このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

この夏も鉄分補給。

 

 

 

 

東京夏の陣 2004

 

 

 

 

今年の盆休みはついに土日含んで3日間。
給料の伸びもボーナス金額も芳しくない厳しい経済状況の昨今、2年ぶりの夏コミサークル参加。

しかし、社会人とはいえ往復飛行機&ホテル泊というのはあまりに財布に優しくない。そこで考えた。

「…今年も汽車で行くか」

 

 

 

今回のルート(札幌→八戸→釜石→仙台→東京)

 

■2004年8月12日(木)

今年もこの場所に立つ。 一年ぶりの夜行急行の旅だ。
今回の旅のお供も「北海道&東日本パス」(以下「北東パス」)のお世話に。急行はまなすに乗れるこの味を知ってしまったからには
もう18切符には戻れない…

仕事が終わってから荷造りをして札幌駅に向かったのは20時。
「北東パス」ははまなすの自由席しか使えないので出発1時間前にはホームで並んでいたわけだが、お盆シーズン真っ只中ということもあり。
3両の自由席には長蛇の列。21時頃には各列15人ぐらいだったのが、アッと言うまにどんどん膨れてくる。
それでも自分の並んだ列に人があまり来ないので安心していたらその先にあった号車札には「禁煙」の文字がない。

道理で皆避けるわけだ

もっとも、昼間の列車ならいざ知らず、夜行列車で延々紫煙をくゆらせる人はいないわけだからあまり心配はしていなかったんだが。

21時50分頃ホームに急行はまなす入線。
相変わらずボロい車両だ。大阪万博の頃の車両だから齢35年。青函連絡船の深夜便の流れをくむこの列車は、新幹線が来るまで
頑張るのだろうか。自分はこのボロい雰囲気が好きなんだが。

車内は立ち席も出るほどの混雑。まぁ、一応今日は平日だし通勤列車の性質もあるんでこの混雑具合は致し方ないかと。

はまなすは定刻に発車。恵庭あたりまでは記憶があったのだが、当日までの仕事の疲れで一気に爆睡。
伊達紋別も函館も青函トンネルもぶっ飛ばして目が覚めた時には既に青森県。時計を見ると午前5時。

■8月13日(金)

と言うわけであっさり青森到着。

 

 

 

 

 

早朝から営業中の駅そばに群がる人たち

今年は日本海まわりじゃなくて太平洋まわりで行こうと決めていたので青森からは八戸行き気動車へ。

北海道東日本パスが普及してきたせいで、今まで18切符の利用者がいなかったはまなすの利用者のうち
かなりの数が東北本線の始発に流れており、結構な乗車率。
八戸での乗り換えを考えると時間に少し余裕があるのでどこか途中下車しようかと思ったが、そのまま八戸へ。

八戸で楽しみにしていたのが駅前のコンビニで売っている隠れ名物?「グラタンフライ
ネットじゃ「入手困難」とか「希少価値」とか言われてるけど…八戸に乗り換えなどで立ち寄るたびにいつも駅前のコンビニに
グラタンフライ求めて走るのだ。大体いつも入荷しているから。
…ところが今日はグラタンフライが入っていない。仕方ないので替わりに「お好みフライ」を購入。120円。
これは魚介類が入ったお好み焼き風の生地をフライしてソースがけしたもの。
見た目以上にずっしりと身が詰まっていて朝から食い応えがある。

駅のホームでグラタンフライをはぐはぐしながら小岩井コーヒー(小岩井は北海道では売ってない)で朝食。
次の乗り継ぎは、新幹線開業でJRから見捨てられたIGR(いわて銀河鉄道)で盛岡へ。

ポスターや構内放送でもやたらと「18きっぷでの利用はできません」の放送が。

北東パスの登場で利用者が減ったとはいえ、夏休み時期でもあり、列車に乗ること自体なれていない人にとってはIGRがJRじゃないなんて
言われるまで分かんないんだろうなぁ

 

 

 

 

 

 

…JRと同じ改札、ホームだし車両もJRのままだしね。

 

盛岡に向かうに連れ雲行きが怪しくなってきたと思ったら盛岡到着前には雨粒がぽつぽつと。
盛岡到着時には土砂降りの雨。乗り継ぎ時間で買い出しに出かけようと思ってたが、この雨で断念。
駅内のコンビニで昼飯購入。

私は今日の夜に仙台を出る臨時快速夜行「ムーンライト東京」の指定席券を持っていたので、このまままっすぐ東北本線を南下すると
15時頃には仙台に付いてしまうのでもったいないと思い、釜石行きの快速に乗り込む。
釜石は中学校の修学旅行で行ったきりなので町の様子の変わりようにも興味があったし。


