２ヶ月ぶりに３月６日から働けることになった。２ヶ月間、就職活動をしていたけど、実際面接に行った数は実はそれほど多くない。 ２つの派遣会社に登録、研修を受けた。 月曜日はアン、Ｊ−ｏｎｅ、サリダ、火曜日はフロムエー、水曜日はとらばーゆ、木曜日はアン、Ｊ−ｏｎｅの発売日。バイト・就職情報誌に いい職がのってないかを待ち焦がれた。日曜日は新聞の求人折込広告がたくさん入る。ハローワーク（職安）は、近江八幡よりも草津、大津の方が広範囲での求人を探すことができる。 それぞれでみつけた会社に面接を受けに行った。 ５個の面接に落ちた。でも、履歴書はもう少し多く書いた。面接の約束をしたのに行かなかった会社もある。

履歴書を書くのは結構めんどくさい。結構書いた所で間違えると、すごい腹立たしい。ヤケになって誤字のまま提出したりもした。 面接に行く前から、「どーせ、また落ちるねん、決まってんねん、あほらしーわ！」と面接に行くことをやめたこともあった。 「まあ、落ちるやろうけど、受けに行ったるわ。へっ、ばかにしやがって！」と捻くれて面接を受け、案の定落ちる。 面接の受け答えの仕方に反省もせずに、同じように受けに行って、同じように落ちたりした。

　友達は皆働いていて、働いていない私は日本に取り残されていくように感じた。職を求めて職安に溢れかえる人達。いつだって、職安は混み混みだ。 「なんでこんなに仕事がないんだ！なんでこんなに不景気なんだ！どうなってるんだ！政治家しっかりしてくれよ！日本の経済を立て直してくれよ！ 若年層の就職難、中高齢層のリストラ、政治不信からくる益々の経済悪化。ワイドショー化するようにしか見えない国会答弁。私達の血税で多額の給料を得ている政治家達の だらしなさに腹が立つ！しっかりしろよ！！現状をどうにかしてくれよ！！」仕事がなくて時間が有り余っている私はワイドショーやニュースを見る時間がいっぱいあり、その政治のニュースを見て 腹を立てた。政治のことなんて全く分からない、今まで感心を示したことも、分かろうとしたこともなかったのに、 仕事が決まらない苛立ち、不安、焦りのぶつけ所は、私の中で政治へと集中して、友達と話すときも分かってないのに政治批判してみたりした。人のせいにしたかった。

　仕事のある友達が、仕事の愚痴や悩みを言っても「仕事があるだけ幸せやん」という思いが膨らみ、相談にのる心の余裕なんて無かった。最低だ。友達と連絡を取らなくなった。 友達が「彼氏ほしいー」といつも言ってることに、「そればっかりかよ！！」と私が切れた時に、「それと同じように、にしはいつも仕事ない、仕事ないって言ってるよ。それしか言ってないよ。」 と指摘されたけど、「フン！！」って感じだった。すべてがむかついた。八つ当たりだ、最低だ。

それでも友達は、「まだそんだけしか面接受けてないのかー。そんなんいっぱい落ちてる内に入らへんで。何十社と受けて落ちるのが当たり前やってー。まだまだこれからやん。」と言ってくれたり、 面接のアドバイスをしてくれたりした。「すぐに仕事が決まったら、なんやすぐに見つかるやんって思って、ちょっと辛かったらすぐに辞めてしまったかもしれんけど、長い間決まらんかって、決まった仕事なら 簡単に次の仕事が見つからへんって分かってるから、頑張れるやん。もっと長い間仕事が決まらんかった友達だって、結局いつかは決まっていってるし、大丈夫やって。」と励ましてくれたりした。すごい救われた。 泣きそうなぐらい、友達は大事だと思った。私はそれでも、いつでも、八つ当たり、人のせい。最低だ。

　面接を受けた数からも分かるように、頑張ってるかのように見せかけて、家でダラダラ過ごす日がすごく多かった。職安に行っても、いい求人がみつからなかったら、次の面接の予定もできず、「もう終わりだ！」っていう気分が 毎週続く。頼みの綱、派遣会社。登録したにも関わらず仕事の紹介は全くない。「仕事をはじめるにあたってのマナー研修」では派遣に登録したばかりの １３人の人と一緒に研修を受けたが、どの人も、事務、経理などの経験が３年、５年などのキャリアのある人達で、キャリアなんて無い私に仕事の紹介が来るわけがない。でも、こういう研修に行ったからこそ、「今は事務の経験を積めるように仕事を探していこう。」 という気持ちが緊張と共に高まった。

　もうこのまま４月まで決まらんかったら、もう無理やわ、あかんわ、終わりやわ。そんなふうに考えてた。切羽詰まっていた。それでもダラダラしてる日もあった。そしてよけい焦った。 「どうせ落ちる」そう思って受けに行くから落ちる。「私は受かる！と思って受けに行かなあかん！！自己暗示が大切！」と、一緒に仕事を探していた友達に言われた。 「なんで、そんなに落ちるん？」と素朴な疑問かのように、悪意なく聞いてきた友達に「不景気やから」と答えたけど、ちょっと自分の面接の受け方を反省してみると、 「はぁ、へぇ、ほぉ」という人の話を聞く時のやる気の無い相槌が、すごい悪印象なのではないかという気がしてきた。友達にそれを言うと「そりゃーあかんわー！」と笑われた。 一緒に仕事を探していた友達と、昨年大ヒットしたという映画、「千と千尋の神隠し」を見に行った。仕事をしない者は動物に変えられる。欲望のままに食べると豚になる。信じることが愛。そんな映画だと私は捉えた。 一番心に残った場面は、千尋が「おまえのする仕事はここには無い。手は足りておる。」と言われても「働かせて下さい！！ここで働かせて下さい！」と熱心に言い続けた所だ。 一緒に仕事を探していた友達と「これだ！！」と言い、「次、面接に行った時は、これを使おう。」と、冗談半分で言い笑った。私は半分本気だった。

そして、「私はこの会社に受かる。という自己暗示」「やる気のある相槌と言葉」「ここで働かせて下さい！！という熱意」これを持って、面接を受けに行った。そして受かった。 運が良かっただけなのかもしれない。もう、何が原因であろうと、受かって本当によかった。

　なんかもう、わけのわからんことをダラダラと書き続けてきたけど、何が言いたいのか全く分からない。 仕事がしたくても、仕事が無い時の状態は、心を狭くし、悲観的になり、回りが見えなくなってしまう。 仕事が決まって、それがよく分かった。今の私は、政治批判も前ほどしないし、友達の仕事の愚痴や悩み相談も聞けるし、八つ当たりもしない。 それって、当たり前のことやけど。当たり前の状態に戻れた。

こんな、仕事が決まるまでの自分勝手な悪戦苦闘記なんて書こうとしたんじゃない！！ 「これから」っていう題名をつけたのに。３月から働く職場はどんな職場か分からず、 仕事は「一般事務」仕事内容は「伝票入力」と面接官は言っていたけど、伝票入力だけじゃないだろうし、もしかして以前の職場で私の苦痛としていたお茶くみや雑用の仕事も あるかもしれない。でも、そんなことぐらい、何てことない。仕事があるって何て幸せ！何でもやったるでー！ 新しい環境に不安はあるけど、仕事が無かった不安を忘れずに頑張っていきたい。 それで、その環境に慣れてきたら、ＷＥＢ関連の勉強をするために、資格取得のために、将来へ向けて、土日や夜の専門学校へ通いながら仕事を続け、 知識を習得したら、すばやく転職、一人暮ししよう。本当は、お金を貯めてから仕事を辞めて学校へ行って、それと同時に一人暮ししようと考えていたけど、 友達に「仕事しながらでも学校行けるやんー。お金が貯まるの待ってたら年食うだけやで。早く動いていかな。」という意見をもらい、それはそうだと考えて、 早く動いていくことに決めた。人の言葉に影響されながら、日々、計画が変わっていく感じもするけど。 まだ仕事も始めてないのに、転職まで考えてるのかよ！！という気もするけど。

何よりもの不安は、この２ヶ月で、さらに太さを増した体に制服が入るかどうか。ということだ。

(2002,2,27)

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