このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

「良かったら、日曜日に2人で遊びに行かない?」
彼の言葉に私はつい頷いていました。

どこへ行くかを深く考えないままに・・・。

True Love Story Short Episode
「赤い水着」
File NG004
Written by Haruna Yamane

自分の部屋で私は頭を抱えていました。
デートの行き先・・・
「毎日暑いし、プールで泳ごうよ」
彼の笑顔が頭をよぎる。

「プールなのよね・・・」
私はため息をついた。
普段、本を読んで過ごしている私は、当然のことながら運動はあまり得意ではない。
泳げないわけではないが、どう贔屓目に見ても私の泳ぎは「一応泳いでいるらしい」「とりあえず溺れていないらしい」と、いうレベルでしかない。ずっと泳ぎつづける必要は無いと想うけど、やっぱり不安が残る。
それに・・・
「水着・・・どうしよう」
私は水着を持っていない。正確には学校のスクール水着以外は1着もという意味でですが。
今まで体育の授業以外に泳ぎたいと思わなかった私は、遊び用の水着を持っていなかった。
水着は買えばいいのだろうが、どんなのを着ればいいのだろう。困ったことに、まったく思いつかなかった・・・。
 

-翌日の昼休み-

「ふぅ・・・」
私は、お弁当を食べ終わるといつもの様に本を開くことも無く、ため息をついていました。
あれから何度も彼と水着姿で一緒にいる自分を想像してみたが、眼鏡をかけてないときみたいな、はっきりとしないイメージしか浮かばなかったのです。
とりあえず水着を見に行けば少しはましになるのかなと思っていると、
「どうしたの?本多さん、ため息なんかをついちゃってさぁ」
「あ、天野さん?」
目の前には天野みどりさんがいました。明るく積極的な彼女は時々私に話し掛けてくれるのです。
私は、つい今悩んでることを話してしまいました。

「へぇ、本多さん、  君と付き合ってんだ!」
「そ、そんな、付き合ってるなんて・・・」
「それなら、水着選び手伝ってあげる」
「本当?」
「あたしも新しい水着がほしいところだったしね」
「ありがとう」
「いいって、いいって。じゃ、放課後ね」

-放課後-

私と天野さんは、デパートの水着売り場にいます。
「あ、これいい。本多さん、どう?」
天野さんが差し出したのはビキニでした。
「わ、私、ビキニはちょっと・・・」
大胆なカットの水着に私は怖気づきます。
「そう?じゃあ、私が買おうっと」
天野さんはそういうと買い物篭にその水着を入れました。
しばらく回ってみましたがなかなか決まりませんでした。
「本多さんって結構スタイルがいいし、これなんかどう」
今度差し出されたのは赤い水着でした。派手だから断ろうかと思いましたが、
「少し派手なくらいがちょうど好いって、  君も喜ぶと思うよ」
少し躊躇しましたが、天野さんのその言葉に背中を押されて買うことにしました。

-日曜日-

 日曜日、天気は快晴でした。プールサイドで私はあの赤い水着を着て立ってます。

彼、どう思うかしら?

その答えが出るのはもうすぐです。



後書き
 えっと、まともに完成させた最初のTLSの小説です。構想数ヶ月?執筆90分。なんちゅう極端さだ・・・。
 お話は読んでお分かりのように、本多さんのデートイベント前のお話です。
話の元ネタは、デートでの水着姿が「本多さんらしくない」と感じたことからでした。
彼女の服装センスからすると、なんか派手過ぎるん感じです。
と、言う訳でこの水着を選んだのは本多さんじゃない誰かじゃないかと・・・。

 と、言う訳でこんな話をでっち上げたのでした。
 
 
 
 

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください