このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

だんらん→ユーロライナー



贅沢鉄道旅行の始まり

昭和の終わり頃、仲間5人で、思い切り贅沢な旅行をした。贅沢、といっても、これは鉄道に関することに限られ、2泊のうち1泊は車中、もう1泊はユースホステルで、もちろん食事もあり来たりのものである。

だんらんの夜は更けて

 タイトルから想像がつくように(つかないかな?)、まず使ったのは、「だんらん」である。そんな名前の列車があったかな、なかったかな、と首をひねったかたもあるとおもうけれど、これは「雷鳥」に連結された、お座敷グリーン車のことで、廃止になった食堂車を改造して作られたものである。そして、臨時夜行急行「アルペン」(大阪−富山)が雷鳥編成で運転されていたから、アルペンにも「だんらん」があったのだ。「だんらん」設備そのものは、多分不評だったともう。隣の席との区切りは簡単なついたてだし、もと食堂車のカウンター・厨房部分が売店になっていたので、そこでお菓子や弁当を買って、「だんらん」で勝手に飲み食いする人がいたりなにぶんにも徹底できなかったような印象。
 おまけに夜行となれば、みんな横になる。これが狭い。僕たちは5人なので、2マスを8人分の料金で買っていたからいいものの、4人でひとますでは寝れない。もともと夜行用の設備じゃないけど、座敷なら寝転がるでしょ、昼間でも。
 このあたりのことを、きちんと考えて、設計をしてれば、結構いける設備に成ったろうに。
 で、たくさんのスペースを確保しときながら、夜遅くまで喋っていて、眠ったのは金沢あたりだったかな? 富山で高山線に乗り換え。ほとんど寝てない。しかしラッキーなことに、待っていた列車はグリーン開放だった。急行列車の間合い運用なのか、グリーン格下げなのか、判断がつかない。乗り心地がいいので眠り、高山で下車観光したけれど、目が覚めない。

びっくりユーロライナーの実像

 そして、高山から名古屋までが今回の旅のメインの「ユーロライナー」である。ジョイフルトレイン3代目として颯爽とデビューしたものの、要するにお座敷列車のような団体貸し切りようの欧風車だから、絶対乗る事なんて出来ないと思っていたのが、臨時列車として一般発売された。
 いまや老朽化してるはずで、しかもカートレイン名古屋やシュプールユーロ赤倉などに運用されているけれど、編成をバラされての運用なので、真価を発揮できない。しかしとにかくすごい列車である。夢空間とかトワイライトとかものすごいのもあるけれど、あれは特別に特殊なのであって、ユーロはこれからの長距離列車の発想の原点になるだろうとも思った。(ならなかったけど)
 では、編成を紹介しよう。1・7両目がオープンタイプの3列シート。もう珍しくないけど、ワイドな窓で眺望がよく、展望車だった。2・3・5・6号車がコンパートメントカー。よくも欧風だのユーロだの名乗ったものだと思うけれど、じっさいはお座敷コンパートなのだ。畳ではなく、カーペットだけど。ソファがあるけれど、土足禁止で、カーペット敷きだから、地べたにだって座れるのだ。ソファは、取り外せて、その下の空間が荷物置き場になるから、室内を広く使える。さらに、折り畳み式の寝台まで取り付けられている。ただし、寝具はない。寝具を置くと寝台扱いになり料金が高くなるからだそうだ。建前は、荷物おきだそうである。そして客室の外側に、スキー用の荷物置き場があり、きちんと収納できるようになっている。だからシュプール号として使われるのは、本来の使い方ではあるのだけれど。
 さて、コンパートメントにはこのほか、テレビ画面があり、映画などの放映が見れる。この日は、ユーロライナーの紹介ビデオ(テーマソングまで流れていた)と宇宙戦艦ヤマトだった。どうせなら銀河鉄道999にすればいいのに。ただしこれは、4号車(食堂車)でコントロールするので、これが編成に組み込まれていないと、何も写らない。カートレインもシュプールも、2編成にバラしての運用だから、一両しかない食堂車は組み込まれない。だから、現在は無駄な設備になっているのではないかと思う。それとも改造されたのだろうか。もうひとつ、飛行機も高速バスも音楽をイヤホンで聴けるけれどお仕着せなのに対し、ユーロはカセットデッキを備えていて、好きな音楽を聴けるのである。
 グループや家族はコンパートメントで自分たちのやりたいように過ごせ、かといって一人旅を排除するのでなく、ちゃんとオープンデッキの車両もあり、食堂車もあり、これは本当に至れり尽くせりのコンセプトだと思うのだ。ただしお座敷列車のように車内イベントはやりにくいかも知れないね。
 高山線は単線だから、列車行き違いの度に停車し、ホームから対向列車から、驚きと羨望の視線が、僕たちのコンパートメントの仲間でそそぎ込まれて、なんとも優越感に浸れる瞬間である。しかもわずかながらハイデッカーなので、周りの人たちを見下ろす格好になり、別に自分が偉いわけでもないのに、思わず胸を張ってしまいますね、ハイ。 古くなったとはいえ、まあこんな列車なので、長距離特急や新幹線には、いわゆる小さな個室ではなく、グループや家族で使えるコンパートメントを用意すればいいんじゃないでしょうか?

ちなみにこの後の行程ですが

 名古屋で1泊のあと、名鉄のパノラマカー先頭2階席最前列を利用。残念ながら近鉄は指定席がとれなかったので、臨時の「高速」(がら空き)で上本町まで戻ったのでした。高速という列車種別は特急と快速急行の中間に位置していて、臨時列車としてのみ走るんだよ。
 余談だけど、近鉄の22000系に一度乗りたいなあ。ビスタとかアーバンと違い、時刻表では運用側からず、まだ乗れていない。


探検の森入り口に戻る
表紙ページに戻る


PRESENTED by  TORAO
ジオシティーズの入り口へ このコミュニティの入り口へ ご近所を訪問する

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください