このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

里見電鉄四季物語 〜弥生〜 「柚木駅」
 
1.喫茶「微風の通り道」
 
 喫茶「微風の通り道」今日はお客さんがいるようだ。って、いつもだれも来ていないような言い方だが、今日のお客は少し違う意味でのお客さんである。どうも榛名店長の友人らしく、高校時代の誰それがどうのと言った話題で店長と盛り上がっている。その彼の横に連れらしい1人の少年が。どうもかすみと同じくらいの年齢のようだ。かすみには2人のお客の関係がよく分からなかった。親子にしては年が近すぎる。親戚にしては顔立ちや感じが全く違う。そんなかすみの疑問は、彼自身が明かしてくれた。榛名とそのお客の話は、遠くの町・・・「聖華市」と呼ばれる町での事件の話になり、
「・・・そうだったね、榛名さんは初めて会うのだったね。彼が飛鳥雅貴君」
「始めまして。飛鳥雅貴です」
「そうか君が、木山君がワトソン博士をしている相手か」
「なんだい、その言い方は。まぁ、そう言えるかもしれないけど・・・」
「あのっ」
「どうしたの、かすみちゃん」
「3人の関係がよく分からないのですが」
「あぁ、そういうこと。彼は木山君。私の高校時代からの友人で、本業は福祉関連の仕事をしているよ。その傍らで、隣の少年探偵、飛鳥雅貴君の関わった事件を小説の形で発表している。言うならば、ホームズの話におけるワトソン博士のような人だ。もっともワトソン博士みたいに事件にちょくちょく顔を出しているわけじゃないから、探偵との関係は金田一探偵の方に近いかな」
榛名のその台詞に木山は少し苦笑してみせる。
「まぁ、木山の書いた話は、あそこの本棚に置いて有るから、今度読んでみたらいい」
「えぇ、そうさせていただきます」
そんなことを話している頃木山宅では・・・
 
2.木山宅
 
「センセ、お兄ちゃ〜〜ん!!」
 恋美は、そう叫ぶと木山のアパートのドアを開ける。
「あれ?どうしたのかなぁ……。」
 訝る恋美ちゃん。彼女は雅貴君の妹だ。
 その後ろでは、恋美の親友である結城明日香ちゃんがひょいと顔を出して言う。
「どうしたの?恋美ちゃん。木山センセと雅貴さんがいるんじゃないの?」
 恋美は戸惑ったような顔で言う。
「そ、そのはずだったんだけど……。」
 その時、1陣の風が吹く。
 アパートの部屋の奥から、1枚の便箋が。
 
『木山へ。久しぶりに話がしたい。
 この間君が書いた探偵のレポート、ネット上にて読ませてもらった。
 君らしくってなかなか素敵だよ。
 いや、これに関しての裏話を聞かせてくれないかと思ってね。
 よかったら、件の探偵君も一緒に来てくれ。場所は、以下に指定しておく。
 そこまでの切符を2枚一緒に同封しておく。指定席だぞ。高価なんだぞ。絶対無駄にするなよ。
                                            雪風榛名』
 
 葉書に書かれていたのは、喫茶「微風の通り道」の場所。
「えぇ〜〜〜!!何!これっ!!」
 叫ぶ恋美。
 そんな彼女にポツリと明日香。
「どうも……雅貴さんとセンセ、ここに行ったみたいね。」
「あたしたちを差し置いて、ひどい!!」
 憤慨する恋美に明日香は言う。
「センセたち、あたしたちが来る事知らないじゃない。雅貴さんがセンセに呼ばれて『あたしたちも行こう』って恋美ちゃんが言ったんでしょ?」
「そりゃ、そうだけどさ……。」
「しかも、チケットは2つしかなかったようだし。」
「でも、でも!!あたしたちに内緒にするなんて、許せないっ!!明日香ちゃん、一緒に行こう!!」
「え?」
 聞き返す明日香だが、恋美は聞く耳持たないような感じで彼女の腕を引っ張っていく。
「早く!!早く!!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!!恋美ちゃ〜〜〜ん!!!」
 
