このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





ひ と り 語 り
わかりゃしませんよ






 メモ帳を開いてページの更新をしていると、突如「メモリ不足」のメッセージが出て作業が出来なくなりました。他のアプリケーションを終了してナントカカントカ、なんて書いてあるのですが、他のアプリケーションなんて動かしてないし。「ヘルプ」を引っぱり出してあれこれ見ていると、結局残された手はHDDの空き容量を増やして仮想メモリを多くする以外に手はないようです。そして、HDDの空きスペースを増やすための方法が、「圧縮」。圧縮って何だ? 圧縮することによってリスクがあるのだろうか? リスクがないのなら、圧縮しない状態というのは無駄使いをしていると言うことなのか? よくわからない。とにかくやってみようと「はい」を選ぶと、なんと作業に時間のかかることかかること。一昼夜を徹してしまいました。
 その結果、HDDの空きスペース(ドライブC)は逆にわずかに減り、かわりに新しい「H」というドライブが出来て、そちらには1GBを少し越える程度の空きスペースが確保されました。
 HDDの空きスペースを利用した「仮想メモリ」は、ドライブCの空き容量が減っているのだからかえって少なくなったことになります。仮想メモリを空き容量の多いドライブHのほうに設定できないかなとか思ってあれこれいじっていると、どうやらできるようです。ところが、いざ作業にかかってみると、「知識のない人は設定を変えるな」というメッセージがあり、これでは手を出せません。
 ならばと、ドライブCの一部のファイルをドライブHにうつすという手を思いつきました。プレインストールされているアプリケーションを触るとまずいかもと、とりあえず後で自分でインストールしたアプリをドライブHに移動させました。そして、文書ファイルも。その後デフラグをかけたのですが。ううむ、相変わらず、たいして空き容量は増えません。
 一応、メモリ不足になってしまったフィルをもう一度メモ帳で開いて作業をしてみたのですが、やはりメモリ不足になってしまいました。
 そこで、はたと思いついたのが、「ワードパット」の利用。ダウンロードしたファイルをメモ帳で開こうとして「ファイルが大きすぎるのでメモ帳で開けません。ワードパッドで開きます」というメッセージが出たことがあります。メモ帳がだめならワードパッドで編集してみよう。結果は同じかも知れないけれど。
 ところが思いついたのはいいものの、ワードパッドなるアプリケーションが見つかりません。「検索」を使った探しだし、デスクトップにショートカットを作成して、ようやくいつでも使える状態にできました。で、さっそく件のファイルをワードパッドで開いて編集してみます。うん、今度は出来ました。じゃあどうしてメモ帳ではメモリ不足になるのでしょうか。わかりません。
 とにかく、不親切です。きちんとしたマニュアルがあり、そこにおおよそ載せていてくれればいいのですが、マニュアルには「詳しくはオンラインヘルプを参照」などと書かれていますし、そうやってヘルプの中身をHDDに入れてしまうから、HDDの容量が不用意にたくさん必要になるわけです。
 PCというのは本来ただの機械ですから、その中身についてはユーザーが自由に使えるべきだと思います。もっとも、便利さのためにプレインストールタイプのPCを購入した私にも責任はあるのですけどね。
 ただ、とにかく不親切です。
 そもそも、PCに精通していないと全ての機能が使えない、使おうとしたら「やめておけ」なんてメッセージが出てくるなんてどうかしています。
 ここで言いたいのは、「テレビが何故映るのかわかっていてテレビを見ている人がどれほどいるというのか。原理がわからなくてもテレビはスイッチをつければ使えるじゃないか」ということなのです。それだけ、テレビという機械は成熟していると言えるでしょう。PCも早くそうなって欲しいものです。
 しかし一方で、すぐにエラーメッセージが出て「サービスマンを呼んで下さい」などと表示される機械も困りものです。とくにOA機器。じゃあ、365日24時間サポートしているのか? してないじゃないの。
 奥をのぞき込めば、ああ、紙が詰まっているのがわかります。それを取り除けば済みそうです。でも、とれないんですよ。プラスチック一体整形になっていて「まるごと取り替えないとどうしようもない」とか、プラスとかマイナスではなく特殊な計上のドライバーでないと取り外しできないようなねじが使ってあったりします。
 ようするに、メーカーの作戦です。それは新しいものを買わせるためであったり、「こんなにしょっちゅうサービスマンを呼んで経費を払わないといけないのなら年間メンテナンス契約をしとかないと」などと思わせるためのものです。
 そこまであこぎなことをして商売をしたいのでしょうかね。
 ま、それはともかく、なのですが。
 PCに関して言えば、ユーザーからメーカーに「使い方がわかりません」というような問い合わせがじゃんじゃんあったのでしょうね。きっとメーカー側にしてみれば「ろくに説明書も読まずに何を言ってるんだ」と言いたいところでしょう。
 それならば、いちいちマニュアルなど開かずに画面上でヘルプ参照できるようにしておこうと言うことになるでしょうね。そして、どうせインストールに失敗して問い合わせがガンガンくるくらいなら、出荷時に最初からインストールしておけば問い合わせは減るし抱き合わせ販売で儲かるしで、メーカーとしてはおいしいのでしょう。
 しかし、僕は、選択肢を設けて欲しいと思うんです。
 ひとつはプレインストールモデル。ほとんど何も設定せずに、スイッチを入れればたいていの機能は使える、というもの。
 そしてもうひとつは、PCは空っぽでCD−ROMにいろいろな抱き合わせ販売のアプリケーションを入れておいて、ユーザーがしよう開始に当たって、「これは必要、これは必要でない」というのを選択肢ながらインストールしていくタイプ。いや、これはもう実現しているのかも知れません。おそらくHDDを初期化してしまって、添付のバックアップ用CD−ROMをセットすればこれと同じことが出来るはずです。
 でも、僕は既にPCを使いはじめていて、使いやすいようにいくつかのアプリケーションを設定を変えていますし、ディレクトリもいっぱいつくって文書も整理しています。だからいまさら初期かなんてできないんですよ。
 まあ、販売している店員にも問題はありますよね。「これは梱包を解けばすぐに使えますから、ガタガタぬかすな。俺だって詳しいことはわからないんだよ」という感じの人もいますし、仕方ないかも知れません。
 なんだか愚痴っぽくなってしまいました。失礼しました。
      


  ナチュラルライフ(98年12月表紙で発表)

  戻る

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください