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新興他社勢力

スカイマークエアラインズ(SKY)との比較

SKYは親会社の「H.I.S」が全株式の51.2%を保有しHISの子会社となっている。
また、保険の方もAIRDOが東京海上火災保険なのに対して、安価な安田火災海上保険
のが特徴的である。(航空企業の保険は莫大な保険料がかかるのである。)
さらに、SKYは機体広告で収益を上げるのに対し、AIRDOは機体広告をしていない。
(後にAIRDOも機体広告を行うがロゴ的な広告に留まっている)
機内サービスは大手3社よりも簡素となるが、SKYが飲み物、菓子、新聞・雑誌の備え付け
があるのに対し、AIRDOは機内サービスは一切無い。(それだけ無駄を廃したと言うことである)

また、SKYが経営的に親会社の強力な支援を受けられるのに対し、AIRDOは実質的な親会社を持たず
経営的な安定性に若干不安が残る。(1月に京セラが5億の追加出資を決め、筆頭株主となったことから
今後、経営陣に京セラ陣営が参入する可能性がある。)

スカイマークエアラインズは99年3月までだった当初の半額運賃(\13700)を4月以降段階的に値上げ
することを明らかにした。
ただ、これは値下げ攻勢で対抗してきた大手に対する牽制策であろう。
4月以降は福岡−伊丹の参入が決定しており(運賃は¥10000前後)空だけでなく地上をも競争相手に
見据えたものであろう。

だが、大阪発着便の搭乗率の低さは格安運賃を持ってしても抗うことができず、
(ほとんどの便が採算割れ)2000年7月1日、ついに札幌、大阪からの撤退となったのである。

990226■スカイマークエアラインズ札幌支店開設へ(道新)

新千歳—伊丹(大阪)線の4月24日就航を目指しているスカイマークエアラインズ(本社・東京)は3月1日に
新千歳空港ビル内に札幌空港支店を開設する。また、旅客・運航担当など十六人の態勢で、札幌線就航まで
には札幌市内に営業拠点となる支店も設ける。

 同社によると、309人乗りのボーイング767—300ER型機を1日2往復させる計画で、予定ダイヤは
伊丹発    800(新千歳着945)と1320(同1505)。
新千歳発  1035(伊丹着1230) と1555(同1750)

 空港支店の人員は、支店長、副支店長のほか旅客担当十二人、運航担当二人。新千歳での旅客、運航業
務を全日空に委託するため、旅客担当は業務全般を統括し、運航担当は将来の業務自社化に備え、運航に
関する情報を蓄積する。すでに新千歳空港ビル三階に事務スペースを設けて社員の訓練に入っており、支店
開設後は三月末までに業務マニュアルを作成。四月上旬には慣熟飛行と運輸省の路線審査、施設審査を予
定している。清水政則支店長は「運賃は免許取得後に公表するが、道民に魅力的な運賃設定で需要を掘り起
こしたい」
と話している。

990309■スカイマーク、得割攻撃の前に大打撃 〜井手社長、運賃値上げを示唆〜(讀賣)

 羽田−福岡線を格安運賃で参入しているスカイマークエアラインズは3月1週(3/1-7)の搭乗率が前週比
20%減の61.3%に落ち込んだ。(2月1ヶ月間の平均81.3%)
その一方で大手3社は同路線で2-3%増となりスカイマークの搭乗者数の減少分をそのまま獲得した形に
なっている。このため、搭乗率ではスカイマークを大手3社が上回る事となり、座席供給数の関係上スカイ
マークにかなり不利な状況となっている。
 これを受けて8日、井手隆司社長は福岡市内の講演で「この搭乗率が続けば値上げを考慮せざるを得ない」
と述べ、7月以降の値上げを示唆した。
 搭乗率の低下理由としてスカイマーク等の対抗策として大手3社がスカイマークと同等の得割運賃を拡充
したのが原因であると見られる。
同社では昨年9月の参入当初、今年4月からの運賃値上げをする方針であったが、搭乗率が80%で推移
していたため大人片道13700円の運賃を6月まで継続する事を決めた。
 ただ「搭乗率が低下すれば半額運賃を設定する前提が崩れる」としており、7月以降の運賃は値上げを
視野に入れ、今後の推移を見守るという。

000425福岡—羽田線は倍増 スカイマーク大阪発着便全廃 新規参入の“限界”?【西日本新聞】

格安運賃で知られるスカイマークエアラインズ(本社東京)は24日、不振の福岡—大阪(伊丹)、大阪—札幌の二路線を7月1日
から廃止
し、利用が多い福岡—羽田線に集中させ、同路線を七月上旬から倍増の一日六便(往復)にすると発表した。
国内航空業界は運賃自由化などで競争が激化しており、同社の
大阪便廃止は経営効率化の一方で、新規参入の“限界”
を示したともいえそうだ

 スカイマークは一九九八年九月、福岡—羽田線(一日三便)で運航を始め、99年4月に福岡—大阪線(同一便)、大阪—札幌
線(同二便)を増設した。福岡—羽田線の利用率は約80パーセントを維持してきたが、大阪発着の二路線は便数が少なく、他社が
対抗値下げをしたこともあり、平均利用率は50パーセントを割り込んだことで、採算ベースに乗せきれなかった。

 同社が現在所有している航空機は二機。羽田空港の発着枠増に伴い七月以降、新たに三便の配分を受けるのに合わせ、一時
は、中古の旅客機をリースする計画だったが、大阪発着便の収益向上は容易でないと判断。むしろ、福岡—羽田線に現行二機を
集中投入することで、経営基盤の強化を図ることにした。

 福岡—羽田線は、航空各社全体の利用者数が九九年の速報値で約七百七十四万人。羽田—札幌線に次ぎ世界第二位、対
前年伸び率も一〇パーセントで、「ドル箱路線」といわれる。それだけに「便数を倍増させても、利便性の向上で収益増につながる」
(スカイマーク)との読みもあるようだ。

スカイマークがついに札幌から撤退である。
便数が少ないまま全国に路線を広げたものの結局は便数の少なさや他社の価格攻勢が災いして命運尽きたと言えよう。
AIRDOも他地区への路線拡充を考えているようだがこのような先達の姿を見ては…先行きに暗雲が立ちこめているようだ。

 


レキオス航空(LQS)【LEQUIOS AIR LINE】

以前、那覇−羽田間の運行開始を目指して設立された「サザンクロス」が社名変更したものである。
過去の報道で資金繰りの関係で航空事業を断念したとのとであったが、98年10月に全株式を現知念
社長らに売却し、同氏らが経営を引き継いだ。98年11月に社名を「レキオス航空」に改め、羽田の発
着枠が拡大される21世紀初頭(2000年4月)を目標に開業準備を進める事を発表した。
レキオス航空はAIRDOと同様地元の企業が出資し沖縄県民の航空会社を目指しており、当面は
那覇−羽田間の通常の半額の運賃で新規参入する考えを明らかにしている。
運行計画は当初羽田ー沖縄間を1日1往復(2便)、2ヶ月後に2号機を導入した場合、1日2往復(4便)
を予定。将来的に台湾や上海などの近隣アジア諸国の国際線に進出を考えている。
機材はB767クラスの機体をリース調達する計画。


今後、県民対象の小口株主・公募増資により資本金を10億円に拡大し、さらに沖縄県内、本土、
海外資本の導入を数次にわたり行い、最終的には50億円とする予定である。

99年6月までには客室乗務員、パイロットの採用内定を予定しており、同時期に機材調達の最終決定を行う。


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