このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
中国では犬の肉を食べる。特に東北地方では多いようである。漢族の中国人に言わせると朝鮮族はよく犬の肉を食べるという。確かに吉林省などは朝鮮族が多いところである。犬の肉を食べようというときには、朝鮮族の店に行けばたいていはその料理が食べられた。しかし漢族も犬の肉はよく食べていた。 犬肉料理の店先に、"活狗"と書かれている看板を見かけることがある。"活"は活きていると言う意味で、"狗" は犬と言う意味である。犬と魚の違いはあるが、日本料理の店の看板にある "活魚"と同じである。犬の場合は食べる直前に締めるわけではないが、殺したばかりの新鮮な犬肉ということであるらしい。"活狗"と看板に書いてある店では新鮮な肉を手に入れる為に、活きた犬を購入して、店の裏で締めて肉にするらしい。私は殺す現場を見たことはないが、売買の現場は見たことがある。活きている犬を太い竿秤につるして重さを計り、値段を決めていた。犬というものは、そのようなときでも人に対して愛嬌を振りまくものらしい。盛んに尻尾を振っていた。殺した犬は木の枝とか電柱に吊るして、バーナーで毛を焼ききる。そうして皮までも食べるのだとか。 私が居た招待所でも、どこからか活きた犬を縄に繋いで引張ってきて、仕入れてきた。その後、一週間位は犬の肉が出た。犬の肉は何回か食べるてみると、その特徴がよく分かる。肉は裂きイカほどではないが縦に裂けやすいのですぐ分かる。味は特別癖があるわけでもなかった。しかし毎日食べるというものではなく、特別に食べる食べ物のようで、犬の肉の効能というのがあり、精がつくとか、滋養に富むとか、妊婦によいというもののようであった。 以前の中国の都会では、犬猫の飼育は禁止されていたようであったが、最近はようやく愛玩用の犬、猫の飼育が許されるようになったらしい。とは言っても中国の住宅事情からして、大型犬の飼育は難しいらしく、大型犬は殆ど都会では見かけない。その都会の愛玩用の犬が食糧になるかというとそうではなく、食用になるのは、シェパードのような大型犬が多かった。それを育てる為の養犬場が特別にあるわけではなく、農家の庭先に放し飼いになっているものを、仲買人が買い集めてくるらしい。国道で郊外に出ると、トラックの荷台に積まれたゲージの中に、一杯に詰め込まれた4,50匹の犬を見たこともある。 中国ではゲテモノはよく食べた。安くて滋養に富んで、何時でも食べられるものは蚕の蛹であった。 |
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