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 韓国の電脳世界(追補版)


  私が、ソウルへ着いてまず向かった先は韓国の秋葉原”竜山(ヨンサン)電子商街”。
 そこで多くの店をのぞいてきました (写真)。というわけで私が見てきた韓国のゲーム事情のレポートです。

 なお、現地調査が97年夏のため時代経過により通貨レート等現在の状態とかなり変わってる部分がある
ことをご了承下さい。(1999.12.4 追加)

  


竜山とは?

  ソウル市の南側にある街で、アメリカ陸軍の基地や、韓国陸軍の司令部があり、。   昔は日本陸軍の司令部があった古くからの軍都です。   電子商街と呼ばれるのは、国鉄駅西側の地域一帯の事を指します。   交通は 地下鉄ソウル駅からわずか2駅、5.6分で国鉄竜山駅へ到着します。   竜山駅は国鉄の重要なジャンクションであるため、かなり広い構内を持っていて、竜山電   子商街へ行くには長い跨線橋を渡らなくてはならないのですが、その跨線橋の通路の両脇   には目覚し時計の露店が時計の電子音をフルボリュームで鳴らしながら(それも何個も!)開いているので実にやかましい。   駅の改札口のあるビルは、「ターミナル電子ショッピング」という交通ターミナルになっていて、   B1:パソコン(主に業務用)   1階:バスターミナル。   2階:国鉄改札口、カメラ、オーディオ家電売り場。   3階:主にゲーム・パソコン関連。アニメショップもあり。   4階:部品販売の事務所。   そのビルを2階から出て、歩道橋(下がバスターミナルのため)を渡って降りると、   そこは駅ビルよりもディープな世界。   南北に伸びる通りに沿って、さまざまな小売店が並んでいます。   特に目に付いたのが、携帯電話、ポケベルの販売店。最近増えてきたそうです。   (上の写真に写っているのは、竜山電子商街 第17.18棟です。)

 アニメショップ・アニメグッズ

  韓国でもエヴァンゲリオンは人気を博していた(過去形)。アニメショップでも、かなりのスペースを   エヴァの商品に割いていた時期もありました。 ただ、竜山は、基本的に電器街なのでアニメショップの数は、   さほど多くはなく、小さな店が2,3軒といったところでしょう。   そのかわり小さい分だけ密度は濃いですが。     売っている物としては、日本のフィルムブックなど、絵が多く入っていて、言葉がわからなくて   も理解できるビジュアル系の本は置いてありました。(角川文庫のエヴァ詩集もアリ。)   ただ、アニメショップなのでエヴァコミックは置いてありませんでした。   メインはポストカードでしたが、絵のほとんどはいったいどっから引っ張ってきたのかと   思うような物ばかりで、日本の雑誌のイラストのコピーをそのまま移したり、映画のポスターのコピー、   関連商品のパッケージ(時計、サターンゲーム、)まんまのコピー商品がアリの、   トレーディングカードのコピーがプロマイドになってたり、某三鷹市のポスターのイラストのコピーと、   ガイナックスがみたら驚くような商品でいっぱいでした。  (実際、韓国ではコピー商品の追放運動が一部で行われており、雑誌の広告にもそのことが   書いてありますが、元々の商品の値段が高いこと考えるとコピーが流行るのも仕方がないことでは・・・)   ポストカードの一枚の値段は200−300ウォン(¥27−40)   プロマイドの一枚の値段は、300ウォン(¥40)   下敷き一枚の値段は、1000ウォン(¥135)   ポスター、タペストリーの類は、3000ウォン−20000ウォン(¥400−2700)   と、かなり格安。(コピーですから・・・)    韓国のプライズマシーン(UFOキャッチャー)にも日本のキャラクターが沢山ありましたが、   それらはおそらく製造元の中国、香港などから直接仕入れた物ではないのでしょうか。   韓国のゲーセン(韓国では、"電子娯楽室"といいますが)では、ほとんどが日本のゲームそのままで、   (筐体も日本のまま)表示もほとんど直されていません。   やっぱり人気なのは格闘系、スポーツ系、落ちもの系(テトリス、ぷよぷよ)で、場所をとるドライビング系や、   大型のプライズマシーンは置いてませんでした。   韓国のゲーセンの雰囲気は、一昔前の日本のゲーセンと同じで、中はかなり狭く薄暗いため、そとからは   ほとんど見えず、ゲームをやってるのはほとんどが野郎ばかり。   一回の料金は、200−400ウォン(¥27−54)で、結構お得でした。

  パソコン・パソコンゲーム

 「韓国の秋葉原」といわれることからパソコンショップが多いのかといえば、実際のとこはこれからといったところで、  まだまだ韓国の人にとっては高嶺の花のようです。パソコン価格自体も日本とほとんど変わらず、インターネットに至っては、  今年9月になって、「Yahoo・KOREA」ができたことからみても、これから発展する分野と見ていいでしょう。   パソコンゲーム(以下・パソゲー)は韓国内のほとんどがDOS/V機で占められていることから、   売られているのも当然Win95用がほとんどで、人気どころは、やっぱり美少女モノ・・・といいたいところですが、   日本のパソゲーの大半を占めるエロゲーは一切ありませんでした。もちろんこれは韓国の法的問題のためでしょう。   日本人が見ても相当えげつないシーンがあるのに、貞操観念が強い韓国において、あんなものが売られることはまずない   でしょうから(笑)。
  …ところが、確かに「表」での流通はされてませんが、「裏」での18禁ゲームの流通は結構盛んなようです。   各種ゲームのハングルパッチや韓国語バージョンが陰では流通しているようで…

  また日本で人気の”信長の野望”や”提督の決断”も一切売られていませんでした。理由は・・・、ゲームの内容  や 日本史の教科書を読めばだいたい解るはずです(笑)。


  ゲーム屋 

  龍山には案の定たくさんゲームショップがありました。   とはいえ、日本のソフマップやT−ZONEのような大規模な店はなく、すべて15畳   程度の小さな個人経営の店ばかりが軒を連ねていました。そこはまさに、「市場」といった雰囲気が漂っていました。   店には日本と同じで数多くのゲームポスターが貼ってあったのですが、   バーチャロン・KOF'96などわりと新しめのモノばかり。   それどころか”ときメモ”や”エヴァンゲリオン2nd・・・”・”卒業・2”まで・・・(笑)。   
  …既に韓国で発売間もないときメモ2が市場に出回ってるようです。(もちろんコピー品)【99-12-4】
  エヴァの「鋼鉄のガールフレンド」の発売予告もありました。   店の中はというと、ほとんどの店がソフトをショーケースの中に入れていました。   しかも値札が付いていないのが特徴です(笑)。   そしてゲーム機用のソフトと一緒にパソゲーを置いている店が多くありました。   そしてなぜか、そのようなところでこっそりとアニメCDが売られているのでした。   (3週間前に出たばかりのエヴァのシングルサントラも売られていました。)(爆)

  ゲーム機

  やはりというか、意外というか店頭に置かれているゲーム機はまだスーパーファミコンが主流でした。   韓国での名称は欧米と同じく、S-NES(Super Nintendo Entertainment System)ですが、   本体のデザインは日本と全く同じでした。   次にスーパーファミコンに勝るとも劣らない人気なのがセガ・サターンではなく、 サムスン・サターン(爆笑)! というのも、日本で格安電気製品で有名な韓国の家電メーカー   「サムスン(三星電子)」がサターンの互換機を発売していました。   もちろん正式な製品ですし、デザインも同じ。ただ色がメタルブラックでVサターンに似ていました。   またサムスンはサターンだけではなくメガドライブやピコといったセガ製品の互換機も発売していました。   しかもこちらはコードレスパッドが標準装備のものや、メガCDと接続できないが   価格は安い廉価版、そして日本で言うメガドライブ2の3種類が発売されていました。   とはいえメガドライブを実際に置いている店はほとんどありませんでした(笑)。

   ちなみに価格はバカ高!しかも、当時はドル高ウォン安。物価も急上昇。(地下鉄料金も50ウォンの値上げ  が されたばかり。1区400w−>450wへ。)  サムスン・サターンの定価は359000ウォン(約48000円)!    メガドライブも定価が今だ154000ウォン(約20000円)。当然割引はされているものの、 2〜3割程度。物   価が日本より安い韓国において、この価格だとゲーム機はかなり高価なもののようです。

   ではニンテンドー64やプレイステーションはと言うと、 確かどちらも正式に韓国国内では発売されていないハ   ズなのですが、置いてありました(笑)。 おそらく日本から非正規のルート(担ぎ屋)で入荷したのでしょう。 どこ   の店でも両者とも置いてありましたが、あまり盛り上がっていない様子でした。とくにN64は・・・・。

   ちなみに他のゲーム機だと日本ではあまり有名ではありませんが、韓国のあらゆる事業に 展開している財閥   「LG」から3DOの互換機(396000ウォン=53000円)がありました。 当然売れていませんでしたが(笑)。    最後に予想通りというかなんというか、台湾製の非正規のファミコン互換機やうさん臭 そうな謎のゲーム機が   一部の店で置かれていました(笑)。 ただ、全般的に一時いわれたほどの活気はなく、胡散臭さ、という点で   は台湾や香港に負けている感がします。


   (なお、ここではサムスン・ジャパンの呼称に従い「三星電子」でなく、「サムスン」と原文に近い形で呼んでいます。)

  
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