1999年6月から7月にかけて、 5週間で3回も摩周湖を訪れました。
1回目の6月8日は雨模様で、空も湖も灰色にくすんでいました。
2回目の6月27日は濃霧。 第二展望台(裏摩周)では、いくらか霧が晴れて湖を望むことができましたが、 第三展望台に回り込んでみると、真っ白で何も見えませんでした。
3回目の7月11日は晴れ。 3度目にしてようやく、 瑠璃色の水をたたえる神秘の湖を望むことができました。
摩周湖は急峻な外輪山に囲まれたカルデラ湖のため、 湖岸に近づくことはできません。 自家用車やバスで訪れることができるのは、 外輪山の尾根に作られた3ヶ所の展望台、 すなわち、 西側の第一・第三展望台と、 東側の第二展望台だけです。
このページでは、 それら3ヶ所の展望台からの風景を紹介します。
弟子屈から摩周湖に登っていって最初にたどり着くのが、 この第一展望台です。 駐車場・トイレ・レストハウスが整備されています。 駐車料金は410円(冬季は無料)。駐車券は硫黄山駐車場と共通になっています。
摩周湖の3つの展望台のうち、最もよく整備されています。 観光シーズンには、大型観光バスがひっきりなしに到着し、 たくさんの観光客で賑わいます。 (悪く言えば、最も俗化している、ともいえます。)
また、第一展望台は、摩周岳の登山口にもなっていて、 ここから外輪山の尾根伝いに歩いて摩周岳に登ることもできます。
ここから湖を眺めると、 左にカムイシュ島、右に摩周岳(カムイヌプリ)、という構図になります。 ガイドブックや絵葉書で紹介される摩周湖の風景は、 ここからのものが最も多いように思います。
冬期は弟子屈〜第一展望台間に限って道路の除雪がなされるので、 一年を通じて車で訪れることができる唯一の展望台となっています。
ガイドブックや絵葉書によくありそうなアングル。
展望台の端のほうには、エゾスカシユリが咲いていました。
3月中旬、摩周湖は全面結氷していました。
第一展望台の北寄りにあるもうひとつの展望台が、 この第三展望台です。 弟子屈側からだと、第一展望台から車で5分ほど、 川湯側からだと、 曲がりくねった山道をちょうど登りきったところです。
駐車スペースは、道路沿いに30台分ほど用意されています(無料)。
展望台以外に観光客向けの特別な施設はなく(トイレもないので注意!)、 観光バスもあまり立ち寄らないようなので、 第一展望台より落ち着いた雰囲気です。 (駐車料金を惜しんでこちらだけに立ち寄るのも悪くないと思います。)
ここから湖を見ると、 摩周岳とカムイシュ島がほぼ同じ方向に見えます。 私は、第一展望台よりこちらのアングルのほうが気に入っています。
湖の反対側には、 川湯、硫黄山、屈斜路湖方面のパノラマが広がっていて、 そちらの眺めもなかなかのものです。
摩周岳の手前にカムイシュ島が見えます。
湖の北半分。 湖水の青さに魅せられてレンズを向けたのですが、 Webの写真では、微妙な色の加減まで伝えきれないのが残念です。
第三展望台より屈斜路湖・硫黄山方面を望む。
霧の中にかすかに浮かび上がるカムイシュ島。 この日は湖面に霧が立ちこめ、風によって湖面が見えたり隠れたりしていました。
第一・第三展望台の反対側、
清里峠
から脇道を入ったところにあります。 摩周湖の3ヶ所の展望台のうち、最も訪れる人が少ないであろう場所です。
第一・第三展望台は、 阿寒湖、屈斜路湖、川湯温泉など、他の観光地からも比較的近く、 主要な国道からもアクセスしやすいので、 メジャーな観光ポイントになっているのですが、 第二展望台は、やや道路アクセスが不便なこともあって、 一般的な観光ルートからは外れていて、 知る人ぞ知る「隠れた名所」となっています。
第二展望台は、第一・第三展望台より湖面に近いため、 湖の眺めはかなり違った雰囲気です。 また、第一・第三展望台より霧がかかることが少なく、 その意味でも、摩周湖観光の「穴場」といえるでしょう。
網走方面からは、小清水町・清里町を経て1時間強、 弟子屈からは、養老牛(中標津町)を経て50分ほどです。 清里峠(清里町と中標津町の境)の頂上付近から展望台に分岐する道へ入り、 3kmほど坂道を登ったところに、 駐車場(無料)と展望台、それに小さな土産物屋とトイレがあります。
第一・第三展望台からは、いったん弟子屈へ出て養老牛へ迂回するか、 川湯から
野上峠
を越えて緑(清里町)から回り込むかしなければならず、 どちらのルートをとっても1時間ほどかかります。
第二展望台から見た摩周湖。 摩周岳の麓が湖の左に見えます。
上の写真を撮るほんの数分前は、 このように濃い霧に包まれていました。 ここを訪れて、霧で何も見えなかったとしても、 すぐにあきらめて帰ってはいけません。
2002年夏、摩周岳の東側の西別岳(標高799m)に登りました。 頂上付近の尾根道からは、摩周湖の北辺と摩周岳のカルデラを望むことができます。 特に、尾根道の途中のピーク(通称リスケ山)や、尾根の鞍部(ゴクラク平)からの眺めはすばらしいです。
この日は標茶町の登山口から西別岳頂上まで往復しましたが、時間に余裕があれば、西別岳からさらに尾根伝いに摩周岳山頂まで歩くこともできます。
西別岳登山道途中のピーク(通称リスケ山)より摩周湖と摩周岳を望む。
清里峠(第二展望台の入口)から清里町側に8kmほど行ったところから林道に分け入っていくと、 青緑色の水をたたえた池があります。 摩周湖の伏流水が湧き出してできた池といわれており、 「神の湖(カムイトウ=摩周湖)」の子という意味で、 「神の子池」と名付けられています。
静かな林に囲まれた神の子池。
青緑色の湖水がなんとも神秘的です。
川湯温泉の近くにある、硫黄の蒸気がもうもうと噴き出す岩だらけの山です。 かつては、囚人たちの強制労働によって、硫黄が採掘されていたそうです。
摩周湖の川湯側入口の近くにあり、 摩周湖と同時に立ち寄る観光客が多いようです。 駐車券は第一展望台と共通化されています。