左からフィルター、マシーン、 ペーパー、タバコの葉っぱ。

しかし！２５本入りのタバコ一箱が、なんと９ドル、１０ドルもしてしまうのだ。(1A$=約60円）高い！ 貧乏な生活を営むワーホリの人々にとって、いや、ワーホリじゃなくても、オージーにとっても、とても痛い出費だ。高すぎる。そこで登場するのが巻き煙草だ。 普通のタバコに比べてだんぜん安くつく。タバコの葉っぱと、巻くためのペーパーと、フィルター、占めて約２０ドルで、１週間は持つ。でも、手で巻くのは困難だ。始めのうちは、ヘタクソで葉っぱをうまく詰めることができず、 スカスカになり、すごいまずいタバコになって、よけいイライラする。しかし人間は成長するものだ。コツをつかむと、かっこよくすばやくタバコを作れるようになる。しかし私には無理だった。何度練習しても、まずいタバコしか作れない。 そんな人のために、マシーンが売っている。マシーンにフィルターと葉っぱをセットし、ペーパーをはさんでクルクル、パッ。あっというまに、葉っぱのつまったオイシイタバコの出来あがり。マシーンにもピンからキリまであるらしいが、 もちろん最も安いものを購入した。$4.50安い。このマシーンがあるだけで、私のタバコライフは快適なものとなった。

ワーホリでラウンドをしている人は、ほとんど貧乏なので、ほとんどの人が巻きタバコを吸っていた。「うまく巻けないんだよねー」なんて人がいたら、さりげなくマシーンで作ってみせて、「すごーい！！はじめて見たよ、タバコ巻き機！」と、感動されたりして、 ちょっといい気分を何度も味わうことができた。安いのに、やるな、マシーン。

マシーンがあるだけで、英語の堪能でない私も、一躍各国の旅行者の人気者だ。３分ぐらいの短時間だけど。「これを、こうやって、こうやって、ほーら！」英語をしゃべらなくても、作ってみせるだけで「oh-!fantastic!!」と感動される。やるな、マシーン！

左が普通のタバコ、右がマシーンで作った巻き煙草。 少し小さく細い。フィルターぎりぎりまで吸う、貧乏根性。

巻き煙草は、種類が豊富だ。おなじみのマルボロからドラムなど、いろいろある。はじめの頃は、何でもいいやーって安いものを吸ってたけど、すごい香りのいい、香ばしいタバコ、CAPSTANを発見してから虜になった。 香ばしくておいしいー。その後、旅の途中で甘いタバコの存在を教わり、吸ってみたらCAPSTANよりも香りがよく、さらにおいしかったので、そっちに変更した。Port Royalだ。２種類あって、ラム＆ワイン味の方が、すごい甘くておいしい。バーボン味の方は、あんまり甘くないので 買う時は注意が必要だ。そしてもう日本への帰国がせまった時、BANKというチョコレート味のタバコの存在を知った。Port Royalよりおいしいで、これー。もう日本へ帰るのに、なんで今頃知ってんろう。もっと早く教えてほしかったーと後悔した。 悔しいから、自分へのお土産として、３パック購入して帰ることにした。メトロ（スーパー）で、「バンク、３個ください」と言うと、店のおっさんが驚いた顔をして、「国に帰るお土産かい？わおー！」と言った。「はっはっは」と笑っておいた。

日本に帰って来てからも、しばらくは巻き煙草を捨てきれず、ファミレスでも気にせずにマシーンを使って 巻いて吸っていた。多分、「いやだ、あの子何吸ってんの？やばいもの吸ってるんじゃないの？！」なんて思われてたことだろう。 友達に、「これチョコレート味やでー」と吸わせたが、誰も同意してくれなかった。「外国の煙草の味がするー、まずい」と言われた。私の舌がおかしいのかもしれない。

マシーンによって、一瞬人気者になれたけど、すごいヘビースモーカーになってしまった。恐るべし、マシーン。

(written in 2002,2)

バイロンベイに行った時に、 無料でバッパーにおいてあった、携帯灰皿。 フィルムケースにシールを貼っただけのものだが、 なかなか重宝した。