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食事に付いて
(3月30日)

  久しぶりに里芋の煮たものを食べたが美味かった。勿論自分で作ったものである。醤油、砂糖、ダシの素で味付して作った。同じようにして作ったレンコンの煮物も美味しいかった。中国料理には、このような煮物の味は無いので自分で作るのである。中国にはお惣菜屋は殆ど無いし、有っても油っぽい油の揚げ物が多い。自分で作った料理を自慢しているわけではないが、やはり自分で作った煮物は美味しい。しかし一人暮しなので、一度煮物を作ると、2,3日はそれが続くことになるのが玉に傷である。

  お惣菜屋と言えば、油っぽくない鳥の唐揚を売っている所がある。これはケンッタッキーフライドチキンの、あのチキンのような物である。つまりあまり油っぽくなくカラッと揚げてあるものであるが、どうもこの作り方は、マクドナルドなどが中国に進出してから、中国で真似て作り出したのだと思う。やはり本来の中国料理の揚げ物は、かなり油っぽい。

  会社から帰る時、バス停の前にある店で、時々鳥皮の唐揚げを買って帰るが、ブスッとしている店員が、私の顔を見ると少しは愛想が良くなるように思える。老爺(私のこと。そう言われる。尊称でもある)が、一番安い鳥皮の唐揚げを、それも少しだけ買って行くので、私のことを覚えたのかもしれない。少しだけ買ったつもりでも、結構な量を詰め込まれてしまって、同じビールのつまみが三回ぐらい続くことになる。

  料理を作るといっても、あまりまともな料理は作っていない。せいぜいカレーライス程度である。よく中国人から家で何を作っているのかと聞かれるが、一番簡単な料理なら、キュウリやトマトのサラダ、と答えるが、これは洗って切って、塩を振り掛けただけのものである。中国人からするとこれは料理の中には、入らないのかもしれないが、これも新鮮なうちは結構おいしい。中国人はキュウリやトマトを煮て食べる。生ではあまり食べない。まして塩をかけて食べるなんて方法は無いようである。中国料理の食堂に、塩などは置いてない。家に帰ってビールを飲みながら、生野菜と、前に書いた鳥皮のから揚げを食べていると、それだけで腹が一杯になり、それで食事はお終いになったりする。

  中国人から中国料理を作るかとよく聞かれるが殆ど作らない。たまにはインスタント食品を利用した、かに玉なども作るが、これはこちら風の中国料理とは言えない。インスタントでも日本の味はおいしい。何しろ自分で作れば油をほとんど使わない。あるホテルの朝食で、目玉焼きを作ってくれるところがあったが、そこでは油の中に目玉が浮いていた。何しろこちらの人は5リットル入りの大ビンで油を買っていく。

  米のご飯はいつでも食べられるように、一食分に分けてパックして、冷凍保存しておき、解凍加熱して食べる。自分で炊いて食べるお米は、中国料理の店で出るご飯よりずっとおいしい。レストランで出るご飯は、あれはどうもご飯を炊くというより、煮て作ったご飯と言うほうがふさわしい。そしてあまり炊き方には、こだわらないようである。中国人に聞いてみたが、レストランのご飯をおいしいいと言って、ご飯について誉めるたり、評価することはないと聞いた。自分の家のご飯の方がおいしいと書いたが、私などは日本料理屋のご飯の方がもっとおいしかったので、それをまた食べに行きたいと思うほどである。

  日本には昔から釜というご飯専門の道具があったが、中国には無いらしい。言葉にしても日本では、ご飯を炊くと言って煮るとは言わない。中国語に炊くと言う言葉があるにはある。しかしは普通はご飯を煮ると言う。今は中国でも、電気釜が売られているが、加圧できない電気釜も売られている。これだと、餃子を蒸したり煮たりするには都合が良くできているが、加圧してご飯を炊くことはできない。私のところの釜は加圧できる日本のメーカーのものである。

