式での
“定位置”のように記述されておりますが、実際には号機によって様々ですので、拘りを持たれるモデラー諸氏には特に留意が必要です。
全体的にも東海道時代のスッキリとしたデティールなのですが、発電機周りの配管は少し複雑になっていて、前述の2つの資料を注意深く
調べ上げて、この形態になりました。非公式側のテンダー前部妻板の角には大径のパイプが走っています。その近くのテンダー側面には3
カ所に長方形のリブがあり、対角となる公式側の側面にも同じリブが設けられています。そして重油タンクの設置には石炭のモールドをタ
ンクより少し大きめに切り欠きタンクとの隙間を、H氏推薦の砂絵用の黒色砂を用いて埋めてあります。粒の大きさが元のモールドと同じ
サイズ故、部分的な使用であっても違和感が無く綺麗に仕上がりました。それとデフのツバメマークはエッチング製を用いています。
その他の工作はこれまでに仕立てたC62形式と同じ工作、行程ですので特筆すべき事はありませんが、キャブ屋根の天窓は今回、ブラスと
同じ様にプラ板でスリットを設けてみました。強度的にあまり薄く出来ない為、プラ素材としては過剰な表現かもしれません。
そうそう、配管の関係でボイラーを跨ぐそれぞれ左右の2カ所に位置するステップは実機通りの位置に変更しなくてはいけません。これは
銀河のパーツをリサイズして使用してあり、2段目のステップがより天面に近い位置になっているのがお解り頂けるかと思います。
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| 色をつけてくれ〜♪ | |
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これは個人的な事ですが、ランボード側面に白い色差しをするのは、模型的にはチープな感じがする為、私はあまり好きではありません。
C6212ではエアブラシで部分的に暈かしてコントラストを意図的に抑えていたりします。が、今回ではそれを一切行わずに塗装しました。
車両全体としてもウェザリングを控えめに、特別装飾を施された栄え抜きの特急牽引機の姿態に相応しく、磨き込まれた車体に僅かに煤が
載る程度に留めるべく、少量のウェザリングブラックと微量のパステル粉のブレンドを塗した後、一旦、中性洗剤を使って洗い流してしま
います。そして微かに残ったウェザリングブラックの鈍い光沢を生かしつつ、再度ウェザリングブラックを部分的に塗し、毛の柔らかい歯
ブラシにて車体を磨き上げました。先ほど申したランボード側面にもウェザリングブラックが僅かに残るようにして、周りの黒色とのコン
トラストを下げる事を試みましたが...果たして皆さんの目にはどのように映っておられるのでしょうか?
因みに上より2枚目までがNIKONの200万画素の広角、下2枚はRICOHの35万画素のマクロ撮影、最下の画像のみ640X480で撮影したもの
を引き延ばしている為、画像が荒れておりますが御了承の程を。
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