このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



カラオケの小姐から聞いた話
(12月21日)

① 今度の旧正月に、故郷に帰るのかと聞いたところ、決まったいないとの答えであった。故郷は成都の近くだそうであるが、もう二年も帰っていなのだとか。どうして帰らないのかと聞いたところ、兄が二人、姉が二人いて、皆結婚していて子供が居て、その子供にお年玉をあげなければならず、とても大変なので、帰る気になれないとのことであった。中国人にとって、旧正月にお土産も持たずに故郷に帰るななんて、トンでもないことの様である。それだから帰れないらしい。故郷を出たからには、故郷に帰る時、お年玉くらいはあげられる位にはならなければならないというプレッシャーは、とても強い様であった。中国の社会も古くからの考え方が残っていて、なかなか厳しいらしい。文化大革命で、旧思想を変えようとした試みは失敗に終った様である。もっとも古い文化遺産は沢山壊したらしいが。

② 恋人が居るかと聞いてみたとろ、恋人は居ないとの答えであった。どうして?と聞いたところ、今の若者は信用できない。"俺は金持ちで、これこれの仕事をしている"と言う人が多いが、実はでたらめで、信用できない人が多いのだとか。しかし私の会社の若者(全部が若者であるが)を見ても、そんなに信用できない若者が多いとは思えないないのだが。確かにテレビのニュースでは人を騙す人の多いのも事実である。このことと関係があるかどうか分らないが、新聞の結婚の広告を見てみると、次ぎのような数字が並んでいた。175、182、179、180、172、179、182、172、173、177。この数字は男性の背の高さの数字である。最低でも172cm。私の背の高さは172cmでどうやら結婚の広告を出せる背の高さのようである。しかし、我が社の社員(勿論中国人だけ)の背の高さは、平均的には私より小さい人の方が多い。そうすると、我が社の、私より背の低い人は、結婚の広告が出せないのだろうか。それとも新聞の広告は出鱈目なのであろうか。新聞の結婚の広告は確かに嘘っぽい。広告を見て180cmの人に会いたいと言うと、どのような展開になるのだろう。中国でも"三高"はステータスである。いや日本以上にこのステータスは威力がある様である。中国人はステータスに弱い(と思う)。それだけにステータスで騙せる(と思う)。背が高いことも日本以上に有難がられるようである。背の高さを誤魔化すくらいならご愛嬌であるが、もっと酷い騙し方もあるのだろうか。小姐の話では有りそうであった。

③ カラオケの小姐にビールと水割りとどちらがいいかと聞いてみたところ、ビールの方がいいと言っていた。その理由なのであるが、なかなか中国的な理由であった。ビールは冷たくても時間がたてば暖かくなる。しかし水割りには氷が入っているから、何時までも冷たいままである。それで水割りはあまり飲みたくないのだとか。やはり氷なんて冷たいものは、ある中国人にとってはあまり飲みたくないものらしい。まして冬に氷を入れた飲み物を飲むなんて、中国人の習慣には無いことの様である。このカラオケは日本人向けのカラオケなので、日本人向けにウイスキーの水割りを出すのである。ちなみに中国ではめったにウイスキーを売っていない。そして中国人はビールでも冬には冷やして飲まない人がいる。カラオケの小姐は、体にあまり良くないと思っている、冷たいものを飲んだりして、なかなか苦労している様である。

④ 小姐が、私がどこに住んでいるのかと聞いたので、北京郊外の黄村鎮に住んでいると答えたら、何で市内に住まないのかと聞かれたので、お金が無いからと答えた。そうしたら"お金が無い人はあると言う、お金が有る人は無いと言う"と言っていた。なかなか味のある言葉である。私の娘ならこんな名言は言えないと思う。中国にはやはり嘘を言う人が多いのだろうか。なかなか実感がこもった言葉であった。続けての質問で、毎日の通勤はどんな車に乗っているのかと聞かれたので、バスでと答えたら、信じられないと言った。外国人イコール金持ちとでも思っているのかもしれない。どうも中国では、お金持ちになったら必ずこうするというパターンが決まっているように思える。金持ちであるはずの外国人が、田舎に住んでいて、バスに乗って通勤するなんて、小姐の頭が混乱したかもしれない。そう言えばアーイー(お手伝いさん)がいるかとも言っていた。私は勿論金持ちではないのである。余談になるが、もし金持ちであっても、中国では自分で車を運転したくない。ここでは物凄い割り込み運転があたりまえであるから、中国で運転するのは怖い。

⑤ その小姐が私の顔に皺が無い顔と言っていた。そう言われれば、確かに私の顔に皺は少ない。それは肥った為である。決して自慢できる状態ではない。日本でならば、禿げて(私の額は毛沢東なみ)いてデブなのは、尊敬の対象はならないと思う。しかし中国では肥っていることが、日本より有り難がられるような気がする。そして老人を日本よりは尊敬してくれる。中国では中年で既に引退してしてしまっている人がとても多い。そして不思議なのは、5リットル入りの大瓶で食用油を買っていく人が多いにも係わらず、肥っている人が少ない。そんなことから、私が小太りの状態であって、年齢が高いにも係わらず働いていることなどから、元気そうに見えたのかもしれない。そう言えば中国の老人は着ているものが地味で、老婦人は化粧している人が少ない。小姐に誉められたような気もするが、カラオケ小姐のおせいじであったかもしれない。気をつけなければならない。

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