3.里見電鉄柚木駅
 
 里見行きの2両編成の電車は、小さな駅を出発した。車掌が次の停車駅を告げる。
「次は柚木、柚木です。お出口は右側です」
それを聞いた2人の少女は、
「あれっ。次ゆうきだって。明日香ちゃんの名字と一緒だね」
「そうね」
「どんな駅かな?気になるなぁ」
などと話していたが、結果を言うと柚木駅は単なる無人駅だった。それでも最近立て替えられたのだろう、こぎれいな小さな駅舎が建っている。
「何だぁ。只の駅かぁ。ちょっと残念」
「そうね」
そんなことを言っていると車掌の声が、
「次は里見信乃、里見信乃です。お出口左側に変わります。JR赤穂線ご利用のお客様はここでお降り下さい。お乗り換えの時間をお知らせいたします。播州赤穂方面、11時59分。西大寺方面12時54分です。今日は里見電気鉄道をご利用いただきまして、有り難うございました。なお、この列車は引き続き終点里見まで運行いたします」
「次の駅だね」
「そうね」
 
4.喫茶「微風の通り道」
 
 2人の目的地は、駅に降りてすぐだった。だって駅舎そのものに有るのだから。店内に入ってきた2人に驚く木山と雅貴。
「れ、恋美!!どうしてここに・・・」
「なんで、いるんだよ!!」
 2人の言葉に恋美は答える。
「ひどい。置いてきぼりなんて!!」
 そんな恋美の言葉の横で、明日香は言う。
「ごめんなさい。雅貴さん。邪魔するつもりはなかったんだけど、恋美ちゃんが……。」
 そして……この後のどたばたは書くまでもないでしょう(苦笑)
 
あとがき対談
 
木山(以下K)「さてさて。あとがき対談と言う事なんだけど……話題は?榛名さん。」
榛名(以下H)「まぁ、基本的に内容やキャラクターに関してかな?別にそれ以外でもいいけど」
K「それじゃ基本にのっとってキャラクターの話から行こうか?」
H「今回は木山君の連載からゲストに来ていただいたわけだけど、それじゃ自己紹介でもして貰おうかな?」
K「俺がやるんじゃ、他己紹介になるよ。ま、いいけど。彼らは、俺が書いている『 ダブルAsukaの事件簿 』のキャラクター。この作品は、数年前にアニメ化された講談社の『なかよし』に連載されていた『怪盗 セイント・テール』のフューチャーファンフィクションなんだ。『ダブルAsuka』の主人公である飛鳥雅貴君は『セイント・テール』の主人公である芽美ちゃんとアスカJr.の息子。そして恋美ちゃんは雅貴君の妹で、明日香ちゃんはフルネームを『結城明日香』ちゃんと言って、雅貴君のライバル……と、言う事になるのかな。ライバルの怪盗さんなんだな。これが。」
H「ご紹介ありがとう。でもこの話は時代設定は現代なので、少し設定が変化?してるけどね」
K「そう。『ダブルAsuka』(木山注:以下『だぶアス』と表記)の本編は、時代設定としては西暦2025年前後と言う事になってる。どうしてかと言うと、他ならぬ『セイント・テール』が西暦1990年代……つまり、現代の話なんだ。だから、その子供たちの話となると、時代設定どうしてもそうなるよね〜〜〜(^_^;;」
H「そうだね。結果的に雅貴君が本編と違って、ただの少年探偵扱いになっていたりするわけだ」
K「ま、SF的にこの時代と未来を繋ぐ『ワーム・ホール』を使用してもいいんだけど?」
H「そっちは良くてもこちらの話が大幅変化してしまう・・・。やめとこうね、それ」
K「そう来ると思ったよ。(心の声:ちっ。既にこの喫茶店に開けてたのに。しょうがない。埋めとこう。)しかしね、ダブあす自体は設定上パロディースタンスとってるけど、話の内容的にはオリジナルテイストなんだよな。」
H「まぁ、だからこそ出てもらったんだけど。じゃ、内容はどうだった?」
K「ハード。もう、ハード。人死に出るわ、巨大組織出るわ『セイント・テール』じゃとうていやるはずも無いネタが結構出て来る。明日香ちゃんの過去なんか、不幸の極みだし。これからにおいても、そうかもね(爆笑)」
H「おーい。もしもしー。いきなり自分の話について語るな。こっちの話だって。全く」
K「おっと!!こいつぁ、しまったねぇ。ま、なかなかじゃない?各キャラクターの特徴も出ててさ。それじゃ、大体は話が出尽くしたって事か?榛名さん。」
H「そう来るかねぇ、まぁそれじゃぁ、そろそろお開きかな?次回の卯月もお楽しみに」
K「それじゃ、アディオス!(はぁと) ダブあす の楽しめる 木山的茶話室は、こちらだよ 。来てね〜〜〜。」

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください