このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



今日は私の誕生日(3月31日)

  会社の女の子に、おめでとうと言われ、もう一人の女の子からはネクタイを貰った。中国のネクタイでも、高級のものらしくチャンと使えるものでうれしかった。この女の子は、私が日本を教えている子で、去年の日本語の二級試験に合格したとかで、お礼にご馳走しますと言われていた。しかしご馳走されるほどのことも無いし(いくら教えても本人が熱心でなければ上手にならない)、中国料理のご馳走と言われても美味くない(これはほんと)かもしれないので、"不要、不要"と言っていた。その代わりにネクタイをくれたのかもしれない。中国にしては高級感のあるネクタイであった。

  それにしても家族からは誕生日おめでとうのメールも無い。あまり長く中国に居るので家族からも忘れられてしまったのかもしれない。今日は一人で家に帰ってビールを飲んでもいいが、やはり誕生日なので、寿司でも食べに行こうかと思って、回転寿司屋に行った。ここで冷酒を飲む。もしかしたら中国で日本酒を外で飲むのは、初めてかもしれない。日本酒は部屋で飲んだことはあるが、大抵は外ではビールである。宴会の時はビールか白酒である。白酒は臭い酒で美味しくないので、一人の時は決して飲まない。

  本当はウィスキーを飲みたいが、ウィスキーなんて中国では、高級ホテルにでも行かなければ飲めない。そのときでもウィスキーの水割りを作るにはミネラルウォターを貰って自分で作るしかない。そう言えば日本人向けのカラオケとかスナックに行けば、もっぱらウィスキーの水割りで、ここではウィスキーが飲める。しかしこれは結構高い。町中ではウィスキーはめったに売っていないが、日本人向けだけにウィスキーの水割りがあるのかもしれない。

  回転寿司屋で飲んだ日本酒のことであるが、ほんとに美味しかった。久しぶりの日本酒だから美味しかったと言うわけではない。この酒は確かに美味しい冷酒だった。そこを出てほろ酔い機嫌でバスに乗って帰ったのも、これも始めてかもしれない。たいていは酔っ払うとタクシーで帰る。中国の公共交通機関には酔っ払いは殆んど居ない。酔っ払いが居ない理由はどこかに書いたと思うが、居たとしても中国の酔っ払いは、大抵誰かに介抱されている位、完全に酔っ払っている。公共の交通機関に乗って、必死に睡魔に対抗して、一人で家にやっと帰るような酔っ払いは、ここには居ないらしい。

  回転寿司の寿司についであるが、別の日本人に言わせると、あまり美味しくないと言う。しかしそんなことは無い。とても美味しかった。確かに北京の回転寿司の寿司は酢が効いていないし、ワサビも効いていない(中国人向けにはこれは禁物)。そしてシャリも日本の物と大分差がある。差があるどころではなく、何やら機械でご飯をこねている。そうは言ってもこれは紛れも無く日本の味なのであって、中国の味ではないのである。八角や小茴香(小ういきょう)、五香粉などの中国的調味料の味が付いていない。

  最近気が付いたことなのであるが、日本の中国料理と中国本場の料理との違いは、これらの調味料を使っていないことである。だから日本の中華料理は美味しいのだと思う。当然のことに、寿司にはこんな変な調味料を使っていないし、油だらけでもない。野菜の天婦羅も注文したが、油で揚げたにもかかわらず、カラッとしていて、油の感じはなくて美味しかった。鮭の寿司は魚のトロッとした味がして、これが特に美味しかった。この味を中国人に食べさせてもみたいが、生ものと冷たいものが嫌いな中国人に、無理に食べさせるのももったいない。それで一人で回転寿司を食べに行った。

  家に帰って、メールを開いて見たら、一人の娘から誕生日おめでとうと、メールが来ていた。まだ忘れられていなかったらしい。この歳になると、誕生日もおめでたくないから、おめでとうと言わなくてもいいのだが、誰からも言われないのもさみしい。

  
あまり関係ない後日談

  会社の女課長(係長ぐらいかな?)から、先日食べに行った寿司屋はどこ?と聞かれた。今日、チームの慰労会みたいなものがあって、回転寿司屋にメンバーを連れて行くらしい。この女課長は日本で働いたことがあるから、寿司は食べたことがあって、美味しいと言っていたが、他の大部分の若いメンバーは生の魚などは食べたことがないはずである。日本料理は高いし、量が少ないし(本場の中国料理は量が多いことを誇っている)、味が頼りない(香料を使っていなくて、味が薄い)し、それに生もので、冷えた食べ物なんて気持ちが悪いはずである。私にすれば、日本料理は値段の割りには、満足感がないと思うので、女課長がこんな慰労会を考えたのも珍しいことである。当社は日本向けの仕事をやっているから日本との関係は大いに有るのだけれど。まあ、珍しい物を食べてみるくらいの価値はある。

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