  日本にはご飯をおいしく食べる方法がたくさんある。例えば、ふりかけを掛けて食べる、海苔を載せて食べる、生卵を掛けて食べる、納豆と一緒に食べる、漬物や佃煮と一緒に食べる、雑炊やおじやにして、ちょっと味をつけて食べる。炊き込み御飯にする。どれもご飯をおいしいく食べる方法である。お粥と漬物の組み合わせも美味しい。梅干と食べるのも、お粥を美味しく食べる方法である。中国ではご飯と漬物との組み合わせと言ったら、多分貧しいイメージではないかと思う。

  どうも中国でのご飯と言うと、腹を満腹にするだけの食べ物のように思える。中国の乾燥した西の方では米が作れない。北京あたりでも米の栽培を見たことがない。だから中国の西の方では米を食べない、と言うか食べられない。それでお米を有難がらないのかもしれない。中国では南の方が米が文化、北の方では小麦の文化とも言う。私の住んでいるところは北のほうの北京であるが、しかし実は中国でも、北の方もまた米ができる穀倉地帯である。その関係か北京でも米はたくさん食べられている。中国の東北地方で出来る米は美味しい。そう言えば、中国の朝鮮料理にも石焼ビビンバという米を中心にした料理がある。これは美味しい。中国の東北地方、特に吉林省の東には朝鮮族が多く済んでいて、朝鮮族の作る米は美味いと言われている。もしかしたら朝鮮族は日本人と同じく、お米を有難がる民族なのかもしれない。

  あまりおいしくない米でも、お粥にすると結構食べられる。お茶漬けの素を加えて食べると、もっとおいしく食べられる。しかしお粥といっても中国では雑穀のお粥が多い。中国のホテルに泊まるとき、せめてお粥でも思っていると(メインはマントウで、餡が入っていない小麦粉で出来た饅頭)、朝食に米のお粥が出ないところがある。

  北京あたりのお粥の食べ方は、日本の味噌汁の様に飲むものらしい。会社の食堂ではご飯も出るがマントウも出る。これを両方同時に食べる人が結構いる。中には右手の箸でご飯を食べて、左手にマントウ持って食べている人もいる。そしてスープであるがこれがお粥なのである。多くは雑穀のおかゆで、小米と言われる粟のお粥が多い。つまり二種類の主食を食べて、スープまでもがでんぷん質のスープなのである。この食べ方はに日本人の食べ方とは随分違う。これはご飯でもマントウでもどちらでもいけますよと言っているように思え、ますますお米には拘りが無いように思える。日本人が主食を食べるときは一種類だけで、スープとしてはでんぷん質のものはあまり使わない。そしてスープは少し塩味するもの(味噌汁のようなもの)で、けしてお粥ではない。このような主食の食べ方は、最近気が付いたことであるが、レストランでの食事や、家庭に入ってもご馳走になるだけでは、なかなか分からないものである。

  私にはご飯をおいしく食べる為にふりかけが欠かせない。これは日本から持ってきたものであるが、ここで安く買える卵を使って、生卵ご飯にして食べる。私が生卵を食べると言うと、中国人は気持ち悪そうな顔をする。中国人は生卵を食べないから気持ちが悪いものであるらしい。加熱したものでないと安心出来ない気持ちになるらしい。

  それも分かるような気がする。中国の食堂で食事をすると結構汚い。中国式の"木の切り株"式のまな板はどうやって洗うのだろうか。いつも心配になる。あの重いまな板は洗えるのだろうか。あれでは木の切り株の木目に沿って、生肉の切れ端が、めり込んだままになってしまいそうである。以前地方に旅行した時、乾麺を束ねてるのを見たが、直接コンクリートの土間の上で、計って束ねていた。こんな状態で作られた乾麺でも加熱してしまえば、問題は無いということになる。

  日本の味で美味しいのは醤油であるが、日本に居たことのある中国人に聞いてみると、日本の醤油も中国の物も同じ味だと言う。しかし私からすると大いに違いがある。香りからして違う。その醤油で味を付けて、冷凍しておいた納豆を、ご飯と一緒に食べるが、これも堪らない味である。日本の味の礼賛をしだしたらきりがないので、この辺でお仕舞いにするが、せめて家での食事は、日本の味にしたいのである。そうは言っても今日の料理はスパゲッティーで、これは北京の中心地にある友誼商店まで行って買って来たものである。これは日本式ではないが、これもまた美味しい。遠くまで行って買ってきただけの価値はある。

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