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《第5回 陸奥鉄道最前線》
平成14年12月、東北本線に異変が起きた。それは、東北線盛岡〜八戸間の第三セクター化(いわて銀河鉄道・青い森鉄道)と東北新幹線の八戸延伸開業であった。
しかし、これには語らなくてならない物語がある、今回はそれを紹介してゆきたいと思う。
東北本線には、かつて青函連絡船との連絡という使命があった。太平洋寄りを走る常磐線も同じ役目を背負っていた。その役割を果たすために、生まれた特急。それが「はつかり」号であった。また、常磐線には「みちのく」号が走っていた。両者は上越・東北新幹線の開通まで上野と青森の間を走りつづけたが、前者は新幹線開通時に盛岡〜青森間へ運転区間が短縮になった。その後、青函トンネル開通により、函館まで足を伸ばすようになった。なお、後者は新幹線開通時(昭和57年)に廃止になった。
一方、寝台特急も東北線には走っていたが、上野から青森を目指す列車は、東北線経由の「はくつる」号、奥羽線経由の「あけぼの」号、常磐線経由の「ゆうづる」号、上越線経由「鳥海」号が走っていた。山形新幹線山形開業時に、「鳥海」号は「あけぼの」号の一部列車の経由変更という形で生まれたが、皮肉にも、その後、「鳥海」号が廃止なり、上越線経由の寝台列車が「あけぼの」を名乗るようになった。常磐線の「ゆうづる」号も利用者の減少を理由に臨時列車に格下げの後、いつのまにか運転されなくなってしまった。
そして、上野から青森を目指す列車は「あけぼの」「はくつる」の二者になった。しかし、八戸へ東北新幹線が開通すると、後者は廃止となってしまったのである。
また、1958年から東北本線を走りつづけた「はつかり」号は「はくつる」号と同様に、廃止となってしまった。その後、青森への連絡特急は「白鳥」号・「つがる」号が行うようになった。前者はかつて大阪と青森を結ぶ最長特急の列車であったが、数年前に廃止なり、今回八戸〜函館間の特急へ舞い戻ったのである。また、後者「つがる」号は八戸〜弘前間の運行になった。この列車はかつて急行「津軽」として奥羽本線経由で上野〜青森間を行き来していた。かつては出世列車といえば、この列車をさしてたが、平成に入り廃止となり、今回のダイヤ改正でようやく特急に出世できた列車といえるかもしれない。
このように、東北本線は信越本線同様に、分断の時代を迎えた。しかし、東北本線は「北斗星」や「カシオペア」は現在も走りつづけている。盛岡〜八戸間は第三セクター化されたが、今でも北海道連絡の役割を失うことなく、東北本線の本来の役割を失うことなく、現在に至っているのである。
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