釜石行きは快速とはいえリクライニングシートの立派な車両。一昔前なら急行で運転していたであろう速度と室内内装の列車だ。
この列車は花巻で方向転換するので逆向きで盛岡駅を発車。
盛岡駅を発車して暫くすると雨が上がって夏空が戻ってくる。窓外に広がる田園風景は、まさに夏の東北である。

新幹線接続駅の新花巻からはさらに大勢の人が乗車して通路まで人が一杯に。
13:34、釜石到着。14年ぶりの釜石は、新日鐵の高炉もなく、街中が少しがらんどうとした感じだった。

釜石からは第3セクター三陸鉄道の列車がすぐに接続しているのでそのまま地下通路を通って乗り換え。
三陸鉄道盛行き。(釜石にて撮影)

三陸鉄道はJRではないので別途運賃が必要になる。1050円。
これが青春18切符なら半額の530円。  

ムキー(:゜皿゜:)18キプーダケサベツデスヨ! なんて思ったところで仕方がないので車補で乗車。
開業20年という事で、開業時の新製車両もすっかりベテランの域に。この三陸鉄道のディーゼルカーも
簡易電車ばかりが増えた東北では「国鉄」らしい車両の一つになってしまったようだ。

車内風景。クーラー効いてます。

時刻表の路線図は太平洋沿岸を走っているが、実際はリアス式海岸の湾奥をトンネルと高架橋でぶち抜いて作った高規格路線。
トンネル→駅→海ちょっと→トンネル→駅の繰り返し。

それだけにたまに見える海がまぶしかったり。

 

盛駅に到着。田舎のひなびた駅だと思ったら構内にセメント車がいたり、ホームも2面3線、
意外と言っては失礼かも知れないが、かなり大きな規模の駅だった。

盛駅からは大船渡線に乗り継ぎ。

 

 

 

ちょこちょこ列車の行き違いがあったり。
気仙沼で仙台行き快速に乗り換え。
これで後はまっすぐ仙台に向かうだけ…

 

それで終わるわけがない。


前谷地で途中下車。

何ら変哲のない小さな駅だけど、ここから女川行き気動車に乗り換え。

日がだいぶ傾いてきて夕日がホームを染める中、夕日を背に東に向かって列車が走る。
線路際ぎりぎりまで生い茂った草が気動車の排気でなぎ倒される様子を見ていると、草原を分け入っていく不思議な感覚に襲われる。

宮城県台2の都市、石巻へ到着。
石巻と言えば石ノ森章太郎の出身地(ホントは近郊の中田町なんだが…)ということで駅前は石ノ森章太郎一色。

もちろん自販機も石ノ森キャラクター。

 

石巻からは仙石線で仙台に向かうだけ。
仕事で仙台に住んでいた頃は毎日仙石線で通勤したいたので思い出深い路線でもある。
当時は山手線お下がりの103系だったが、今は205系。 でもやっぱり山手線のお下がり。

ボタンで開ける手動ドアを開け、仙台へ向かう。

で、仙台到着。
私が住んでいた頃はまだ仙石線が地上ホームで、古色蒼然とした雰囲気の駅だったが、地下になってからは始めて来たので
何か別の駅に来てしまったような気がする。仙台らしくないというか…

でも正面はいつもの仙台駅。

久しぶりの本場はんだやで夕食の後、東北線ホームへ。

仙台からは臨時快速「ムーンライト東京」。しかも車両はファン垂涎、往年の名寝台特急用車両「583系」。
しかし、この車両寝台として使う分にはいいのだが、座席としてはいささか苦しい。しかもかなりの混雑。
特急用でもボックスシート。私のボックスは4人全て埋まっており、しかもまわりは大学生の団体。

寝台ではなく座席仕様での夜行運用。後悔したが今更遅い。このまま東京までじっと我慢の子であった。

■8月14日(土)

ろくに眠れないまま、うつらうつらしながら夜を過ごす。
白河駅で3時間も運転停車するとは…時間調整激しすぎ。


大宮到着でかなりのお客が下車。
幸いにも天気は晴天。暑くなりそうだが去年のように雨に降られるよりはずっとマシ。

武蔵野貨物線から京葉線へ。
途中、西船橋で運転停車した時には早朝にもかかわらずホーム一杯のカート引きの人々。
行き先はもはや言うまでもなく有明だろう。私もその一人だが。

京葉線の途中駅ホームではカメラを抱えた人たちがちらほらと。ねらいはこの列車か?

7:47。京葉線東京地下ホームに到着。

あちこち回って来てしまって地下から東京に潜り込んだような格好になったせいか別な「東京」に来たような気が…

 

 

さて、ビックサイトへ行こうか。今日はサークル参加だ。

 

【完】

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください