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帰途の船旅
1998年8月23日未明
【 ムーンライト九州 京都到着前車内放送 ストリーミング再生 191KB 】( 一括Download )
日曜の朝の京都駅に列車は到着。
前回の旅ではまだ工事中だった京都駅もすっかり完成し、その未来都市のような姿が古都に映えていた。
昼過ぎの山陰線の列車に乗り小樽行きのフェリーが待つ舞鶴へ向かう。
フェリーはこの日の夜2330に舞鶴を出航し、翌々日の400に小樽に到着である。
途中、小浜線が電化工事の為列車が運休しており、代行バスが運行していた。
路線工事で運休中の小浜線は綾部駅よりJR西日本の代行バスが運行。 撮影:綾部駅
【 小浜線代行バス 車内放送 .rm File 34KB 】 ( 一括ダウンロード )
代行バスはほぼ線路に沿って走り、あちこちで電化工事中であることを示す真新しい架線柱や
工事用車両があちこちに見受けられた。
代行バスは20人ほどの客を乗せ新しい高架駅の東舞鶴駅に到着。
フェリー乗り場へは歩いて向かう。徒歩で40分近くかかる距離だ。
まず乗船手続きを済ませ、ターミナルに荷物を置き再び東舞鶴駅前のスーパーでフェリーでの
食料を仕入れに戻る。
カップ麺やマクドナルドの半額バーガーなどを仕入れ再びターミナルへ。
夕方着いたときには長距離トラックばかりだったのだがいつの間にか一般のお客さんも集まり始めていた。
お茶とハンバーガーで夕食。その後待合室で待つこと3時間。23時近くになってようやく乗船が始まる。
2等船室はほぼ満員。夏の終わりにしてはけっこうな乗客である。
舞鶴からの新日本海フェリー「フェリーらべんだあ」 さすがに準2万トン級の船だけあってほとんど揺れない。
1998年8月24日
前日までとは打って変わって空はどんよりと曇っている。
陸地の見えない海原を進むフェリーの中では非常に退屈である。
船中では衛星放送を見ることが出来るし、ビデオ上映会などもあるがやっぱり退屈である。
ひたすらごろごろしたあと展望風呂に入る。
夕日でも見れるかと思ったが太陽の姿すら見えない上に風呂の窓は東側。
28時間半の船旅は身体を休めるのには非常にいいが一人では何かと退屈である。
海原を眺めながらこの旅のことを思い出す。
稚内を出発してから2週間。過ぎてしまえばあっという間であるが……
旅の終わりはいつも空虚感と寂寞感にとらわれるのである。
3年前の初めての九州旅行、昨春の沖縄、夏の韓国。
私の大学時代は旅によって彩られてきたが、いよいよこの夏が学生時代最後の夏。
たぶん夏にこんな長旅が出来る機会はもう二度と無いであろう。
だからこそもうこんな夏は2度と来ないのか、と言う想いが一層旅の終わりを強く感じさせるのである。
翌朝、午前四時。夜が明け切らぬまだ暗い小樽港に船は着岸。
北の大地の空気はほんの少しひんやりとしていた。
あの暑かった夏が幻であったかのように。
長らくの連載におつきあい頂きありがとうございました。
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1998/9/19 ろーれる
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